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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-05
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これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル17●最終回。さらなる「可視化」へのヒント

 17回にわたって連載してきましたシンポジウムの模様ですが、今回が最終回です。まずは及川健二さんへの質問と回答から。

「フランスが、特に同性愛者に好意的な国であるとは言えないと思う。同性愛者は、数あるマイノリティーの中の一つでしかない。フランスでは、上川さんのような政治活動が行われる可能性は非常に乏しいと思います。また、フランスの統計は必ずしも現実を反映するものではない。もともとアンケートに答える人は特権階級がなぜか多い。むしろ、現実の市民の同性愛者に対する感覚は「無関心」だと思う」

 及川さんの返答です。

  
これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST

 続いて宮台真司さんに対しての質問です。

「僕は多様な生き方が認められる社会になってほしいと思うのですが、そのためにも、上川さんのようにカミングアウトをしたり、今回のシンポジウムのようなものを開いたりして広くアピールしていくことが大事だと思います。しかしカッコ良さで社会が変わっていくことは、ある意味危ういことだとも思うんですよ。カッコ良さによって、ネオナチみたいな流れになってしまうことだって有り得るし。そこらへんについてはどのようにお考えですか。」

 宮台さんの返答です。(テープの残り時間が切れそうだったので「長時間モード」に切り換えたため映像に乱れがあります。ご了承ください。)

  
これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST

 実存の問題と、社会的公正の問題を分けて考えることが「成熟」ということ。なろほど。

 今回のシンポジウムは話されていた内容もさることながら、及川さんのイベント創出能力が素晴らしいと思いました。事前のPRから人選、そして当日の進行に至るまで本当に戦略的であり、刺激的な「場」を創出することに成功していたと思います。参加者相互にとっても貴重な交流の場になっていましたし、こういうの、どんどんやるべきですね。

 僕個人にとっても、たくさんの「きっかけ」を与えられた場でした。上川あやさんとの出会いがありましたし、石坂わたるさん、赤杉康伸さんの「当事者としての政治参加」への動きを心から応援したいと思うきっかけにもなりました。そして、会場に来ていたライターの永易至文さんと影坂狩人さんとも、はじめて言葉を交わすことが出来ました。

 2007年はフランスだけではなく日本の政治も大きな変革の時を迎えます。日本のLGBTにとってもいよいよ、「コミュニティーとしての戦略的思考能力」が試される時が、確実にやって来ます。

「これからの多様な性&家族&ライフスタイル」各記事へのリンク
01●パネリスト紹介
02●パートナーシップ制度と日本~石坂わたるさん、赤杉康伸さん
03●及川健二さん①虹色の社会~フランス同性愛事情
04●及川健二さん②いよいよ来年フランスで
05●大河原雅子さん~私のマニフェスト
06●宮台真司さん~家族とは。そして本当の「保守」とは
07●上川あやさん~街の人は、私を放っておかなかった
08●「時短の旗」を再び~大河原雅子さん
09●多様性フォビアの克服のために~宮台真司さん
10●有権者として見られていないLGBT、そして足の引っ張り合い~石坂わたるさん・赤杉康伸さん
11●可視化のための条件~宮台真司さんからの一言
12●モデルケースの創出を~永易至文さんのコメント
13●当事者議員に増えてもらいたい~菅伸子さんの感想
14●他の立場の人々との連携の秘訣~上川あやさん
15●イスラム教・キリスト教についての質問~及川健二さんの回答
16●ネットメディアの影響力、匿名の功罪~石坂わたるさん/顔の出せる当事者から動こう~赤杉康伸さん


 日本のLGBTにはまだ「当事者が発信する映像メディア」がありません。既存のマスメディアによるセンセーショナルで歪んだLGBTイメージを払拭するべく、これからも機会があれば、こうした形でLGBT当事者にまつわる情報を発信して行こうと思っています。

 もし撮影&Web公開が可能なイベント・シンポジウムがある場合にはぜひ、ご連絡ください。都合のつく限り撮影・公開させていただきます。FC2 同性愛Blog Ranking


mail→akaboshi07@mail.goo.ne.jp
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コメント

この記事へのコメント

ご苦労様!そして、ありがとう!

akaboshiさんへ、17回にわたるシンポジウムの連載、地方に住む者には大変良い刺激になりました。このようなシンポジウムに身近に参加できるなんて東京人に少し嫉妬!しております。連載については、akaboshiさんご自身も大変なご苦労があったと思いますが、その苦労よりakaboshiさんの一歩前に進もうと言う気持ちの方が強いんでしょうね!
時には熱く!過激なブログになってもいいじゃないですか!もっとも私のような50代半ばの者には、ついていくのに必死ですが。連載御苦労様、そしてもう一度 『ありがとう!』

●涼さん。

この連載、全部載せるまでに3週間もかかってしまったので
申し訳なく思っている程なんですが・・・恐縮です。ありがとうございます。
シンポジウムでは、僕はただカメラを廻していただけなので何もしていないんですけどね(笑)。

本当に及川健二さんの企画力・行動力、そしてパネリストの方々の
日頃の活発な活動ぶりが垣間見れて、
僕としても大いなる刺激を受けたシンポジウムでした。

石坂わたるさんの発言にもありましたが、僕らは日常と「ゲイ」としての顔を使い分けて
「匿名」ですごしている部分が多いので、
こういうリアルな場で「顔を付き合わせて交流すること」の必要性を痛感します。

ネット上の「言葉だけのやりとり」というのは、あくまでも「言葉」でしかありませんからね。
言葉だけで終わってしまうような不毛な議論にエネルギーを割かれたくはないですし、
やっぱり実際の行動に結びつけながら、いろんなことは語られるべきだと思います。

だから、顔を出して実名で実際に行動している人たちは本当にすごいですよ。
日本は、まだまだ「それだけでもすごいこと」だと言えてしまうレベルにあるんだという認識を、
匿名で過ごしている者(僕も含めて)は忘れてはいけないと思います。

実名で行動している彼らは、匿名で行動している僕らよりも確実に
「何かを越えているんだ」ということ。

最近、そのことの「すごさ」を強く感じます。
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