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2019-11
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ブロークバック・マウンテンで見る世界003●UAEでも上映禁止

 いよいよ3月4日の日本公開が迫ってきた映画「ブロークバック・マウンテン」。
 中国だけではなくUAE(アラブ首長国連邦)でも政府が上映を禁止したそうです。

 UAE政府は”有害で異常な行為”から国民を守るためのものだと言っている。
「その映画は我々の文化や伝統に基づいて生活している人々を当惑させる。主人公の性的行為を描くことは東洋社会ではそぐわない。特にイスラム教国やアラブ地方の国々では同性愛のような異常な行為は禁止されているのだから。」アブドラ・アル・アミリ博士はそう語った。 上映禁止を決定した文化情報省は「同性愛男性の性描写は基準に反するため、上映禁止にした」と禁止の理由を述べている。
(→GayJapanNews2/17より

 UAEといえば昨年、同性愛者が集団結婚式をしている最中に摘発されたことが世界中に報じられました。
(→ 「アラブでゲイは逮捕されるらしい」参照)
その後彼らは精神鑑定を受けホルモン治療を受けさせられたのでしょうか。続報がまったくないためわかりませんが、後日談が気になります。

 イスラム教では同性愛は禁じられています。昨年7月にはイランで、同性愛行為の発覚によって捕まったと思われる少年2人が公開処刑され、衝撃的な写真がネット上で公開されました。
 北丸雄二さんのWebサイトによると、この件の詳細については情報が錯綜しているようではありますが、記事の中で触れられたイランの法律のあり方には、驚かされます。

 イランでは性交に及んだ者は絞首、石打ち、刀剣による体の分断、高所からの突き落としのいずれかの方法で死刑。血縁関係にない2人の男性が正当な理由なく裸で一つ布団の下にいたら判事の自由裁量による懲罰。肛門性交ではなくいわゆる素股行為をしていても両者はともに鞭打ち百回。片方がイスラム教徒でない場合は死刑も適用。素股での4回の摘発では自動的に死刑。欲望をもっての同性間のキスも違反です。
 もともとペルシャ文化を引き継ぐイランでは男性同士のキスや手をつないでの散歩は日常茶飯事だったのですが、ホメイニ以降のこのイスラム原理主義体制によってそうした慣習も消え去っていきました。
 イランにゲイ弾圧は厳格に存在します。シェイダさんの件もありました。そういう問題をしっかりと批判するためにも、事実は事実としてきちんと腑分けしなくてはならない。その上で、ゲイであろうとなかろうと、今回処刑された若い2人がホモフォビアに力を借りた権力の犠牲者であることに変わりはないと私には思われるのです。そのことに、深い悼みと怒りとを禁じ得ません。
(→ 「Yuji Kitamaru.com」「NEW YORK JOURNAL Jul.2005」より引用。)

 北丸さんが文中で触れている「シェイダさんの件」とは、1999年に日本でイラン人のゲイ活動家としてカミングアウトした方のこと。
 彼は本来難民であるにも関わらず難民申請を却下され、あやうくイランに強制送還されそうになりました。しかし日本の支援団体の活動が実り、2005年3月に無事、第三国へ出国することが実現できたようです。(→すこたん企画HP内「シェイダさんデータブック」参照)

 最近のムハンマド風刺画問題などでも表面化していますが、まだまだ世界ではお互いの「無理解」がもたらす衝突の火種は転がっています。LGBT問題も、その一つではないでしょうか。
 特に宗教が絡んでくると一筋縄では行かない面があると思うので、まずは「どうしてイスラム教で同性愛は禁止されているのか」、その歴史的・文化的背景を知りたいと思いました。今の僕はその点に関して無知すぎるため、発言する資格はありません。

 それにしても、西欧諸国やアメリカでの公開でさえ、既成の価値観や道徳観に揺さぶりをかけているらしい「ブロークバック・マウンテン」という映画。評価の高まりが国境を越えた広がりを生み、そのことでいろんなことが見えてきました。
 保守的だと言われるアカデミー賞での動向や3月の日本公開での反響等々、注目すべきトピックが今後も満載です。

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コメント

この記事へのコメント

TB成功!もしかして、エロサイトと判断されてたのか・・・!?(笑) アカデミー賞、正直注目です。映画の外で動く俳優さんが見たい、と映画を観た後思ったので、楽しみ。是非まだみてないakaboshiさんも録画なんぞしてみては。後々、録ってて良かった!となるかも。しかしイラン人で日本で活動家とアウトしたとはかなり勇気がいったでしょうね。私はアラブ系色んな意味で正直怖いです。だから余計大変さがわかる。是非応援したいです。

初めまして。凪(なぎ)ともうします。
もうしわけありませんが女です。( ^ ^;)
ちょっと思う事がありまして書き込みさせていただきました。
「ブローク・バック・マウンテン」が中国で上映拒否というニュースは聞いていましたが、アラブでもそうだったのは初めて知りました。
イスラム圏の国ではゲイの男性は多いと聞いた事があります。女性と結婚するのにはある程度以上の財力がないと出来ないので、さほどの財力の無い男性たちが同性に走ってしまうとか・・・(今となってはこの説本当かどうか分かりません)また、最近「ベニスに死す」のDVDを見つけたのですが、字幕に「中国語」が入っていて驚きました。字幕があるということは中国で販売されてるんですよね?(海賊版天国ですけど)「中国って”ブロークバック・マウンテン”が駄目で”ベニスに死す”はOKということなのか?」とちょっと納得いかない気分になってしまいました。乱筆、乱文失礼いたしました。

●flowfreeさん。

TB成功して良かった~。
早くflowfreeさんとかnicoさんの話に加わりたいけど
グッと我慢してます(笑)。
アカデミー賞、注目ですね。出来れば映画を見た上でドキドキしたいので
なんとしてでも公開直後に見に行こうと思ってます。
それにしても日本って、アメリカ政府とはあんなに蜜月関係を演出してるのに
映画の公開は遅いですね~。
シェイダさんの件は、北丸さんのWebの記事ではじめて知りました。
こういう情報って、一般的には全然広がってないんですよね。
まだまだ知らないことがいっぱいあります。

●凪さん。

「もうしわけありませんが女です」←笑いました(笑)。
ここはそういうこと気にしてないので大丈夫ですよ~。
僕、思うんですけどわざわざ禁止しなきゃならないということは
放っといたらそれだけ同性を好きになる人が多いからなのではないかと。
男性は、女性だけではなく男性のことも好きになる可能性がある生き物。
これは逆に、女性にしても言える事です。
「異性のことしか好きにならないはず」と人間の可能性を規定すること自体が
そもそも馬鹿げていると僕は考えます。

「ベニスに死す」は、性行為の場面が登場しないから大丈夫なのかもしれません。

何というか

イスラム圏ってのはどうも過激ですね。
体罰刑が残っているだけでも、かなり驚きですが。
しかし、ユダヤ教をルーツにもつ宗教って基本的に
同性愛を否定していますよね。
宗教には明るくないので、よくわかりませんが、
旧約聖書に原因があるのでしょう。
どのような宗教を信仰しても、それは人の自由であり、
信仰があるということは、すばらしいことだと思います。
しかし、それが人の命を奪うこととなった時、
何かが間違っているな、という風に思うんです。
無宗教の僕がいえることではないかもしれないけれど。

選考委員の苦悩が見えます

お久しぶりです。従事者のくせにメディアにツッコミが甘い半蔵門です。
「ブローク・バック・マウンテン」に関するキー局のニュースは
ふた言目には「同性愛的内容が・・・」
ええいっ、それしかないんかぁ?イライラだけが残りました。
>保守的だと言われるアカデミー賞・・・
今年の選考は一段と難しいでしょうな。「ブローバック」でも、
「ミュンヘン」でも、他の作品でも角が立ちそうで、
あとあと政府やメディアが振り回されそうな気配も。

あ、追加の連絡なのですが、自分のブログでちょっとだけakaboshiさんの名前を使いました。
http://kazumi711.blogtribe.org/entry-4b2a23546e7e1f09a2bac5a88e130bb3.html
名前を出してしまったので、連絡しましたが、不快でしたら削除しますので、お申し付けくださいね。

●Kazuccineさん。

あ、それってけっこう、わかりやすい基準になるのかもしれないですね。
「信仰」と「人の命」を比較した時に、どちらを優先するか。
自分の「信仰」とは、他人の命を奪ってまで優先されるべきものなのか。
実際、優先されてしまっているから悲惨なことがたくさん起きているんだけど、
どこかで「復讐の連鎖」を止めないことにはキリがないもんね。

●半蔵門和己 さん。

そうですね。「ブロークバック・マウンテン」には、枕詞のように
「同性愛」と使われてますね。新聞でもネットでもテレビでも。
でも、これは僕としては現時点の日本にとってはいいことだと感じます。
映画が評価されているという「肯定的」なイメージとしての取り上げられ方だし、
アメリカの一部や中国、UAEでは上映中止という現実も伝わって
「同性愛の現状」への知識が、当事者以外の人々に広まる契機になってますから。
マスメディアで表層的な情報を知った後、より深くいろんな情報であふれている
ネットを見ることにつながっているようですし。
マスメディアってすでに、情報の「入口」としての機能しか
果たさなくなってきているんじゃないかと思いますよ、今日では。

あ、記事の中で紹介してくださってありがとうございます。
「定評がある」だなんて、こそばゆいですが(笑)。
リンクは大歓迎なので、ありがとうございます。

続シドニー事情

UAEの件は知りませんでした。まあ、こうなっても驚きはしませんが。
続報で、前にシドニーではこんなにおおらか・・・ってなことを書いたと思いますが、その後、実はシドニーでも東側の都市部でしか上映されていないと言うことが分かりました。西側の郊外に行くとイスラム系、中国系、白人保守派がそれぞれ固まった地域が多くなるということもあるいは関係しているのかもしれません。ま、それでもアカデミー賞受賞でまた認知度が高まったら公開ってことも考えられますけど。
なんと言ってもヒース・レッジャーが地元ってことで、騒ぎはいや増しです。彼はうちからそんなに遠くないビーチの近くに家を持っていたのですが、パパラッチ攻勢に耐えられず家を売りに出しました。

●nicoさん。

シドニーの中でも、そういう地域があるのですか。
そういう人たちにとってみたら、この映画は「けしからん」ということなのかもしれないけど
「こっそり」見に行くことは出来るんですね(笑)。
けっこう、表立って「けしからん」と言うことで威厳を保ちつつも
本音では支持している人って、どこの共同体にもいると思いますよ。
特に同性愛に関しては。本能の部分に関係しているだけに。

ヒース・レジャーさんはそちらにお住まいだったのですか。
だったら余計に、地元の人たちには親しみを持って受け入れられてるでしょうね。いいなぁ。
・・・っていうか、早く映画が見たい~!(笑)
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