フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-09
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メゾン・ド・ヒミコで未知との遭遇009●父のような、母のような・・・

21年ぶりの再会には、二人きりのシチュエーションが用意されました。
春彦の案内で卑弥呼の部屋に案内される沙織。しかし卑弥呼は見当たりません。
「ちょっと待ってて・・・」
春彦は部屋を出て行きます。
(↑せっかくの親子の再会は当事者2人であるべきだという、シナリオライターの配慮なのでしょう。)

一人になった沙織は、無人の部屋を見渡します。
部屋の中心には大きく優雅なベッド。壁には半裸の男が横たわっている絵。

静寂の中、卑弥呼が登場。
紫のガウンに上品な花柄のストール。頭には紫の布を巻いて神秘的な雰囲気。その立ち姿は「品」を感じさせます。

「・・・新しいアルバイトの方?」
卑弥呼は、すぐに娘だとは気付きません。長年この二人が会っていなかったことが察せられる言葉です。

沙織をアルバイトの子だと勘違いしたままの卑弥呼は、ブランチに沙織を誘います。
しかし沙織は立ちすくむだけ。その眼光はやはり強烈です。
無理もありません。なんともいえない奇妙な存在感を放っている彼を目の当たりにすれば、誰もがしばし言葉を失うのではないでしょうか(←だって演じてるのが田中泯だもん)。もはや睨むことしか、彼女にはできなくなっているようです。

沙織のただならぬ気配を敏感に察知した卑弥呼は、やっと気付きます。
「・・・あなた、もしかして・・・。」

しかし、そのまますぐに場面は切り替わり、ホームのゲイたちが一同に会するブランチの様子が映し出されます。

◇◇◇

卑弥呼役の田中泯さんは、インタビューで面白い発言をしています。
「イメージしたのは、亡くなった母のような女。動きは、何から何まで母から来ています。外見は似ていないんですが、映画を見た僕の子供たちは『おばあちゃんにそっくり』と言ってました。真似しているうちは、まだ僕ですが、母と僕が重なっている瞬間は母なんです。技術としての演技ができない僕にとって、その人になっちゃうのが一番近くて、他の俳優さんに失礼でない、僕なりのやり方だろうと思っています。(中略)実は僕の人格の大半は母親の影響を受けているんですが、これまで母の事は喋らないできたんです。でも今回は、大事にしまっておいた風呂敷を広げているような感覚でした。これからは踊りの中にも母が登場してくる気がするんです。」(オフィシャルブックより)

父親だけれど、性を超越しているから母親のようでもあり・・・。
田中泯さんがこの映画の中で見せている存在の仕方は、演技というものの不思議さをまざまざと見せつけてくれます。

既成の言葉で喩えるのは無理。
僕はまだ、彼の演技を形容すべき言葉を見つけ出せずにいます。

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コメント

この記事へのコメント

あー、そうでしたか、既成の言葉で田中氏の演技を表現するのは無理、か。なんとなく凄さが想像できます。それに母親が大事だけど封印していた、というのもまたもっと知りたくなる背景ですね。技術でない演技、是非目の前で堪能したいですね。。。

● flowfreeさん。
田中泯さんって、これだけ長く踊りを続けてきたのに
「母親の事を封印してきた」って・・・ちょっと気になる発言ですよね。
表現者って自己の内面とも向き合うから、
人格の大半に影響を与えた人のことだったらなおさら大切だと思うし・・・。
「踊り」という自分のフィールドを出て、他人の演出に身を任せてみたからこそ
発見できたものがあったんでしょうね。
とても面白い発言だと思いました。

先日はTB&コメントをいただき、ありがとうございました。
とても嬉しかったです。
メゾン・ド・ヒミコの感想を自分なりにまとめてみましたので、お時間のある時にでも覗いてみてください。
akaboshi07さんのブログは自由な意見の飛び交う素敵な場所ですね。
これからの読ませていただきますね。

● naocco8さん。訪問ありがとうございます。
そちらにも書かせていただきましたが、
「この映画はゲイについての話であることが大前提なのですが、
ゲイであるかどうかというのは途中からあまり意識しなくなりました。」
・・・naoccoさんの感想に書かれているそういう部分が、
この映画の特色だと思ったし、僕が気に入った理由だと確認できました。
ありがとうございます。

Akaboshiさん、こんにちは。
日曜日に、新宿へでかけ、『メゾン・ド・ヒミコ』批判派の大塚隆史さんといろいろ話をしてきましたので、その記事TBさせていただきました。時間がなくて、TBしっぱなしになってしまい、もうしわけありません。
ところで、今日シネマライズにいらっしゃいますか?トークショーでお会いできたらいいなと思っております。

● lunatiqueさん。
へっへっへ。実は行っちゃいました、本当に。
田中 泯さんのフツーの姿が見れて嬉しかったです。
たぶん lunatiqueさんらしき人がいましたが
シャイなので、声かけられませんでした(笑)。

映画のあと話し込んで、今、戻ってきました。もしかして私の2つおいて隣の席だったのでは…。
違ってたらごめんなさい(^^;)。

●lunatique さん。
あ、たぶんその人ではないと思います(笑)。

あれれ、はずれでしたか…。う~む。
ところで、Akaboshi流のトークショー印象記もよろしくね♪
せっかくのトークだから、いろんな印象記があった方がいいと思う。

もしかして、私の隣に座っていた人が、akaboshiさんだったかもしれませんね!G11の彼、そうでしたか?
田中 ミン氏の踊りを、観に行こうかなと、今思っています。
同じ空間にakaboshi さんもいらっしゃったのかと思うと、不思議な感動です。

● lunatiqueさん。
今回、見返した上での感想も後日載せようと思います。
かなり印象が変わりました・・・怖ろしいほどに多面体です、この映画(笑)。
トークショーについても、書きますね。

●seaさん。
残念でした~、その人でもありません。僕は「J 列」に座っていました(笑)。

なにやら楽し気なご様子(笑)
私ももう一度見に行こうと思っていたら、
明日で上映終了でした。行けませ~ん。
残念です。

● monomakingさん。
公開当初の熱気は、もうだいぶ落ち着いてしまったようですね。
僕が見に行った時も、監督と田中泯さんのトークショーがあるにも関わらず
客席は寂しいものでした。
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