たかがテレビ022●「なるほど・ザ・こいつがゲイだ!」と無邪気な笑顔で言われても・・・
お待たせです。前回、紹介した5/9(木)23:55〜放送のTBSテレビ「ネプベガス」を見ました。「本物を見破れ!街角ゲイ探しクイズ」という触れ込みだったからです。 新宿の西口や東口で歩いている人を呼び止めてカメラの前で「電気シェーバー」を使ってヒゲを剃ってもらい、その仕草や表情で「ゲイ」を当てるという内容のクイズ。12人のうち3人は、スタッフに事前に依頼されて出演した「ゲイ」であるという設定。コーナーの放送時間としては15分ほどでした。
放送は東京地区のみだったようなので、見ることの出来なかった方のために、番組内容がわかるように文字に起こしてみました。あなたは、この放送内容をどう思われますか?
タイトル:「ネプベガス」
ナレーション(以下N)「この番組は、ネプチューンとゲストの4人がVTRを見ながら賭けをして遊ぶ、カジノみたいな番組です。テレビの前の皆さんも、大いに予想して楽しんじゃってください。」
名倉潤(ネプチューン)「さあ、今回のベットに参りましょう。」
川田亜子(TBSアナウンサー)「はい。人を見る目がモノを言う。こんなベットです。」
<テロップ:こんな賭けはいかがでしょう?>
N:「3/12(じゅうにぶんのさん)のゲイをさがせ!。これからお見せするのは、町行く人に電気シェーバーの試し剃りをしてもらい、その感想を聞いたインタビューの映像です。」
<テロップ:12人の男性の中に3人のリアルゲイがいる。>
N:「全部で12人の男性が登場しますが、実はその中に3人、番組が協力を依頼した、リアルゲイの方がいらっしゃいます。皆さんはそれを探し当ててください。まずは、インタビューの映像を見て「この人怪しい」と思ったら、手元の「怪しいボタン」を押して下さい。あなたは、ゲイを見破ることが出来ますか?」
名倉「みなさん。ゲイを、見破ってください。」
勝俣州和(ゲスト)「ゲイかぁ・・・」
名倉「はははは。」
原田泰造(ネプチューン)「ゲイかぁ・・・」
<スタジオ観客の笑い声>
川田アナ「12名の街頭インタビューをお見せします。この人怪しいと思ったら、お手元のベルを押して下さい。そしてVTRを見終った後に、さらに絞り込んで行きます。何度鳴らしても構いませんので、『この人怪しい』と思ったら、バンバンバンバン鳴らしてください。」
勝俣「はい。」
<VTRと共にテロップ「この中に『ゲイ』はいます!」>
N:「今夜のネプベガスは、じっくり見れば必ずわかる。果たして、あなたは見破れるか。騙されるか。」
<テロップ:「TVの前のみなさんも誰が「リアルゲイ」か当てて下さい!>
N:「街角でインタビューした12人から、リアルゲイ3人をさがせ!」
<CM>
名倉潤(ネプチューン)「それでは参りましょう。なるほど・ザ」
川田亜子(TBSアナウンサー)「こいつがゲイだ!」
<スタジオの笑い声>
ナレーション:「3/12(じゅうにぶんのさん)のゲイをさがせ!。この人はゲイ?ゲイじゃない?」
<テロップ:「この人はゲイ?1人目」>
スタッフ「このヒゲ剃りを使ってヒゲを剃ってもらってもいいですか?」
1人目「はい。」
<ヒゲが濃い、めがねをかけた背広姿の男性。剃りはじめる。画面下には四つの小窓が設けられ、モニターを見るタレントたちの表情が常に映し出されている>
スタッフ「今日、ヒゲを生やしているのは?」
1人目「肌を傷つけないように。痛まないようにたまに剃るくらいで。あんまり剃ると肌が痛んじゃってダメなんですよ」
<堀内健「あやしいベル」鳴らす。鳴らす度に、画面には「あやしい」の文字。>
スタッフ「電気カミソリ使わないのは肌が痛むからなんですか?」
1人目「はい。(毛が)巻き込まれる感じが・・・」
スタッフ「巻き込まれちゃう?」
1人目「はい。」
<テロップ:「この人はゲイ?2人目」>
スタッフ「ヒゲ剃りの剃り心地というのを試してるんですけど。」
2人目「はい。」
<紫色のパーカーを着た若者。ヒゲを剃り始める>
スタッフ「これ今、やってみてどうですか?」
2人目「何か柔らかいですね。はい。」
<原田泰造「あやしいベル」鳴らす。「これみんな見えてくるな、ゲイに。」>
<剃ったヒゲを板の上に出してみる若者。>
2人目「ありますね。全く出ないかとおもったんですよ。(口元に手を当てる。)」
<原田、勝俣、佐藤寛子、一斉に「あやしいベル」鳴らす>
<テロップ:「この人はゲイ?3人目」>
スタッフ「剃っていただいても大丈夫ですか?」
<帽子を被った若者、剃り始める>
3人目「(剃りながら)気持ちいいかも。シェーバー、使わないんですよ全然。コツコツと毛抜きとT字のカミソリ、それしか使わないんで」
<声が高めの若者に反応し、原田「あやしいベル」鳴らす。原田「こいつ女じゃない?」>
<テロップ:「この人はゲイ?4人目」>
4人目「剃るんですか?」
<黒いベレー帽とサングラスの人、剃りはじめる>
4人目「剃れてますか?」
スタッフ「どうですか?自分で感覚は?」
4人目「痛くないですよ。」
スタッフ「普段は何系を使われてるんですか?」
4人目「ロータリーシェーバーを使ってます。T字だとね、切るんですよ。睡眠不足の時とか、毛穴から血が出て来るんで」
<テロップ:「この人はゲイ?5人目」>
<茶髪で長髪の若者。物腰が柔らかく腕の組み方や手つきがしなやか。原田、勝俣、堀口すぐさま「あやしいベル」を鳴らす。原田「これはそうだろ。見付けたぞ。」>
5人目「あ、剃れるぅ〜。」
<全員一斉にベルを鳴らす。佐藤「絶対そう!絶対そう!」>
5人目「(剃ったヒゲを見て)こんなにぃ〜!?」
スタッフ「どうですか?」
5人目「(手を口元に持っていきながら)これを見ちゃうと・・・」
<再び全員ベルを鳴らす。原田「うわぁ〜っ!お前だったのかぁ!」>
・・・こんな感じで6〜12人目まで紹介される。
N:「果たして、この12人の中で、リアルゲイは誰なのか?」
名倉「それでは皆さんが怪しいと思った人をおさらいしてみましょう。まず1人目は、健だけでしたね。」
堀内「この人、なんか『うふふぅん』って、語尾で笑う?語尾で笑うっていうのでちょっと怪しいなと」
名倉「そして、5人目はこれはもう全員ですよ。」
勝俣「腕がもう、こうなってたから(なよっとした腕の組み方を再現する。)こうなっちゃ、もう完全だもの。」
川田アナ「見事3人とも正解すれば掛け金が3倍になります。」
名倉「では健から3人を決めていきましょうか。」
堀内「ゲイの人って、ちょっと・・・ナイフのような所があると思うんだ。1と5と・・・じゃ、10でいいや。片方ピアスしてたから。」
勝俣「5は堅いと思います。4が・・・昼なのにグラサンと、スリムな服っていうので、俄然クサくなって、やっぱり、もう僕、自分の嗅覚を信じて11の方にします。」
<全員が3人を選択し、正解の発表へ。>
一人一人にスタッフが「あなたはゲイですか?」と質問し、そのリアクションが映し出される。
No.1(30代前半会社員)
「ゲ・・・ゲイ・・・ですか?ふっふ・・・いやぁ、違います。」
No.2(20代前半アルバイト)
「違います・・・(笑)違います。」
No.3(20代後半アルバイト)
「いやいやいや・・・ゲイじゃないですよ。」
No.4(50代後半自営業)
「いや、違いますよ。ハイ。ノーマルです。」
No.5(20代後半会社員)
「ああ、はい。ゲイです。」(大喜びするスタジオのタレントたち)
N:そう、こちらNATSUKIさんは、新宿二丁目のゲイバー「STREAM LOUNGE」で働くリアルゲイさん。
(店内で乾杯するNATSUKIさんの姿)
NATSUKIさん「彼氏も募集してるんで、もし宜しかったら誰か来てください(ハートマーク)」
No.6(20代前半会社員)
「あ、いや、違います。」
No.7(30代前半アルバイト)
「違います。違います。」
No.8(20代前半会社員)
「いえ、違います。普通のアキバ系です。」
No.9(20代前半会社員)
「わたしは・・・ゲイじゃあ、ありません。」
No.10(20代前半アルバイト)
「はい。自分は、ゲイです。うはは。今はこんな声なんで。あはは。・・・お兄さんもちょっとゲイっぽい感じが、何か漂いますよね?(と、マイクを持つスタッフに突っ込む)普通にいますよ、こういうタイプ。」
スタッフ「よく言われます。あはは。」
N:こちら、tatsuyoshiさんも新宿二丁目のゲイバー「Mon soon」で働くリアルゲイさん。
(店内で接客するtatsuyoshiさんの姿)
tatsuyoshiさん「気軽な感じのアットホームなお店なんで、良かったら皆さん気軽な感じで来て下さい。」
N:「残るは二人!リアルゲイはどっち!?」
No.11(10代後半学生)
「・・・違います。」
No.12(40代後半自営業)
「・・・そうです。」
N:こちら薫さんは、開業27年になるゲイバーの老舗「キャラバン」の店長さん。
(店内の様子映る。)
スタッフ「ちなみになんですけど、この中で好みの男だったら誰がいいですか?」
薫さん「う〜ん・・・彼ですね。」(ADを指す)
スタッフ「彼ですか」
薫さん「キスはしなくていいんですか?」
スタッフ「キスしてもらえるんですか?」
薫さん「あっはっはっは。」
(スタッフにキスする薫さん)
<スタジオ大騒ぎ>
スタッフ「好みですか?」
薫さん「タイプですね。」
N:というわけで、リアルゲイは5番と10番と12番でした!!
佐藤「ええ〜っ!そうだったんだぁぁ。」
原田「よしッ!」
<3人とも当てられた人、なし。原田のみ2人を当てる。>
おいおい、いきなり「こいつ」呼ばわりかよ「なるほど・ザ・こいつがゲイだ!」という言葉には正直、「ギョッ」としました。「こいつ」っていきなり言われて、ムカつかない人はいなんじゃないでしょうかね〜(笑)。しかも満面の笑顔を浮かべて無邪気に言えてしまうアナウンサーには驚きました。テレビ局の「社員」って大変なんだなぁ。
このクイズのように、男を「ゲイか、ゲイでないか」という視線で見てしまうことって、たしかに僕も日常的に行ってます(笑)。おそらく多くのゲイもそう。しかしゲイが身近にいない人とか、ゲイの存在を意識しないでいる人たちにとっては「新鮮な行為」なのかもしれない。だからこんなことで、いちいち大げさに騒げるんだろうなぁ。
それにしても、「この人ゲイかも」という先入観を持って男を見ると、どの人も皆「ゲイに見える」部分が多かれ少なかれあるもんですね。VTRに登場した12人は、ごく平凡かつ個性的な、よく町を歩いているような普通の人たちでした。その中でもいわゆる、「わかりやすいフェミニンなキャラ」の人は5番の人しかいなかったので、実は僕も・・・彼しか当てられませんでした。いや〜、ゲイを見分けるのって当事者にとっても至難の業ですからね〜(泣)。だから二丁目とかゲイ・バーの存在って助かるんですよ。普段はルックスだけでは判断つかないけれど、ああいう空間では「そこにいるだけで」ゲイだとわかるから、安心して心が開けますからね。
ゲイは「怪しい」ものなんですかぁ?いちばん気になったのは、「この人怪しいと思ったら」押すように指示されている「あやしいベル」の存在。しかも、鳴らすたびに画面には「あやしい」という文字が。そりゃ〜僕ら、ふだんは仮面をかぶって「ゲイ」である自分を隠してはいるけど、犯罪者じゃないんだから怪しまなくてもいいんじゃない?。
ちょっと「悪ノリ」しがちな部分も多々ありましたが、「ムカムカして抗議したくなる」所までは行きませんでした。この程度は想定内。そうでなきゃゲイなんてやってられませんからね〜。
全体的には「ゲイはそこらへんにフツーに存在している」という感覚を、視聴者に「少しだけ」抱かせることには繋がっていたと思います。出演した二丁目のゲイバーの人たちも、そういう願いを持って協力したんだという気持ちが伝わって来ました。「こんな普通の人がゲイなの?」という、それだけのことでも一般メディアにおいては「センセーショナル」なわけですから。(レベル低っ!)
いろ〜んな意味で2006年の日本の「微妙な現状」を記録した番組だったと言うことも出来るので、将来、これを見て爆笑するためにもDVDに焼いて保存しときます。→FC2 同性愛Blog Ranking
コメント
見ました
ロンドンに旅行で行ったことがある同僚(女性)が、以前話していたのですが、ロンドンにゲイの人しか入れない有名な店があって、とにかく驚くほどすてきな男性ばかりだった、と言ってました。私も入りたかったけれど女性はもちろん中には入れないからね。と、ちょっと残念がってました。
なので、私は見て良かったと思うところもありましたが、確かにそれをゲームのネタにするなんていうのは品がないなあ、とテレビ番組のレベルの低さには憤りを感じますね。それで私は最近はほとんどテレビを見ていないです。(くだらない番組が多すぎます。)
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9人は
もしかしてクローゼットなゲイが一人くらい混じっていたかもしれませんねぇ。
もしうちの方で放送するようなら,そういう目で見てみたいと思います(笑)
・・・といっても,民放にはほとんど興味ないんで,見逃す可能性が巨大ですが(爆)
当てになるのかな
ゲイかそうでないかを判断するのは自己申告のみですよね。そんなら隠れゲイとかバイの方も
いる可能性は否定出来ないでしょうに。
そもそも性癖をゲームにして「当てる」ってのは問題があるでしょう。
職業とか肩書きじゃないんだから。目に見えるもんでもないんだし。
唯一良い点は、「ゲイの方は普通に生きてるんだよ」と少し世間に分かってもらえそうな
部分でしょうか。(とにかく恐怖心を煽るような作り方はよしてほしいと思ってます)
ところで話は変わりますが(変わり過ぎですが)、この度拙ブログを
また引っ越し&リニューアルしました。映画関係専門にしましたので、
こちらのブログのリンクを貼らせてもらってもよいでしょうか。
よろしくお願いします。
なるほどね…
こんな感じですよね。
ムカつかないけど、「ばっかじゃね〜の」で終わり。
確かに「ゲイ=普通っぽい」ってイメージは与えたかもしれませんね。
見世物になってる感覚はあるかもしれないけど、多少そういう段階を
経ないと世の中変わっていかないのは事実だと思います。
ちなみに私、自分を撮った映像見て愕然としちゃったことがあります。
だって、立ち居振舞いから全て、信じられないぐらい「乙女」してたんだもん(苦笑
私は友人にはカムアウトしてるんですが、「ゲイ」との出会いが私というのも
もしかしたら問題かと思うこともあるんですよ。
彼ら、彼女らにとっては「ゲイ」のイメージが私になるわけだから。
脱力・・・
馬鹿にしてる、と力こめた前回のコメントが空回り?なんだか、お店の紹介でもあったのですねえ。ふうーん?
でも確かに「こいつ」発言はいただけないですね。きちんとした言葉の言えるアナって、民放には少ないし。だからと言って、最近のNHKはつまんないし。最近、TVをあまり観てません。あ、でも邦楽とか、オペレッタ、バレエは好きで観ますけど。
しかし深夜は、変な番組が多いですねえ・・・
桃は、堀内さんは、一番馬鹿やっているけど、一番人権は尊重している人と思います。
あとの2人は、「コイツ」とか、最悪。裏で人騙してそうなのが分かります。
細かくテレビの内容書いてもらってすごく分かり易かったです。
●shukouさん。
宮城県でも放送されていたとは。
東京から離れていると、同じものを見ても感覚、違うでしょうね。
宮城のゲイの人たちは、どんな気持ちで見たんだろう。
●Ikuno Hiroshiさん。
民放には興味がないということは、NHK派なんですか?
僕はNHKにもちょっと、不審感(警戒感)を抱いています。
いわば「政府広報」みたいなものですから。
●凪(なぎ)さん。
リンク、どうぞよろしくお願いします。こちらからもさせていただきます。
●flowfreeさん。
こういう悪ノリって、なんだか大学生の学園祭イベントみたいですよね。
これが「筑紫哲也のニュース23」の直後に放送されているというのが
またすごい。どんな局なんだTBSって。
●Kazuccineさん。
「Kazuccineさん個人」として接しているのでしょうから、素敵なことだと思いますよ。
僕も自分を映像で撮ったら・・・びっくりするのかなぁ(笑)。
●秋さん。
いまどきテレビを真剣に見るのって、
このようにマイノリティーが取り上げられたときの「当事者たちだけ」かもしれない(笑)。
●桃さん。
読み取れますよ(笑)。
ある意味、怖いです。あんなテンションで必死にクイズやってるのって尋常じゃない。
テレビってやっぱり変ですね。
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