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フツーに生きてるGAYの日常

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2023-09
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女性同士がしっかりと手をつなぐ、フィルムセンター篠田正浩特集のチラシが素敵



 現在、篠田正浩監督特集を上映している東京国立近代美術館フィルムセンターのチラシの表紙。最初見た時にビックリしました。女性同士がしっかりと手をつないでいる写真が使われているではありませんか!

 「これはもしや?」と思って熟読したところ、映画『美しさと哀しみと』のスチール写真であるようで、加賀まり子と八千草薫の主演作。作品解説には「画家と弟子のただならぬ関係」という書かれ方がしておりますが、川端康成原作で、どうやら女性同士の愛情が描かれる作品のようですよ。

 1965年の松竹制作作品ということで、まだ『薔薇族』も発行されておらず、第二書房から『レズビアン・テクニック』が発売される以前のこと。かなり早い時期に制作された「レズビアン描写が物語の軸として出てくる日本映画」でありますから、60年代の同性愛関連の風俗描写がどんなもんだったのかを探る意味でも、観てみようと思ってます。残る上映日は3/6(土)11時3/19(金)16時です。

■美しさと哀しみと (104分・35mm・カラー)
・・・妻子のある身で音子という少女を孕ませた小説家の大木は、画家になった彼女と20年ぶりの再会を果たすが、音子とただならぬ関係にある弟子のけい子は大木への復讐を誓い彼に接近する。京都と鎌倉を舞台にした川端康成の原作を映画化。デビュー以来のコンビ・小杉正雄の撮影による耽美的な映像も見所。
’65(松竹大船)(監)篠田正浩(原)川端康成(脚)山田信夫(撮)小杉正雄(美)大角純一(音)武満徹(出)加賀まりこ、山村聡、八千草薫、山本圭、渡辺美佐子、杉村春子(東京国立近代美術館フィルムセンター公式サイトより

■関連映像
伊藤文学「薔薇族」創刊の頃を語る02●「レズビアンテクニック」「ホモテクニック」を経て薔薇族へ
 
初出ブログ記事(2007-08-13)
伊藤文学・薔薇族創刊の頃を語るPLAYLIST

 ちなみに、今日までに観た篠田監督の作品の中で2本、セクマイらしき人たちが登場していました。1961年の作品『夕陽に赤い俺の顔』では平尾昌章が演じる殺し屋が、中性的でメイクをしているような顔立ち。「おネエ言葉」らしいものを話している場面が出てきました。この作品は寺山修司が初めて映画の脚本を手掛けたということもあり、意識的に中性的なキャラを設定した可能性はあります。かなり早い時期に映画で描かれた「おネエ」的キャラクターではないでしょうか。

 また、1975年の作品『桜の森の満開の下』では、岩下志麻が演じる「美しすぎる“S女”なお姫さま」の命令で、勝新太郎演じる山賊が次々と都の貴族たちの首を刎ねるわけですが、お坊さんとお稚児さんが「これから寝ようとしているところ」が出てきます。可哀そうなことに、「これからお楽しみ」というところを山賊に首を刎ねられてしまうわけですがね(笑)。

 このように、なんの心の準備をしなくても突然セクマイらしき人物の登場場面に出会えるというだけでなく、篠田正浩監督作品は旧世代の大御所映画監督を否定しながら表現を刷新し、「境界線の越境」だとか「単純化への抵抗」を意識的に行っており、かなり面白いです。FC2 同性愛 Blog Ranking


『美しさと哀しみと 』[DVD]
『桜の森の満開の下』 [DVD]
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