中村中の歌世界008●nonsexual宣言。嘘からの解放

★日経エンタテインメント ! 2006年 11月号
-変声期を境に自分の声が嫌いになり、ピアノに向かったのが音楽活動の始まりとか。
●「そうですね。自分の声は嫌いだけど、音楽の仕事をしたいと思っていたので、ピアノ、ギター、ドラムなど楽器は一通りやりました。ドラマーとしてバンドを掛け持ちもしていましたし。」
-中村さんは「男という自覚はなく、女としての実感もない」とする表現が公式サイトにありますが、それは率直な心情?
●「GIDの人は、男の気持ちも女の気持ちも分かって便利だね」と時々言われます。でも私は「えー、そうかな」と思ってしまう。どちらかというと、両方ないというほうが近いんです。」

そういえば、彼女がはじめて公にGIDであることを公表したLGBTカルチャー雑誌「yes vol.4」の表紙には、「nonsexualを告白」という表記があります。
★ 「yes」オフィシャルサイト
でもこれって実はすごく真っ当なことを言っているのではないかと思います。そもそも「男という人格」だとか「女という人格」があるわけではないのですから。人は皆、自分という「個人」としての存在以外、何者でもないのですから。彼女の言う「ノンセクシャル」とは、既成の「○○らしさ」に自分のキャラクターが当てはまらないということを意味しているのではないかと思われます。

中村さんがカミングアウトして、こうしたことを自由に語れるようになったということは彼女を「嘘」から解放することに繋がっていると思います。カミングアウトしなければ、こうした雑誌のインタビューでも、例えば恋愛の歌について語るときに「この歌は男女の恋愛について・・・」とか、マジョリティーの男女観に合わせた「嘘」をつき続けなければならなくなりますから。(実際にそうしている同性愛者の歌手もいるでしょうね。)それはきっと、彼女の性格では耐えられないことだったのでしょう。以下、「yes vol.4」より記事を抜粋します。
-これまで、プロフィールを謎めいたものにして来たのは、ひとりのシンガー・ソングライターとして、まず作品を聴いてほしかったからだ。けれども、注目を集めればメディアに登場しなければならず、いつまでも中途半端な状態でいるわけにもいかない。歌を聴いてくれる人たちに「嘘はつきたくない」と、スタッフとミーティングを重ねた上で、今までは語らなかったことを語ることにした。
●「私には、性がないんです」
●「がむしゃらに歌ってた。歌に逃げてないとどうしようもないってこともあったのかもしれないけど。小学校1年生位までは、純粋に歌が好きな子だったと思うんだけど、だんだん歌ってないとダメになってしまうというのがわかったというか。家でも学校でも居場所がなかったから、歌にすがったのかなと思うと恥ずかしいんだけど、歌うしかなかった。歌うことは痛くないし、歌うことで傷つかないし殴られないし・・・」
-周囲と自分が馴染まないことを、受け入れていたわけではない。
●「自分がこれでいい、と思っていたわけではないけど、どうしようもないんですよ。いろいろ考えて策を練ったりするんですけど、人数が圧倒的だから負けちゃって。自分が受け入れられないのがわかって、臆病になっちゃって。全然グレてたわけではないんですよ。」
●「ケータイの掲示板で見つけたゲイ・パーティーに行ったんですね。そこで同じ悩みを抱えているいろんな人たちと会いました。最初は、とりあえずホッとしました。そんな集まりに通っているうちに、友達になれた人もいますし、そこに来る人たちが逆にかっこよく見えたりもした。そこにいるみんなが、あまりに生き生きしてたから。だから逆に強くなれましたよ」

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→中村中「友達の詩」in 音楽戦士
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●中村中公式ホームページ
●ブログ「恋愛中毒」
NEWS!
●10月14日・21日「友達の詩」リリースイベント・・・ラゾーナ川崎プラザ2Fグランドステージ
コメント
どちらでもない・・・
そして、どちらでもありたいって思ったり。苦笑
さっき…
明日買いに行こうかしらo._.)o
●Kazuccineさん。
●Canvasさん。
ぜひCD買って応援しましょう!
●モミオさん。
みゆきさんのニューアルバムには「Clavis-鍵-」も収録されるそうで、
すごく楽しみです。今後もぜひ見に来てくださいね。
中村中さんのアルバムも、来年あたり出そうですから楽しみですね。
自分自身もまだ知らなかった感情を揺り起こしてくれるような歌ってそうそう出会えるもんじゃないです。それを何とか表現したくて言葉を探してしまうような歌は。
槇原敬之さんの性的志向が取り沙汰された時、彼のファンである友達がショックを受けて「何か騙されたような気持ちになった」と言ったので、「確かに隠していたのかもしれないけど、それでも彼の歌を聞いて友達が感じたものは嘘じゃないと思う」と話したことが。
結局、好きなものは好きなままで好みって簡単には変わりませんね。
●さすけの友さん。
同性が同性を愛する気持ちを、なにか特殊なものと捉えているんでしょうね。
僕からしたら、異性だろうが同性同士だろうが、
人を愛したときの気持ちって何も変わらないと思うから
「どうしてショックを受けるんだろう」と、逆にそのことに興味を持ちます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061016-00000018-oric-ent
●かがみさん。
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