LGBTの紙媒体★掲載チェック32●父とアルツハイマーと息子の告白

●『Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2009年 5/27号 [雑誌]』
筆者は、編集者のロン・ベル・ブルーノさん(42歳)。31歳の時に一度、両親にゲイであることをカミングアウトしたのだとか。(以下、一部引用)
その後、筆者の父親はアルツハイマーになって入院し、病室で久々に、「ゲイの話」を交わすことになったわけですが。その時には淡々と明るく、次のように言ってきたそうです。
「結婚しているのか?」
「いいや」
「ゲイか?」
「うん、そうだよ」
私は31歳のとき、復活祭の夕食の最中に両親にカミングアウトした。私が投下した爆弾を、母は地元の劇団のミュージカルで空手の得意な主婦を演じたときと同じくらいの心の広さで受け止めた。
伝統的な家族の価値観を重視する友愛会幹部だった父は口籠り、顔を赤くして「むかつく」「普通じゃない」などの言葉をちりばめた文章の断片をつぶやきながら、バター皿を凝視していた。「知っておいたほうがいいから。この話しは終わり」と、私は言った。
その2、3時間後に父は車で私をバス停に送りながら、いつもの日曜日のように株取引と不動産売買についてたわいのない話をした。それから10年余、父が「ゲイの話」に触れたことはなかった。
やがて父親が他界するまでの間に、「そのこと」について話したのは、この2回だけだったのだそうです。父親と息子の、言葉ではあまり交わされないけれどもしっかりと結びついていた絆が、自然と浮かび上がってくるような名文となっています。→FC2 同性愛 Blog Ranking「お前はよそ者と暮らしていて、ゲイで、物を書いていて、猫が好き。それで全部か?」
「そうだよ、父さん。それで全部だ」。
●『Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2009年 5/27号 [雑誌]』
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
⇒ http://akaboshi07.blog44.fc2.com/tb.php/1709-5708e9c7
この記事へのトラックバック