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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2024-05
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ネットを覗いて「ゲイ」になる

 最近〆切に追われて缶詰になっているので、ネットを覗くのを意識的に控えていました。コメントを寄せてくださった皆さん、レスを返さずにすみません。そして本当にありがとうございます。リアクションがあるというのは、やっぱり嬉しいですよ。

 ところで。僕がネットを絶っていた間に・・・「ゲイ」にとって、かなり重大な事件が起こり、こんな風に報道されていました。相変わらず「ゲイ」が報道される時って、変なフィルターがかかってるようなかかっていないような微妙な言い回しが目立ちますね。「GAY JAPAN NEWS」を除く全ての媒体は、記事の書き手があくまでも「異性愛者」としての主体で書いているので、しょうがないことなのかもしれませんが。

同性愛者狙い強盗、少年4人逮捕 東京・夢の島公園(産経新聞 2006.7.27)
淫夢が悪夢に…「夢の島」ゲイご難!高校生らが裸の男性袋だたき(サンケイスポーツ2006.7.28)
夢の島は「ゲイの島」(ゲンダイネット 2006.7.28)
同性愛者の発展場「夢の島」でホモ狩り(スポーツ報知 2006.7.28)
同性愛者狙い強盗、少年4人逮捕 東京・夢の島公園 (GAY JAPAN NEWS 2006.7.29)

 このニュースを知ってまずは「殺されなくて良かった」という安堵の思いと恐怖心が同時に湧きました。なぜならこれは明らかに「ゲイを襲う」ことを最初から想定しての行動であり、それだけでも非常に悪質だからです。被害者は殺されなくて本当に良かったし、6年前には同じ場所で殺人事件が起こっているわけですから、二の舞にならなくて本当によかったです。そして被害者が泣き寝入りせずに通報したことは、いわば「当たり前のこと」だけど、「同性愛者なら警察に届けないと思った」と思われていたことに、無性に腹が立ちました。

  現代のゲイは泣き寝入りはしない

 屋外をハッテン目的で歩くことは、「ノンケ」に置き換えると渋谷や新宿の街頭で見知らぬ者同志で「ナンパ」をしたり、「ナンパされる」のを目的に肌を露出した格好で歩くのと質的には同じなのではないかと思います。ただ「ゲイ」の場合は表立って街頭ではやれないので深夜の人気のない場所に限定されるし、人気がなく仲間同士しかいない場所なので、行動も少し過激に走りがちな面があるということであって。男同士という気兼ねのなさから、ちょっと走りがちではあるけれども(笑)。

 屋外で出会いを求めたり、時にはセックスをすることは、いわゆる「ノンケ」でも行っていることですが、その場を襲撃したからといって「通報しないはずだ」という発想は最初から持たれないでしょう。「ゲイ」という「隠れて生きている人々」だから、襲っても「隠れ続けるに違いない」と、いまだに思っている輩がいるわけですね。

 女性がレイプされたり性的暴行をされた時などにも、世間の目や風評を気にして誰にも告げなかったり泣き寝入りするケースが多いと聞いたことがあります。犯す側が、被害者のそうした「できれば隠しておきたい」という心理を想定して計画的に行うこうした種類の犯行は、「驕れる者」の醜さと無神経さを感じさせますし、理不尽なヒエラルキーの存在を感じさせます。こんな前時代的な感覚の持ち主が現に今でもいるということに愕然としますし、同時に「それが現状なのかもなぁ」と追認しそうになる哀しい自分の一面にも気がついてしまいました。

 「クローゼットなゲイ」として振る舞っている日常の場では、些細な会話の中でリアルに「ホモフォビックな発言」の棘が突き刺さってくることに慣れていますから、ある意味では感覚が麻痺してしまっているようです。だから、こういうことが起きても「リアルなこと」「起こり得る事」として受けとめてしまう哀しい性が、相変わらず自分の中に巣食っていることは確かです。だからこそ、今回の被害者がきちんと警察に通報し、正直にすべてを述べたことは、とても大きなことだと思います。

 サンケイスポーツの報道では、捜査員の話として「地元の不良少年の間では『同性愛者を狙えば簡単』というのは共通認識のようだ」という記述があります。もしそうなのだとしたら今回の一件は大きな一石を投じたのではないでしょうか。エスカレートしがちだったゲイたちは「屋外でのハッテンは危険と隣り合わせの行為」だという認識を強めるべきだし、それを襲撃しようと狙う者たちには「現代のゲイは黙って泣き寝入りはしない。そんな時代はとっくの昔に終わっている」という認識を広めることにはなったでしょう。

 それにしても。
 ネットを覗かなければ「ゲイ当事者」にすら、こうした情報が入ってこないという今のメディア状況には、今更ながら愕然としますね。どうやらこの事件、数少ないマス媒体でしか報じられていないようですから、それを直接見るか、ネットやmixiで「ゲイのブログ」や「ゲイの日記」等に触れなければ知り得なかった情報でしょう。おそらく日本社会全体における現在の認知度は10%にも届かないのではないでしょうか。

  情報格差

 なんだかんだ言って日常的にネットに接する人ばかりではありませんし、僕らが思っているほどには世間の多くの人たちは「同性愛者」が素顔を隠して生きていることなど歯牙にもかけずに生きています。そして僕は、とりあえずはそのことを表向きには受け入れた形でいまだに社会に属しています。悲しいかな僕の普段の生活空間では、ゲイの「ゲ」の字すら滅多に口にされることはありません。だからこうした事件のことについては話題に上がることすら皆無に等しいのが現状だし、もし記事を目にしたとしても「見ざる言わざる聞かざる」を装った方が無難だという空気が確実にあります。

 なにせ『ブロークバック・マウンテン』という映画のタイトルですら「なにそれ?」と言われてしまうのが、LGBTではない大多数の人たちと交わす会話の実際であって・・・(←本当に最近、言われました)。おそらく『トランスアメリカ』の認知度も相当に低いままでしょう。関心が無い人たちには本当に、まったく「引っかかりもしない」ことなのです。我々が関心を持ち、「知っているのが当たり前」な位に親しんでいるような情報については、当事者と非当事者との間には驚くほどの情報格差があります。

 この原因はやはり、LGBT当事者たちが送り手となっているマス・メディアが、今の日本には存在していないということにあるのでしょうね。だからいつも語られ方が「異性愛者」的な視点からなのです。油断をしていると、その情報の波の中で自分が「ゲイ」だということすら忘れて行くような感覚に陥ることがあります。

  「ゲイである」と意識すること/忘れること

 もちろん僕には「ゲイ」として、大好きな「ゲイ」の人と過ごす時間とか電話で話す時間などもありますよ。しかし最近ではそのことを僕が「当たり前のこと」だと感じられるようになったからか、そうした時間においても自分のことをいわゆる「異性愛者」に対しての「同性愛者」なんだと殊更に意識することが無くなって来ているような気がします。要するに自分の生活空間が成り立っている限りにおいては、自分が「ゲイ」と呼ばれる存在だということを「忘れてしまっている」のです。

 つまり最近の僕は・・・ネットを覗いて、更にこのブログや「ゲイ」に関しての情報をチェックする時間を自らが積極的に作り出した時にはじめて「あ、そういえば僕って『フツーに生きてるGAY』と名乗ってこのブログを書いている人なんだっけ・・・」と思い出し、「ゲイとしてのアイデンティティー」なるものを確認している、あるいは創作している・・・そんな感じなのです。

 そもそも「アイデンティティー」なんて固定してしまえるものではないだろうし、固定しようとするから人は苦しむのだとも思います。フワフワした浮遊感覚と変化を楽しめる位でないと本当の意味で人生を楽しめないのでしょうから、そのことで焦ることはやっと最近なくなりました。

 でもね。やっぱり哀しいですね。
 確実に自分の一部分である「ゲイ」としての側面が、理不尽な理由で陵辱されたかのように感じる出来事が、自分が属している社会で実際に起きたことを知ることって。この件で僕の中に自然に沸き立った感情によって、僕は僕の中の「ゲイ性」を思い出し、こんな社会の実態に対する関心が改めて喚起されたというのが、偽らざる最近の心情です。

 「フワフワしたアイデンティティー」だけれど、どんなにフワフワしているようでもいまさら僕が「ゲイ」であることは揺るぎようがないことなんだと思います。たとえ日常の忙しさの中で一時的に忘れることはあっても(笑)、常に戻るべき精神的な「核」のようなものになってきているんだと思います。

 今回被害に遭って泣き寝入りしなかった彼も、きっと同じような感覚の持ち主なのではないかと思います。彼は「ゲイであること」を理不尽に攻撃されたことで、自分の中の「ゲイ性」を強く意識し、かえって奮い立ったのではないかと思うのです。

 「ゲイであること」はあくまでも僕の一部分であって全体ではありません。
 でも、全体は一部分の集積によって成り立っているのです。FC2 同性愛Blog Ranking
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コメント

この記事へのコメント

複雑な問題を孕んでいます……

 TBさせて頂きました。
 この問題、いろいろ複雑です。襲撃したガキどもに腹が立つのはもちろんですが、ハッテン行為について、我々ゲイの側から改めるべき何物もないでしょうか? ストレートも同様なことをしているからと開き直っても、建設的ではないと感じます。
 事件報道の仕方に、斜に構えたような気の悪いフィルターは確かにあります。改善を求めたいです。しかし、そのことを論うより先に、我々ゲイの側が、認識し、考えなくてはならないことがあるように思っています。

今週のイベントはご存知?

なんか色々とネットを見ているようなので
ご存知かと思いますが
ほかに興味あるかたにもお知らせしときます。
前夜金曜のパーティーには尾辻かな子さんのトークもあるようです。
以下ミクシから引用です:

8月12日(土曜日)は、いよいよ東京レズビアン&ゲイ・パレードです。

時:2006年8月12日(土)
場所:代々木公園イベント広場集合

詳しいスケジュールはサイトで
http://www.tlgp.org/timeplace.shtml

前日11日、公式オープニングパーティーがあります。
http://www.tlgp.org/op2006.shtml

パレード前夜に実施する、レセプションパーティ「TLGP2006公式オープニングパーティ」。
今年は、新宿二丁目の自由に行き来できる2会場で同時開催することになりました。
各地の参加者との交流に、是非お気軽にお越しください!
司会は大阪府議会議員の尾辻かな子さんとバディ編集部 斎藤靖紀さんのコンビが担当します。
また、翌日のTLGP本番への気分を盛り上げるミニライブには、CHU~が出演。
九州男会場では手話通訳もつきます。


--------------------------------------------------------------------------------

【日時】
2006年8月11日(金)
(時間は会場欄参照)

【会場】
・九州男(新宿二丁目) 19:00-22:00(手話通訳がつきます)
・akta 18:00-21:00
※九州男会場とakta会場は自由に行き来できます。

【料金】
九州男会場では、最初のご入場時に1ドリンク(500円)のご注文をお願いします。2杯目以降は、1ドリンクごとのご注文につき、500円となります。akta会場では入場料無料です。


--------------------------------------------------------------------------------

【九州男会場】
司会(五十音順):尾辻かな子(大阪府議会議員)&斎藤靖紀(バディ編集部)

●円山てのるさん。

可視化するにつれ、今まで「仲間内」でしか知り得なかった情報も
ネットを通じて次第に筒抜けになっているわけだし、
考えていかなければならない問題ですね。

●flowfreeさん。

情報ありがとうございます~。
僕、mixi には加入していないので助かります。

いわゆるホモ狩り

これも氷山の一角なのかなあ・・・。
何故かこういう少年犯罪って加害者ばかりスポットあたっちゃって、
被害者には注目がいかないんですよね。
あるいは、負のイメージばかりクローズアップされたり。
ホームレスを虫けら扱いして襲撃した少年達と同じように、
マスコミもまた被害者の存在を軽軽しく扱っているように思えます。
被害者の方の勇気ある行動には本当に頭が下がります。

性的悪戯→性的暴行or性暴力でお願いします。「「いたずら」などという軽い表現でごまかすのは、問題の矮小化につながり、被害者をさらに苦しませることになるからです。」(下記サイトより引用)
参考:「みやきち日記」(「中学生日記」でのサイト内検索)
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/searchdiary?word=%c3%e6%b3%d8%c0%b8%c6%fc%b5%ad

●Kazuccineさん。

おそらく氷山の一角なのではないかと思います。

●かがみさん。

あ、なるほど。無意識に使ってしまいましたが
たしかに全然、印象が違いますし僕が書きたかったニュアンスは
「性的悪戯」よりは「性的暴行」に近いですね。
書き換えさせていただきました。ご指摘ありがとうございました。

いつか会う日のために

上のニュース、このブログで知るまで全然知りませんでした。犯人達、そしてマスコミの扱いに唖然・・・そして憤慨。ただ、もし当時リアルタイムでこのニュースを知っても今のような感情に心が揺さぶられはしなかったですね。こんなにこのニュースが心に食い込んできたては映画BBMの存在、さらにここのブログを読むことで田舎の中高年の私に新しい眼が開いてきた(かどうかは他人の判断することだけど)からかなと思っています。最後にここのブログをなぜ自分が読み続けているかって自問したのですがいつかakaboshiさんの言ってた「カミングアウトしても大丈夫」な女性になるためにこれを読んでいる気がします。
私の側に(きっと)いるLGBTの誰かに私が「あなたにカミングアウトして良かった」と言われたい。だからこれからもゲイの立場からの発信続けてください。応援します!
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