エラ・レムハーゲン「パトリックは1.5歳」●MOVIEレビュー

さまざまな偏見やホモフォビア(同性愛嫌悪)を乗り越えて、やっと養子をとれることになったゲイ・カップル。スウェーデン郊外の住宅地でこれから、幼い息子との新たな家庭を築けるかと思いきや、役所の手違いで15歳の少年パトリックが養子として送り込まれる。
●第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映。
→作品紹介ページ・・・7月19日(日)にも上映あり。
少年のかつての家庭環境は荒み、犯罪歴も多数。過去には同性愛者へのヘイトクライム(憎悪犯罪)もやったことがあるらしい。こんな少年を引き取らざるを得なくなったゲイ・カップルは、パトリックとウマが合う/合わないということで亀裂が生じ、ついには別居生活が始まってしまう。
このように「ゲイ・カップルの予期しない非行少年との生活」という物珍しい設定から始まるわけだが、次第に少年の抱えてしまった心の傷や孤独が見えてくる。そして、少年と心を通わせはじめたゲイにも、ホモフォビアと戦う日々という「孤独」があり、一緒にいることでその理不尽さを少年が理解しはじめる。
互いに互いの「孤独」を理解して感じ始めたことが、両者の心の壁を突き崩すきっかけを作る。コメディタッチな展開の中で、鋭く深く心理描写が的確に行われており、ハートウォーミングなエンターテインメントとして、文句なしに楽しめる作品だった。
日本で一般ロードショー公開しても十分に通じるのではないだろうかと思うほど、広く多くの人に観てほしい映画。→FC2 同性愛 Blog Ranking
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