メディアと性的マイノリティ08●フツーに生きてるGAYの日常と尾辻選挙。ネットメディアの可能性と限界

2010年10月17日(日)に開催されたメディアと性的マイノリティについて考えるディスカッション。(主催:dislocate。会場:「3331 Arts Chiyoda」)
続いては、akaboshiによる「インターネットと性的マイノリティの情報共有」に関する問題提起です。2005年5月27日に当ブログを開始して以来、現在に至るまでインターネットに情報を出し、他者と交流してきた上での体験談を主に語りました。
08●フツーに生きてるGAYの日常と尾辻選挙
パネリスト
伊藤悟さん(すこたんソーシャルサービス)/三橋順子さん(女装家・性社会史研究者)/akaboshi(島田暁/ブログ「フツーに生きてるGAYの日常」)
■メディアと性的マイノリティ~「ジェンダーとセクシュアリティの媒介」PLAYLIST

いわゆるインターネットというメディアを使いながら、自分がゲイ当事者だということを、どういう風に発信してきて、どういうことを感じているかということなんですけれども。
僕が自分がゲイであるということを、性的指向を自分で受け入れたのが20代の後半でした。それから3~4年後位に、その当時ブログがインターネットでブームになっていて、何の気なしに「あ。ブログってやってみたいな」と思った時に、ふっとそこで「ゲイである自分ということは表現するネタに使えるかも」と。ブログのネタに使えるというところから始めました。それで『フツーに生きてるGAYの日常』というタイトルを付けたんですけれども。
はじめて最初の1年間位は、自分が会社とか家族とか周りの環境に対して「自分がゲイである」ということを言えていない、で、なんでそれを「カミングアウト」っていうのを、わざわざ自分がいろんなストレスを抱えながら今後しなきゃいけないのかということを問いかける内容を書いていたりとか、好きなアイドルのネタを書いたりとか、そういうことでやっていたのですが。

それから、ゲイもブログをいっぱい始めているというのがだんだんわかり始めて。当然レズビアンとか他の性的マイノリティの人たちもブログを始めているのですが。その当時の僕もそうだったんですが、やっぱりブログ上に自分の顔を出したりとか実名を出すということには、まだまだ抵抗があった。だけど、ブログを始める時のいわゆる「ハンドルネーム」で会話をし合う、交流し合うというのが面白いということに気付き始めて。ゲイのブログが、皆がそこに登録をすると新着記事がトラックバックで表示される「GBr」というサイトがあるんですけれども。そこに登録をし始めたことで、他のゲイのブログを書いているゲイ当事者と交流が始まりました。
ブログを始めて半年後位までは、実はそこのブログのコメント欄に書いてくれた人と、実際に新宿二丁目で会って、しばらくお付き合いをしたりとか、付き合っている段階を、(読者に)女性が多いと想定しているブログですので、デートの経過とかを書いて、それに対して反応がワーッといっぱい来るのを楽しんだりしている時期だったんですけれども。

自分でショックだったのが、尾辻さんってその半年前に、東京レズビアン&ゲイパレードでカミングアウトをしてるんです。なのに僕は、ゲイブログを尾辻さんのカミングアウトより3ヶ月前から始めていたにも関わらず全く知らず、半年後にやっとNewsweekで知ったという。だからインターネットというのがいかに、自分が興味を持って覗きに行かないと、同じゲイとか同じ性的マイノリティ同士のニュースでさえ・・・。しかもその尾辻さんのカミングアウトって、日本で初めて現職の政治家が同性愛者であるということをカミングアウトした一大ニュースなんですね。・・・知らなかったんですよ。ちょっとショックを受けまして。
そこからだんだん社会的なこととか性的マイノリティのコミュニティの情報というのに興味を持ち始め、尾辻さんの講演会とかに行き始め、尾辻さんの記事を書いたら、だんだん尾辻さんの方からコンタクトが来るようになって。「今度札幌のパレードがあってakaboshiさんも行かれるみたいですから終わったら声かけてください」とか、それで御挨拶したりとかして交流が始まり・・・。

YouTube公開をその後始めて、『フツーに生きてるGAYの日常』というブログの記事の中にYouTubeの映像を含めるようになって行くのですが、それは映画として撮っていた関西レインボーパレードが、実行委員の人たちが思う以上に大成功したと。それを、なるべく多くの人たちに映像で知らせたいねという形になって。それを、事前の宣伝とかも含めて載せていたのですが、本格的にYouTubeに載せ始めたのはそこが初めで。
当時ブログブームの後、インターネットで高速回線が普及し光ファイバーの回線とかもだんだん浸透してきてますので、映像がインターネットでどんどん見られる。しかも自分たちでアップロードできるということで、YouTubeがその頃やっと認知度が高まって来た頃だったので、しかも性的マイノリティに関する映像をそのように載せている人がまだまだ少なかったので、関西レインボーパレードの映像も載せた途端に、かなりのアクセスが来ることがわかって。それが面白いと思い始め、尾辻さんの講演会を載せたり、上川あやさんが翌年選挙に出る時の街頭演説をYouTubeに載せたりとかいうことが始まりで、どんどん、のめり込んで行きました。映画製作はそのおかげでどんどん後回しになってしまったんですけれども。

その後、自分もやっぱり選挙結果には落胆もしますし、「あれはどうして受からなかったんだろう」ということ等も思いますが、一つ、原因としては。自分も「これだけインターネットで尾辻さんを出してれば」という過信をしていた部分というのはあると思うんですよ。尾辻さんの選挙対策本部としても、どんどんいろんなメディアに、尾辻さんが出ている(立候補している)ということをアピールして出したかったんですけれども、やっぱり大手メディアはなかなか難しかった。密着取材でずっと付いているテレビ局も2局ほどあったんですけれども、なかなか放送日が決まらず、いろんな事情があって、しかも選挙が迫れば迫るほど、ある特定の候補をこの時期に取り上げて放送するというのは、他との兼ね合いや自分達で設けているガイドラインに引っかかるということで、乗りにくかったり。


セクシュアルマイノリティである主人公の日常を、その姉が丁寧に撮影しながら制作された日本のドキュメンタリー映画の上映と、監督の中川あゆみさん、主人公のリョウさんをお迎えしてトークを開催。
■12月11日(土)開場18:30/開映19:00
→詳細はこちら。

「ジャンジさんに聞く!パフォーマンスとHIV/AIDS」
女性のドラァグ・クイーンとして数々のパフォーマンスや映画等に出演し、新宿二丁目のcommunity center aktaでHIV/AIDSに関する活動をしているマダムボンジュール・ジャンジさんをゲストに迎え、Ronとakaboshiがパフォーマンスの秘密とHIV/AIDSの現状について直撃トーク!
■12月18日(土)13:30開場/14:00開始
パフスペースにて。
→詳細はこちら。
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