生きるということ。疑うということ。進むということ。

あまりにも、たくさんの様々なものが津波のようにバーっと、僕の内面に押し寄せてきた一日。
ICUで行われた堀江有里さんの講演会とその後の交流会での時間の濃度と強度は、現在の僕のキャパシティーを完全に越えていた。一気に流れ込んでくる様々な情報や、様々な人々の発するエネルギー。言葉として交わされ、存在として対面し合う個々人それぞれの思い。それらを今まで想像出来ていなかったり、気付けていなかったり、考えることをしていなかったりした「これまでの自分のあり方」について猛省したくなる気持ちが、沸々と湧いて来るのを感じた。

「レズビアン」であることと「牧師」であること。その二つを引き受けながら生きるということが、いったいどういうことなのか。堀江有里さんを目の当たりにするまで、僕はそのことを「理解できるのかどうか」と自分に問いかけていたように思う。
しかし実際に彼女に会ったことで、「理解する/しない」のレベルを越え、彼女という存在がそのまま僕に問いかけてくる「新たな問いの多さ」に身震いがするほどの気持ちの高揚を感じた。 彼女は「正解」を疑う。何に関しても「固まる」ことを拒否して現実の中でまみれながら、常に「考え続けること」を選択する。ちゃんと生きているのだ。人として、真摯に「この世の中」から逃げずに向き合っているのだ。
「シンドイでしょう」とか「もっと楽に生きればいいのに」とか、外野からの声もたくさん入ってくるだろう彼女の生き方。しかし僕は彼女のように「本当に生きている人」を応援する。その存在を知ることが出来たことに感謝する。そして、自分もそうありたいと心から思った。
人に、本当の意味での「生きる希望」を与えるものは、上っ面な「言葉」などでは決してなく、真に生き生きと生きている人の「存在」そのものなんだと思う。→FC2 同性愛Blog Ranking
コメント
LGBTとキリスト教
わたしもMtFの牧師の先生の講演も聞いたことがあって、しかも小さい教会だったので先生ともたくさんお話が出来ました。
多くの差別事件があったようで、そのことについては大変な思いもたくさんされたようです。
わたしの場合、どっちかっていうと宗教メインのお話だったんですが、風当たりの強い中で信念を貫き、だけどそれで変に攻撃的になったりしない先生の姿に学ぶべきことは多かったと思います。
おんもしろかったですー、講演会+交流会(残念ながら飲みの方にはいけなかったわけですが)。飲み会の方はいかがでしたか?
皆さんのお話というか存在感そのものが強烈で、気づいたら自分の疑問は解決できないまま帰ってきてしまってちょっと後悔;; 近いうちに堀江さんにメールしようかなあと考えております。akaboshiさんにもメールで個人的にお話させていただければよいかなあとも。
初めての人・場ではみょーに挙動不審になる人間でして(ずっと前から心惹かれていた場合はなおさら。好きな作家さんとお話しする機会があったときもそんな感じでした;)、睡眠不足もあり(笑)、ハイな状態でご迷惑をおかけした(ご不快に思われた方もいらっしゃる)かも知れません…申し訳ないことです。つくづく人間関係のスキルが足りない(場数の足りない)人間だと思います。
>キャパシティーを完全に越えていた
私もそんな感じでした(笑) 特に自分は講演会前にもいろいろ面白おかしいことを体験したばかりだったので、脳みその情報処理限界を超えてしまい、その日は(電車で爆睡したあと)ひたすらその数日間に起こったことを反芻しておりました。
つくづく自分には知らないことが多いなあー、世界って知らないことばっかりなんだなあー、ということを実感しました。
もしかして、キリスト教徒も、日本におけるマイノリティーの一つなのかも、とつらつら考えつつ、身近にクリスチャンの友人がいたにもかかわらず(今は連絡とっていませんが)無知であった不明を自覚いたしました。
正直自分は信仰を自覚的に持つことはないだろうと思いつつ、理解は出来ないけど、理解しようとし続けたい(信仰そのものよりも、それが社会に与える影響、社会がそれに与える影響には興味がある人間です)と思います。
ついでに、聖書が同性愛を禁じているのか、ということについて。堀江さんがおっしゃっていたように、聖書は矛盾をたくさん抱えた書物であり、禁止事項の中には現代人が到底守れないような事柄が多いとか。そういったことは、他のセクシャルマイノリティの方のブログで目にしたことがあります。
堀江さんの著書と講演に関しては、わたしも自分のblogに書きました。
よろしかったらご参照くださいませ。
お会いできて、嬉しかったです。たくさん力をありがとう。
あやしいコメントですが、なんだか文章を読ませてもらってじ~んと来たので、ひとこと・・・でした。
またお会いできることを楽しみにしています!
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