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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-09
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メゾン・ド・ヒミコで未知との遭遇001●これって・・・事件!?

先日、ミニシアター系で公開中の「メゾン・ド・ヒミコ」に行きました。なんでもゲイの老人ホームが描かれている映画らしいのですが・・・。
ふ~ん。

おっ、柴咲コウが出てる。
僕は彼女の不敵な目と、さばさばしたキャラクターがわりと好き。
それに・・・ななな、なんと舞踏家の田中泯が出てるではないか。なにぃぃ~っ!

田中泯と言えば舞踏界のカリスマ。映画に出てるとは!

かつて彼の舞台を見たことがありますが、舞台に置かれた巨大な鏡と格闘するように不思議な舞踏を繰り広げ、しまいには全裸になってしまうというショッキングなものでした・・・。終演後の場内は嵐のような拍手喝采。熱狂的なファンがたくさんいることは伝わってきたのですが、その頃の僕にとっては刺激が強すぎて唖然としたことを憶えています。
そんな彼が映画出演!?、しかも台詞喋るの?・・・いろんな意味で期待が高まったので、見に行くことにしました。
(注:田中泯氏はこの映画以前にも「たそがれ清兵衛」に出演し、日本アカデミー賞の助演男優賞を受賞してたりしたんですね・・・ノーマークでした。笑)

観客層は若い女の子か
・・・ゲイのカップル(笑)


主演が今をときめく二人だからか、開場前のロビーは若い女の子で溢れかえっていて、ちょっと浮き足立った雰囲気。

ちょうどオダギリ氏主演の松竹映画「SHINOBI」が封切られたばかりでもあり、宣伝のために彼のメディア露出が増えていることも原因なのかも。
ちなみに「メゾン~」は今後、全国各地のミニシアター系で拡大公開もされるらしい。しかもスポンサーに日本テレビが付いているということは、テレビで来年あたり放映されることも確実。

ふ~ん。それは喜ばしいことなのだけど・・・ちょっと待て。
オダギリ氏目当てでこの映画を見に来た彼女達が、本当にこれを見るんだよね・・・。
「ゲイの老人ホーム」が描かれた映画を。
それって・・・

考えてみたらすごいことかもしれない

僕のようにゲイである者にとっては、この映画でのゲイ描写は割とありふれた身近なこととして笑って見ていられました。もちろん細かく見て行けば反発する所もあるし違和感を覚える部分もあるけれど、全体的には細かく丁寧に描かれていると言えます。

ところが彼女達の多くは、今までの人生においてゲイのことなど「未知の領域」であった人が大多数だろうし、テレビタレント以外には見たことも考えたこともなかったことかもしれません。

なぜなら、社会の中でゲイというのは必ず一定の割合で存在しているにも関わらず、僕も含めて日常生活では周囲に気づかれないように細心の注意を払いながら生活しているからです。
いるんだけど、いないように振る舞っている我々。
だから出会ってはいるけど、本当の意味では出会ってはいないのです。

この映画がきっかけになって、彼女らはそんな未知の存在を知り、強く意識することになってしまう・・・これはちょっと事件かもしれません。

ボクらにとっても未知との遭遇

この映画、かなりリサーチを積んで考え抜かれた上で作られています。だからこそ、観客の心の深い部分にまで入り込む可能性のある映画であり、動員も伸びるでしょうからかなりの影響力を持ち得る映画なのです。ある意味では世間一般でのゲイのイメージを変化させる可能性もあります。

ど~いうことになるんだろう・・・。

この現象はとても一回のレビューでは語り尽くせそうにないので、連載にしていろんな人と語り合いたくなりました。
この映画のゲイ描写を率直にどう思ったのか、なにを感じたのか純粋に語り合いたいのです。
そして、僕がこの映画を見て思ったこともかなりたくさんあるので、「批判も含めて」細かく書いて行こうと思っています。

トラックバックをいつもより多めに、長期にわたって飛ばそうと思います(笑)。
これをきっかけに出会った人、はじめまして。
かる~い気持ちで構わないので、とりとめもなく喋ってみませんか?

次回は・・・「柴咲コウの目」についてです。

☆最新記事はこちらからご覧ください。

☆この連載では、映画の役名と俳優の芸名のうち、読者がイメージしやすいと思われる呼称を優先的に使用させていただきます。その際に「敬称」は略させていただきますので、ご了承ください。


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コメント

この記事へのコメント

確かに、異性愛者に対しての同性愛者の情報というのは
ごくわずかだと思います。
だからこそ、その異性愛者が作り出した。同性愛者のお話というものは同性愛者である自分から見てみると、多数反発してしまうところがある。
なんかこれも楽しいですね(笑)
やっぱり、見るのは女性なんですね・・・・なんか残念。
きっと異性愛者にして見れ見れば、我々同性愛者は必死にそれを隠してるんで、幽霊を見てるようなもんなんでしょうね・・・・。
でもなんかそう考えると、隠れて人を脅かすみたいで面白いです(爆

Gbrから来ました!
女性視点から見たストーリーって感じで、踏み込みが今ひとつって印象でした。
ゲイなのに柴崎コウとのからみばっかりだし。
と思ってたら、本当に原作は女性らしい…
 
重い設定を重く作ってもおもしろくないけど、ゲイの老人ホームって設定が生きてない感じ。
オダジョのプロモとしてはイイかも。
ステキだったしw

オダギリのファンでこちらに来ましたが、作品には疑問を感じるのが正直なところです。実際にゲイの人が見てどうなんだろうというのが疑問でもありました。あまりリアリティがないようなそんな印象があったのです。世の中には腐女子と呼ばれる人たちがいますが、この映画は彼女たちの想像力を刺激する程度には良く出来ているとも思っています。トラックバックの新装開店☆玉野シンジケート!さんのレビューはものすごく腑に落ちました。

はじめまして。Tomoと申します。
私もジョーさん目当てで映画を見に行った女性の一人です。自分もそうなので、女性客が多かったことはまったく気になりませんでした。
むしろ男女カップルが結構多かったことのほうが意外かも…。
私は、「ゲイの老人ホーム」を舞台にしたお話というよりは、柴崎コウの人とのつながり探し物語、という印象を受けました。
これからレビュー連載してくださるということで、楽しみにしています。

田中泯氏の踊りをNHKで、観た事があります。
踊りを超越して→ART→空気と一体化→酸素みたいな方だと思いました。

これ凄く興味がありました。「老人ホームのあり方」が今後どうあるべきか?
本当に個々のニーズにあった施設作りを展開していくとなるとこの映画のような老人ホームを作るのも必要かもしれません。
近くでやってないので見れないかもしれませんが、見れるかどうか探してみますね。

自戒を込めて正直に書きますが、マッチョな男が苦手な私のような女にとって、ゲイの人は人間として、また友人としてとても魅力的なのです。アメリカのドラマを観ると、キャリアウーマンには必ずゲイの親友がいます。私はとても羨ましい。でも、これって勝手な思い入れですよね・・・。

続きです。肝心な事を書き忘れました。こういうふうに、女性も普通に観られるように描かれてちょっとメジャーな扱いをされるのって、当時者としてはどうなのかなと。女性の思い入れを強く感じるもので。

●hat-oさん。
「幽霊を見てるようなもん」という表現、おもしろい(笑)

●ふぢこっちさん。
ようこそGBrからっ!
このブログ、読者に女性が多いのでゲイの人に静観されている気が・・・(笑)。
どんどん来てくださいね~。
たしかに、老人ホームの描き方としては「浮世離れ」しているように
僕も思いました。

●湯葉刺さん。
リアリティのある部分と、ない部分。
両方が複雑に入り組んでいる印象を持ちました。
だから細かく考えてみたいと思い、連載にしてみました。

映画については見てないので、分かりませんが、女性が思い描いているゲイって、なんとな~く、“リアル”でないような気がします。
性が違うのだから無理からぬことかもしれない。
ゲイの老人ホームかぁ・・・間近い話かもしれんな、見とこ。

●Tomoさん、はじめまして。
男女のカップルもいましたか。
僕の時にはあまり見かけられなかったのでドキドキしてしまいましたが。
(男が少ないから、ゲイだってバレバレ・・・笑)←小心者。
ある面では「柴崎コウ映画」だとも言えますね、たしかに。

● seaさん。
空気と一体化→酸素・・・ってすごい喩えですね。
テレビでそう感じられるなら、ナマだったらもっとすごいと思いますよ。

●jyubonさん。
老人ホーム問題は、ここ数年で切実度が増してますね。
産業(ビジネス)としても。
新しい動きがどんどん生まれて来ているのだと思います。

●G2さん。
マッチョな男がお嫌いなんですね(笑)。ところが・・・
「ゲイ」と一言で言ってもいろんな人がおりまして、
マッチョな方もたくさんいらっしゃいます。
マッチョ好きなゲイがいれば、マッチョ嫌いなゲイもいる。
・・・好みは一色ではありません(笑)。
そうなんですか。アメリカのドラマで描かれるキャリアウーマンにとっては、
ゲイと付き合うことが「ステイタス」なのでしょうかねぇ・・・(笑)
それとも「男」と付き合えない頑なな心をゲイが癒してくれるという
ドラマの「パターン」があるのでしょうか。興味深いところです。
この映画の事件性は、その「普通に見られるメジャー性」にあるように感じます。
僕としては、そのことにかんしては今のところ
「一言では言えない」というのが率直な思いです。
感想を「こうだ」と断定できない複雑な面をたくさん含んだ映画だと感じたからです。
だから反響を知りたくなったのです。

●cafenoirさん。
女性が思う「ゲイ像」と
ゲイの当事者たちが感じている「ゲイ像」とのギャップに興味があります。
そういうところを細かく見て行きたいですね。

トラックバックありがとうございました。
自分は仲の良い友達にオープンにゲイの人がいるので、
とてもすんなりこの映画にも入りました。
映画を観てても思ったのですけど、みなさん
美の追求に熱心なだけで、性差もなにもないよなぁ、と。
自然なことですよね。

はじめまして。コメントありがとうございました。
コメントをいただいてこのブログにきました。
私はゲイの方とは未知の領域であった一人です。
そのせいか映画からはゲイ描写ということよりも老人ホームと死について考えていました。
自分自身が将来の不安を漠然と抱いていたからかなぁ。
ゲイに限らず、メディアで未知の領域の部分の描写があると、
例え異なっていたとしても、それが現実と感じてしまうようにはなるかもしれないですよね。
まさにメディアからの情報しかないので、私が抱いている「ゲイ像」というのもかなりみなさんからみたらかなりのギャップなんでしょうね。

こんにちは。コメントありがとうございました。
お互いの転居転居のせいで、残念ながら今は連絡が取れない状態なのですが、私にも以前、ゲイの友人がいました。
外見も内面も可愛らしい女性そのものでしたが、男っぽいところのある私には、むしろ女性よりも共感出来るくらいの、とても好きな人でした。
子供の頃「リボンの騎士」が好きだった私は(笑)、神様が身体とは違う心を入れてしまうことがあるんだということを、小さな頃から普通に理解していたので、「ゲイであるというだけで持たれる偏見」というものがどこから来るものなのか、正直私にはあまり理解出来ていないことかもしれません。
ただ、人間としてどうか、生き方がどうかという意味では、性別に関係なく、誰もが大切にしなければならないことだとは思いますが。
「メゾン・ド・ヒミコ」、もう何度も観ていますが、作品にとってはいいのか悪いのか‥ですけど、ゲイという要素だけが浮いて見えはしない人間の物語として、私は本当に好きな作品です。
また、ブログにもちょっと書きましたが、私の見た限りでは、中年男性や年配の女性、単独で観に来られている男性などもかなり見掛けましたね。

●shiroさん。
訪問ありがとうございます。
考えてみたらこの映画って、shiroさんのように
ゲイが身近にいるという人が見に行っている比率も高そうですね。
ゲイが美の追求に熱心というのは、なんなんでしょうね。
いわゆる「男」も、最近はそういう傾向にあるし。
美を追求するということが「女々しい」とされる価値観から
ようやく「男」が解放されつつあるということでしょうか。
生き方に率直であろうとすれば、
人間というのは自然と美を追求したがるものなのかもしれませんね。

●hiroさん。
訪問ありがとうございます。
未知の者同士のギャップというのは、あって当然だと思うし
だから面白いんではないかと僕は思います。
「なんでそう思うの?」と怒りを感じて是正しようとすることには
最近、あまり興味がなくなりました(笑)。
この映画、見る人がその時において、なにに興味を持っているのかによって
顔を柔軟に変える多面体映画ですね。

●AKIさん。
訪問ありがとうございます。
「リボンの騎士」は、たしかに性の垣根を飛び越えていますね(笑)。
そうか、漫画の世界って、けっこう自由な世界なんですよね・・・。
硬いのは、そういうものに子どもが熱中するのをを禁止しようとする
大人の頭の方ですね(笑)。
この映画、もう何度も見ているのですか。
その度に感じることや引っかかる場面が変わりそうですね。
「ゲイであるというだけで持たれる偏見」が何処から来るのか・・・。
これはとても僕が興味を持っていることだし、考え続けて行きたいことです。
ただ、被害者意識を持つ事からは卒業しようとは思っています(笑)。
多分に、ゲイ自身がその意識を持ちすぎているという部分も、
無きにしもあらずだと思うからです。

追記しようと思って来たのですが、レスありがとうございます。
「リボンの騎士」ですが(笑)、主人公は単に男の子っぽい女の子というわけでなく、うっかり雲の上で神様が、女の赤ちゃんの身体に気づかず、男の子の心を入れてしまっているシーンがあるんですよ。
だから、彼女がドレスを着るのを死ぬほど嫌がり、ステキな王子様に見向きもしないのも、彼女が「男の子の心を持った女の子」だからなんだとフツーに思っていましたね。(久々に思い出した話ですが、やはり手塚治虫さんってスゴイ人ですね)
あと、「メゾン・ド・ヒミコ」の登場人物たちもそうでしたが、ゲイの方は人間的に魅力的な方が多いような気がしています。
嫌でも自分の内面と向き合わなければならない機会も多いでしょうし、他人のこともよく見ていて、自分のいい所、悪い所もちゃんと分かっている人が多いような気がするから。
‥と、つい懐かしいことをいろいろ思い出して長くなってしまいました(笑)。
失礼しました。

はじめまして。うちのブログにコメントを残してくれてどうもありがとうございました。
メゾンドヒミコ、私が観よう、と思ったきっかけは、
ストーリーを読んだからです。
ゲイの老人ホームってどんなだろうって思って。
どことなく奇妙なんだけれど、優しい空気の漂ういい映画でした。
私の周りには、同性愛者の方はいないので
どれほどまで、理解できてるか分かりませんが、
ここのブログを読んで、コメントを残してみました。
私の中では同性愛について、何の偏見もありません。
私はよくそういう映画を見ますし、
私はときどき、自分もそうなれたら、と思う時があります。
お互いの気持ちがより強く分かりあえてるんじゃないか、って思ってしまうのです。
映画の中の皆はとても幸せそうでしたから。
最近、私は精神的に萎えているので、
幸せってなんだろう??って思うのです。
でも、本人がここにいてよかった、と思える場所があることが幸せなんだろうな、って思います。
それが沙織や晴彦にとっては、あの老人ホームだったのだろうか?とかね。
なんだか、訳の分からないコメントになりました。
ごめんなさい。

●AKI さん。
「リボンの騎士」のエピソード、なるほどね~。
でも考えてみると、「男の子の心」「女の子の心」という区別は
手塚治虫氏としては、はっきりと持っていたということを示していますね。
それを混ぜたことをちゃんと示さないと、
あの主人公の両性的な性格を読者が納得しないという判断でしょうかね。
ちょっと面白いエピソードだと思いました。ありがとうございます。
あと、ゲイは確かに「自分の内面と向き合わなければならない機会」は
多めになるのかもしれませんが、
だからといって「いい人」が多くなるかと言ったら、それは別問題(笑)。
僕自身を振り返ってみても「ひがんで」しまう嫌な面もいっぱいあるし・・・
「感情の振り幅が激しくなりがち」ということは、言えるかもしれません。

●たかむし さん。はじめまして。
確かに「ゲイの」と付くだけで興味を惹かれるし
輪をかけて「老人ホーム」という言葉がついてると「なんだろう・・」と
気になりますよね。この映画のストーリー。
「私はときどき、自分もそうなれたら、と思う時があります」とありますが、
誰か同性を好きになりそうになった経験があるのですか?
同性愛って、いろんなパターンがあると思うので
「結果的に好きになった人が同性だった」ということは、
もしかしたら誰にでも起こり得ることなのかもしれませんよ。

はじめまして。
『メゾン・ド・ヒミコ』、私はすなおに感動しました。美しくってファンタジックで、それでいいんじゃないのかなって思っています。
私のまわりのゲイの人たちは、どうもゲイの世界はあんなものじゃない、この映画にはリアリティがないって感想が多いんですが、私には、この映画、リアリティを求めてつくったように思えないんで、あのまんまでいいんじゃないかと思うんです。
skaboshi07さんの感想を読んで、ちょっとうれしくなってしまいました。

初めまして,TBありがとうございました。
語るべきところの多い映画ですよね。様々なエピソードがパイ生地のように重なった甘いミルフィーユのようなストーリーだなあと思います。
そうすると,パイにはさまれたクリームはオダギリ&柴咲,イチゴはやっぱり田中泯?(笑
というわけで,おいらもだらだらと語ってしまいそうです。
ところで,スタッフロール見てたら,ゲイのライターとして有名な伏見憲明氏が取材協力してますね~。どの辺に取材の成果が反映されてるのか,気になるところです。

TBありがとうございました。
ゲイに関しては社会的に差別がまだあるようなので、差別される側の視点でみた問題提起になってるんじゃないかな。それと老人問題、親子の問題、女性との恋愛?の問題などを複合的に。
映画としては人間全ての愛についてのストーリーだと解釈しています。ゲイのかたはゲイだということを拡大解釈せずに(していないでしょうけれど)あるがままに生きられればいいのだと思います。隠したりすると逆に面倒なことになるので、(不必要なところではあえて語らずとも)水のようにしなやかに生きてゆかれればと思います。異性愛、同性愛、というボーダーをあまり強く引きすぎるのは疲れる気が。
ただ、誰しも責任は伴うので、親になった場合、精神的には一生親であり続けなければならないし、対子供とか妻との問題が出てくる。もちろん責任だけではなくそこに新しく愛が確かにあるわけで、この映画はそれを否定してないですよね。愛がない世界は淋しいでしょう。的はずれだったらごめんなさい。

こんばんわ、はじめまして。コメント残していただいて、ありがとうございました。
私は、なにかを意識してこの作品を観たわけではなく、オダギリジョー目当てと、
犬童監督の作品に興味があって観ていたので、ゲイだからとか、そういうことは意識せずに
単純にそれぞれの人としての魅力や、生き生きした表情が印象に残るいい作品だなというのが率直な感想ですね。
まだ1回観ただけなので、私には語れるほどのものはないのですが、連載楽しみしてます。

● lunatiqueさん。はじめまして。
美しくってファンタジックであるということは、
じつは危険なことでもあるので慎重に捉えなくてはならないことでもありますね。
そのことによって見落としてしまうことや、ごまかされてしまうことがあるからです。
しかしこの映画のファンタジー性には、
制作者たちが悩み抜いた上で選択した形跡が感じられるので
評価できる部分もあります。しかし評価できない部分もあります。
そういうことを細かく考えて行くことが必要なのかもしれないと感じたのも
この連載をはじめたきっかけです。
映画の感想って、レビューを一回書いたり
「良かった」「悪かった」と評価すると
なんとなくスッキリしたような気になってしまいますが
その後も考え続けたりすることだって時には必要なのではないかと思います。
特にこの映画は、幅広い感想を呼び起こす映画だし、
僕の中での思いも複雑です。
複雑な物を感じているのだったら吐き出してしまえっ!というのが
このブログの基本的スタンスです(笑)。

●ひなさん。
そのミルフィーユには、クリームとイチゴの他にも
とんでもないものも、いろいろとはさまれていそうですね(笑)。
食べてみないとどんな味かわからない。
おいしい部分もあればマズい部分もある。
だから食べなきゃ良かったという人も当然いるだろうし
食べるたびに味の変わっていくようなものなのかもしれません。
この映画、かなり「ゲイの典型的な姿」を描くために
リサーチを重ねた形跡を感じました。

● ヒス・テリー さん。
「ボーダーをあまり強く意識しすぎると疲れる気が。」という見解には
僕も賛成です。
今、社会において「男性」「女性」のボーダーがどんどん
曖昧になってきていますし、それを肯定する方向に向かっていますよね。
そのうち「異性愛」「同性愛」のボーダーも同じように
曖昧になってくることを期待しています。
ネットの普及で、今まで見えなかった様々な人たちの内面が
公開される時代になりました。このメディアが、次第に
自然な形でそういう方向に人々を変えて行くのではないかと僕は思っています。
「男」「女」「異性愛」「同性愛」というボーダーは、
一人の人間の中でも揺れ動いて当然のものだし
そうした人間の複雑さをちゃんと直視する勇気を持たなければならないと思います。

● hiiko025さん。はじめまして。
「それぞれの人としての魅力」や「生き生きした表情」というのも
映画を形成する重要な要素なので、とてもいい観点だと思います。
「メゾン・ド・ヒミコ」は、かっちりとした脚本のある、
いわゆる「フィクション映画」と呼ばれるものではありますが
「フィクション映画」も、映されている俳優の現在の生き様を記録した
「ドキュメンタリー」であるという見方もできるわけです。
その俳優たちがノッて演じているか、
義務感でただ「職業俳優」としての仕事をしているに過ぎないのか・・・
そうしたことも画面から自然に滲み出てくるものです。
そういった面ではこの映画、職業的に演じていると感じられる人が
一人もいなかったという意味で、よく出来ていたと思います。
きっと、いい撮影現場だったのではないでしょうか。

はじめまして。コメント&トラックバックありがとうございましたー。かなりの方がこの映画を鑑賞してるのだなぁと思いました。私もオダギリファンですが、この映画は何か予告を見て気になっていたものです。あの物語のような人間関係が実際あるっていうのはわかりますが身近にはないので、興味の対象になったりするシチュエーションなんでしょうか。
ゲイの方がひょっとしたら映画館にいたかもしれませんね~。まったくそういうことは意識していませんでした。ここにも書かれてるように普通に生活しているのでしょうねぇ。彼もオダギリファンなんですね!彼はいい男ですよね。特に難しいコメントはできませんが、またちょくちょくこちらを拝見しに来ますね!

● kikopachiさん。
「ゲイ」って、映画のプロモーションとしては呼びやすい題材だと思いますよ。
知ってるようで知らないものに、人は興味を持ちますからね。
でも、最近の「ゲイ」の認知度に比べて「レズ」の方の認知度は
まだまだ低いのかもしれませんね。
そちらの方が社会の中での「未知度数」としては、高いのかもしれません。
話題にもあまりなりませんしね。
「女が男っぽい」ということよりも「男が女っぽい」ということの方が
よりセンセーショナルで面白いのでしょうかねぇ・・・
・・・なんだか、とりとめも無いことを書いてしまいました(笑)。

はじめまして。コメントいただきましてありがとうございます。自分のブログでもコメント&TBが思った以上に付いて、この映画への感心が高いことに驚いています。
akaboshi07さんを含め、他の方々のブログ&コメントを読んでいると色々な意見が聞けて、自分の気持ちも刺激を受けるし、映画を何度も楽しめる感じがして嬉しくなります。
この映画は、僕としては全体を包む「空気感」みたいなものが大変気に入りました。ゲイの姿がステレオタイプな感じとか、個々の抱える悩みや問題への取り組み方がどうとか、考えることは色々とあるんですけど、まずは映画としてその世界に浸ることの楽しみを満足させてくれた作品だと思っています。テレビ放映やDVD販売があったらまた観てみたいです。きっとまた違った発見があるのかも知れません。ここにもまた寄らさせていただきますね。

はじめまして。
TBありがとうございました。
私は日常の風景に、ゲイというまだまだ非日常の人たちを
溶け込ませているのが実に上手いなあ、と思いながら観ていました。
だから、「ゲイの映画」ということにはまったく違和感を覚えませんでした。
むしろ、この映画の世界では自然なことだと思いました。
連載、楽しく読ませて頂きます。

●礼さん。訪問ありがとうございます。
いい映画って、観終わった後になってから自分の中で成長し続けて変化し続ける
生き物のようなものだと思います。
人と言葉を交わしあうと、さらに発見がたくさんありますよね。
今後もぜひ、よろしくお願いします。

● juslisenさん。
なるほど。
僕らは、「ゲイである」という自分を開放するのは非日常だし
日常は社会的な男性として生きている。
だからこういう設定の映画がドラマとして成立しているんですよね。
それに、「メゾン・ド・ヒミコ」の館の中と外とでは、
「自然である」ということの意味が変化していましたよね。
そういうことも考えさせてくれる設定でした。

田中みん氏、この映画で結構良い演技してるらしいですねえ。8月下旬に東京で上映が始まった時に友人が見に言っていて。それを聞いて自分はすぐ記事書いたんですよ、観たい!っていうのと田中みん氏がすごい!っていうだけの^^ オダギリ繋がりとしては今日オペレッタ狸御殿見てきました。彼の魅力、引き出されていたのか、どーか・・・

●flowfreeさん。
舞踏をやる人というのはもともと、
世の中や人間へのまっすぐな視線を持っているものだし
田中泯さんだからこそ「卑弥呼」という存在の仕方を
自分の中で咀嚼し、表現として昇華できたのだと思います。
「オペレッタ狸御殿」は未見です。

ウチにもTB飛ばしてくださってどうもありがとうございます(笑)
「最新記事」へのリンクも張ってある、一回目の記事にTBさせていただきました。
複数回に及ぶ感想、意見はなかなか読み応えがあります。
おいおい、順次私もつたないながらも考えたこと、思いついたことを
おしゃべりさせていただければ嬉しいです。

コメント、TBありがとうございます!
パレードに関してコメントいただいたものです。
先日、パレードの画像をHPで見たのですが、よくあるデモ行進とは全く違いますね。
私は、同性愛に関する知識はほとんどありません。
なので、この映画を見に行ったところがあります。
このような映画を通じて、皆が良い意味で「意識」するようになり、いずれは『メゾン・ド・ヒミコ』のような映画が特別な映画ではない日が来ると良いと思います。
映画の内容・akabosi07さんのレビューを読んでいたらそのように思いました。
これからも拝見させていただきます!

こんにちは。
TBありがとうございました。
実は、「実際にゲイの人から見て、この映画ってどうなんだろうなぁ」と思っていたのです。すごいタイムリーでした。
でもわたしがこの映画をみて、人を愛する気持ちとか、愛する人を失う恐怖心とか、白黒はっきりさせられないけど好きな気持ちとか、すごく心の中で共鳴するものがあったので、きっとそのへんも丁寧につくられているのではないかと思ったんですよね。
連載のほうもゆっくり読ませていただきます。
”オダギリジョー好き”という点では仲間ですね(笑)。最近、寝ても覚めてもオダギリジョーの顔がまぶたの裏にちらつくんですよぉ~。

●RINさん。
ディテールにこだわって、かなり寄り道をしながらの連載になると思いますが
よろしくお付き合いください。

● osaka-decadenceさん。
その「意識される」という現象が、この映画の公開でたくさん広がるということは
どういうことなのかを考えたくて、連載をはじめました。
日々、発見の連続です。
幅の広い感想を喚起しているということは、いい映画なんだと思います。

●chiemhanaさん。
「白黒はっきりさせられないけど好きな気持ち」って、面白い言葉ですね。
・・・白黒はっきりさせてしまったら、満足してしまうという面もありますからね。
そういう意味では、長続きする関係なのかもしれないですね、
「はっきりしない関係」って。

-今日は、立川のシネマシティ2に行ったんだよね。
映画は『メゾン・ド・ヒミコ』だっけ?
おや、なんかイライラしてニャい?
「う~ん。どこから喋ろうか?
先日、『タッチ』を観て思ったことにもつながるんだけど…」

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「うん。でも覚えてるかな。
『悪く言えばサプライズに乏しい』みたいなことも言ったんだけど…
今回『メゾ......
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うーん・・・。期待が大きすぎたんでしょうか???比べるべきじゃないと思いつつも、「ジョゼと虎と魚たち」と比べてしまいます・・・。「ジョゼ・・・」が、最初からグイグイ惹き込まれていったのに対し、今回、最後の最後まで、なんか波は感じるんだけど、その波に上手く

映画のご紹介(64) メゾン・ド・ヒミコ

ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介(64) メゾン・ド・ヒミコメゾン・ド・ヒミコを観た。実は、あまり観る気がしなかった。オダギリジョーは、若い女性にとても人気がある。若い女性に人気がある若い男は、中年の男には人気......

オカマの”結界”は守れたか? 「メゾン・ド・ヒミコ」

オカマが老後を過ごす為に一緒に住んでいる「メゾン・ド・ヒミコ」。現実離れして見えるほどの、そこはステキな”結界””サンクチュアリ”だ。普通の家庭生活・人間関係の中に収まれない”被差別者”の集団。そのような”特殊な”結界も、ウツシヨ(現世)のしがらみから全く

理解することの重要性

帰宅したのが深夜0時過ぎ。テレビをつけたらイスラエルとパレスチナの戦いを放送していた。妻はその前に杉原ちうね(ごめん、変換できない)のドラマを見ていたらしい。杉原が助けたユダヤ人の子孫がパレスチナ人を殺してるのかなぁって話した。「人間ってなんだろうね」っ

メゾン・ド・ヒミコ

面白かった映画の3本目も、昨日に引き続き日本映画でございます。 『ジョゼと虎と魚たち』がお気に入りの私は、犬童一心監督作品、オダギリジョー主演と聞き、それだけで見たかった映画。 <STORY> 塗装会社で事務員をしている沙織(柴咲コウ)は、借金を抱えて生活しており

メゾン・ド・ヒミコ

人気blogランキングに参加してます!読み終えたら、ここを一度クリックしてください。あなたの清き一票カにて、ご協力お願い致します。母が私にこの歌を教えてくれた 昔の日母は涙を浮かべていたる私を迎えに来たのは、若くして美しい男。彼.......

メゾン・ド・ヒミコ

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メゾン・ド・ヒミコ(2005/日本/監督:犬童一心)

【目黒シネマ】 吉田沙織(柴咲コウ)は、ある事情で借金を抱え朝から夜まで働き通しだった。ある雨の日、彼女のもとに若くて美しい男が訪ねてくる。岸本春彦(オダギリジョー)…彼は、沙織が幼い頃に沙織と母親を捨てて出て行った父の恋人だった。沙織の父照雄(田中泯)は

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