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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-10
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akaboshiコラム019●0メートルの隔たり



 6月27日(土)にもMediRで行われた「関西クィア映画祭怒涛の3夜連続上映会」に行って来たのですが・・・いろいろと重いものを抱え過ぎた感じで、脳がパンクしそうになりました。

 イスラエルとパレスチナの問題と、そこで生きるゲイ・レズビアンらを映し出した『0メートルの隔たり』という映画を見た後、映画が撮影されたのとほぼ同時期の2002年に現地に行ったことがあるという、ひびのまことさんの体験談を聴いたのですが・・・。
イベント概要はこちら。

 事実上「占領されている側」=土地を追われている側であるパレスチナの人たちというのは、ほぼ人権を蹂躙された状態で日々を生きているわけです。理不尽な暴力にさらされ、住む所を突然、一方的に奪われたりしています。

 そして、彼らはイスラム。同性愛者として生きるというのは「罪」になるわけですから、どれほどの社会的な悪条件を抱え込むことになるのか・・・想像を絶します。

 また、「占領している側」であるイスラエル側のプライドパレードの様子などもひびのさんの写真などで知ることが出来たのですが・・・。

 これまた驚きます。こちらはなんと、何万人もを動員する大規模な「プライド・パレード」が実現できているのです。イスラエルというのは様々な権利整備も進んでおり、世界でも稀に見る「LGBT先進国」なのだとか。同じ土地に住みながら、ユダヤ人のコミュニティとアラブ人のコミュニティでは、こうも大きな隔たりがあるのです。

 しかも、お決まりのレインボーフラッグとともにイスラエルのLGBTたちが掲げているのは、イスラエル国旗。それはイスラエル側からすれば「建国の象徴」ですが、パレスチナ側からすれば「占領者の象徴」。

 すなわち、その旗を掲げるということは、パレスチナの人々の存在を「無きもの」として扱っている国家の方針に、結果的に賛同する形でのレインボー・アクションを行っていることになってしまっているのです。そして、多くのイスラエルのLGBTは、そのことにはあまり疑いを持っていないようなのです。

 そうした側面に反対する人々が少数派ではありますが居て、レインボーから色を抜き去って黒と白でのグラデーションによる6色旗を掲げ、黒とピンクトライアングルのプラカードで「パレスチナの人々への追悼」を表明するアクションを行っていたのだとか。しかし、パレードの運営側とは対立し、集会の行われている公園には入れてもらえなかったそうです。

 だからといってあの土地における強者である「イスラエル側」が悪いのかといえば、そうも一概には言えません。西欧社会ではユダヤ人というのは今でも根強く「差別の対象」である場合が多く、イスラエルという地は、迫害されるユダヤ人にとって安息の地。精神的にも、土地としても重要な意味を持っているのです。

 しかしその地には、もともと住んでいたアラブの人たちが居たのです・・・。

 そんな様々な事情が入り組んで、今でも血で血を洗う抗争があちこちで展開されている土地において、ユダヤ人とアラブ人でカップルになった「レズビアン・カップル」らの姿が、映画では描かれます。

 キスをする二人に、物理的な距離はありません。しかし、心の中にはどうしても、互いの出自という「隔たり」が根付いてしまっているのが、それぞれ別々に収録したインタビューを通してシビアに浮かび上がります。映画のタイトルである『0メートルの隔たり』は、そのことを象徴しているのです。

 今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映されるドキュメンタリー『分断の街で』では、この映画でアラブ人のレズビアンとして登場した彼女の後日談が描かれるそうです。

 人権すら尊重されずに命の危険に日常的にさらされている環境で、しかも「罪」として扱われる社会制度の中で、自分が同性に惹かれる種類の人間だと気付くというのは、どういうことなのか。僕には想像できません。

 しかも、さらに驚いたことに、パレスチナ側の人々はイスラエル側への情報の「密告者」として引き抜かれる場合が多々あるそうで、生活のために仲間の情報を売り渡すことも頻繁に起きているようなのですが・・・。

 その際に「同性愛者であることをバラすぞ」という仲間からの脅しによって、やむなく密告者としての危険な振る舞いに手を染めざるを得ない状況も、多々起きているのだとか・・・。もしも密告者であることが判明した場合、それはパレスチナ社会の中における「死」を意味します。

 この事実を知り、今の僕は絶句するしかないです・・・本当に、情けないことに。ひさびさです、こんなショックは。フラフラになりながらの帰途でした。FC2 同性愛 Blog Ranking
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