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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-09
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メディアと性的マイノリティ17●90年代の番組を録画したビデオは劣化して見れなくなります。早急なデジタル・アーカイブ化を!



 2010年10月17日(日)に開催されたメディアと性的マイノリティについて考えるディスカッション。(主催:dislocate。会場:「3331 Arts Chiyoda」

 いよいよ最後の掲載となります。トークの最後に「まとめ」の言葉として語られた中にも、重要な指摘が数々ありました。

メディアと性的マイノリティ17●早急なデジタル・アーカイブ化を!


パネリスト
伊藤悟さん(すこたんソーシャルサービス)/三橋順子さん(性社会・文化史研究者)/akaboshi(島田暁/ブログ「フツーに生きてるGAYの日常」)

メディアと性的マイノリティ~「ジェンダーとセクシュアリティの媒介」PLAYLIST

こちらの記事からの続きになります。

島田暁

 それでは予定時間になりましたのでこれで終わりにさせていただきますが、最後に、手短に今後の活動ですとか今やられている活動について、ありますか?

伊藤悟

 特にないんですけれども、本当はね、最後の問題というのは、それだけをテーマにして話がいっぱい出来るくらいに難しい問題をいっぱい抱えていて。まず、同じLGBTといってもそれぞれ抱えている問題が違う。もっと言えばゲイの中でも一人一人違う人が、どうやってネットワークを作って行くかという、すごく大きな問題なので、それはかなり、あんまりうまく行っていないという現実を、自分の反省も含めて認めざるを得ないところがあって。

 そのためにどういうことをやって行くかということを、これからも模索しながらやって行きたいと思ってますので、とりあえず「すこたんソーシャルサービス」でどんな活動をしているかを見ていただけますし、mixiの方をやられている方がいましたら、mixiの方がわかりやすく書いてありますので、興味と関心がお有りの方はコミュニティをネットで・・・。ここでも「ネットで」としか言えないところがいつも悩ましくてね。だったらば出している本を読んでください、図書館で見てくださいになってしまうという。結局、なんだかんだ言ってネットに頼っている自分というのがあって、そこからの脱却も課題だと思っています。

島田暁

 ありがとうございました。

三橋順子

 あの、ずっとこんな話をしていて最後にこんなことを言うのはアレなんですが、私、運動は大嫌いなんですね。だから自分が運動家だとは全く思わないんで。私は歴史研究者であるっていうことが第一義だし、場を与えられれば「教育」という形で社会還元をするというのが私の役割だと思って・・・まぁ文筆的にもっと大きく社会に還元するということもやってますけれども。だから正直言って、自分が運動する気はさらさら無いんです。すごい無責任な話ですけど。

 ただ、自分がやりたいことで、「やらなければいけないなぁ」ということで、さっきも3人で話してたんですけども。今日も伊藤さんがね、とんでもない『二丁目探検』みたいなテレビ番組のお話をされて。私が昔の、はるな愛ちゃんの若き日の話なんかしましたけど。

 そういう形で、いわゆるテレビで流れた番組・情報を、アーカイブっていう形で共有化する。いくら私がその頃の話をする、伊藤さんがいくら「あんな酷い番組があって」と言っても、それを今の方たちが確かめる術が今のところ無いんですね。これはやっぱり早急に、それぞれお忙しいでしょうけれども、私も含めて自分の持っている映像資料というものを、少なくともリスト化し、さらにビデオテープをDVDにして、ある程度の共有財産化をしないと、メディア・リテラシーが出来ないんですよ。

 さらに言うと、日本でメディア・リテラシーがなぜ進まないか。テレビメディアの批判がなぜ進まないかと言うと、テレビメディアが自分でその証拠を残さないんです。「あの時あんな酷いことを言ったじゃないか」って言ったってテレビ局にアーカイブが無いから映像が残ってないんですよ。「そんなこと言いましたっけ?」ってとぼけられたらそれまでなんですよ。

 それをさせないためには私たちが、過去のいいもの、悪いものを含めた映像情報をちゃんと共有化して行くことが、メディア・リテラシーの基礎として絶対に必要なんだなということを今日、特に思いました。まあ、いつになるか約束は出来ないんですが、自分が持っているものを早急にリスト化し、自分のブログなりなんなりに早急に上げようと思います。

島田暁

 ありがとうございました。僕も三橋さんのそのご提案、自分に出来る範囲で関わって行きたいと思っていますし、今日がそのスタートの日になればと思ってます。ものすごく大切だと思うのはなぜかと言うと、早くとりかからないと危ないんですね。90年代のあたりのビデオというのはそろそろ劣化が進み、再生できなくなるんです。だから早急にデジタル化を進める必要があって。誰がどのあたりの番組を持っていて、デジタル化を誰がするのかということを、もう具体的に進めなきゃいけないんじゃないかと思っております。

 そうですね僕も半分、活動みたいなものに足を突っ込んでいるのですが、自分としては映画を作って行きたいと最初から思いながらブログも書いてきているのですけれども。この後ここで『ジェンダー・セクシュアリティ』絡みの映画の上映がありまして、そこで上映するのが『竜超の現代狂養講座 同性愛とテレビジョン』というものがありまして。

 90年代の中盤にNHKの衛星第2で、深夜に4回シリーズでゲイ・レズビアンに特化した番組を、ゲイ・レズビアンの当事者達と相談しながら企画段階から作り上げて放送しようとした番組があったんです。

三橋順子

 へぇ~。しようとしたんだ。

島田暁

 それで、1回目は放送したのですが、1回目を放送した後、2回目3回目4回目の撮影もほぼ進んでいたにも関わらず、お蔵入りになってしまったという事件がありまして。その担当ディレクターの方が2年前に、ゲイ雑誌の付録用として作ったDVDで、当時の思いですとか今どう思うか等、真相を語ってくださっているものを25分にまとめたものが上映されますので、もしよろしかったら御覧ください。

同性愛とテレビジョン●NHK放送中止事件の真相


この作品は2009年に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映されました。
◆『竜超の現代狂養講座 同性愛とテレビジョン』『しみじみと歩いてる』の上映希望受付中。お問い合わせは「akaboshi企画」まで→ akaboshi07@gmail.com

 あと、個人的な宣伝で申し訳ないのですが、『しみじみと歩いてる』というタイトルの長編のドキュメンタリー作品を初めて制作しまして、上映会がありますでので、ご興味があられる方はぜひ、お越しください。

 それでは、本日はこのテーマで話せたこと、とても有意義だったと思っていますので、今後への具体的な動きに繋げていければと思います。それでは皆さん、ありがとうございました。




「メディアと性的マイノリティ」トークを振り返って

 僕は大学時代、マスメディア志望でメディア研究を専攻していたということもあり、メディア分析をするのは大好きなんです。そこで「性的マイノリティのメディア表現」というテーマに絞ると自分の関心度がさらに凝縮されて高まるわけで、このテーマにこだわることは今後も続けようと思います。そして、伊藤悟さんと三橋順子さんとは、たとえば1年に1度くらいのペースでトークを開催したりしながら、メディア・リテラシーを高めるための組織づくりを少しずつ進展させていければと思いました。

 昨年10月開催のトークだったにも関わらず掲載終了が翌年3月ということになってしまいましたが、でもこれって、このブログではまだ「マシな方」なんですよーっ!(←開き直り。笑)。きっとまたこうした企画をやることになるでしょうし、メディア・アーカイブのプロジェクトも始めたいと本気で思っていますので、どうぞよろしくお願いします!FC2 同性愛 Blog Ranking



座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル奨励賞ありがとうございます。

『しみじみと歩いてる』
 
★3月に東京で自主上映会を開催します。

3月21日(祝)13:20/15:20(2回上映入替制/1200円)
会場:なかのZERO視聴覚ホール
監督:島田暁/2010年制作 77分■制作:akaboshi企画

 2006年10月から、大阪の御堂筋を性的マイノリティとその友人たちが歩く『関西レインボーパレード』に通いながら出会ったレズビアン、ゲイ、MtFトランスジェンダー、FtMトランスジェンダーそれぞれの日常生活、それぞれの違い、家族へのカミングアウト、仕事場や人間関係における葛藤、苦しみ、そして喜びを描いたドキュメンタリー。ゲイである監督の視点からまとめました。
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