フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-11
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「VOICE 07 FINAL」●PLAYレビュー

 今年で10周年。ゲイ・コミュニティーに向けてHIVの予防啓発、あるいは感染者への差別意識撤廃を呼びかける主旨で開催されてきた『VOICE』。そのファイナル・ステージが1月20日(土)に四谷区民センターで行われました。
「VOICE 07 FINAL」公式サイト
ぷれいす東京公式サイト(主催団体)

 僕がLGBT絡みの活動に興味を持ち参加し始めたのは、ごく最近のことであり昨年5月の「Act Against Homophobia」以降です。ゲイ雑誌を買う習慣もなかったために、このイベントの存在を昨年までは全く知りませんでした。でも「今まで知らなかった」ということを後悔する位、素敵な時間を過ごすことが出来ました。

 入場できるのは「男性のみ」というクローズドなイベントではありますが、近年特に人気が高いらしく、誘ってくださった合唱団に所属しているゲイの方によると「昨年は入場制限も出た」ほどだそうです。彼のアドバイスに従って早めに出かけて開演30分前には会場に着いたのですが、会場前のエレベーターホールは既にぎっしりと、見るからに「ゲイっぽい」人たちで埋め尽くされていました。僕はやっと最近そういう場に居ても緊張しなくなっては来たのですが・・・なんなんでしょうかね~あの独特の雰囲気はっ!(笑)。みんなどことなく華やいだ表情で、視線が挙動不審気味なんです(爆)。

 これはパレードの時にも感じることなのですが、やはり僕らって日常生活ではまだまだ、感覚的に「孤立感」を抱え込みやすい環境で過ごしている人が多いので、多くの仲間が実際に目の前にたくさんいる環境っていうのは気持ちが高揚してしまうようなんです。もし、これが日常風景になったとしたら、何とも思わなくなるのでしょうけどね。

 ホールの中に入ると既に席はほとんど埋まっていましたが、僕は一人で行ったので中央あたりの見やすい席に座ることが出来ました。ホッとしながら入り口でもらったパンフを取り出してみてビックリ。お・・・尾辻さんが満面の笑顔を浮かべているフライヤーが挿みこまれているではありませんかっ!。このチラシについては「VOICE」にスタッフとして参加されていたブログ友だちのsakuraさんも衝撃を受けたようで、休憩時間に挨拶に行った時に、まず交わしたのはその話題でした(爆)。

●sakuraさんのブログ「ヒゲとホルン」に、スタッフ目線からのレポートがあります。
 →思い起こされる半年前の論争とか。
 →ホールイベントへの想いと極私的なイベントとか。 

 また、公式パンフレットには10年間の『VOICE』の歴史が紹介されていたのですが、なんと第一回は「お楽しみ演芸会」というタイトルで、1997年に新宿のビブランシアターで開催されたそうですよ。かつての素朴で小さなイベントの頃に出演したり観に行った方々にとって、今日という日を迎えたことは感慨深いものがあるんだろうなぁと思いました。

 1997年といえば東京でレズビアン&パレードの開催が数年間にわたって途切れてしまっていた頃。その間、多くのゲイたちに「毎冬恒例のお楽しみ」として親しまれて来た功績は多大なるものがあるでしょう。「HIV予防啓発イベント」というと堅苦しくて真面目なものを連想しがちですが、エンターテインメントとして楽しく見せながら、いつの間にか大事なメッセージも伝えることが出来る独自のスタイルが確立され、人気を博してきたようです。しかも驚いたことにこのイベント、出演者たちは皆さん「ボランティア」だそうですから、毎年開催し続けるのは本当に大変なことだったろうと思います。よくぞ10年も続いたもんだと思います。

 さてさて。開演前のザワついた客席では、ゲイカップルが数多く見かけられました。僕の両隣に座っていた方々も、会話から察するにカップルらしかったので、パンフレットを読む振りをしながら彼らの話に聴き耳を立ててしまいましたぁ~(←怖っ!笑)

 左側に座っていたカップルは、どうやら毎年のように『VOICE』を観に来ているらしく、これまでの思い出話に花を咲かせていたり、客席にいる知人を見つけては、その人についての噂話を「いろいろと」繰り広げていました(爆)。右側に座っていたカップルは、一人がエスムラルダさんのファンらしく、これまでに何度もショーを見ているとのこと。その相方さんはどうやら「はじめて」見に来たらしいので、懇切丁寧に説明をしてあげていました。それにしてもゲイの皆さんって見た目は男っぽくキメていても、喋り始めると物腰柔らかで・・・そのギャップが僕にはまだ、衝撃的ではありますっ!(←お前もその一員だろっ!笑)。


 では。Sakuraさんの記事構成を真似させていただき(笑)演目についての感想を少しずつ。

1)弦楽合奏団divertimento
・「四季」より「春」
・「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」


 幕が開いた途端ゲイの楽団が演奏しているという、ただそれだけの事でジワ~っと来てしまう僕って・・・まだまだピュアなんだなぁ~と自己観察をしてしまった幕開けの瞬間です(笑)。ガチガチに緊張しながらも懸命に演奏している楽団の人々が健気で、高校球児のような爽やかな風が舞台から吹いて来るかのようでした。

2)Barエスム
 突然、嵐のSEが入り、客席後方からフリートークをしながら「ママ役」のエスムラルダさんと「従業員役」のべーすけさんが登場します。舞台にセッティングされたゲイバーのカウンターで二人が接客するという設定なのですが、フォーマルなドレス姿のエスムラルダさんと、タキシードでキメたべーすけさんの、期待通りの毒舌トークが「クイアな感じ」を醸し出します。
エスムラルダさんはGAKU-gay-Kai2006で尾辻さんと一緒にテコンドー演武をしていたドラァグクイーンです。

3)マルガリータ 
 客席から「お目当てのゲイ」をピックアップして、いじりながらの進行を予定していたらしいのですが・・・最前列に座っていた人が「お相手」として自ら立候補し、場慣れした様子でホイホイと喜び勇んでステージに上がったもんだから大変な展開に(笑)。動揺しながらもマルガリータさんは機転を利かせて笑いに繋げます。「この人、仕込んでいたわけじゃないのよっ!」と客席に説明し、本気で焦っている様子がスリリング。ついに「お相手さん」はマルガリータさんに向かって「来て。」と言いながら股をおっぴろげたり、かなり際どい挑発を行います。スリル満点の危険な大爆笑場面となりました。

4)G.O.Revolution
 続いてバーに現れたのは、アフロ・ヘアーの大きなかつらをかぶったG.O.Revolutionさん。カウンターでクイーンのボーカル「フレディ・マーキュリー」についてのトークを繰り広げた後、自身がマーキュリーになってパフォーマンス。かつらを脱ぎ去り、派手なコスチュームを脱ぎ捨てて全身白タイツ姿になり、男根を象った小道具を持ち出したりして笑いを取りながら、ゲイでありエイズで亡くなったマーキュリーへのオマージュを捧げます。表現者としての尖り具合や、内面から湧き出るマグマの噴出度合いにおいては「ピカ一」の毒気に満ちたパフォーマンスだと思いました。彼は「Junchan」というペンネームで現在、AllAbout同性愛で「かるナビ」を執筆したりもしています。 内容が充実していて読み応え充分で、僕は彼の文章のファンです。

●All About同性愛「Junchanのかるなび」より関連記事
 →第15回 二丁目から世界に発信する「Living Together」
 →第18回 HIVと共に生きるあたたかなコミュニティ
 →「かるなび」記事一覧ページ・・・ほかにも関西レインボーパレードやGAKU-gay-kai、「VOICE」について等、ゲイ・カルチャーに関する詳しい情報が満載ですよ。

5)NONOCHIC
 G.O.Revolutionの流れを引き継いで、クイーンへのオマージュをダンス・パフォーマンスとして繰り広げていました。とにかくみんな格好いいし表現力が本当にスゴイ。しかもパワフルでエネルギッシュで、一人ひとりのダンサーたちが、ちゃんと輝きを放っている。プロフェッショナルなダンス・チームでした。
NONOCHIC公式サイト

6)スキンエコー
・「クィーンメドレー」
・「思い出すために」より「種子」
・中島みゆき「誕生」
 
 休憩を挟んで最初に登場したのは男声合唱団「スキンエコー」。今回、僕が最も心を惹きつけられて感動したのは、彼らの純朴な合唱でした。みんな思い思いの服装で、はにかんだ表情で歌っています。その等身大で素朴な「素人っぽさ」が最大の魅力なのではないかと思いました。マイクを通さず肉声だからか、歌声からストレートに彼らの「体温」のようなものが感じられるのです。選曲もこの日の流れにぴったり。歌詞の言葉を丁寧に、一つ一つ語りかけるように歌っているので、聴き手の心に真っ直ぐに伝わって来る感じです。聴きながら何粒か涙が零れました。

7)エスムラルダ
 金子ゆかり「再会」に乗せて繰り広げられた、エスムラルダさん独特の「怨念に満ちた」ドラァグ・ショー(笑)。別れた男への恨み節を、グロテスクに表現していました。その土着的な日本的な精神世界を感じさせるドラァグぶりは、独自の境地を切り拓いていると思います。ちなみにエスムラルダさんは、ショーを含めて何度もめまぐるしく衣裳を着替えて登場し、まるで紅白歌合戦の紅組司会者のようにゴージャスに、我々の目を楽しませてくれました。

8)Barエスムでのリーディング
 「ぷれいす東京」代表の池上千寿子さん、音響スタッフのしんやさん、陽性者団体ジャンププラス代表の長谷川博史さんが次々とバーを訪れ、エイズ陽性者の手記をリーディングしました。カウンターに座ってリラックスした軽いトーンでのフリートークの後に、きっちとしたリーディングが行われる。BGMはべーすけさんの、本格的なピアノ生演奏。その構成・演出のさじ加減が絶妙で、飽きずに聴き入ることが出来ました。特に長谷川博史さんの独特の語り口によるリーディングと「シャボン玉」の歌は、彼にしか醸し出せない渋くコクのある味わいだと思いました。存在そのもので、舞台の時空間を「持たせる」ことが出来る人。すごい表現者をまた一人、知った喜びを感じました。

9)メロウディアス
 リーディングで高まった感情的な濃度を引継ぎながら行われたドラァグのパフォーマンスは、ビジュアル的な「見せ方」が実に巧みで洗練されていて、エデンの園に迷い込んだかのような夢見心地と共に、そこに至るまでの哀しみや苦しみが「浄化」されるまでの過程を想起させられる、突き抜けた表現世界でした。こうした構成・演出を組み立てられるステージングの素晴らしさに、正直驚きました。 

10)コラボレーションショー「Seasons of Love」
 出演者全員によるメドレー形式のパフォーマンスが、フィナーレを飾りました。「RENT」の主題曲をベースに歌・演奏・ダンス・照明・音響が融合して「VOICE FINAL」のメッセージ性を際立たせます。客席からも手拍子が起こり、「ステージ世界と気持ちを一つにすることの出来る」ショーでした。


 めくるめくショーが終演し、観客席が明るくなった時。右隣に座っていたカップルが交わしていた会話が印象的でした。
「すごかったねぇ~。これは東京でしか味わえない世界だねぇ~」
「そうだねぇ・・・誘ってくれてありがとね。」

 彼らは地方出身の学生か、働き始めの会社員か。きっと単身で上京し、たまに新宿二丁目に通いながら「自分の中のゲイ」を解放して楽しんでいる渦中にあるようです。それまでは雑誌の中でしか見ることが出来ず、まぶしく感じていたであろう「東京のLGBTカルチャー」に触れて存分に楽しんでいるのでしょう。

 「VOICE」という形でのイベントはこれで一区切りだそうですが、今後はさらに発展した形で開催され続けるようです。コミュニティーとしてのカルチャーの分厚い蓄積が感じられた今回の舞台成果をぜひ継続させ、より大きく開かれたイベントとして成長を遂げて欲しいです。
 現在は「男性オンリー」に限定されている観客を、幅広く開かれたものにするのも一つの方法かもしれませんし、「ゲイ」だけではなく「LGBT」に枠を広げたパフォーマーが交流し合える場として発展する道もあるかもしれません。せっかく積み上げてきた経験の蓄積を生かし、新たな世代が加わりながら、人と人とが「表現する」という志を持って出会い、交流し合える場として今後も存在し続けて欲しいと思いました。FC2 同性愛Blog Ranking
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コメント

この記事へのコメント

ご来場ありがとうございました

もしかしてお越しになっているかも、という期待はあったのですが、再びお目にかかれて嬉しかったです。ご来場ありがとうございます。

今後のイベントの方向性はするかしないかを含めまだ未定なので、開催するとしても少し準備期間をいただくことになるとは思うのですが、根がイベンターの僕は何もしないのもまた寂しいので各地の啓発イベントに関わっていくことになると思います。
是非折々のイベントでまたお会いしましょう。
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