トム・フォード『シングルマン』(A Single Man)●MOVIEレビュー

●第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映→作品紹介
平々凡々とした何気ない穏やかな日常が突然、不慮の事故によって断ち切られた。その不条理に直面した主人公は、生きる希望をどのように見出しえるのか?あるいは、見出し得ないのか?
現実と回想の場面が交錯し、主人公の脳内世界と現実世界の境目が、時に曖昧なまま入り混じったものとして描き出される。あまりにも咀嚼不能な重大事に直面した時、人の意識というものはフィクションとノンフィクションの境目を往還することで、なんとか現実の厳しさを咀嚼しようと懸命に、もがくものなのかもしれない。生きるために。
人が人を愛するということ。人が生きるということの意味を、逆説的な語り方でこんなにも深く描ききった映画が、これまでにあっただろうか?。決して明るい結末ではないのだけれど・・・何故だろう?この映画の場面を「イメージ」として思い返すたび、いまだに心がジワーッと温かくなるのだ。今秋ロードショー公開も決まっているとのことで、きっと何度も観にいくことになるのだろう。→FC2 同性愛 Blog Ranking
●2010年7月15日、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で行われた監督とプロデューサーのQ&Aセッション動画はこちら。
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