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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-06
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岸惠子リスペクト001●本物の「華」

偶然、新聞の紹介記事を目にした時には心が躍った。あの大好きな岸恵子さんが旅番組に出る!しかも長年彼女が生活拠点にしてきたパリを紹介するという。

1月3日にテレビ朝日で放送された「岸惠子のとっておきフランスの旅」というその番組は、長年の岸恵子ファンである僕にとっては夢のような番組だった。現在彼女が日本での住処にしている古い日本家屋が映し出され、書斎で原稿を執筆する姿が紹介される。さらにはぎっしりと書物が詰まった書棚の前でインタビューに答える姿も・・・。近年、女優としての活動に重点を置いている彼女の、久しぶりに披露される日常の姿だ。

やはり彼女は美しい。年齢に関係なく「華」がある。しかもそんじょそこらの華ではない。持って生まれた美貌に加え、波乱に満ちた人生経験の中で培われた持ち前の好奇心を存分に発揮しながら、常に我が道を歩いてきた人ならではの凛とした華がある。もうすぐ70歳になろうとしているだなんて信じられない若々しさと無邪気さを兼ね備えたその人格は、あいかわらずとても魅力的である。

番組は、岡本健一氏とともにフランスの名所や岸さんゆかりの場所を廻るというもの。
はじめてのフォト・エッセイ集「私のパリ 私のフランス」との連携企画であるらしく、彼女の関わる番組にしては珍しくジャーナリスティックな味付けが薄く観光紹介的な内容だった。
『私のパリ 私のフランス』の「あとがき」によれば、本来は彼女の構成・演出でジャーナルな内容のものが企画されていたらしいのだが、スポンサーや広告代理店の許可は下りてもテレビ局が「視聴率的に大いに疑問」だとして企画が流れそうになったという。出版社や百貨店との提携企画としても進んでいるため中止という訳にはいかず、彼女が本当にやりたかった企画は次の機会に延期し、今回は純粋に「お正月の旅番組」として割り切って、楽しめる内容のものとして制作されたという。その過程ではずいぶん闘いがあったらしい。

このエピソードは嬉しかった。彼女が相変わらず彼女でありつづけているからだ。作家としての芯のある彼女は健全だったのだ。そして、今のテレビに良質な企画・本当に放送されるべき内容が通りにくくなっているという厳しい現実も感じさせられた。彼女のような人にこそ「もう年だから」と大人しくならずに、今回本当にやりたかった企画をぜひ実現させて欲しいと思う。

彼女は女優であるのと同時に立派なジャーナリストでもあり、NHKの衛星放送が始まった初期の頃から様々な国を訪問し、自らの視点を大切にレポートを重ねてきた。その活動は作家としての確かな視点形成にも繋がり、著書『ベラルーシの林檎』は日本エッセイスト・クラブ賞を受賞するなど高く評価されている。
最近は日本での女優業に本腰を入れているようだが、彼女ならではの作家活動にもぜひぜひ、精力的に取り組み続けてほしい。



番組内で告知されていた渋谷東急百貨店での「岸恵子写真展」にも、さっそく足を運んだ。会場にはわりと年配のご婦人方が多かったが、凛としたムードを漂わせている素敵な人が多いように感じられた。そして何より、何を背景にしても見事に「絵になる」パネルの中の彼女の、はちきれんばかりの笑顔がエネルギーをたくさんくれた。

僕は、岸恵子さんに精神的に育てられたといってもいいほど、彼女の発言や振る舞いから数々の感動や影響を受けて来た。そのきっかけとなったのは、かつてTVKテレビで放送されていた対談番組「岸恵子の時代気分」である。またの機会に書こうと思う。FC2 同性愛Blog Ranking
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コメント

この記事へのコメント

そういえば、岸恵子さんの言葉で印象的なものがあります。
彼女が若いころ
「あなたは美しい体を持っていらっしゃいます。ヌードになられてはいかがですか?」
と、問われて、
「ご心配なく、私には美しい顔がありますから」
と答えたとか。かっこいいですよね。

岸恵子さんって、ステキな女優さんですよね。
是非、今度は彼女の視点に立った番組がつくられるといいですね。

岸 恵子さん、百恵ちゃんの『赤い疑惑』だったかな。。。
“パリのおばさま”役で出てましたよね。
(そういえば、左幸子さんのときも、『赤い』シリーズのことを書きましたね。。笑)
お二人とも、本当に印象に残ってるんですよね~。
岸さんの美しさ、凛とした雰囲気、同じ女として憧れます。

●kazuccineさん

岸さんなら間違いなく、その資格は充分にありますよね(笑)。
若い頃の写真や映画を見ると、なんとなく中山美穂さんと似ているように感じることもあります。
(彼女もフランスに行きましたね~。)

「ご心配なく、私には美しい顔がありますから」という言い方には
彼女の「負けん気の強さ」が滲み出ていて、いいですね~。

●cafenoirさん

彼女の視点に立った企画は、もはやNHKの衛星放送とか
CSとかでないと実現できないのかもしれないです・・・。
地上波で、しかも民放で流すには、あまりにも
いろんな制約がありすぎるでしょうからね。

●kajukajuさん

えっ、「赤い疑惑」にでてたのですか!?
初耳です。ありがとうございます。
それにしても、僕が気になる人はどうして「赤い~」シリーズに出るような
クセのある人が多いのでしょう(笑)

●前URLでコメントくださった方

どうぞどうぞ。TB大歓迎です。

こちらではオハツです。

TVKの「岸恵子の時代気分」
何回か見ています。自分
※ 宝塚の番組も見ていましたが・・。
岸さんのイメージは
インスタントコーヒーのイメージが最初。
今はジャーナリストかな・・・。

続き楽しみです!

はじめまして。

勝手ながら、時々拝見しています。
「悪魔の手毬歌」が、正月TVで放映されていました。昔の石坂浩二の金田一シリーズです。この映画、エログロ耽美系でかなり独特ですが、岸恵子さんの演技があまりに素晴らしくて、今回もラストシーンでは、やっぱり涙が出てしまいました。
近年もやっぱりエレガントで、自分もこんな風に豊かに歳を重ねていきたいと思います(男ですが)。

●LARKさん

おお!「岸恵子の時代気分」を知っている人がいるなんて感激です。
次回の記事では、あの番組への熱い思いを書いて読者をドン引きさせようと計画中(笑)。
でも引越しで疲れたから、ちょっと待ってね。

●えーすけ さん

「悪魔の手毬歌」は、小さい頃にチラッと見たおぼえがありますが
岸恵子ファンを自覚してからはまだ見てないですね~。
(そういえば「君の名は」すら見てなかったりして。)
どうやら僕は彼女の「女優」としての活動より個人の人格が大好きなのです。
素顔がとてもチャーミングで面白い人なんですよ~。

トラックバックが。。。

先日こちらの記事のトラックバックをお願いしたものです。せっかくOKしてもらったのに、恥ずかしながら出来なくて。。。出来るようになったらTBさせてもらいます。

●mayumiさん。

ちょうど移転の時期にぶつかってしまいましたよね。すみませんでした(笑)。
どうぞ遠慮なく。お待ちしてます。

こんばんは。度々おじゃまします。TB失敗しました(涙)申し訳ありませんが消してください。

●mayumiさん。

再チャレンジ待ってます(笑)。

テレビドラマ「沿線地図」より

 惠子さんとは親子以上に離れていますが、実際にお会いしてみるとテレビ女優とは違う凛としたオーラ
があります。横浜出身の僕としては、「時代気分」再放送を希望します。
 ちなみに、彼女の影響で卒業旅行ではイスラエル
へ行きましたよ。

●yutangさん。

えっ、岸さんに実際にお会いになったことがあるんですか?
うらやましい~。どんな状況で会ったんですか?
僕、実際に会うと自分がおかしくなるかもしれないから
今のところは控えてます。書店でのサイン会とかあるから
チャンスがないことはないんですが・・・(笑)。
「岸恵子の時代気分」いつの間にか終わってしまって
すごく残念です。再放送、いいですね~DVD化でもいいですし。
卒業旅行がイスラエルって・・・ものすごい影響受けてますね(笑)。
「岸恵子リスペクト」のコーナーでは、しばらく「時代気分」を振り返るので
よかったら読んでくださいね~。

「岸恵子の時代気分」いつの間にか終わってしまってすごく残念です。再放送、いいですね~DVD化でもいいですし。 - I pray there'll be DVD to buy!!!

はじめまして

すごく素敵なブログですね!
岸惠子初級ファンなので、とても勉強になりました。

ブックオフで「パリ・東京井戸端会議」という文庫を買い、なんて綺麗な人なんだ。
と感動して、文の面白さにも感動しました。

●さるさん。

はじめまして。
岸さんはまず、ルックスから入りますよね。
そして、内面の面白さと芯の強さを知るほどに、ハマって行きます。
他の著作も面白いし、本当に可愛らしい素敵な人ですよ~。

僕が岸惠子さんからインスパイアされた理由

 僕も大学の時に「時代気分」を金曜の夜によく見ていました。そこから、彼女のジャーナリズムに対する姿勢に深く共鳴し、インスパイアーされました。その後彼女の影響で必死で勉強し両親を説得の上カナダケベックの大学院に進学(ジャーナリズム専攻)し、現在では国際関係の仕事についています。最近は見る番組はジャーナリズムの放送の多い衛星放送しか見なくなってしまいました。(笑)

 当時(1994年ごろ)彼女のことが好きという友達は皆無でakaboshiさんと知り合いだったら、結構話が弾んでいたかもしれませんね。僕が影響を受けたのは「国境なき医師団」の方が出ていらした時のものです。現役の日本女優で一般の方と対談できるのは彼女ぐらいしかいないのではないでしょうか。
 あとエンディングで使われていたセリーヌディオンのパワーオブラブが使用されていたのも偶然でしょうか。

 ちなみに質問にありましたのでお答えしますが、彼女と会ったのはテレビ局(当時劇団に入っていました)でTBS「沿線地図」(1979年ごろ)の撮影時と、偶然パリのオルリー空港(最近)でお見かけしました。

 僕の好きな作品(映画・テレビ)
 ①修羅を旅して(NHK)ウィークエンドパリ(NHK)
 ②細雪(東宝)
 ③おとうと(大映)
 ④悪魔の手毬唄(東宝)
 ⑤約束(松竹)
 ⑥ここに泉あり(独立プロ)
 ⑦早春(松竹)
 ⑧黒い十人の女(大映)
 ⑨風花(松竹)
 ⑩怪談(にんじんくらぶ) 
  
いかがでしょうか。明日約9ヵ月ぶりに彼女の出演ドラマが放送されますね。

●yutangさん。

当時も今も、実生活の場で「岸さんファン」の同世代に出会うことは
なかなかありません。ぜひ今度、お会いして熱く語り合いましょう!

それから、ドラマの放送の情報ありがとうございます。・・・不覚にも「ノーマーク」でした(笑)。

僕は、岸さんの女優としてのお仕事でいちばん好きなのは⑨の風花です。
木下恵介さんの特集上映で見て、岸さんの可愛いだけではない部分=「強さ」が
よく生かされた映画だと思いました。
①修羅を旅して・・・見たこと無いのでとっても気になります。
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