J-POP勝手に★レビュー001●浜崎あゆみもB'zも「テキトー力(りょく)」のススメを歌う時代

オリコンの連続1位記録や、通算1位獲得曲数において「トップ」を争っている両者ですから、つまりは「空振り」が許されない。打率10割を求められるバッターのようなものなんですね。そのためには綿密な市場調査も行われた上でシングル曲が決定しているのでしょうし、結果的にはこの両者の新曲は、「時代の空気」を象徴し続けてきているとも言えるわけで、チェックしてます。
そしてこの8月に発売された新曲において、そろって「同じようなメッセージ」が込められていることを発見しました。それは単純に言ってしまうならば「適当力」のススメ。つまりは「完璧を求めず、力を抜いて楽になろ~よ」ってことなんですね。不況下における「ゆるキャラブーム」や「おバカタレントブーム」に象徴される空気感を、ヒット曲のメインストリームに持ち込んでいるともいえるでしょう。
●YouTubeより~【PV】B'z " イチブトゼンブ "
■B'z『イチブトゼンブ/DIVE』
★歌詞にみる「テキトー」ポイント (詞:稲葉浩志)
●YouTubeより~浜崎あゆみ- Sunrise ~LOVE is ALL~♪すべて知るのは到底 無理なのに 僕らはどうして
あくまでなんでも征服したがる カンペキを追い求め(Oh, 血眼で)
愛しぬけるポイントがひとつありゃいいのに
■浜崎あゆみ『Sunrise / Sunset~LOVE is ALL』
★歌詞にみる「テキトー」ポイント (詞:ayumi hamasaki)
♪僕等は完璧なんかじゃないよ だって人間なんだもの
だけど それでいいと思うんだよね
そんなとこが 愛おしいんだから

ベタなヒット曲だからと侮るなかれ。そういうものが、実はどれだけ若者の心にいつの間にか「力」を与えているかはわかりません。本当は大人たちがこういう種類の言葉を「リアルに」掛けてくれたりすると、思春期の繊細で尖りがちな気持がほぐれたりするわけですが・・・。人は距離が近ければ近いほど、なかなか「本音」を語り合えなかったり、照れて伝えるべき言葉が伝えられなかったりするものですからね。そういう心の隙間に、この手の「若者をターゲットにしたJ-POP」は見事にハマるわけです。
さて。僕が繊細な中・高生だった時代に「テキトー力」を教えてくれた歌は?と考えた時・・・パッと浮かんできたのは、なぜかこの曲でした~。
●YouTubeより~小泉今日子 - 見逃してくれよ!
■小泉今日子『見逃してくれよ!』
★歌詞にみる「テキトー」ポイント (詞:活発委員会)
♪ガマンをするのはソンだわ アタマばっかしでっかくなるわよ
勝手気ままに やってやろうじゃんか
おいしいこと やってやろうじゃんか
ハメをはずして やってやろうじゃんか
なるようになるわ

こういうのを意識的に戦略的にリリース出来てしまっていた当時の「小泉今日子」というプロジェクトの知性とかセンスって、やっぱスゴイわ。『なんてったってアイドル』だけじゃなかったんだね~彼女の「時代状況への批評精神」は。CM好感度タレントのイメージをキープしつつ、歌では好き勝手にやってるところも彼女の魅力でした。→FC2 同性愛 Blog Ranking
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