フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-11
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リチャード・グラツァー「ハードコア・デイズ」●MOVIEレビュー

渋谷の「シネ・ラ・セット」でゲイ映画が二本立てで上映中だ。
★ネタばれを気にせず、性に関する表現も書いてますのでご覚悟ください。
ゲイポルノ業界のゆるい日常をユーモラスに

レンタルビデオで間違ってゲイポルノを借りてしまった純朴な青年が、禁断の世界を知ってしまう。自分の中に眠っていた性的嗜好に気づき、画面の中のポルノスターに魅せられて、ついにポルノ制作会社に就職してしまう・・・。

このオープニングからすると、あとはめくるめくセクシー場面の連続なのかと思いきや、憧れのスターはストレート(異性愛者)の男であり、ちゃんと彼女がいた。出鼻を挫かれた観客は、それでもそのうち出てくるであろう色っぽい場面を期待しながら、いつの間にか物語の展開に引き込まれて行くことになる・・・小憎らしい映画だ(笑)。

4年前のヒット作。かなりゴージャスな作り

この映画、かなり大掛かりなプロジェクトで予算をかけて、しっかりと作り込まれている。なんでも2001年ベルリン映画祭正式招待、トロント映画祭、サンフランシスコ・ゲイ&レズビアン映画祭で賞をとるなど、「裏ハリウッド映画」として海の向こうではとっくにセンセーショナルを巻き起こした映画らしい。
考えてみたら、日本映画で「ゲイポルノ」をこれだけの規模で性描写もあからさまに描いた作品など見たことがない。ゲイのリアルな描写を商業映画で描くとしたらせいぜい、最近の「メゾン・ド・ヒミコ」が限界だろう。映画におけるゲイ描写について、海外との温度差についても考えさせられた。

業界に巣食う、憎めない人たち

この映画には、ポルノ業界のど~しようもない人々ばかりが出てくるのだが、人物描写がちゃんとしているから皆、憎めない。エンターテインメント業界の内部に渦巻く人間模様は「表」も「裏」も変わりない。そして、勤める人たちの仕事への関わり方は、そこらへんのサラリーマンの日常と大して変わらない。

主人公の健気な「献身」

最初はポルノの出演者としてスカウトされるも、社長から身体の関係を求められたので断る主人公。カメラマンとして勤めはじめることになる。
憧れのポルノスターの絡み合いや射精場面などを自らが撮影できるわけだが、カメラ以外にも現場で妙な役割を任ぜられることになる。ポルノスターの「勃たせ役」である。

スターといえども、そういつでもアソコが元気なわけではない。何時間も続く撮影中、肝心な時に疲れきっていることもある。そこで、主人公の妙な才能が活かされる。男を興奮させて復活させることがとても上手なのだ。
物陰に二人きりで隠れて、大好きなポルノスターを「勃たせる」ことに喜びを得る主人公。しかしスターはゲイではないから自分に手を出してはくれない。スターに「献身」することで満たされようとする彼の健気な思いは、まるで演歌に出てくる「耐える女」のようで、いじらしい(笑)。

使い捨てられるポルノスター

エンタ業界というのは非情である。スターが売れている時には、ちやほやと最上級の扱いをするが、翳りが出始めたらギャラを減らして簡単に使い捨てる。
このポルノスターは麻薬に溺れてしまっていたために、生活が荒れ始める。彼女も水商売で懸命に稼ぐのだが、ある日妊娠が判明してしまう。
刹那的な生き方をしているポルノスターには、自分が父親になるだなんて想像すらできない。ますます生活は荒み、撮影をすっぽかすようになる。
そしてついに解雇される。

逃避行。そして破滅へ

金策に困り果てたスターはついに強盗殺人を犯す。ポルノ業界の社長宅で、社長を殺してしまうのだ。指名手配され行き場を無くし、主人公と逃避行が開始される。
車であちこちの町を点々としながら、主人公とモーテルに泊まった夜。二人の気持ちが通じあう。主人公にとっては、夢のような一夜がついに来る。スターの肉体を我がものに出来たのだ。
ところが明くる朝。
スターは主人公の金銭を盗み、逃亡していた。

人から愛されることでしか自分を認められない「スター」というもの

そもそも容姿の美しさを誇示して「スター」になるような人間ほど、内面はもろく壊れやすいものなのかもしれない。他人から「キャーキャー」言われて、愛されることで自分の存在を実感する。一度その味を覚えてしまうと、若さの喪失とともに薄れ行く人気の翳りを受け入れられない。麻薬と同じようなものなのかもしれない。

華やかさの裏には、底知れない孤独があるものだ。人はなにかと、「幸福」という幻想を他人に被せたがるものだが、そんなものは最初から無いのかもしれない。
そんなことを考えさせられる映画だった。

同時上映の「シュガー」についてはこちら



「ハードコア・デイズ」(THE FLUFFER)
2001年 アメリカ/配給 : S.I.G
監督 : リチャード・グラツァー&ワッシュ・ウエスト
脚本: ワッシュ・ウェスト
撮影: マーク・パットナム
 
出演 : スコット・ガーニィ
マイケル・クーニョ
ロクサーヌ・ディ
ロバート・ウォーデン
デボラ・ハリー
●ハードコア・デイズDVD発売中

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コメント

この記事へのコメント

はい、G2(ことR・K)です。彼とのデートか。いいなぁ。シネ・ラ・セットって、面白い映画をやりますよね。私、この映画の予告編を観ました。

●G2(R・K)さん。
シネ・ラ・セット、はじめて行ったのですが
小じんまりとしているけど寛げて、なかなか不思議な空間でした。

 今日は、渦です。 観ました。 “ゲイ・ポルノ業界” という派手な外見(エロの方はあまり期待してなかった - アメリカ映画業界は規制が厳しいので) とは裏腹な、凄く切ない映画でした。  途中同僚の女性が嘆いていた様に、テーマのひとつは “身体と心の乖離” であると感じました。 主人公は身も心も捧げたいのに口の仕事しか許されないし、身ごもったGFはこれを機会に彼と堅気に生きたいと願うけど、堕ろせと言われるし。 幼稚なポルノスターは現実と自身に向き合わず、セックスとドラッグに逃げている。 肉体で愛され、心では虐殺。 sex の語源はラテン語の sexus 分割 だから make love の意味では使いたくない、と誰かが言っていたのを思い出した。 どれだけの人がこの状態から免れていると断言できるのだろう。 そんな事を考えさせられました。
どうも有難うございました。

●渦さん。
アメリカは性描写が厳しいのですか。なるほど、どうりで・・・(笑)。
ハリウッドのメジャー系の映画でも、性描写は「綺麗」ですもんね、そういえば。
そう考えると日本映画の性描写は、かなり過激なところまで許されているんですね。
「肉体で愛され、心では虐殺。」
うわ~、つらいけどやめられない・・・シンドイ関係ですね、これ。
セックスは「分割」なんですか・・・これまた深い。
ああ、なんて世の中は複雑で深いんだろう。
↑陳腐な表現だけど、すごくこれを言いたい気持ちになってしまいました・・。

ショー・ビジネスはやはり暗いのでしょうか

私は欧米の芸能界や映画と音楽に憧れて興味津々です。

ソフィー・マルソー、ジュリエット・ビノシュ、サンドリーヌ・ボネール、ファニー・アルダン、イザベル・ユペール、ヴィルナ・リージ、モニカ・ベルッチなどのヨーロッパの俳優が大好きです。

勿論米国のポルノも好きですが、浮き沈みの激しさと現実を直視すると怖いなと思う時もあります。

芸能界やポルノ業界も罠や蜃気楼や様々な誘惑が待ち受けているのでしょうか?

●台湾人さん。

う~ん、僕は芸能界やポルノ業界に首を突っ込んだことがないので
なんとも言えません。

たしかにこの映画は罠や蜃気楼の部分が誇張されていたような気がしますが、娯楽作品としてのエンターテインメント性を高めるために、あえて誇張しているような感じもします。
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