フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-10
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たかがテレビ015●「都立水商」の「ゲイバー科」バージョンが見たい!

 いろんな可能性を秘めたコンセプト

 前回書いたとおり「ゲイバー科」という言葉に釣られて見てみたDRAMA COMPLEX「都立水商」ですが、けっこう良かったです。
 「教育」というとイメージするものの対極にある「お水の世界」。
 それを教育現場に持ち込んだという設定からして数々のドラマが生まれやすいし、「偏見」や「差別」について肩の凝らないスタイルで考え直すきっかけにもなります。

 もともとは小説(室積光・著)として書かれたものがヤングサンデーに連載されコミック化され、今回のドラマ化に繋がったようですが、これは連続ドラマや映画になったとしても人気が出るだろうし、いろんな形で発展させられる面白い設定なのではないかと感じました。ただし、そのためには、もう少し丁寧な描写とディテールを詰める必要がありそうですが。

 ゲイ描写はあいかわらずだったけど・・・笑えたから(今回は)許す(笑)

 僕が最も関心を持って見た「ゲイバー科」の描写は、今回の物語の中心ではなかったので、ほんの少し出てきた程度。大方は昨日の予想通り。いわゆる世間に流布している「おかま」イメージそのものの人々が「オネエ」全開でナヨナヨしてました。しかし何故か全くムカつくことはなく、いつの間にか大爆笑してしまいました(笑)。たぶん、描き方があまりにも誇張されてギャグとして成立していたため、笑えたんだと思います。

 物語は、ベッキー演じる「正義感のある真っ直ぐな女子高生」が、正直すぎる性格のせいで上手く立ち回れず、フツーの高校を追い出されるところから始まります。「都立水商」は、そんな「アウトサイダー」たちが流れ着く「吹き溜まり」のような場所として設定されていて、いわゆる地域住民たちからは「底辺校」というレッテルを貼られ、偏見と差別の目にさらされています。しかし「都立水商」の熱血教師たちは、「一流の水商売とは何か」を真面目に追求する校風に誇りを持っていて、生徒たちも、そんな個性的な学校のあり方を愛しているのです。

 ベッキーは当初、他に行くところが無いので嫌々ながら「都立水商」を見学します。藤井隆演じる熱血教師に校内を案内される場面で「ゲイバー科」は登場するのですが、トップバッターとして登場するので「ゲイ」のインパクトを、視聴者への「つかみ」として利用したという感じでした。

 見た目はゴツイけれどもオネエ言葉の教師が「ゲイの歴史」を教えている授業風景が映し出されるのですが、生徒たちは何故かみなハデハデな衣裳を身にまとい、コンパクトを持って女装メイクをしながら授業を受けています。この学校では、授業中にそういう振る舞いをするように「指導」されているのです(笑)。そして教師は一生懸命、江戸時代の「衆道」とか古代ギリシャで「男色」がステイタスだった歴史を教えているのですから・・・これは理屈ぬきに笑えます。よくもここまでパロディーにしてくれた、と感心してしまいました。

 ただ。

 本当にリアリティーのある「ゲイバー科」を描くとしたら、「女性になりたがっている」ゲイばかりではなく「男らしくなりたがっている」ゲイや「ノンケっぽく見えるように」技を磨くゲイを養成する姿も描いてこそ本物。
 実際のゲイバーも、よくマスコミで取り上げられるような「女装オカマ」がショーを行なう所はむしろ「一般客」で賑わっているもので、ゲイはあまり行きません。ゲイたちが憩いの場としているのは「そのままでいられる」フツーの感覚の店の方が、実際は多数派なのです。
 基本的なコンセプトは非常に面白いので、ぜひ連続ドラマ化してリアルに「ゲイバー科」を描いた回を見てみたいです。世間に流布している「偏見」とか「常識」を覆すことが物語の根本にあるのだったら、描く題材についてもしっかりと取材して「偏見」をさらに助長しないようにしてもらいたいです。このままではその可能性があることを危惧します。

 「学校」という奇妙な空間批判

 「ゲイバー科」の他に紹介されるのは「フーゾク科」「SM科」「ホスト科」そして「萌え~」を教える「コスプレ科」(笑)。他に「マネージャー科」という裏方を養成する学科も存在します。その一つ一つをベッキーが「ありえね~」とツッコミの視線で眺めて行くのですが、藤井隆は意に介さず、涼しい顔で次々と紹介していきます。
 クラス担任の女教師は元ホステスで、色気ムンムンのコスチューム。廊下にはお盆を持って給仕の練習をする男子生徒が行き来しています。この学校ではそんな風に、すべてが「水商売人」を要請するための常識によって成り立っているのです。

 まあ「学校」なんていう閉鎖社会は、内部でしか通用しないような不思議な正義や常識がまかり通っていて、勘違いした教師が「お山の大将」になりがちなものですから、たとえここまで徹底して世間の規範からズラしたとしても、意外とすんなり「学校」としてのリアリティーを持って見ることが出来るものです。お馬鹿なノリで「わははは」と笑いながら、実は結構鋭い風刺表現に気付かされてハッとします。

 人としての「業」

 「水商売」というのは、社会の中で常に必要とされ続けて来たにも関わらず、偽善家によって「汚いもの」「大っぴらに語ってはいけないもの」というレッテルを貼られがち。

 差別や偏見というのは「自分のことを善だと思っている」ような思考停止した危険な人間が、自分を正当化するために「立場が弱いとされる者たち」に対して、「よく知らないからこそ」貼れてしまうレッテルです。

 しかも、誰もが無意識のうちに行なっている「人としての業」でもあります。 生きている限り偏見を持たずにいられることなど、まずあり得ないと思います。完全なる「善人」などいないのですから。だから「私は偏見を持っていない」と断言している人ほど危険です。人として大事なのは、自分の中に共存する「善」も「悪」も、常に自覚し続けられるかどうかなのだと思うからです。

 この物語は娯楽というスタイルを取りながら、いろんな「タブー」に挑戦して世の中の偽善を暴きたててしまえる可能性に満ちています。
 今回の放送はとりあえず「パイロット版」だったのでしょうが、ぜひ、さらなる発展を期待していますし、もっと深く突っ込んだ表現で見てみたいと思いました。FC2 同性愛Blog Ranking
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コメント

この記事へのコメント

そうそう、それなんですよ

私も世間一般の「ゲイ」の描き方のためにヒジョーに困惑したのは「男役のゲイもなよなよしてるんかいっ」ということです。男がゲイとか言われるのを嫌がるのは「なよなよ」しているというイメージがいやなんだと思いますが、男をヤル男というのは、ストレートの男よりよっぽど力強いと思うのですが。

ゲイバー科

ヤンサンのコミックスのほうでは「いろんなゲイがいる」ということで、「男が好きなので女装してみたが、自分は男として男が好きなんだ」ということに気がついて女装をやめた男の子の話も出てきましたよ。ご参考まで。

●チュチュ姫さん。

男が「ゲイ」と見られそうになるのを極度に嫌がるのは、
おっしゃるとおり「女っぽく」見られたくないからというのもありますよね。
メディアに出ている「ゲイ」は、大体がおかまキャラを誇張して「ナヨナヨ」してますから
どうしてもそういうイメージが先行してしまいます。

でも実際には「男が好きだから」ゲイなんであって、
自分が好かれるためにも「男っぽく」あろうとする人の方が多数派。
中には女性らしく振るまう人もいますが、どちらかというと少数派。
数の問題ではありませんが、明らかに実体と「イメージ」がズレていることを感じます。
だからこそ「ブロークバック・マウンテン」は画期的なのです。

(むか~し、↓こんな記事も書いたことがあることを思い出しました。なつかし~。笑)
http://akaboshi07.blog44.fc2.com/blog-entry-25.html

●gmaxさん。

情報ありがとうございます。
そういうことを描いた回も出版されているんですね。探そうっと。
やっぱり、人間の「多面性」に焦点を当てた物語なんですね。
まずは偏見バリバリの所から入っていって、出会って行くことで変わって行く。

akaboshi さん、

この記事、読んだことありますよ。あかぼしさんの記事、まえに一杯遡って読んだことあるんです。

で、この件なんですけど、そうだよね!女になりたいと思う人と、単に男が好きな人、女装したいと思う人、もーさまざまですよね、一口に言ったって。そこが部外者からだと分かりづらいわけよ。

「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」って結構感動したので、TBしたいんですけど、こちらで都合悪かったら、消してもらっていいですよ。

●チュチュ姫さん。

そうなんです。
「ゲイ」と一言で言ってしまうのはどうかと思うくらい多種多様な人がいるので
そういう状況に慣れてしまうと、頭が非常に柔らかくなるんですよ。

「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」は、まだ見た事がないのですが
チュチュ姫さんの記事で内容がわかりました。これまた壮絶な生涯ですね。
僕はいわゆる、「ノンケっぽいゲイ」なので、このように性の垣根を横断したことがありません。
すごいと思うし、だからこそ見えてくる色んなものがあるだろうから、羨ましくもある。
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