大木裕之監督『ウム/オム1』●MOVIEレビュー

ゲイは(あるいは「男」は)子どもを産むことは出来ない。ならば未来に対して何を生み出せるのか。映像の可能性を信じて思索し、生み続ける大木監督の「今」を観た。
★5月3日イメージフォーラムフェスティバル2010にて上映。
こうして大木裕之監督の作品を文章化する時ほど、「映像を言語化する」ことの限界に付き当たることはない。解釈の単純化とは真逆のベクトル=複雑化を促すイメージの断片が、脳髄にダイレクトに流れ込んでくる。
流れ行くイメージが、僕の中に新たなるイメージを喚起し、スクリーンと二重写しになって展開される。この感覚には中毒性があるようで、一瞬たりとも目を離したくない。まばたきをするのが惜しい。スクリーンを観ているようでいて、同時に自分を観ているかのような・・・。いくつもの感覚が同時並行で湧きあがる。
かつて僕は、まだ自分が自分の「ゲイ」である側面に素直に向き合っていない頃に大木監督の『ターチ・トリップ』を観た。そして「なぜ、このイメージ群に心惹かれるのだろう」と驚くほどの衝撃を受けた。当時の僕にとって、ものすごくエロティックだったし根源的な何かを揺さぶられた。

会場に監督が居たが、憧れの人すぎて近寄れず。直視できず。→FC2 同性愛 Blog Ranking
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