フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-08
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LGBTの紙媒体★掲載チェック28●AERAに橋口亮輔さんのインタビュー掲載。

 松任谷由実さん(ユーミン)が表紙の今週の『AERA』(4/6号)ですが、「現代の肖像」というインタビューコーナーに、オープンリー・ゲイの映画監督・橋口亮輔さんが登場しています。5ページにわたって、かなり赤裸々に本音を吐露しているので「ここまで詳細に書かれて大丈夫なの?」と心配してしまいたくなるほどの内容。取材者の伊東武彦さんとの信頼関係が築けた上での掲載なのでしょう。「プロの仕事人同士」の、真剣勝負の緊張感が誌面から滲み出ています。

 橋口さんと言えば、昨年公開されてロングラン上映となった映画『ぐるりのこと。』が昨年末の映画祭・賞レースにおいて『おくりびと』と争ったわけですが、その件に関して、以下のような発言をしています。

 「結局、テレビ局がついた、わかりやすい映画に賞は行くんだな、と。本木雅弘さんも、主演男優賞はリリーさんだな、と言っていた。選考委員の半数が授賞式に欠席した映画祭もありました。人が命がけで作った映画を評価する責任を感じているなら、そんなことはできないはずなのに。」

 僕はまだ『ぐるりのこと。』しか見ていないのですが、静かな描写の中に狂気に近いまでの「生への渇望」が詰まっていて、心を抉られたし真の意味での希望も与えられた、近年まれに見る大傑作だと思っています。(こんな陳腐な言葉でしか表現できないことが腹立たしくなるくらいの名画。)だから、それを遥かに凌ぐ大量の受賞を果たした『おくりびと』とは、さぞや大名作なのだろうと期待していたのですが・・・。

 橋口氏は取材記者の前で、「絶対に勝つ映画を作りたかった」と言って、むせび泣いたそうです。何に勝ちたかったのかは明確に語ってはいませんが、映画界に巣食う「悪しき商業主義」とか、「形だけの賞レース」の腐敗構造に対してなのかもしれません。それだけ全てを賭けて臨んだ映画制作だったのでしょう。あの映画、並大抵の「心の血」の流し方では作れないものでしょうから、その無念たるや相当なものだと思います。あの華やかな賞レースの裏では、実作者たちによってそうした本音が交わされてもいたのですね。

橋口亮輔「ぐるりのこと。」●MOVIEレビュー

★「ぐるりのこと。」のDVDが発売されました。

『ぐるりのこと。』 [DVD] 

★橋口監督の初期の短編を集めたDVDも発売されています。

「映画監督・橋口亮輔 自主映画。」 

 記事では他にも、橋口監督が自らを「ゲイだ」と感じたきっかけについて。そのことによって、体で感じた他人の拒絶について。そして、ゲイである自分を受け入れることの出来た友人の振る舞いについても触れられてます。彼はすごく傷ついてきた人なんだとわかります。

 そして、ゲイであることに向き合った形での映画表現を生み出すに至るまでの精神の軌跡。両親との一筋縄では行かない関係。近年のうつ病などについても、細かく触れられています。橋口監督が自身の出自について、これほど細かく語っているものを、僕は初めて読みました。

 なにより、取材者が橋口氏についての「綺麗ごと」や「都合のいいこと」のみを書くにとどまらず、実際に接して感じた橋口氏の光と影、強い面と弱い面までをも含めて立体的に、色濃く浮かび上がらせているので本当の意味で惹き込まれます。「人間を描く」ということはつまり、こういうことなんだと教えられるような記事です。ぜひ、ご覧になってみてください。お勧めです。

 ところで記事の中では、橋口氏が次回以降の作品についての構想も語っているのですが、生前の淀川長治氏に薦められたという2つの原作を挙げています。三島由紀夫『禁色』。そして鶴屋南北の『桜姫東文章』。

 『禁色』は、三島由紀夫が作家活動の初期に書いた、男性同性愛者が主人公の自伝的な内容を含んだ作品として、三島の本質を知る上で、また、日本の同性愛表現の歴史を語る上では『仮面の告白』と並んで位置づけられる重要な作品だと僕は思います。そして『桜姫東文章』は、歌舞伎の演目として有名なのですが、男・女の性別を越境したり、時空を超えたりする主人公の大冒険譚。アナーキーな南北の魅力あふれる面白い作品です。それにしても、この2作を薦めるなんて、淀川先生も教養豊かでサスガです。(いいものを若いうちにたくさん観て、知りなさいとよく言ってましたからね。)個人的には・・・橋口さんにはぜひぜひ『禁色』に取り組んでほしい!と切に願います。(なにを隠そう、僕は筋金入りの三島マニアだから。爆)

 ところでこの記事の終わり。橋口さんは深刻な発言ばかりではなく、こんなことも言っています。

「でもね、最近、思うんです。映画で賞を獲るよりも、マッチョになって一生に一度くらいモテたいなぁって」。

 それを受けた取材者が慌てて(?)、「もちろん、橋口がこの世に生きるよすがは映画しかない。」と、優等生っぽく結んでいるのが笑えました。

 もちろん、どちらもユーモア表現なのだとわかった上で、あえて言わせてもらいますが。べつにいいじゃないですか!三島みたいに肉体を改造することで、新たな身体感覚から新たな表現が生み出されるかもしれないですし。やっぱ、三島が晩年に必死になって肉体改造したのは、「モテたいから」だったんじゃないかと思うんですよねぇ~。身体が変わって初めて感じる「何か」もあるはずっ!見えてくる「世界」もあるはずっ!橋口さん、ぜひマッチョに!FC2 同性愛 Blog Ranking
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コメント

この記事へのコメント

ここのレポートのようなエントリー面白いですね!
三島由紀夫の「禁色」大好きです。
これをたまたま夏休みの課題図書を探していたら見つけて、読んだら面白くて…三島好きになりました。

「ぜひマッチョに!」って個人的趣味がほとばしるところが、akaboshiさんのブログの面白いところですね(笑)橋口作品は、どれもいい!「ハッシュ!」ぜひぜひご覧下さい。気付いたら号泣しているような映画ですが、底に流れているユーモアが私は好きです。
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