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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2024-03
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上野千鶴子語録の破壊&浸透力/鹿児島行き

 『しみじみと歩いてる』の最終撮影で日曜から鹿児島に行ってきます。

 2006年、第1回の関西レインボーパレード前日の『PLuS+』会場で行われたボランティアミーティングで出会って以来、会う度に執拗にカメラを向け、時に煙たがられながらも記録させてもらっていた(笑)鹿児島在住のゲイの方と、また久々に語れるのが楽しみです。

 また、撮影の前には鹿児島在住の友人のビアンさん宅に行きます。

 1年半前にもお世話になったのでお世話になりっぱなしなのですが、都会暮らしとはまた違った事情を抱える地域で暮らす中で、どんなことを感じているのか。生活の実際を話すことで見えてくるものってたくさんあるし、実は日本という特殊な風土の中でのセクシュアルマイノリティの生活面の問題点を考える上で、すごく必要な気がするんですね。

 前回、そのことを強く感じました。彼女らは理念ではなく実際的に「レズビアンであるということ」に向き合っていると。しかも無理せずに自然体を模索しながら。今回もそのへんのことを、たくさん聴いてこようと思います。

 ところで。

 以前より新聞やテレビメディアで見かけた印象的な情報や言葉等を、周知の意味も込めてTwitterのakaboshi_07アカウントに書き留めてきたわけですが、先日の今野雄二さんの件が193人からRT(情報拡散)されて驚いたのに続き、27日にメモっぽく書いておいた上野千鶴子さんの発言について、RTがまた異常な速度で行われていまして。

 しかも、止まったかと思ったら何度も復活しては拡散し続けているようで、よっぽど上野さんの言葉には破壊力&時代の空気を読み取り浸透する力があるんだなぁと思わされました。現在、358人がRTしたことになっている上野さんの言葉は、以下のようなもの。

■上野千鶴子「家族崩壊などと嘆く必要はない。昔の家族は子どもを売り飛ばし、妻に殴る蹴るの暴行を加え、姥捨てをしてきたのだ。崩壊したのは『家族幻想』だけだ。幻想をはいで現実を見れば、昔から家族は安全でも安心でもないことがわかる。」毎日8.27論点

 これは、最近メディアを賑わせている「高齢者の死亡を行政が把握しきれていない件」について、毎日新聞8月27日付『論点』にて『「おひとりさま」制福祉』というタイトルで上野千鶴子さんが個人単位での生活保障の充実を提唱していた内容の一部を抜粋したもの。家族という幻想から自由になって、現実的な制度の構築を呼びかけているものです。

 一緒に書いた以下の言葉にも88人がRT。賛否両論を巻き起こしているみたいなので、必ずしも「賛同RT」ばかりではないようなのですが、時代はこの種類の言葉に敏感に反応するところまで来ているのだということがわかる現象ではありました。

■上野千鶴子「公的な社会制度を、家族がいることを前提に組み立てるのをやめよう。社会保障を世帯単位制から個人単位制に変える。」「住民票のように世帯の居住地登録ではなく、個人の社会保障番号さえあれば、どこに居ようがだれと居ようが同じ保障を受けられるのが望ましい。」毎日8.27論点

 幻想が幻想であるということから逃げずに直視することからしか、具体的な改善に向けた議論は始められないのではないかと思います。でも人間はある程度、フィクションなり「幻想」なりにすがらなければ精神の均衡を保てない生き物でもありますから、一度疑ってみた後で、それでもやっぱり必要だと思う「幻想」は、それが幻想だと認識した上で意識的にしっかり保持する必要もあるわけです。しかもその「幻想」の種類は人それぞれ違うわけで、そこが難しいところ。

 いいんですよ。「血縁家族」と関係が上手く築ける状況にある人や「パートナー」との関係性を構築することに喜びを見出すタイプの人はそこを追及すれば。ただ、あくまでもそれは自らが選び取ってクリエイトしている「幻想」なのだという自覚さえあればいいんです。

 ちなみに僕は、上野さんの上記の発言に出会ったことで以下のようなことをTwitter上に書きました

■上野千鶴子さんの毎日新聞8.27論点『「おひとりさま」制福祉』を読んで。欧米型カミングアウト推進イデオロギーの縛りを外して考えれば、同性愛者の法的保障の課題は、社会保障を個人単位制に変えることで包括できるわけですね。同性パートナーってのも家族幻想の産物だから。

 具体的に「ではどこをどのように変えていけばいいのか?」というのは全然見えていませんが(笑)、要は「結婚」だとか「パートナーシップ」というのも幻想の一種だと一度冷めた目で見つめ返すことで、自分の暮らしぶりや人生ビジョンだけが絶対的に正しいのだという傲慢な感覚からは解放されるような気がしますし、それが「出来ていない」という焦燥感に駆られる気持ちからも自由になれるような気がします。今の世の中、「生き方の正解」があるかのように感じさせ、焦燥感を煽る情報が氾濫しすぎていますし、それによって苦しめられている人がたくさんいるような気がします。そこから多くの人が解放されるような状況を作っていくことこそが大切なのではないかと僕は思います。

 極端に流れず要はバランス。なるべく公平に社会保障の恩恵を多くの人が受けられるように、落としどころをどう見付けていけるのか。

 その調整の必要性は先延ばしには出来ないところまで高まって来ているという切迫感を僕は感じていますし、少なからずの人が感じているということを示しているRT現象ではないでしょうか。FC2 同性愛 Blog Ranking


上野千鶴子『おひとりさまの老後』
上野千鶴子『男おひとりさま道』

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コメント

この記事へのコメント

はじめまして、お礼です

僕は35にして自分の性的志向などについて悩んでいる男なのですが
自分の内なるホモフォビアで大分まいっていたのですが
トヴィさんや上川さんのお話を聞いているととても気分が楽になりました。
ここに書いて場違いだったらすみませんがお伝えしたかったので
本当にありがとうございました。大袈裟ですみませんw

objctn

無理だと思うけど、人間リセットすることが大事です。本質を見ましょう。相手のことを思いやりましょう。自分の考えがいったん決まっても反対意見に耳を傾けましょう。宗教的にならないようにしましょう。変化を感じましょう。時代を感じましょう。ジェンダーて何?差別?男も女も同じ人間です。
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