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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2020-02
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ブロークバック・マウンテンで見る世界005●初回を観ました。



 初日の渋谷は大行列

 3/4(土)から渋谷のシネマライズで先行ロードショーが開始された「ブロークバック・マウンテン」 。どうせ観に行くならと気合を入れて10:50からの初回を観に行ってしまいました(笑)。ちなみに、僕がこんな「映画マニア」のようなことまでして映画を観たのは、はじめてです(←じゅ~ぶんマニアだっつーの)。

<今回は、映画の内容には触れずに「初日レポート」に徹しました。
 ネタばれではありませんので、安心してお読みください。>

 念のため一時間前に渋谷に着き、スペイン坂を登ってみると上の方になにやら行列が。
「もしや・・・」と思った通り、この映画の初回目当ての人々による行列でした。
 「残りわずかとなりま~す」と係の人が呼びかけていたので急いで並び、なんとか前から5番目の端の席をゲット。僕の後ろにもどんどん人が増えていたので、初回に入るのをあきらめざるを得なかった人が、たくさんいたのではないかと思われます。

 開場し劇場内に入ると、客席には思ったよりもゲイのカップルは見当たらず、かといって若い女性層に偏るわけでもなく、若者からお年寄りまで幅広い年代の男女で埋め尽くされていました。
 ただ、やはり「PG-12指定」の影響なのでしょうか、子どもが全く見当たらなかったのが残念と言えば残念。
 入場が禁止されているわけではなく、保護者同伴ならば入場は可能なのですが、親に勇気がなければ連れては来ないのでしょうね。
 nicoさんのこちらの記事によると、シドニーでは子供連れの光景もあったとか。こういう映画を子どもと一緒に観て語り合う親って素敵だと思うし、僕が子どもだったら一生忘れないけどな~(笑)。

 場内では、すすり泣きがあちこちから。

 それにしてもこの映画、本当によく出来てます。
 単純に、観ていて「おもしろい」と感じるし、画面が美しいし、台詞も抑制されていて一言一言が深いし、演技もいいし音楽もセンスがいいし演出も編集もいい。「いい映画」の条件が何拍子も揃っているから観ながら「ダメ出し」する必要もなく(笑)安心して映画の世界に身を委ねることが出来ました。
 そして後半になればなるほど物語としての強度は強まり、心を揺さぶられる場面がいくつも出てきます。しかもそれが、ハリウッド大作にありがちな「押し付けられる」種類の感動ではなく、観客自身が自らの知能と感覚を駆使した上で感じる、深い部分での心のざわめきがもたらされるのです。
 途中からあちこちで鼻をすする音が聴こえて来たのですが、余計なBGMがない映画だから場内に響く響く(笑)。でもわかります。気を抜くと、僕も泣いてしまいそうになったほどですから。こんな感覚は本当に久々だったし、どうせなら周囲に混ざって泣けば良かったとも思いました。


 この映画は世界を変える。


 ・・・観終わってからまず、そう思いました。
 なぜならこの映画は、人間としての「普遍的な部分」を表現するレベルまで、しっかりと到達しているからです。
 国境を越え性別を越え、老若男女を越えて観客の心を結びつけてしまえるような、強烈な力をこの映画は持っていると感じました。
 それは、数ある芸術表現の中でも「音楽」が持ち得る特権です。この映画はいわば「音楽的な領域」にまで達しているのです。

 アカデミー賞絡みの報道では「社会性」(メッセージ性)ばかりが注目され、「同性愛の悲劇」を描いた側面に注目が集まっていますが、それはあくまでも観客の側が勝手に意味付けるもの。この映画はそれよりも、もっと高いレベルに達して、映画それ自体が「生き物」として自立しているように思います。

 もちろん、この映画が「結果的に」噛みついている既成の「家族制度」だとか「父権制度」「男女の夫婦という窮屈な関係」などについても、論じることには大きな意義があるでしょう。
 そうしたいろんな論議を巻き起こすに充分な「上質な議題」を提供してくれる映画だし、だからこそ、これほどまでに世界的な評価を勝ち得ているのだと思います。しかし、その全てを包み込んでしまうかのような「大きさ」を、この映画は持ち合わせてもいるのです。

 間違いなく、10年に一度出るか出ないかの名作。僕は映画をたくさん観るようになってから10年は経つのですが、これほどの感覚を味わったのは久しぶりのことです。
 低予算映画ながらもアカデミー賞の最有力候補になっているのは納得だし、世界中の映画業界に良い刺激を与えるためにも、ぜひこの映画がオスカーを受賞して欲しいと思いました。

 アカデミー賞は、アメリカの映画製作者たち自身による投票によって決まります。心ある映画人ならば、この映画が達成したものの「大きさ」に気付いているでしょうし、業界の改善のためにも投票しただろうと思います。

 映画史に確実に残るこんな素晴らしい名作が「同性愛」を描いてくれたことは、結果として世界のLGBTたちに計り知れない好影響をもたらすことでしょう。
 そういう意味でも、歴史的な映画です。




 観終わって映画館を出たら、ちょっとしたお祭り騒ぎでした。映像メディアが観客のインタビューを収録したり、雑誌の記者がアンケートを取っていたり。
 僕は「ぴあ」の出口調査隊に捕まったので質問に答えました。作品については100点満点、演技や演出・音楽等について5段階で採点するのですが、もちろん満点にしておきましたよ。
嘘じゃなく、心からそう思えたから。

関連記事
アン・リー「ブロークバック・マウンテン」●MOVIEレビュー
「ブロークバック・マウンテンで見る世界」最新記事はこちら

DVD「ブロークバック・マウンテン」

アニー・プルー著「ブロークバック・マウンテン」

オリジナル・サウンドトラック「BROKEBACK MOUNTAIN」

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コメント

この記事へのコメント

のぉ~っ!

もう見たのね?!akaboshiっち(笑)

ふむふむ・・・。完璧、あっしも号泣するかもな(笑)
最近妙に涙もろいし(関係ないか(汗))

まずはこんなわかり易いレビューを書いてくれてありがとう!☆
映画の醍醐味が詰まってるんやろうね~・・・。

ますます早よみたいわぁ!(笑)

私も

早く観たいですぅ~~~!
akaboshiさんのレビューで、余計に期待がふくらみました☆

おー朝一番とは!この盛り上がりの状況が良く伝わりました。若者だけじゃない、っていうのがメディアがかなり注目したことが理解できるし外で感想取材っていうのも生なましく興味深い。ぴあに100点満点とは!良かった~、期待通りの感想で。きっと色々と感想も書きたいんだろうねえ。
明日のアカデミー賞楽しみですね☆

賞の行方がたのしみですね。

ぼくもゆうべ2度目の観賞をしました。前とは違う映画館で、もう封切りからかなりたつし、午後9時過ぎの最終回という時間にもかかわらず、ほぼ満席に近い状態。やっぱりアカデミー賞の前におさえておこうという人が多かったのかな?
2度目は、1度目より胸の奥にひびきました。前は台詞も聞き取るのがせいいっぱいで、一歩ひいた頭で理解してた感じでしたが、今回はすっかり没入して、エンドロールの時にぼろぼろ涙がこぼれてしかたなかったです。

早く観たーい

おおおおっ。観にいかれたのですね!
ネタばれご配慮いただいてどうもです^^
こちらのレビューを読んだら今すぐにでも観に行きたくなってしまいましたっ!詳しい感想も是非読みたいです!きっと感じることもそれぞれなんだろ~なー。
そうそう、HN変わりましたっ^^

ぜひ見たいと思います。

コメントありがとうございます。まだ見ていませんが関連記事を書きましたのでTBさせてください。アカデミー賞を取るといいですね。また遊びに来てください。

はじめまして

はじめまして、昨日の初回に行かれたんですね。すごい羨ましいです。オレも明日行けそうです。上のフォトを見たり記事を読んだらもう我慢できないすよ。明日の今頃はオレも自慢できそうです。これからもおじゃまさせてもらいます。よろしく!

そうです!超名作となること間違いないですわ!

こんばんわ!TB&コメントありがとうございます!
初日レポ・・素晴らしいです!私も初日に行きましたが、とんでもない行列でした。この日は捕まりませんでしたが、私もしょっちゅうぴあに捕まります。初日ばかり狙っていくと、捕獲確立が高いようです。
ところで。ホントにホントに素晴らしい作品でした。もう、観終わった後、渋谷で一人パスタを食べながら、なんだか感極まって泣きそうになりましたよ。あの美しい情景と、2人のこの上ない純愛がずっと頭を離れなくて・・・ホントに心に染み付きました。
≫間違いなく、10年に一度出るか出ないかの名作。
ですね!全くです!ごもっともです!
さっさと全国公開してほしいですわ。たくさんの人に観てほしい作品と思います!

●SHIN'YAっち

そちらで公開されるまでは2週間の辛抱だね~。
たとえ期待を膨らませすぎても、裏切られないと思うよ~この映画(笑)

こんばんは

こんばんわです。
トラックバック+コメントありがとうございます。
私は金曜日に飲みすぎて土曜の午後一の部を観ました。けど、そんなに盛況だったんですね。ぴあ以外でメディアが取材に来てたなんて。「パッション」の時もテレビカメラが多かったですけど、似た雰囲気だったのかな。
映画だけのブログじゃありませんが、また是非お立ち寄り下さいませ。
では、また!

●yuppeさん。

膨らませて損はないですよ~(笑)
お役に立てて嬉しいです~。

●flowfreeさん。

メディアの注目度は、本当にすごいですよ~。
表紙グラビアだとか、特集記事がバンバン組まれてます。
それなのに、いまだ渋谷で一館しか上映してないというのが
ジラせすぎ・・・混雑するわけですね。
「ぴあ」のインタビューは、けっこうワクワクしましたよ~。
ただ、感想を詳しく言葉で言うと、写真撮られて載せられちゃうみたいだったから
さすがにそれは断りました(笑)。

●nicoさん。

いいな~、2回目観てきたんですか。
まだ満席が続いてるって言うのが嬉しいですね。
台詞、僕は完全に「日本語字幕」で把握しましたが、
翻訳のレベル、かなり高いと思いましたよ。
全く違和感なく、邪魔にもならず
すごくよく言葉が練られた翻訳でした。
僕も、何回か観に行くことになると思います。
(というか、すでに行きたくてウズウズしてます。笑)

●Renさん。

詳しい感想は、「小出し」にして書いて行きますので
注意して、おそるおそる読んでください(笑)。

●映画侍さん。

「真夜中のカウボーイ」との関連、面白いですね。
淀川長治さんが、ゲイ的なホンネを剥き出しにした
「男と男のいる映画」という本を持っているのですが、
信じられないくらい暴言がいっぱい詰まってて面白いですよ~(笑)。
オススメです。

●kenjikenji さん。

おっ!明日行かれますか。
無事に前売り券が買えるといいですね。
混んでると思うので早めに行って買った方がいいと思いますよ~。

●睦月さん。

さすが睦月さんは、初日の「ぴあ」にも慣れっこなんですね~(笑)。
初日を狙って行くその情熱、素晴らしいデス。
僕は、はじめてだったので嬉しかったですよ。
客席にも、初日独特の華やぎとか緊張感があることを知りました。

●ヘンリーさん。

「パッション」も物議をかもしてましたからね~。
この映画の場合は、ものものしい雰囲気はなく
華やいだ初日だったという感じです。
映画好きな人で「初回」にこだわる人の気持ちが
わかったような気がします。

はじめまして★

TBありがとうございました。見られたなんてとても羨ましいですね~。私は入り口止まりでした…;もう少しでアカデミー賞が始まりますよ!夜勤だから寝ないとだけど見ますっ☆★ではでは

●mizuyuriさん。

入り口まで行ったのに見られなかったなんて残念でしたね。
ぜひ再チャレンジをして、ブログに感想を書いてトラックバックしてください。
しばらくは、しつこく毎日のようにこの映画について
記事を書いてると思いますので(笑)。

素晴らしかった!なんで作品賞じゃないの、クラッシュもよかったけど、それ以上だと思いました。なんか釈然としません。ヒースに男優賞あげたかったな。もう胸を衝かれましたわ。Tb失礼します。

日本の風景が懐かしい写真ですね!

●あんさん。

釈然としない思いをした人、僕も含めて多いみたいですから
かえって今後も語られ続けるのかもしれないですね。

はじめまして、TBさせて頂いちゃいました。
この映画、ホントによかったです。2006年ベスト3に入るの間違いなし!
ジャックのシャツで、涙腺切れました。そこから泣きっぱなし(苦笑)これがどうしてオスカー逃したのかわかりませんって、「クラッシュ」まだ見てないんですけど。保守的なアカデミー会員には受け入れられなかったのかなぁ。

●Bohさん。

アカデミー会員が保守的だ、という語られ方をすることで、
結果的にはこの映画の株が上がっているのかもしれないですね、実は(笑)
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