ゲイと父親との関係~ジョージ・マイケル報道で考える PART.2

コメントを書こうと思ったのですが・・・なんだか長くなりそうなので記事にします。興味のある方は、Ikunoさんの記事と併せてお読みください。
◇◇◇
Ikunoさんと、お父さんとは、本当に相性が合ったのでしょうね。フランクに接することが出来たというのが、いいなぁ~と思います。
Ikunoさんのお父さんのように文学的な感性が豊かな人はきっと、人間の多様性についての理解も深いでしょうし、他者を尊重するということがどういうことなのか知っているのでしょう。だから自分の子どもに対してもちゃんと「他者」として接することが出来たのだと思います。素敵です。
ただ、残念ながら日本の多くの父親たちの日常を想像すると、そのような人は少ないのではないかと思います。仕事の忙しさで時間に追われ、そのような感性を自らに育む余裕が無いだろうからです。なぜなら、仕事場というのは「ビジネスマンとしての人格」は形成しますが、「人間としての多様性」を切り捨てることが求められる場でもあるからです。演劇や映画の客席を埋めるのも大半は中年女性たち。ビジネスマンの芸術的感性の貧困度は深刻です。
僕の父は、やたらに自分の「美学」を持っている人でした。特に「男である」ということに関しては強烈に。「父というのはこうあるべきだ」「男というのはこうあるべきだ」という美学を、よく息子である僕に聴こえるように口にしていました。僕も幼い頃は素直でしたから(笑)、従っていたように思います。
ところが成長するにつれて「父の美学」に自分を当てはめ、演じなければならないという強迫観念が辛くなって来ました。しかも、そんな中でさらに自分が「ゲイである」ことを認識しはじめるのですから・・・それはもう絶望的(笑)。
唯一の救いは、母や姉とは仲が良かったということです。父は「女性蔑視発言」もよくする人だったので、日頃から彼女たちを傷つけていました。だから父のいない時には、父の理不尽さや横暴さを3人で愚痴っていました(笑)。だから父の前で「演じていた」のは僕だけではなく、母や姉も一緒だったわけですが。
その影響か、今でも女性と話す方が僕としては自然に振る舞うことができます。しかし、女性が「女性」であることを僕にアピールして来ると嫌悪感を覚えてしまうのは、幼い頃からあまりにも母や姉と親しみすぎたせいで、彼女たちの「暑苦しさ」を思い出して「もう勘弁っ!」と生理的に拒否反応が起きてしまうからなのだと、自分では把握しています(←自分勝手ですね~笑)。
だから僕は必然的に、自分の育った環境で足りなかった「優しく包み込んでくれる男性」のことを求めてしまう傾向にあるようなのです。従って、僕がゲイである理由は「後天的」である比率が高いのだと、自分で認識しています。・・・なんだか、自分のセクシュアリティーを披瀝するのって、ちょっとこっぱずかしいですが(笑)。
これは決して特殊な例ではなく、僕の父親のように「不器用で強烈な美学を持った男性」が相変わらず格好いいとされ続けている限り、似たような精神遍歴を辿って似たようなセクシュアリティーを持つ人も生まれ続けるだろうなぁと思ったので、ジョージ・マイケルに共感しながら前回の記事を書いた次第です。
「人の数だけセクシュアリティーはある」という言葉もあるようです。同性愛を自覚する人も、その原因や理由は人それぞれ。「断言調」で一括りにするような方々がたくさん世の中にはいらっしゃいますが、他者に対する想像力を持つのが面倒くさくて怠惰なんだなぁ~と、思うようにしています。
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●ジョージ・マイケル 大丈夫かぁ~?
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コメント
この記事へのコメント
後者かな~
あっしも。
あっしの場合はまだ幼い時に父親を亡くして、父親の愛情ってのを味わった事がなかった。
母親が再婚して義父ができたけどあまり愛情を与えてはもらえなかった(養育の部分ではあたりまえにしてはくれたけど)。
今となってはそれが要因の一つなんだなって理解してる。
あっしも妹が2人いるんでよく母親と4人で父親の文句を言ってた(笑)(酒癖が悪かったんで)
どこも一緒なんやね(笑)
相方は9歳上だし、やっぱり父親(同姓)の愛情みたいな物を無意識に求めてた結果なんだよね~。
まぁ、ゲイの道を歩む事をこの人生のテーマとして生まれてきたんだって事もね・・・あるんだと思う・・・。
あっしの場合はまだ幼い時に父親を亡くして、父親の愛情ってのを味わった事がなかった。
母親が再婚して義父ができたけどあまり愛情を与えてはもらえなかった(養育の部分ではあたりまえにしてはくれたけど)。
今となってはそれが要因の一つなんだなって理解してる。
あっしも妹が2人いるんでよく母親と4人で父親の文句を言ってた(笑)(酒癖が悪かったんで)
どこも一緒なんやね(笑)
相方は9歳上だし、やっぱり父親(同姓)の愛情みたいな物を無意識に求めてた結果なんだよね~。
まぁ、ゲイの道を歩む事をこの人生のテーマとして生まれてきたんだって事もね・・・あるんだと思う・・・。
突然トラックバックしちゃってすみません(汗)
僕の場合は,自然に同性愛感情を受け入れていたので,自分でもどうして同性愛になったのかわからないんですよね。
自分から見ても理想的だと思った育て方に見えない落とし穴があったのか,それとも先天的な何かがあるのか・・・
同性愛の発現って不思議だなぁとつくづく思います。
僕の場合は,自然に同性愛感情を受け入れていたので,自分でもどうして同性愛になったのかわからないんですよね。
自分から見ても理想的だと思った育て方に見えない落とし穴があったのか,それとも先天的な何かがあるのか・・・
同性愛の発現って不思議だなぁとつくづく思います。
●SHIN'YAっち。
けっこう、僕とパターンが似てるかも。
「ゲイの道を歩む事をこの人生のテーマとして生まれてきた」
・・・そう捉えると、滅多にないことだから謳歌しようと思えるね。
とりあえず、犯罪者扱いされない日本に生まれたことを感謝して。
「ゲイの道を歩む事をこの人生のテーマとして生まれてきた」
・・・そう捉えると、滅多にないことだから謳歌しようと思えるね。
とりあえず、犯罪者扱いされない日本に生まれたことを感謝して。
●Ikunoさん。
いえいえ、トラックバックは突然来るものですから(笑)。
僕の分析も、自分で一生懸命こじつけたものかもしれないので
実際のところは本人でも完全には理解できません。
人間の感覚とか本能ってやっぱり、解釈できない部分があると思うし。
不思議ですよね。
僕の分析も、自分で一生懸命こじつけたものかもしれないので
実際のところは本人でも完全には理解できません。
人間の感覚とか本能ってやっぱり、解釈できない部分があると思うし。
不思議ですよね。
うちの場合
表面的には民主的ないいお父さんだったと思います。
組合活動も熱心で、女性の人権確立などにも熱心で。
「お父さんはね、外では左翼、家では右翼よ。」
これは母が言っていた言葉です。
口では何とでも言うけれど、家での母や祖母に対する態度は、
昔ながらの男の姿に他なりませんでした。
あたしも女性といる方が素の自分でいられます。
多少MtFの傾向がある自分なので、おそらく先天的にゲイだったと
自分では思っているんですけど、色々後天的な要因もあるのかも…。
組合活動も熱心で、女性の人権確立などにも熱心で。
「お父さんはね、外では左翼、家では右翼よ。」
これは母が言っていた言葉です。
口では何とでも言うけれど、家での母や祖母に対する態度は、
昔ながらの男の姿に他なりませんでした。
あたしも女性といる方が素の自分でいられます。
多少MtFの傾向がある自分なので、おそらく先天的にゲイだったと
自分では思っているんですけど、色々後天的な要因もあるのかも…。
●kazuccineさん。
あ・・・うちの父親みたい(笑)。
うちも「外では左翼、家では右翼」の人だった。
言ってることと行動が間逆で矛盾してるから
「この人はどうしてこうなんだろう」って、分析するのが大変だった(笑)。
先天的と後天的の問題は、「左翼」と「右翼」の争いと同じように
「自分はこうなんだ」と断言して思考停止する態度が
一番、うさんくさく感じます(笑)。
うちも「外では左翼、家では右翼」の人だった。
言ってることと行動が間逆で矛盾してるから
「この人はどうしてこうなんだろう」って、分析するのが大変だった(笑)。
先天的と後天的の問題は、「左翼」と「右翼」の争いと同じように
「自分はこうなんだ」と断言して思考停止する態度が
一番、うさんくさく感じます(笑)。
自伝「裸のジョージマイケル」のこと
はじめまして,akabosiさん。このサイトを読んでジョージの自伝「裸のジョージマイケル」
のことを思いました。お姉さんたちやお母さんのこと,お父さんとのこと,女友達のこと(WHAM!のアンドリューは「ジョージは女の子とほっつき歩けるけど僕はできない」といっています。)とか,ジョージが「女の子がぼくをねらっているのはがまんできない。」と言っているところなど。この本は,「LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOLUME !」のころに出されたので,カミングアウトする前なんですよね。本当はみんなに分かってほしかったんじゃないかなと今は思います。akabosiさんの話を読んでなるほどと思いました。共通点が多いですね。
大麻の逮捕の件についてのコメントもすごく良いなあ、と思いました。私もそう思いますよ。
のことを思いました。お姉さんたちやお母さんのこと,お父さんとのこと,女友達のこと(WHAM!のアンドリューは「ジョージは女の子とほっつき歩けるけど僕はできない」といっています。)とか,ジョージが「女の子がぼくをねらっているのはがまんできない。」と言っているところなど。この本は,「LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOLUME !」のころに出されたので,カミングアウトする前なんですよね。本当はみんなに分かってほしかったんじゃないかなと今は思います。akabosiさんの話を読んでなるほどと思いました。共通点が多いですね。
大麻の逮捕の件についてのコメントもすごく良いなあ、と思いました。私もそう思いますよ。
●shukouさん。
はじめまして。shukouさんのサイト、すごいですね。ジョージ・マイケルがいっぱい(笑)。
僕は、映画「ジョージ・マイケル~素顔の告白」を見て以来、
すごく彼に対して親しみを感じてしまい、大好きになりました。
CDも聴きましたよ。「Jesus to A Child」が特に大好きです。
映画の中でのライブシーンも印象的でしたし。
自伝「裸のジョージマイケル」おもしろそうですね~。
読んだらきっと、ゲイ的にも発見があると思います。
カミングアウトする前に出版されたというのも、興味深いですね。
そういう「ビミョーな隠し方」をしている時期の方が、読んでてスリリングかもしれないし(笑)。
彼も、女性たちに囲まれて育ったんですね。
僕もどちらかというと家族では女性たちに親しんで育ったので、
今でも自然体で話が出来るのは、圧倒的に女性です。
(あ、でもオネエ言葉ではありませんが。笑)
今後もジョージ・マイケルについて書くことがあるかと思いますので
その時にはお知らせしますので、よろしくおねがいしま~す。
僕は、映画「ジョージ・マイケル~素顔の告白」を見て以来、
すごく彼に対して親しみを感じてしまい、大好きになりました。
CDも聴きましたよ。「Jesus to A Child」が特に大好きです。
映画の中でのライブシーンも印象的でしたし。
自伝「裸のジョージマイケル」おもしろそうですね~。
読んだらきっと、ゲイ的にも発見があると思います。
カミングアウトする前に出版されたというのも、興味深いですね。
そういう「ビミョーな隠し方」をしている時期の方が、読んでてスリリングかもしれないし(笑)。
彼も、女性たちに囲まれて育ったんですね。
僕もどちらかというと家族では女性たちに親しんで育ったので、
今でも自然体で話が出来るのは、圧倒的に女性です。
(あ、でもオネエ言葉ではありませんが。笑)
今後もジョージ・マイケルについて書くことがあるかと思いますので
その時にはお知らせしますので、よろしくおねがいしま~す。
akabosiさん,コメントとトラックバックありがとうございました。私のブログを見て下さってありがとうございます。akabosiさんのこのサイトの文章は,私にとっては感動です。「そうだよね。」って思います。ゲイは特別なことじゃない,っていうのも,私も日ごろそう思っていることです。人を好きになることそのこと自体が,素敵なことですからね!自伝『裸のジョージマイケル』は「ジョージマイケル博物館」というサイトで全文読めるようになっていますよ。
本にはたくさん写真があるので,私は本を持ってます。amazonでも買えるし,時々ヤフオクにも出品されてますよ。
本にはたくさん写真があるので,私は本を持ってます。amazonでも買えるし,時々ヤフオクにも出品されてますよ。
●shukouさん。
「ジョージマイケル博物館」見ました。すごいですね~!
プリントアウトして、じっくり読もうと思います。
いいファンの方がたくさんいるんですね~。
写真もいっぱいあるなら、本も欲しくなっちゃいますね。
プリントアウトして、じっくり読もうと思います。
いいファンの方がたくさんいるんですね~。
写真もいっぱいあるなら、本も欲しくなっちゃいますね。
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姉さん二人いたらああいうふうになるよね
ジョージは姉さんが二人いるけれど,やっぱりああいうふうになるよね,と思います。弟ってかわいいんですよ。お母さんだって,女の子二人の後の男の子はすごくかわいく思っているはず。私の弟も姉二人の弟ですから・・・。やさしいし,お母さんや姉さんのいうことは何でも