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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-09
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LGBT可視化に向けて041●「LGBTの人権に関する声明」に賛同しない国に生まれて

 12月最初の週末。

 国際エイズデーと同じ時期にジュネーブで「人権理事会」が開かれ、ノルウェー政府が「LGBTの人権に関しての声明」への賛同国を募っていたのですが、日本政府は加わらなかったとのこと。
●尾辻かな子活動日記より
人権理事会におけるノルウェーの声明に日本政府も賛同を!
日本は声明に賛同せず。
人権理事会、ノルウェーの声明
人権理事会、NGO共同声明

 僕はこの件を知った時・・・ぶっちゃけ「人権理事会ってなに?」と思って調べてしまったのですが・・・(情けな~)今年の6月に出来たばかりの「国連の補助機関の一つ」なんだそうです。
国連人権理事会(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 それにしても、なんなんでしょう「人権」っていう言葉に絡みつく「お硬いイメージ」はっ!。やたらと小難しい漢字が並ぶような意味がわかりにくい文章の中で用いられることが多いもんだから、感覚的に「うわっ・・・」と一歩引いてしまうのは僕だけでしょうか。

 永易至文さんの本『レインボーフォーラム』には、「そうだったのか『人権』って」と題して評論家の関廣野さんのインタビューが載っているのですが、
「宗教戦争のなかで、自分と他人の違いを理由とした殺戮を終わらせ、どうやって平和をつくり出すかという施策のなかから生まれたもの」

だという説明があります。(この時点でちょっと小難しい。笑)

 もっとわかりやすく言うと
「自分がしてほしくないことは人にするな」
という「他者への想像力」をもとにして制定された権利なんだそうですよ。これならわかる(笑)。

 選んで同性愛者になったわけじゃなく。

 LGBT差別が行われる背景には、無知と想像力のなさによる「大いなる誤解」があると思います。つまり同性愛って「好き好んでやっている趣味のようなものだろう」という誤解。だから矯正すれば治せるだろうという発想をしてしまうわけです。でもねぇ。「差別」されてて生きにくく、親に告白もしにくいような境遇を、わざわざ自ら好き好んで選ぶ奇特な人って・・・果たして全人口の数%~10%も、いるもんなんでしょうかねぇ~(爆)。

 「異性愛者」が、自分の意思で望んで異性愛者になるわけではないのと同じように「同性愛者」も望んで同性愛者になっているものではない。本人の意志には関係なく、そうなってしまう「性向」なんです。だから「同性愛者」だということが理由で罵られたり制度的に差別されたりするのは明らかに人権侵害。だって「異性愛者」だということが理由で罵られたり制度的に差別されたり、いじめられたりは決してしないわけだから。

 今回の一件で日本政府は、残念ながら「不勉強ぶり」を国際社会に露呈してしまったようです。普段やたらと顔色を窺っているアメリカでさえ今回の声明には賛同したというのに。しかもアジアでは韓国も賛同したらしいですし。

 外務省の担当者は「やばっ・・・アメリカも韓国も賛同したよ・・・どうしよう~」と悩んだかもしれませんが(頼むから悩んでいて欲しい・・)、きっと「とりあえず今回は触れないでおくことが無難だろう」と見送ったのかもしれません。だって現在、国レベルにおいては同性愛者の人権を保障する法律が「一つもない」わけですから・・・。つまり賛同・不賛同どちらにしても、根本的に国連の場で「恥ずかしい状況」であることには変わりがないわけですが。

 法律で保護されていないということは・・・

 そういえば先日行ってみた六本木ヒルズでの「就活フェア」の席でリーマン・ブラザーズ証券の方が言っていたのですが、
今の日本には
職場で「ゲイが理由でクビ」になったとしても、それを罰することの出来る法律が無い
らしいです。人権が認められていないということはつまり、そういうことなんだそうです。・・・「マジかよっ!」と驚いてしまいました。

 現状維持を希望していたり「目立ったことをしないで、そっとしておいてほしい」と言っている当事者の発言をネット等でよく見かけますが・・・果たして、このことを知っているのでしょうか。(僕は知らなかった・・・。)FC2 同性愛Blog Ranking
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コメント

この記事へのコメント

うふふ(^^;;

おぬしだって、ちょっとまで「普通なんだから、わざわざカミングアウトするなんて!」みたいなことをおっしゃっておったじゃないですかw
一旦、そこを抜け出すと、いろいろと楽になるわけですが、そうできない輩もこの世にはゴマンといらっしゃるわけですね。
そういう層にどうやってアピールするのかですよねえ。

一応、ゲイであることを理由に解雇されたら、裁判すりゃあ勝てますよ。
それはアカーの府中青年の家裁判で人権問題としての判例もあります。

問題なのは、もしゲイであることが気に入らなくて解雇したとしても、他の理由をつけちゃったら分からないということです。

日本ではなぜか90年代のあれだけの動きの中で、法律一つ作れなかった。
やっと出来た条例はさっそく改悪されていっているわけです。
そうやって、単に盛り上がってお祭りやってそれだけでいいんですか?ってことですよね。

はじめまして。コメントさせていただきます。nodadaと申します。むー、さすがです。お仕事しながらもLGBT関連について自分視点で勉強なさってるとは。尊敬です!映像の方もちょくちょく見させてもらってます。(無知な私には勉強になります!)
確かに法律で同性愛を保護する姿勢がないと具体的なところで行き詰まりそうですよね。しかし、YOUTHTALKでも言われてたように、ちまちま戦略もありですし、多角的に攻めて行きたいところですね!勿論連帯結束を固めることも同時進行で。
あと、差別を恐れながらわざわざ同性愛を嗜好するひとってなかなかいなさそう^^;
ただ、私は実際セクシャリティなんて指向ってだけでは説明できないと実感してますし、実を言うとセクシャリティなんて嗜好でもいいんじゃないか?とも思います。少し気をつけなければならないのは、嗜好が指向より下劣な物、みたいな更なる差別性には配慮しなければならない。と感じてます。嗜好で同性愛を“選んだ”って差別されるいわれはない訳ですから。とにかく勉強になります。また覗かせていただきます。

●玉野真路さん。

あっ、「リブ釜」って言葉を教えてくれた玉野さんだ(笑)。
かつて僕が「カミングアウトは必要ない」って言ってたのは、
ちょっと先読みが激しすぎたというか、言葉足らずだったというか・・・。

やっぱり「カミングアウト」って本来は必要ないはずなんです。
同性愛が「当たり前に存在する」とされる世の中においては。
(かつての日本のように、「異性愛」「同性愛」という概念が別れていなかった時代には
同性を好きになっても世間にそれを「告白」する必要など、なかったわけであって。)

しかし現実問題、今は世の中が同性愛を勝手にタブー視しているもんだから仕方なく、
わざわざ重圧をはねのけて「カミングアウト」をして存在を認知させなければならない時期。
この時代に生まれてしまった者の宿命でしょうね。

ただ、僕らの世代が頑張って認知させ、人間本来のあり方として復権させれば
別に世の中に合わせて「カミングアウト」なんてしなくてもいい時代が来るはず。
同性愛って「変わってる」ことでもなんでもなくって、
太古の昔から存在し続けている人間本来のあり方なんだから。

そういう意味で僕らって、「復古主義」なのかも、実は(笑)。

あと、よく思うのがどうして日本のLGBTには現在、
かつての「アカー」のような政治的な運動も強力に出来る団体が
継続して存在していないのかということ。

どうして継続できなかったのか。その理由はなんなのか。
どうして価値のある&意義のある活動が「散発的に」しか行われずに
現在にまで至ってしまっているのか。すごく関心があります。
そこが「ボランティアとしての活動」の限界なのかもしれませんが。

やはり社会的・政治的に、ある程度の「発言力」を持った組織が存在し続けていないと
力の均衡が取れませんし、負けてしまうと思うんですよね。
どうすればLGBT主体でそういった
「政治的な力を持った組織体」のようなものを存在させ、継続できるのか。

せっかくゲイのネットワークは多業種に渡って幅広いわけだし
「異性愛しかないと思っている社会に一石を投じたい」という強い理念で
結び合うことは可能なんだから
そろそろ、現実問題として「継続するためのシステム」を
構築しなければならないのではないかと思います。

●nobadaさん。

はじめまして。

「指向」と「嗜好」の違いがどうのっていうのは言葉の問題であって、
そこを言葉だけで論じることに僕は、あまり興味がありません。

ただ、人を好きになるとか「この人とずっと一緒にいたい」と思うのって、
僕の感覚では「趣味」と捉えられることには抵抗があります。
「趣味」と捉えられているから法的に保障する必要はないと勘違いされている。
同性愛を語る際には、そこが大事なポイントではないのかと思いますよ。
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