フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-09
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ジョン・パーマー「シュガー」●MOVIEレビュー

悪。その魅力

純朴な少年クリフが、夜の町でカラダを売る男娼のブッチと出会い、行動を共にするようになる。クスリの取引や、カラダを売る現場などに無邪気についていってしまう。

清らかな少年が悪の世界に惹かれ、世界の複雑さに対峙して強くなって行くという設定は、同時上映の「ハードコア・デイズ」と共通。
タイプのよく似た作品だが、こちらはよりシンプルに、人間同士のザラザラした触れ合いを、映像表現として描くことに成功している。戦略的に粗く撮影されたカメラワーク。男娼ブッチの心情や、彼が生きている世界の肌触りを感覚的に表現している。

飾らないということ

なぜ、クリフはブッチに惹かれるのか。生きている世界が違いすぎるというのに。
きっと、飾らない剥き出しの人間性に魅力を感じるのではないかと思った。
「悪」というのは人間の本質。そうでなければ宗教も法律もいらない。彼らの振る舞いは社会的なモラルには反している。しかし人間としての本質にいちばん近いからこそ発せられる輝きがあることも確かなのだ。
彼ら「はみだし者」には、裏社会でなければ生きられない様々な事情がある。
しかし映画はそこには目を向けない。ただ刹那的に若さが放つ光を捉え、彼らのどうしようもない行状を追い続ける。背景を読み取ることは観客の想像力に委ねられる。

ゲイ映画「ハスラー・ホワイト」などで有名なブルース・ラ・ブルースの短編小説が原作。
ここで描かれる世界はセンセーショナルで痛々しいかもしれない。しかし、その眼差しは限りなく「まっすぐ」だ。そしてなぜか、あたたかい。

プラトニック

男娼ブッチは男にカラダを売ってはいるが、あくまでも金のため。
彼はゲイではない。
クリフは明らかにゲイ。男娼ブッチに触れたい。しかし経験がないので手が出せない。

二人が並んでベットに寝るカットの、なんとも言えない距離感。
触れたくても触れられないクリフの表情や仕草は切ない。
そして、いじらしい。

マセた妹の毒舌による救い

純朴な少年クリフには、不思議な妹がいる。ルックスはただの小学生にしか見えないのだが、内面は非常にマセている。男娼のブッチとも気が合い、性のことやスラング、タブーを平気で口にし、兄とブッチの関係についても鋭く批評をする。いわば「トリックスター」だ。
彼女のような存在がいると、男娼のブッチも束の間、孤独から解放される。率直な者同士というのは、非常に気が合うからだ。

作者は、せめてもの救いとして彼女のようなキャラクターを創造したのだろう。その口から発せられる数々の毒舌は実にスリリングだが可愛らしい。そして、真実を衝いているだけに物悲しくもある。

制裁

男娼のクリフはクスリに侵されていた。禁断症状を抑えるために、より過激な犯罪に手を染め始める。金を手に入れるためには友のカラダまで売ろうとする。ブッチとの間にも亀裂が生じる。
そして、破滅。
主人公クリフを大人にして、映画は終わり行く。


「シュガー」(SUGAR)
2004年/カナダ/78分 配給:S.I.G.
監督:ジョン・パーマー
原案:ブルース・ラ・ブルース
製作:ジョン・バカン/ダミアン・ナース
脚本:トッド・クリンク/ジェイ・ラプランテ/ジョン・パーマー
撮影:ジョン・ウエスザユーザー
出演:ブレンダン・フェア/アンドレ・ノーブル/モーリー・チェイキン/サラ・ポーリー/ヘンリー・ワインストール /マーニー・マクフェイル

●「SUGAR/シュガー」DVD発売中

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コメント

この記事へのコメント

あっ!! ブルース・ラ・ブルース原案!?
またコアな・・・(^^)
彼の『ハスラーホワイト』には、おばかな映画を期待していたものの、心のすごく深いところに、妙な寂しさを残されてしまいました。
「近くにいるのに、妙に遠い」距離感を、映像で表現できる人ってすごいと思います。

ブレンダン・フェアー?!↑の画像見てどっかで見たことあると思ってたら、ロズウェルのマイケルじゃん!(笑)この映画見てみた~い!(動機が不純ですいません(汗) とはいえ僕もちゃんと映画好きですよ(笑)

●usedpeopleさん。
「近くにいるのに、妙に遠い」距離感・・・その通りですね。
僕、ブルース・ラ・ブルースの映画はほとんど見てます
(マニア度がバレてしまった・・・笑)
色んな人間の本能の部分(「悪」と呼ばれるもの)を
包み込むような視線を感じると同時に、
他人同士の、どうしても分かり合えない部分についても鋭く浮かび上がらせるので
すごくシビアだし空虚な気持ちも感じて・・・自分が掻き混ぜられる感覚が大好きです。
(↑なんだか妙な文章だなぁ・・・笑)

●SHIN'YAさん。
ロズウェルってドラマがあったんだ、知らなかった。
NHKで放送されてたんですね。そして彼はエイリアンの役だったんですね。
・・・ルックスからして、ちょっと納得(笑)

●at 2005-10-06 02:18
リンクどうぞ。こちらからもさせていただきます。

 再び今晩は。 早速のお返事有難うございました。 こちらはその翌日に観ました。 制作国も年も違うのにこの2本はセットで上映するのが必然の様な映画ですね。 個人的には主人公の“今後”が気になります。 ブッチという経験を通過して“大人になった”この子がどうなるかが。 Fuck / get fucked でも do it でも have sex でもなくて、make love をする事があるのだろうかと。 陳腐だけど、孤独な心がまた新たなそれを誕生させる、その連鎖を見た気がします。 それが大人の世界を知る事で、心の柔らかい所を守れる様タフにならないと自滅しまう、ブッチの様に。 それは分かりますが...はあ(溜息) クリフ役の方は残念な事に亡くなったそうですね。 合掌。
 ブルース・ラ・ブルース原案: “スキン・フリック”を見た時はどうしちゃたの思いましたが、これ観て安心しました。 アマゾン検索したら、“ブルース・ラ・ブルースDVD4枚組BOXセット”がありびっくり。
メゾン・ド・ヒミコ: どうも食指が動かないんですね。 予告編観た段階で、お話にならないって思ってしまって。 皆さんのコメントを読んで益々その確信が強まる次第で。

心の柔らかい所を守れる様  → 心の柔らかい所を無視もしくは忘れられる様
推敲不足でした。 すみません。

●渦さん。
推敲していただいた部分での記述、いいですね。
大人になるということは、
「心の柔らかい所を無視もしくは忘れられる様なタイプになる」という
解釈なんですね。
そういう意味での大人にはなりたくないという気持ちを
自分で意識的に「忘れなければ」いいのかな、と思いました。
社会で生きて行くには、ある程度「心の柔らかい部分」を殺さなければ
やって行かれない。特にビジネスの世界では。
この映画や、ブルース・ラ・ブルースの一連の表現は常に
社会の本流からはみ出した者たちの生きる姿を描いていますが
根底にあるのは、そうした社会に対する批判意識なのだと思います。
どちらが人間らしいのか。
どちらが人生を本当に生きていると言えるのか。
答えを出しているわけでもないし、観た者も安易に答えを出そうと
焦る必要はない。
ただ、世界の仕組みがそうなっているということを「意識するかしないか」は
非常に重要なことだと思います。

●↓(つづき)
怖いのは、無意識に「はみ出し者」たちを非人間視し排除しようとする「エリート」。
逆に言えば、「エリート」への劣等感から
敵意をむき出しにして暴力に訴える「はみ出し者」たち。
両者共に、「無理解」という谷を間に挟んでいる点では共通。
彼の表現は、その「現実の有り様」をそのまま提示しているんだと思います。

>akaboshi07さん
>色んな人間の本能の部分(「悪」と呼ばれるもの)を
>包み込むような視線を感じると同時に、
なんかこれよくわかります。きれいごととか全部排除した、人間の良くない部分を、全部わかった上で「でも大好きだよ」って言っているような、彼の深い愛情を感じます。
でも、・・・なんかさびしいですよね。それかakaboshi07さんのいう、かき混ぜられたような気分なのかしら?
この映画、見に行っちゃおうかな。

● usedpeopleさん。
そうかもしれません。やさしいんだけど、そのやさしさは
世の中の多くの人が思っているやさしさとは「ずれて」いる。
そう感じるから寂しいと感じるのかもしれません・・・。
この映画の公開は10/7で終了してしまったので
DVD発売を待つしかないようですね。

 コメントが前後してしまい申し訳ありません。 ずっと考えていたのですが、なかなか降ってこなくて。(子供の頃の読書感想文強要のトラウマで、年賀状から社用レポートまで文章を書くのが異常に遅い)
 
 少し語弊がありました。 大人になる、と“心の柔らかい所を無視もしくは忘れられる様になる” が必ずしもイクウォルでは無いと思っております。 厳しい大人の世界に足を踏み入れた(もしくは巻き込まれた)けど、先に書いた“心の柔らかい所を守る”技術を身に付けられる程成熟してないから、“心の柔らかい所を殺す”事になりがちだと思うのです。 教えてくれるひとは滅多にいないし、自覚するには感受性が必要だし、とりあえず棄てて置くほうが楽だから。
 他の事は同意です、理想は。 “無理解”で、“はみ出し者”の方にも釘を刺しているのはakaboshiさんらしいですね。 だって普通“エリート”の方だけですから。 それにしても難しいですね。 自分にもあるので。 アニメおたくとか、やおい(今は腐女子というのか)とか。 後者は嫌悪の対象。 無論学習した上でのアンチですが。
続く

続き
 ブルース・ラ・ブルースのフィルムは多分全部観てます。 あの身も蓋も無さと愛らしさ、大好きです。 人工甘味料を全く使わないあんな愛想悪い中にも、人間の機敏や現実の在り様を鋭く表現出来るひとは信用出来ます。

●渦さん。
人を評価する基準を持つ資格のある人など、この世の中にいないと思います。
いると思うこと。それは欺瞞だと思います。
最近「腐女子」という言葉をよくみかけますね。
なにをもって「腐」という言葉を使ってしまえるのか理解に苦しみます。

??? ... あー、言葉足らずだったようで。 私は、「人を盲目的に先入観やイメージや偏見だけで判断し無理解でいる状態に陥らないでいられるのは、理想的だけれど現実的には中々難し」く、「自分もそういう所がある事を自覚しており、自省しなければならない」 という事を言いたかったのです。  ただ、単なる盲目的な先入観や無理解ではなく、なるべく中立的にその対象物を良く研究し自分の中の反応を分析した結果、その対象物の反対の立場を採るのは、必ずしも欺瞞や不遜であるとは言えないと思います。 
>なにをもって「腐」という言葉を使ってしまえるのか理解に苦しみます。
→ 私も理解に苦しんでます。 何ゆえ自ら命名し、名乗ってしまえるのかが。
私が彼女達に反撥を覚える理由は、その狡さ、怠惰さです。

●渦さん。
「腐女子」って、周りが決め付けて言っている言葉じゃなくて
当事者たちが自ら名乗っている言葉なのですか?
・・・知りませんでした。
だとしたら、自嘲できる感性を持っているのだから馬鹿に出来ないですね。
単純ではない証拠です。
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