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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-06
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LGBTの紙媒体★掲載チェック29●メイプルソープの生涯、「MEN'S NONNO G」に掲載

 どんだけホモフォビアを抱えてたんだメイプルソープ!

 メンズノンノの春の増刊号である「MEN'S NONNO G」に、ゲイの写真家であり、80年代にエイズで亡くなったロバート・メイプルソープについての特集が載っています。

 渋谷のライズXで上映中の映画『メイプルソープとコレクター」の公開に合わせた内容で、彼の生涯のトピックが5ページにわたって端的に説明されていて、わかりやすいのでオススメです。

 ところで。この人の名前は、写真の歴史を少しでもかじると必ずと言っていいほど耳にする位に有名なアーティストであり、ゲイ(あるいはバイ)であることも知ってはいたのですが、その生涯については知らなかったので、記事を読んで驚きの連続でした。60年代という時代状況もあったのでしょうが、彼は、かなり強度なホモフォビア(同性愛嫌悪)に苦しんだ青年時代を過ごしたようなのです。

 1946年にニューヨークで生まれた彼は、家族が敬虔なカトリック教徒であったために、厳しい戒律のもとで育ちます。子どもの頃から男の子がやる遊びを好まず、アクセサリー作りなどに熱中していたようですが、高校に入ってからは文化的な趣味を封印し、教会が組織する男らしさを誇る集団に属するようになったそうです。

 しかし、女性の裸だけではなく男性の裸にも視線が行く自分に気が付き、慄然とします。自分のホモセクシュアル傾向を「矯正」したかった彼は、大学に入るとすぐに学内のROTC(予備役将校訓練課程)に入会し、ストレートな男であろうと努めたのだとか。(幼年期の自分を否定し、青年期に男性性を必死で身につけようとしたという点が三島由紀夫とダブりますねぇ。ほぼ同時代だし。

 やがてROTCでの人間関係に挫折してやめた後はドラッグに溺れるようになり、そんな日々の中でパティ・スミスという気の合う女性と出会い、同棲を始めてからは本格的にアーティストとしての道を志すようになります。

 この時期。女性に惹かれるということはつまり、「自分はホモセクシュアルではない」という安心感を、彼に与えたようです。パティ・スミスは「女性ジェンダー」への違和が強めな人だったらしいので、いわゆる「男女」の規範から逸脱する者同士、波長が合ったのかもしれませんね(と、記事にも書いてあります)。しかし、その日々は長く続かず、ついにはパティが家を出て行こうとしたとき。メイプルソープが発した言葉が凄いです。

「行かないでくれ。行かないで! キミを失ったら、僕はゲイになってしまう!」

・・・すげ~(笑)。どんだけホモフォビア(同性愛嫌悪)を抱えてるんだよ!!。あと、いくらなんでもこれを言ってしまっては女性に対して失礼じゃないか?ゲイにならないために付き合ってたのか?みたいな。

 現代の感覚ではそんな風に言えてしまいますが、当時のニューヨークではまだ「ストーンウォール」も起きていない頃であり、同性に性的指向が向く者が自らの本質を見つめることには「恐怖」に近い感覚が根強くあったのでしょう。(今でも、世界を見渡せば同じような状況の国はたくさんありますし、日本でも状況によっては、同じような感覚を持っている人は少なからず居るでしょう。)

 その後メイプルソープは富裕な老紳士と出会い、その人がパトロンのような存在になってくれたおかげで次第に自らのホモフォビア(同性愛嫌悪)を克服し、「ゲイの写真家」としての名声を手にすることになったわけですが、(そこらへんが、今回の映画では描かれるらしい。)パティ・スミスとの「ソウルメイト」のような関係は続き、芸術家としての絶頂期を迎えることになります。こんな風にこの人の生涯、細かく知るとなかなか面白そうですねぇ。

 なお、この雑誌での「メイプルソープのライフヒストリー」は、パトリシア モリズロー 著 『メイプルソープ』を参考に書かれたのだそうです。この本、持ってるんだけど分厚くって、しかも2段組みで文字がたくさんあって、読破するまでに相当な時間を費やしそうで、なかなか手を出せてなかったんですよね~(笑)。

 そんな僕にとって今回の記事は、「入門編」としてとても役に立ちました。いつか分厚い本の方も読んでみようという意欲を与えてくれます。(&映画もね。)FC2 同性愛 Blog Ranking
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コメント

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ご無沙汰してます。

画家デイヴィッド・ホックニーのドキュメント(?) 映画
「彼と彼 とても大きな水しぶき」って観ました?

なかなかですよw

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