木下惠介を辿る旅004●織田裕二そっくりだったらしい

実は今、電車で移動中などに長部日出雄著『天才監督 木下惠介』
そして少年の頃にはいつも一緒に過ごす大の仲良しの男の子が居て、周囲からその「仲の良さすぎぶり」が噂されていたというエピソードなどなど、興味深い生い立ちがたっぷりと載っていて、至福の読書時間を過ごしております(笑)。ちゃんと『惜春鳥』についての記述も写真付きで載ってまして、次のように言及されています。
「いま初めて観る人は、作中に描かれる男同士の愛情表現の強烈さに驚くだろう」
「東京から二年ぶりに帰郷した川津祐介が、東山温泉の旅館の息子小坂と一緒にお湯に入っている浴場に、山本豊三が洋服のまま飛び込んで来て、裸の川津に強く抱きつく。製作当時の時点にもどっていうと、この浴場シーンの演出には相当の熱意と計算が籠められた様子で、松竹の宣伝資料によれば、動きをいちいち細かく指示する木下監督の演技指導が、朝から夜までつづいたので、さしもの若い元気な俳優も、一日中温泉に浸かり通しで、すっかり湯あたりし、グロッキー気味になってしまった・・・と伝えられた。惠介の少年愛志向は、そのころから外部でも噂になっていたから、これは監督の個人的趣味が多分に加味された演出ではないかという気がしないでもない。」
「『異才の人 木下恵介―弱い男たちの美しさを中心に』を著した映画評論家石原郁子は、『惜春鳥』を「日本メジャー映画初のゲイ・フィルム」と呼び、山本豊三が川津佑介に抱く恋心をその証左とする。ゲイ・フィルムであるかどうかは別として、作中の山本が川津を恋しているのは、間違いなくその通りだとおもう。」

・・・なんて素敵な映画案内文なんでしょう。本当にこの映画、一度観ただけでは咀嚼しきれない魅力に溢れてますし、観れば見るほど監督が複雑に張り巡らせた「何か」を発見することができることでしょう。あぁ、17日は出来れば一日中何度でも見返したい気分なのですが諸々の予定があってそうもいかず。でも、少しずつこうした上映機会を見つけては、楽しみを重ねて行こうと思います。→FC2 同性愛 Blog Ranking「この映画の見どころは、細部の隅隅にまでわたってすこぶる多い。未見の方には、まだそれだけ人生の楽しみが残されているというわけである。」
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