フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-05
« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 »

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

メディアと性的マイノリティ13●「ラスト・フレンズ」と「金八先生」の功罪



 2010年10月17日(日)に開催されたメディアと性的マイノリティについて考えるディスカッション。(主催:dislocate。会場:「3331 Arts Chiyoda」。)

 インターネットを多くの人が利用している現代ですが、それでも相変わらず圧倒的にメディアとしての影響力を持っているのは「地上波テレビ」だと言っていいでしょう。実際、ネットで話題にされる事柄もテレビネタが非常に多く、会社や学校等で話題にされる「皆が知っている共通のネタ」は地上波テレビから発信されることが多いです。

 特に、ヒットした連続ドラマがもたらす影響力と言うものは甚大なものがあり、21世紀になってからセクシュアル・マイノリティを描写した連続ドラマで、社会を変えるほどの影響力を持ち得たものは2つあります。2001年の『3年B組金八先生 第6シリーズ』(TBS系)。そして2008年の『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)。驚くべきことに、その影響力は実際に統計によって証明され、日本独自のセクマイ状況を生み出しているのです。今回は主に、その問題点や危険性を三橋順子さんが指摘します。

13●「ラスト・フレンズ」と「金八先生」の功罪
 
パネリスト
伊藤悟さん(すこたんソーシャルサービス)/三橋順子さん(女装家・性社会史研究者)/akaboshi(島田暁/ブログ「フツーに生きてるGAYの日常」)
メディアと性的マイノリティ~「ジェンダーとセクシュアリティの媒介」PLAYLIST

こちらの記事からの続きになります。

三橋順子

 すごく怖い差別、差別の中でも怖いことって言うのは、「居てもいない」。居るんだけども居ないことにされてるっていうのは、すごく怖い差別だと思います。日本のメディアの今の形っていうのは、だんだんそれに近付いてる。

 さっき言ったようにゲイ・レズビアンの報道が極端に少ない。そうすると私の教えてる学生なんかは、特に私がそれを喋るまでは、信じ難い話ですけども、世の中にはゲイよりもMtFの方がずっと多いと思ってるんですよ。「普通の男性で男性が好きな人」と「女になりたい人」では「女になりたい人」がずっと多いと思ってる。それはなぜかと言ったら、まさに彼ら、彼女たちはメディアの情報を素直に受けてるから。メディアに登場する頻度がそのまま、世の中の頻度だと思うからそうなっちゃう。

 なかなか数字で言うのは難しいけども、たぶん、桁が二桁違いますよ実際は。MtFっていうのは1万人に何人いるかっていう話なんです。ゲイ・レズビアンは100人に何人いるかっていう話なんです。

akaboshi

2~3人とかですよね。

三橋順子

 2~3人だか、多い人は5人って言うし、ともかくだいたい2~3人、数人ってとこですよね。分母は100だと。トランスは分母は1万だと。って言うと、ものすごく驚くんです。これは本当に素朴な驚きで、「そんなことは思いもしなかった」。だってテレビであれだけMtFの人が出てるし。

 MtFとFtMも同じなんです。FtMは全然テレビに出てこないから、ずっと少ないと思ってる。だけど実際に今、日本ではジェンダークリニックの受診者は、1対1か、場合によってはFtMの方が「ラスト・フレンズ現象」で、レズビアンもみんなFtMだみたいな誤った情報が流布したんで。本来レズビアン・カテゴリーに収まるはずの子がですね、みんなジェンダークリニックに来て「男性ホルモン打ってください」になっちゃうんですよ。上野樹里があまりにも上手く演じすぎたのかもしれないですけどね。

『ラスト・フレンズ ディレクターズカット 完全版』 [DVD]

akaboshi

 格好良かったというかね。

三橋順子

 うん、格好良かったんで。それもだから当然、メディアの露出情報を学生は正直に受けますから。MtFは、はるな愛ちゃんが毎晩みたいに出てるから山ほど居る。FtMは、レズビアンはテレビで見たことがないから、ほとんど居ないんだろうと思ってるんですね。

akaboshi

 『ラスト・フレンズ』でFtMが増えたってのは、もう少しさかのぼると『金八先生』とかにも関係が・・・。

三橋順子

 『金八先生』ですね。『金八先生』で知ったと。『金八先生』で存在を知ったというのはね、大きいですね。

『3年B組金八先生 第6シリーズ DVD-BOX』

akaboshi

 それが2001年位。

三橋順子

 2001年。ただ、『金八先生』の描き方っていうのは、上戸彩がやった役というのは、ある種、典型的なFtMを描いてたんで。要するに虎井さんがモデルなんで。

akaboshi

 虎井まさ衛さん。

三橋順子

 ぜんぜん違うじゃないかって文句言ってたんですけども。虎井さんあんなに可愛かったのかなぁ?そんなはずは無いんだけどなぁって、そんな陰口を叩いてたんですけども。まぁ、典型的だったんですよ。それがいい悪いはともかくね。ところが『ラスト・フレンズ』は、わざと「女の子が好きな女の子を描こう」としながら、それに「レズビアン」という名前を付けずに・・・。


 なぜかって言うと「レズビアン」って付けても視聴率が獲れない。だけど今流行の「性同一性障害」というレッテルを貼れば視聴率が獲れる。だから思わせぶりに、上野樹里がやった子が、インターネットのサイトで性同一性障害のサイトにアクセスしてたり、どこだかわからないメンタルクリニックに行って。さすがにあれは専門の医者が監修してましたから「性同一性障害」っていう診断は出さないんですよ。「性別違和症候群」位で留めた。あれは監修の医者が巻き返したんです。あれ、放っといたら「性同一性障害」になっちゃったんです。

 「性同一性障害」だと思わせといて、さんざん思わせぶりをしておいて、いよいよ上野樹里演じる瑠可っていう子が、お父さんにカミングアウトするシーン。「私は、男の人が好きになれない。女が好きなんだ」っていう。要するに性的指向の問題を。

akaboshi

 レズビアンじゃないですかねぇ。レズビアン・カミングアウト。

三橋順子

 なんだレズビアンじゃないかと。FtMだったら「私は女じゃないんだ、男の子なんだ。私の心は男の子なんだ」ってカミングアウトすればまだ辻褄は合ったの。でも最後にまたそこで誤解を広めたわけです。だから、本当に「女の子が好きな女の子は性同一性障害なんだ」っていう・・・。視聴率20%位行きましたからね、最後の方は。

 それでもう、その翌年からもう、どっと来るわけですよ、ジェンダークリニックに。だいたい毎年、2月か3月に性同一性障害の学会があって、日本に何ヶ所かあるジェンダークリニックの受診者統計が出るんですね。FtM何人、MtF何人って。それが、『ラスト・フレンズ』の放送が終わった直後から、特に10代のFtMが・・・FtMじゃないんだと思うんだけど。高校生の子の受診が飛躍的に高まって突出したグラフになって。トータルで「FtMかな?」っていう人がすごく増えた。これは完全なミスリードです。

 そこで医者が「あなたは女性同性愛で、レズビアンで、特に性同一性障害として治療する必要はありません」と、ちゃんと返せば被害はない。だけど中には、それで治療プログラムに入っちゃう人が居ると思うんですよ。で、男性ホルモン投与だなんて話になっちゃう。瑠可も男性ホルモンを欲しがってましたからね、番組の中で。そうなると今度は「医療過誤」になってくるんです実際は。誤診であり医療ミスです。

akaboshi

 その「増えた人たち」っていうのが『ラスト・フレンズ』の影響を受けているのだとすると、要するに「女の子で生まれているのに女の子を好きになる。おかしい。じゃあ自分は男に・・・」っていう方向が強いという。

三橋順子

 「性的指向が違う」っていうことが、病気にだんだん擦り替えられてくる。これは、アメリカや特にヨーロッパで同性愛が精神疾患カテゴリーから外れるために、どれだけの欧米のゲイやレズビアンが努力をして、やっとのことで1973年にアメリカの精神疾患のリストから外れたかってことを考えたら、とんでもない話だと思うんですよ。

 もちろんそれは誤診なんですけれども、今まではレズビアンとFtMの混同ってのは『ラスト・フレンズ』以降、けっこうあったんです。だけど、さすがにゲイとMtFを取っち替えるってことは、まぁ無い。もともと、なんでレズビアンとFtMが混じっちゃうかっていうと、レズビアンのコミュニティの有りようが、ゲイ・コミュニティとMtFのコミュニティほどには明確に分かれていなかったという事情があるんですね。まだ分離が不充分なところに「性同一性障害」が流行っちゃった。だから誤解が生まれたってことはあるんだけど。

 ゲイ・コミュニティとトランス・コミュニティってのは、90年代には、はっきりと分かれてる。早い話お店が違う。雑誌も違う。だから混じることは無いと思ってた。そしたらごく最近、ある医者から性同一性障害の専門医のところに「性同一性障害の患者さん」ってことで紹介状が送られて来た方を専門医が診断したら、典型的な男性同性愛だった。

 これ、結構ショックな情報ですってさっき伊藤さんにお話したら、それを伊藤さんも御存知で、どっかのしょうもない会社の産業医が、同性愛の悩みを打ち明けた方に「性同一性障害」という診断をして専門医に紹介状を書いたんだという内幕がわかりましたけれども。そういうことがね、もう起こってるんですよ。だから、どっかのバカなディレクターが『ラスト・フレンズ』のMtF版みたいなものを作ったらもう決定的ですよね。怖いですよそれは本当に。再び「病気だ」っていうことに戻っちゃう可能性がある。

akaboshi

 先ほど始まる前に三橋さんとお話していて、びっくりしたんですけども、『ラスト・フレンズ』あるいはもっと遡ると『金八先生』効果と言える、日本独自の状況というのがあって、FtMとMtFの比率が、世界標準とかなりかけ離れて来ているという・・・

三橋順子

 世界標準がね、これは本当に正しいデータかっていうのは、ちょっと「?」があるんですけれども。もともと、ヨーロッパかなんかのデータだと、MtF=3、FtM=1っていうのが教科書的な数字なんですよ。

akaboshi

 MtFの方が圧倒的に多いと。

三橋順子

 3倍多いと。圧倒的に多いと。で、日本で90年代後半に「性同一性障害問題」が浮上して、ある程度のデータが集まった90年代の終わり位の統計だと、MtF=2、FtM=1だったんですよ。なんで日本は3じゃなくて2なんだと、要するにMtFが少ないのかと。その時に私は「それはニューハーフの連中が病院に来てないからだ」と。なぜ来てないかと言ったら性同一性障害の診断カテゴリーからニューハーフをガイドラインで排除してるからなんですよね。商業的につながる人は受診させないという、診断しないというふうに排除してたわけだから、来るわけがないんですよ。「その部分が抜けてるから少ないんだろう」って解釈してた。

 ところが2000年代の、要するに『ラスト・フレンズ』前ですね。2006年、2007年位のデータで、限りなく1:1に近付いた。1.3:1とか。まだMtFの方がちょっと多かった。ところが去年のデータだと、1:1か場合によっては1.2:1とかで、FtMの方が増えて来ちゃった。これ、世界趨勢からすると、日本のデータとして国際学会にもしそのデータを発表したら、質問攻めですよ。「なぜなんだ?」って。極めて奇異な現象が起こってる。

akaboshi

 それで、面白いなと思うのが、FtMが増えてるから、じゃあレズビアンやFtMのタレントが日常的にテレビの中に居るかと言ったら全く居ないですよね。『金八先生』と『ラスト・フレンズ』位しか大きな影響を与えたものは無い。

三橋順子

 ギャップはますます酷くなる。

akaboshi

 じゃあなんでMtFはあれだけ引っ張りダコで毎日メディアに露出してるのに、MtFが増える方向には行ってないんだろう?

三橋順子

 「私、はるな愛を目指して女になります」っていう子、私知らないですね。「愛ちゃんみたいにタレントになりたいです」っていう子は出てこないですね。

akaboshi

 お笑いだからなんでしょうかね?ちょっとわからないんですけどね。不思議な現象が起きてるなという感じがします。<つづく>FC2 同性愛 Blog Ranking



パフ★シネマ『ココデナイドコカ』上映会

 セクシュアルマイノリティである主人公の日常を、その姉が丁寧に撮影しながら制作された日本のドキュメンタリー映画の上映と、監督の中川あゆみさん、主人公のリョウさんをお迎えしてトークを開催。
■12月11日(土)開場18:30/開映19:00
詳細はこちら。

Ronとakaboshiの直撃トーク 004
「ジャンジさんに聞く!パフォーマンスとHIV/AIDS」


 女性のドラァグ・クイーンとして数々のパフォーマンスや映画等に出演し、新宿二丁目のcommunity center aktaでHIV/AIDSに関する活動をしているマダムボンジュール・ジャンジさんをゲストに迎え、Ronとakaboshiがパフォーマンスの秘密とHIV/AIDSの現状について直撃トーク!
■12月18日(土)13:30開場/14:00開始
パフスペースにて。
詳細はこちら。
スポンサーサイト

コメント

この記事へのコメント
コメントを投稿する
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL

⇒ http://akaboshi07.blog44.fc2.com/tb.php/2349-4b255ec4

この記事へのトラックバック

HOME |

無料ホームページ ブログ(blog)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。