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2024-02
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LGBT可視化に向けて018●STN学習会⑤ 魔法の杖はない

 学習会の最後に、質疑応答の時間がありました。この日、発表をしてくださった尾辻かな子さんと、谷口洋幸さん(日本学術振興会特別研究員)のお二方が、出席者の声をもとに、さらに言葉を重ねました。当日のメモをもとに、だいたいこのようなことが話されたという様子だけでも掴んでいただけるよう、記しておこうと思います。

●出席者からの質問:
海外と比較して、日本のLGBTの現状というのを、現在どのように位置付けられていますか。

●尾辻かな子さん:
あくまでも、私の「主観」として思うことを言うしかないのですが、日本には同性愛を罰する法律はないし、キリスト教などのバッシングはないので、比べにくいと思います。ただ、アメリカに行って感じたのは、やはり60年代後半からの運動の地道な積み重ねがあるということ。それに比べ、日本では運動の盛り上がりのスタート自体が非常に遅かったんです。伏見憲明さんが指摘しているように、60年代後半から70年代にかけての全共闘運動等の「団塊の世代の戦い」の中に、日本では「ゲイ・リべレーション」だけは組み込まれなかった。それが大きな違いなんです。でも、私は思うんです。分かりやすい障壁がないということは、変えやすいということなのではないかと。例えば、少し前までは「出来ちゃった結婚」というのは「恥ずべきもの」だとされていました。しかし、安室奈美恵さんや木村拓哉さんが行ったことで、イメージがガラッと変わりました。同じように、なにかのきっかけでイメージが変わることは起こりえると思う。

●谷口洋幸さん:
各国の状況も、やはり「モザイク状況」と言えるような状態であり、進んでいる国でも意外に遅れている場所があったりもします。でも世界会議(モントリオール会議)に出席してみて思うのは、「サイレンスを強いられる=黙っていることで生活が上手く行く」のはアジア的な特徴であるということ。たとえば、中国の同性愛者のうち98%は今でも偽装結婚をしています。アジアにとても多い現象です。それに日本は「女らしさ」「男らしさ」の枠組みが依然として強く根深い。それが解消されない限り、次の段階へは行けないのでは、という話も出ました。これも、中国と共通の問題です。また、日本ではLGBT問題をサポートするファンドがまだ出来ていないんですよね。海外での会議などにも出席者が非常に少ない。通訳等の確保もままならない。

●尾辻かな子さん:
私の場合は、あちらから「呼ばれて」参加することが出来ましたけれども、もっと組織的に出席するための体制作りなどが必要かもしれませんね。それと、今日は教職員の方もいらっしゃるのでお伝えしますが、今、大阪(関西)では、すでに各校に一人は性同一性障害の子どもがいると思われる位、「性同一性障害」の可視化は進んでいます。だから、現場の教師の方からよく「どう対応すればいいんですか?」と聞かれます。その時に私は、とにかく本人の話をよく聞いてあげて欲しいと言っています。なにか答えがあるわけではなく、あくまでも個別の問題だと思うからです。

●浜松からの出席者:
まだ僕らは本気で立ち上がっていない。それに、せっかくカミングアウトしても「まぁ、いいんじゃない?」と流されてしまう。どうしたら社会を変えられるのでしょう。

●尾辻かな子さん:
あるアメリカのアクティビストは、「魔法の杖はない」と言っています。一歩一歩やるしかない。自分の理想の社会を実現するにはまず、自分が出来ることから行動すること。日本のアクティビストは、摩擦などで「燃え尽き」てしまうことが多いので、気負わずに行きたいですね。

 ・・・この日の学習会は東京レズビアン&ゲイパレードの翌日だったということもあり、仙台や四国、浜松などの遠方からの出席者も多数いたようです。彼らは積極的に発言し、地方に住んでいて感じることや、自分たちなりに取り組んでいることについて、すごく熱い口調で語っていました。「皆に知らせよう」としている彼らの姿勢が、とても頼もしく思えたのと同時に、東京に住んでいるのに自分は何をやっているのか。イベントや勉強会に出席できるチャンスはたくさんあるんだから、もっとそれを生かして見聞を深めなければと、たくさんの刺激を受けた勉強会でした。

 「活動をしている」「勉強会に出ている」というと何となく、とっつきにくいキャラクターだったり目が血走っている人たちなのではないかというイメージがありますが(笑)、皆さん素朴で、とてもあたたかな感じです。これはLGBTのこうした活動に関わっている人たちに、共通の雰囲気だと思います。そのことを知っただけでも、そして自分の中の「垣根」が一つ低くなっただけでも出かけてみて良かったと思いました。
 今後は積極的に参加します。そこで得た知識や印象などを、このシリーズに書いて行きますね。FC2 同性愛Blog Ranking

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コメント

この記事へのコメント

必ず好転すると信じて

 俺……、尾辻さんのご意見に賛成です。
 日本の、同性愛を巡る状況は、一神教社会などと異なり、厳しい社会規範や宗教的戒律による強烈な迫害を受けていない分、反作用としての鋭角的闘争も起きて来ませんでした。なので、欧米からは遙かに遅れをとっています。
 しかし、比較的、厳しいバッシングがなかった(ない)ということは、遠くない将来、ある契機を境に、雪崩を打って状況が好転する可能性を持つことでもあると信じたいです。
 出来ちゃった結婚を引き合いに出したのは面白いですね。
 ホントはゲイなんだよね宣言(^^;……をする著名人が次々と現れて欲しいものですが、どうなのでしょう?
 できる人たちが、できるところから、個々に手探りしながら、ちょっとずつでも、……カミングアウトを果たしてゆくことが、日本の場合、うねりの相乗効果を起こす原動力になりうると考えているのですが、これまた、如何なものでしょう?
 同性愛を巡る現状を憂い、哀しさをアピールすることと併せ、きっとできるぜ……と、心に希望を沸き立てられるような文章を書き続け、刺激して行くことができたら幸いなりと、俺自身は思っています。

初期微動

akaboshi様

見通しのよい、貴重な情報、いつもありがとうございます。

少し頑張って、私の住む田舎でも研究会を立ち上げようか、と考えはじめています。いきなり露出などできませんが、内面の基礎固めと、ささやかなサポートなどできるような方向で動いていけたら、と思います。

何か形になったら、報告しますね。

話を聞く

>その時に私は、とにかく本人の話をよく聞いてあげて欲しいと言っています。
納得。
これが一番大事だなって思います。
そして、ちゃんと話を聞いてくれる人だっていう信頼感も大事。
簡単なようですごく難しいことだと思うけど。

●円山てのるさん。

尾辻さんって、誰にでもわかる親しみやすい言葉で物事を説明するのが
とても上手い人だと思います。本人のキャラクターもすごく親しみやすいですし。
僕も、「出来ちゃった結婚」の例は「なるほどね」と思いました。

「ホントはゲイなんだよね宣言」をする芸能人とか政治家が
雪崩のように出てくるように、世論や世間的な風潮を変えていかなければですね。
(だって実際に、いるんだから。笑)
LGBT先進国では、まさに今、そうした現象が次々と起こっているわけですからね。

●nobaraさん。

もし研究会を立ち上げる際には、たとえば尾辻さんの事務所に直接
相談してみたりすると、いいかもしれませんよ。きっと大歓迎だと思います。
僕も無理のないペースで少しずつ実践に移していこうと思っていますので
励ましあって行きましょう。報告お待ちしてますよ~。

●Kazuccineさん。

人って「思い込み」があると、話を聞く前から自分の既成概念で「決め付け」てしまって、
相手を一人の人間として見なくなってしまうんだよね。
それが、すべての争い事の元凶なのかもしれない。
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