パフ★シネマ008●『ディア ターリ』上映後トーク02●「レズビアン」という言葉をパフォーマンスで使うな!?

前回は映画『ディア ターリ』の作品論でしたが、今回はイトー・ターリさんの体験談。かなり重要な証言です。
1996年に『自画像』というパフォーマンスにおいて、レズビアンであることを作品の中で語ることを始めたターリさん。最初の公演が成功した後、ある所が「レズビアンという言葉を使わないように」と言ってきたそうです。
そのエピソードの前に、04の映像ではこちらの記事で書いた出来事にも触れていますので、興味のある方はご覧ください。一部、当事者にとっては内容がディープかもしれませんし、人によっては傷ついてしまう発言が出てくる可能性があります。調子の良い時に見ることをお勧めします。
04●同性愛者にとっての地雷
05●「レズビアン」使用禁止!?
■パフ★シネマ『ディア ターリ』トーク PLAYLIST
■『ディア ターリ』は12月か1月にアンコール上映の予定。詳細は決まり次第パフ★シネマ公式サイトで発表します。
「今から思うと本当に残念だった」
この言葉を、山上千恵子監督が何度も繰り返していたのが印象に残りました。1996年当時の時代状況というものは、リアルタイムで感じていた人たちにしかわからないことであり、今の感覚から僕が想像することは難しいです。ただ、今では『ハートをつなごう』でセクシュアル・マイノリティを頻繁に取り上げているNHKも、90年代半ばの時点では同性愛関連番組の放送は時期尚早だと判断し、制作を進めていた番組を1回で打ち切ったこともあったわけですから、各方面で今よりもずっと締め付けが厳しかったのだということは、数々の歴史的事実が証明しています。
それに、著名な女性センターがなぜ?・・・という疑問や、本来、自由であるはずの「アート」の現場がそれでいいの?という疑問も当然のことながら浮かびます。
表現の場を「闘いの場」にしたくなくても、せざるを得ない場合というのが、時にあるのではないかと思います。以後のイトー・ターリさんのパフォーマンス・アートには「社会性を帯びたメッセージ」が強く込められるようになるわけですが、この時の体験も大きく影響しているようです。→FC2 同性愛 Blog Ranking
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