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2023-05
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ブロークバック・マウンテンで見る世界026●「純」について考えた

●「Soup」2006年4月号 P228
ジェシカの試写会レポート突然!炎のごとく

男同士の切ない純愛に胸が締めつけられる!! 

今回、紹介するのは”ラブストーリー“。
しかも男と女ではなく”男と男”。そう言うと「私には関係ないじゃん」て言われてしまいそうだけど、そんなことはない!!すごく切ない純愛に女のコだって胸が打たれるハズ。<中略(物語説明)>

 この映画で注目すべきは、やっぱり主演の二人!!
 ゲイじゃない彼らが、本当に自然に演じきっているのがスゴイ。でも、そこにちょっと面白い話があるんです。ヒース・レジャーはずっとナオミ・ワットと付き合っていたんだけど、それが、この映画の撮影に入る直前に破局しちゃってるの。そして、この映画の共演者ミシェル・ウィリアムズと付き合って、結婚しちゃったんだよね。私が思うに、本当に魅惑の世界へと、足を一歩踏み入れてしまいそうで、不安だったんじゃないかな(笑)。だから、さほど美人でもない(失礼!)ミシェルと恋に落ちた・・・あくまでも私の想像だけど(笑)。それくらい、男同士の演技が自然だった!!
 純愛ではあるけれど、本当に切なくなってしまった今作。最近では、イギリスとかではゲイ同士の結婚が認められるくらい、オープンになってはいるけど、保守的な日本ではまだまだ苦しんでいる人もいるんじゃないか・・・色々考えさせられる部分も多い作品です。
 そんな今作は、”辛い恋“をしているアナタに、贈ります。どんな恋だって、この2人の恋に比べれば軽いって(笑)。前にすすむ勇気をくれる映画だと思います。

魅惑の世界・・・(笑)

 今回は「女の子雑誌」からのご紹介。
 この人、直言派でおもしろいなぁ~。ジェシカさんという人はモデルさんらしいのですが、ヒース・レジャーの恋路についての分析とか発想が、すごく女の子っぽくて可愛い(笑)。魅惑の世界に足を踏み入れそうな不安を紛らすために付き合ったことにされてるミシェル・ウィリアムズはとんだ災難だけど(笑)、そう感じさせる位に、主人公を演じる俳優二人に、ものすごく濃密な空気が漂っていただろうことは画面からも伝わって来ましたよね。
 考えてみれば役者さんって、特に舞台では性別を超えて演じることもよく行われているし、子どもも演じれば老人も演じられる。想像力をフルに活用してゲイを演じるなんてことも、役に没頭してしまえば出来るんでしょうね。もちろん演じた俳優二人にとっては挑戦だったのでしょうが、「演技」ということの不思議さと可能性についても考えさせてくれる映画でした。

純愛かぁ・・・。

 「純」ってなんだろう。打算もなく、思うがままに求めて行動することを「純」というのなら、「ブロークバック・マウンテン」での二人は本当に「純に」愛し合ったんだろうと思います。しかし人というのはいつまでも「純」ではいられないもの。社会のしがらみの中で生きて行くには、受け入れなければならない現実もたくさんあります。そのために犠牲にしなければならないのは「純」な自分の心の核。

 しかし、本当に「純」であった自分を見つけてしまった「熱い記憶」は、なかなか消し去ることは出来ません。特に、現実が辛ければ辛いほど、輝いた日々の思い出は、より鮮明に心を縛り、現実に浸透してきます。

 「純でいられることの喜び」を味わったことで、確実に変わってしまったなにかがあり、「純」は幸せをもたらすとは限らないのかもしれません。でも、それを知らずに終わる人生は、なんて無味乾燥なものなのかとも思います。
 この映画で最後にイニスが気付いたものは、ジャックのように自らの「純」に素直に向き合えなかった、彼の「不純さ」だったのかもしれない。そんなことを考えました。

 ジェシカさんの記事のプロフィール欄に、おすぎさんと試写室でよく遭遇することが書かれています。「小さな作品から話題作までちゃんとチェックしているんだなって、尊敬しちゃいました」とのこと。そんなおすぎさんの、なかなか骨太な映画評を、ある雑誌から発見しました。「さすがはLGBTっ!」と言いたくなるような視点から、きっちりと発言していたので僕は彼を見直しました。次回紹介します。

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コメント

この記事へのコメント

おすぎさんの職業がうらやましいでございます。
試写で映画三昧な生活を送ってみたい・・・。

●Renさん。

そうですね。
でも仕事として映画を観なきゃいけないのって、結構プレッシャー強いかもしれないですね。
発言の影響力が大きいし。

純の楽さとしんどさと

行動の「純」は確かにむやみやたらにはできないかも。
でも、自分の心の「純」は誰に遠慮もなく持ち続けられるかも。

私は自分の心の「純」な部分に土足で踏み込まれそうになったら、
捨て身で猛反撃に出ます。速攻です。一瞬の間に逆襲のスイッチが入ります。
きっと怖いと思います。

自分の心にウソをつかなくてはいけないことが
実は一番苦しいと私は思います。

でも、自分が本当は何を感じているのかを見失わなければ
すぐにはどうにかできなくても
虎視眈々と時を待ち、時をつくり、時を熟させることも
できるかもしれませんよね。

それをキープし続ける心のパワーが必要ですが。

「純」であり続けるためには、心が日々強く深くなっていかなくては
ならないのかもしれません。

そですね。

そですね。映画によっては???な彼のレビューをたまに見かけます。おっしゃる“発言の影響力”を考えてのことなんでしょうね。
うらやましいけど、映画が楽しくなくなっちゃうこともありそーですよね・・・。
それは嫌だな・・・

●azureさん。

自分の心の「純」な部分って、非常にデリケートな部分だから傷つきやすいし
それだけ自分にとって大切なものなんですよね。
だから、土足で踏み込まれると過敏に反応してしまうし。
僕も、そういうところはazureさんと似ているんだと思います。

たとえ土足で踏み込まれたとしても動じないような強さと余裕を持ちたい。
今はそう思ってます。

●Renさん。

淀川長治さんの晩年を見ていると、たとえ仕事にしていたとしても
映画を嫌いになるどころか好きになり続けていたようですから
おすぎさんも、ああいう境地を目指してがんばって欲しいです。

メジャーな評論家になると、
いろんなしがらみだとか「言いたいけど言えない」ことも出てくるんでしょうが、
「ブロークバックマウンテン」の彼のレビューを読んだら
本当に(LGBTとしての)心の核に関わることに関しては、きちっと
言うべきこをを言うんだなぁと、見直しました。次回の記事で掲載します。
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