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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2019-11
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ブロークバック・マウンテンで見る世界010●アカデミー賞翌朝の新聞報道




 日本時間では3/6(月)午後1時台に発表された第78回アカデミー賞。

 翌日7日付の新聞各紙は、「クラッシュ」が最優秀作品賞、「ブロークバック・マウンテン」が監督賞という結果を、どのような表現で報道したのでしょうか。両映画に関わる部分を記事から抜粋し、メディア分析的な観点から見てみることにします。

☆記事中の「~」は、中略を意味します。

●朝日新聞・文化欄
アカデミー賞 社会派の力作競い合う 娯楽・メジャー作品は苦戦

 ~作品賞を含め脚本・編集賞をとった「クラッシュ」(ポール・ハギス監督)は、様々な人種・階層の人たちが織りなす36時間の群像劇。最初はバラバラだった登場人物たちが一つの交通事故で次第に結びつく構成が見事だった。製作費7億6千万円、撮影期間35日は、ハリウッド水準では小規模だ。
 若いカウボーイの同性愛を正面から取り上げた「ブロークバック・マウンテン」は前哨戦のゴールデン・グローブ賞を制するなど前評判は高かったが、監督賞、脚色、オリジナル音楽の3部門。同性愛をメインテーマにした映画が作品賞を受賞したことはなく、アジア系の映画人が監督賞をとったこともない。二つの壁に挑んだリー監督だったが、結果は一つを超えるにとどまった。
 リー監督は「2人の登場人物は社会が否定するゲイの人たちのことだけでなく愛そのものの偉大さを訴えた」と語った後、「台湾、香港、中国の方々、ありがとうございます」と受賞のあいさつを締めくくった。
 アカデミー賞に詳しい評論家の川本三郎さんは「今年は社会性の強い力作がそろったうえ、大半がメジャー作品でなかったのが面白かった。個人的には『ブロークバック・マウンテン』と思っていたが、やはり同性愛が保守派の会員に敬遠されたのだろう。それでも監督賞はアン・リーに与えて、バランスをとった。アジア出身監督の快挙に拍手を送りたい」と話す。~(斉藤勝寿記者)

☆記事中でコメントが紹介されている川本三郎さんは、僕の大好きな映画評論家です。文章に評論家っぽい「気取り」とか「偉そ~なエリート臭」がなく、すごく面白いんです。
 中央公論新社から 「アカデミー賞~オスカーをめぐるエピソード~」 という本が出ています。最近読んでみたら、オスカーを巡る歴代の悲喜劇がわかりやすく書かれていて、すごく面白かったです。おそらく、数々の「アカデミー賞」絡みの記事の「ネタ元」として、多くのマスコミ関係者に愛用されているのではないかと思われます。

●毎日新聞・社会面
アカデミー作品賞に「クラッシュ」

 ~ロサンゼルスを舞台に人種差別に焦点をあてた「クラッシュ」(ポール・ハギス監督)が、最優秀作品賞、脚本賞、編集賞の3部門を制した。監督賞は、カウボーイ同士の恋愛をテーマにした「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督。リー監督は台湾出身。アジア系での監督賞受賞は初めてだ。同作品は脚色賞、作曲賞も獲得している。~(國枝すみれ記者)

☆この記事の特色は「同性愛」という言葉を使わず「カウボーイ同士の恋愛」と表現しているところ。記者の意図はわかりませんが、同性愛が自然なものだという認識が浸透したならば、かえってこの方が自然な表現であるように思います。

●毎日新聞・コラム「ひと」
アジア人で初めてのアカデミー賞監督賞 アン・リーさん 
心が動くものを撮る 自分の文化を大切に

 ~米国で同性愛をテーマにした映画を作ることは冒険だった。俳優を見つけるのにも苦労し結局、映画化までに8年以上かかった。04年11月、全米11州で同性結婚を禁じる州法が成立。反同性愛キャンペーンは今も保守派を中心に続いている。
 「思いを映画にする必要を感じたのはしばらく前だが、最近になって社会が追いついてきた。我々の心の叫びを受け止めてくれたことがうれしい。観客は愛、理解、尊重、といった複雑で成熟したものを求めている。」
 台湾から渡米して約30年。米国社会の描き方も熟知している。「グリーン・デスティニー」と「ハルク」を監督して疲れ果て、引退も考えたが、「ブロークバック・マウンテン」では原点に戻って楽しめたという。
 ~「心が動くものを撮る。正直に、勇気を持って、自分の文化を大切にしながら、ベストを尽くす。私はそうやって道を開いた」(國枝すみれ記者)

☆監督の写真入り記事。映画化までに8年かかったのに諦めなかったアン・リー監督の執念を紹介しています。ハリウッド映画界で出世し、大作映画を手掛けることでいろんな「しがらみ」に疲れはじめた監督が「本当に作りたくて作った映画」なのだということを伝えるインタビュー記事です。
 特に「観客は愛、理解、尊重、といった複雑で成熟したものを求めている。」という言葉からは、アン・リー監督の「観客を信頼した姿勢」を感じます。

●読売新聞・社会面
アカデミー賞 クラッシュ3冠 作品・脚本・編集

 ~ロサンゼルスを舞台に様々な人種や階層の衝突を描いた群像劇「クラッシュ」(ポール・ハギス監督)が作品、脚本、編集の3部門で受賞した。
 本命視されていた「ブロークバック・マウンテン」をはじめ、作品賞は強敵ぞろいだったため、プロデューサーのキャシー・シュルマンさんは授賞式で「私たちは他の作品と比べて劣っていたもので・・・」と思わずスピーチ。
また、受賞後のインタビューでハギス監督らは「受賞した瞬間は信じられなかった。(結果は)衝撃だよ。今も受賞したことを理解しようと努力している」と話した。
 一方、台湾出身のアン・リー監督による「ブロークバック・マウンテン」も監督、脚色、作曲の3部門で受賞。アジアの監督として初めて監督賞のオスカー像を手にした。記者会見では、「アジアの映画人にアドバイスを」という質問に、「ルーツである文化を誇りにして、正直に勇気を持って進んでほしい。それ以上の道はない」と答えた。~(原田康久記者)

☆たしかに授賞式の中継を見ていても、「クラッシュ」関係者の青天の霹靂に遭ったかのように驚いた表情が印象的でした。その「サプライズぶり」を捉えた記事です。

●日本経済新聞・社会面
米アカデミー賞作品賞に「クラッシュ」 監督賞にアジア初のリー氏

 ~作品賞に米国の複雑化する人種問題を取り上げた「クラッシュ」が選ばれた。「クラッシュ」は主要賞の一つ、脚本賞も受賞した。
 作品賞を含む最多の8部門でノミネートされた「ブロークバック・マウンテン」は、台湾出身のアン・リー監督がアジア系で初めて監督賞を受賞した。カウボーイ同士の同性愛を描いた同作品は作品賞の本命とされたが、米世論を二分するテーマだったため投票権を持つ映画芸術科学アカデミーの会員から十分な支持を得られなかったとみられる。~(猪瀬聖記者)

●産経新聞・社会面
作品賞に「クラッシュ」 アカデミー賞「ハウル」は無念

 ~メーンの作品賞にはロサンゼルスを舞台に人種差別問題に切り込んだ「クラッシュ」(ポール・ハギス監督)が選ばれた。当初、最多8部門で候補にあがり、ゲイのカウボーイの悲恋を描いた「ブロークバック・マウンテン」は作品賞を逃したが、アン・リー監督(51)が初の監督賞を獲得した。~(岡田敏一記者)

☆この岡田敏一記者は、先日この記事で紹介したFuji Sankei Business iにも鋭い分析記事を寄稿している人です。早速、3/7の同紙にもなかなか鋭い批評記事が掲載されていたのですが大事なトピックであるため、日を改めて紹介しようと思います。

●東京新聞・芸能面
“本命”苦戦 賞が分散 アカデミー賞総評
作品賞「クラッシュ」・米社会の矛盾問う
監督賞リー監督・愛のありよう、光る演出

 今年は作品賞候補5本とも娯楽大作というより社会派ぞろいだった。作品賞の「クラッシュ」は、ロサンゼルスを舞台にした群像劇。暴力の連鎖や人間関係の複雑さをリアルに描いたのが地味だが評価された。一方「ブロークバック・マウンテン」は、根強く残る同性愛への偏見が、保守的といわれるアカデミー会員に避けられたといえようか。
 ただ、監督賞のアン・リー監督は台湾出身だが、ハリウッドで実績もあり、あの大自然をバックに、愛のありようを嫌みなく描いた演出が良かった。「社会が否定するゲイというより、愛がいかに素晴らしいかを訴えた」という監督のメッセージが印象的だった。~(大谷弘路記者)

☆カラーの写真入りで、かなり大きなスペースを使っての特集記事。「愛のありようを嫌味なく描いた」という表現は秀逸です。

●サンケイスポーツ・芸能面
アカデミー賞授賞式 34億円女優オスカー獲った

 ◆映画評論家・水野晴郎氏「~作品賞に関しては、『ブロークバック・マウンテン』が有力だと思っていましたけど、現代的な問題を描いた『クラッシュ』に比べて、ローカル色が強かったのかもしれないね。男性の同性愛を描いた物語に、拒否感があったのかもしれない。全体的には社会的な問題を扱った作品が表立っていて、例年に比べてちょっと作品的な派手さに欠けたかな」

☆めずらしく主演女優賞のリース・ウィザースプーンさんを大々的に報道。スポーツ紙は総じて「自社に関係の深い配給会社」の映画を大きく取り上げる傾向にあるみたいで、本来ならばメインであるべき作品賞と監督賞についての記述が異様に小さかったです。
 それにしてもこのコメント。映画「シベリア超特急」シリーズで独自の美学を追求中の水野さんにしては、当たり障りがなくてつまんないなぁ~(笑)。

●夕刊フジ・芸能面
予想外の結果だったアカデミー賞
本命「ブロークバック~」アジア監督初栄誉でバランス

 5日(現地時間)発表された米アカデミー賞は、主要部門で賞が見事に割れる予想外の結果に終わった。本命視された「ブロークバック・マウンテン」がアン・リーの監督賞の他、脚色賞、作曲賞の3部門に留まったのが驚き。カウボーイ同士の禁断の愛が敬遠されたと映るが、アジア人監督に初の栄誉を与えることで一種バランスを取ったともいえる。
 事故をめぐる群像劇で、人種差別問題を絡めた濃厚な人間ドラマ「クラッシュ」は作品賞、脚本賞、編集賞の3冠で質の高さを証明。既に公開中だが、このハッピー・サプライズで、客足がどこまで伸びるか。~(折田千鶴子記者)

☆出た~禁断の愛!(←いまどき真面目にこんな表現するんですね~。笑)

総じて・・・

 翌日の新聞報道というのは「速報性」と「事実の伝達」が最優先されるため、あまり突っ込んだ内容にはなりません。その中で毎日新聞がコラム「ひと」でアン・リー氏のインタビュー掲載を事前に予定していたことからもわかるとおり、おそらく各紙とも「ブローク・バック~」の作品賞受賞に合わせた記事が予定されていたことが窺えます。そして作品賞を逃した理由としてとりあえずは「同性愛への根強い偏見」を理由に挙げる記事が大勢を占めていました。
 賞の結果について検証する記事はその後、続々と出てきています。当ブログの目的は速報性ではなく、その「報道の検証」にあるため、少しずつ取り上げて行こうと思います。


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コメント

この記事へのコメント

ふっ、出たよ、禁断の愛…

下世話なスポーツ紙だもん。しゃあないか。
「カウボーイ同士の恋愛」って表現いいと思いますね。
だって「同性愛を描く映画」って紹介の仕方はあっても、
「異性愛を描いた映画」なんて、きいたことないでしょ?
まあ、多分「同性愛」という言葉に性的なにおいを感じて、
当たり障りのない表現に差し替えたんでしょうけど。

それにしても夕刊フジの記者さん。
感性が10年以上遅れているよ(笑

結局 ,cowboy gayに賞を与えることができない.!
東洋人だから... 賞を受けることができなくから当たるかも ...

こんばんは。今日は・・・・つ、ついに・・・モンチッチを買いました。定番のモンチッチ1体と、もう一つは、女の子の定番が欲しかったんですが、目つぶっているのしかなかったので、やめました。そして、一番嫌だと思っていた、蛍光色のモンチッチを買いました。ライトブルーと、ライトイエローです。今日は、定番のモンチッチと寝るつもりです。

ほんっと、どーでもいい話ですよね・・・

●Kazuccineさん。

「カウボーイ同士の恋愛」→「ボーイ」同士の恋愛だから
同性愛って言ってるようなものか・・・(笑)。カウ「ボーイ」だもんね。はは。
たとえばゲイ業界の雑誌の中だったら「異性愛小説掲載!」とかが
かえってニュースにはなるね(笑)。
一つぐらい、そういう新聞が発行されててもいいんだけどね。人口比率から言って。

「禁断」って、「いけないこと」のニュアンスだよね。
こういう細かいこと、やっぱり気になるのは過敏すぎ!?

●翼さん。

「作品賞」が取れなかったことについて、いろんな理由が取り沙汰されていますが
当ブログでは、たとえ愚直と言われようが時期はずれと言われようが(←誰もまだ言ってないけど。)
しつこくネチネチとこだわり続けますっ!

●桃さん。

っていうか・・・蛍光色のモンチッチぃ~?なんだそりゃあ!
最近「ブロークバック」の記事ばかりで桃さんと楽しい会話が出来る場所がないですね~(笑)。
たまには「フツーに日記」も書かなきゃ。というより根本的に、このブログのどこが
フツーに生きてるGAYの「日常」なんだか・・・。

はっきり言えば宇宙人みたいなモンチッチ!!

そーですね、映画の日記が多いですね。フツーに日記楽しみにしてるんだけどなぁ~。まだかなぁ~。

なんかakaboshiさんとのコメントで、桃も普通の話したい!!って思って即行動。作りました。前と題名違います。それは、絶対そこにないといけない事だから題名にして、気づかせるおもいでそういう題名にしました。暇な時にふら~っと寄って下さい。

reply, 読んで同質感を感じてしまいました.
韓国netizen,反応が似ていますね^_^...
Brokeback Mountainを同性愛 b級扱ってしまうには
映画がとても惜しいという反応です..
Crashが賞を受けたことは変事...
同性愛者を扱って... 監督が東洋人なので,
同じ反応です★.
最近韓国では同性愛者入養許可. 及び養育権を
認める法律を推進しています☆.
以前には, 同性愛者であることが明かされれば, 養育権を強制路奪われて, 離婚補償にも同性愛者は非常に不利だったが, この法が通過になれば多くの既婚同性愛者たちが法的平等を成しますね. もちろん同性愛者でも, 一人で子供を育てるのが可能です★.
入養も可能で, 同性結婚認定まで行く道が遠かったが,
韓国キリスト教団体と儒教団体の荒い反発に , 挫折される危機だが... こんな法制定推進になっているという事実万で... 多くの方々がよほど慰安を得て "力を出して!!" しています...

独り者入養許可までは政府で認められることができるようです. 多くの市民団体たちがデモをしています... 今この時間にも^_^ , 韓国の現政権は左派的性向だから... 同性愛者に好意的だから幸いです.☆
来年に韓国に選挙をします... その前に皆
通過されると同性愛者に有利ですが...

何故ならば次の選挙では保守的右派性向の
政党が集権をするでしょう...
そのようになれば同性愛者たちのバラ色日常たちも
終りが出てしまいますね...^_^
以前に現在推進している同性愛者関連法たちが
皆通過になられることができるように応援お願い致します...


●桃さん。

ブログ再開、おめでとうございます。そちらに行きます!

●날애 (翼)さん。

韓国のLGBTたちの動きの活発さが伝わってきました。
ありがとうございます。
ずいぶんと厳しい法律が存在していたのですね。
何とかその流れが大きくなるよう、日本からも応援します。
その前に、まずは知らないといけませんね。
まだ、韓国のことについて、知らないことが多すぎます。
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