フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-05
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アンジェリーナ・マッカロネ「異国の肌」●MOVIEレビュー

 イランではレズビアンとして生きられない。亡命先で男性として振る舞い女性に恋をする。

 3年前にドイツ映画祭で偶然見かけ、「なんでクィア系映画祭で上映されないんだろう」と不思議だった映画。さすがは関西クィア映画祭。滅多に上映される機会はないだろうから、どんな映画か詳細に記しておきたい。 (注:ネタばれです。)

 イランで既婚女性と恋仲になった女性が、本国には居られなくなって亡命するところから物語は始まる。イランでは同性愛関係が発覚すれば、社会的に抹殺されてしまうのだ。途中で同じ亡命者の男性の自殺を発見したことにより、衣服を借りて身分をすり替えることに成功する。そしてドイツで「その男性」に成りすまして、別人格の労働者として過ごす日々が描かれる。

 胸をつぶすためにサラシを巻いたり、がに股で歩いたり無口を装ったり。工場労働で汗だくになるにもかかわらず男性更衣室ではシャワーが浴びれなかったりと、まるでFtMトランスジェンダーの思春期のライフヒストリーのエピソードのように「女性の身体を隠蔽する」日々が続く。

 当然、そんな様子は周囲から不審に思われるのだが、そういう「周囲の視線」とか「他者の視線におびえつつ、悟られまいとする心情」だとかが、ちょっとした仕草や表情を通して丁寧に繊細に描き出され、息が詰まるような緊張感が持続する。

 やがて同じ工場労働者の既婚女性が、主人公に興味を示して近づいて来る。次第に接近する2人の関係性。既婚女性はどうやら最初は、主人公の醸し出す「謎の佇まい」に惹かれていたようだ。しかし次第に性的に惹かれ始めたらしい。混乱しながらも、その衝動は抑えられなくなって行く。

 主人公としても、その女性が気になり始めていく。表向きは「ヘテロ男性」として。内面は「レズビアン」として。女性と過ごせる時間が待ち遠しくなっていく。

 しかも既婚女性は、主人公が女性であることを早いうちから見抜いていた。手を握って観察したときに華奢であったことから察知していたのだ。それでも周囲には他言しない。秘密は心の中だけに留め、ますます接近し、やがて主人公と肉体的に結ばれる。

 その場面が秀逸。男性を装っている主人公の衣服を脱がし、胸の膨らみを隠すためのサラシを見ても動じずに、そっと、ゆっくりと解いていく。まるで心の武装解除をやさしく解いていくかのように。

 既婚女性は口にする。「私、混乱しているの」と。それでも、身体と心が求める衝動の流れは止められず、さまざまな障壁や謎を無化した上での至福の瞬間が、2人の女性に訪れる。

 しかし。

 主人公はそれから程なくして、本国に強制送還されることになる。成りすましていた男性が政治犯だったため、本国の政治情勢が変化したことにより帰国できることになったのだ。すでに自殺しているが、生きていることになっている別人格の男性としてドイツ国内で振舞ってしまった以上、従わなくてはならないのだ。

 その嘘はおそらく本国に帰ればバレることだろう。せっかく全てを分かち合った女性とも別れなければならない。映画はここで終わる。彼女らを翻弄する「大きなもの」を告発するかのように。

 自分を押し隠して生きることの孤独と空虚。解き放たれる瞬間の輝きと儚さ。常に多義的な感情を喚起させられ続け、細いガラス糸の上を歩いているかのような気分になる映画。それでも強く印象に残ったのは、主人公の生命力と逞しさ。そして、それを結局は踏み潰す「大きなもの」の非情・・・。FC2 同性愛 Blog Ranking
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