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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-06
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ボーイズ・ラブを読んでみる03●男二人のおいしい生活を、アートとして提示する漫画



 現在発売中の「モーニング」の表紙を、よしながふみさんの漫画『きのう何食べた?』のゲイカップルが飾ってるのですが。それを見て思い出しました。「そういえば2巻を買ったけどまだ読んでなかったっけ。」

 家に帰って読みました。・・・あ~なんか。気持ちが落ち着く~。

『きのう何食べた? 2 』

 料理を作るのが好きな弁護士をしている男と、美容師をしている男。2人の日常生活の何気ない描写を積み重ねることで描き出される世界観は、まるで「フツーに生きてるGAYの日常」そのもの。どっかのブログよりも至極真っ当に「フツー」なまま(笑)、ゲイカップルの日常生活を飾らないタッチで描き出している名作漫画です。

 些細なすれ違いや、仕事上のちょっとしたトラブルなど、彼らの生活の中ではふと「さざ波」が立つわけですが、そのたびに主人公は無心になって料理を作ることで、リセットしているかのよう。料理が生活にリズムを生みだし、その繰り返しをこなしていくことが「生活」なのだ。そんな風に感じさせてくれる描写が続きます。

 正直、料理にはあまり詳しくない僕は、レシピが細かく書き込まれているページは飛ばして読んでいるのですが(笑)、料理の過程を非常に細かくディテールまで書き込むという熱の込め方と、それを「男が男のために作っている」ということを特別視せず、ありふれた光景として描き出す姿勢は素晴らしいと思いますし、特にそういった料理の場面にこそ、作者の頑固一徹さを感じます。

 BL読者が期待しそうな「エロス」な場面は、あえて封じているのも、こだわりなのでしょう。したがってこの漫画を「BL」と分類すること自体、意見がわかれそうではありますが、「ラブ」を描き出すにはいろんな表現方法があっていいと思いますし、そもそも「ジャンル」などというものは厳密に区分けできるものでもないです。したがって、言葉上での細かいことは気にする必要なし!というのが僕のスタンスでございます。(人の数だけ分類法もある。そんな風に思いますから。)

『きのう何食べた? 1』

 あくまでもソフトにやわらかいスタイルで、主義や「答え」を読者に押し付けるのではなく、世界のありようを批評しながら鏡のように提示する。だから読者はそこから、さまざまな想像力の翼を広げることができる。そういう意味ではこの漫画、「アート」なんだと思います。FC2 同性愛 Blog Ranking
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