尾辻かな子さんWe're OK!105●大阪・枚方市での講演会「人間の性の多様性を認め合う社会に」<後>

前編に続きまして、2月11日に大阪・枚方で行われたサークル Cielarko(チェールアルコ)主催の講演会の様子を紹介します。前半の尾辻さんの講演に続いて語られたのは、カミングアウトにまつわるエピソード。まずはゲイの友人からカミングアウトをされたという男性からのエピソード紹介。そして、ゲイ当事者としての立場から、親や友人にカミングアウトをしてみたエピソードが語られました。
06●ゲイ当事者の友人からメッセージ
07●ゲイ当事者のメッセージ
ことあと休憩を挟み、第二部では尾辻さんが質問に応えました。
08●尾辻かな子さんに質問、これからどうするの?
その後は、なんとグループディスカッション。12グループに別れて車座になり、主催者が用意した次の項目についての話し合いが行われました。
各グループには「ファシリテーター」と称してLGBTの家族と友人をつなぐ会の親御さんたちや、サークルcielarcoのメンバーが配置され、議事を進行します。つまりこの日の参加者は、ただ講演を聴くだけではなく自らも発言をし、周囲の初対面の人々と出会うことになったのでした。あちこちで議論が白熱し、一気に会場は賑やかになります。話に耳を傾けてみると、どうやら会場には当事者以外にも、この問題に関心を持って「知りたい」と思い、初めてLGBT関連のイベントに足を運んだという方も少なからず居たようです。「はじめてゲイ/レズビアンに会いましたよ~」という声も聴こえてきました。①偏見を生み出す原因となっている出来事
②偏見を取り除くためにどうしたらいいか。
③それに向けて明日から出来る一歩
30分ほどしてディスカッションは打ち切られ、各グループのファシリティーターによって「なにが話し合われたのか」が発表されます。まず①の「偏見を生み出す原因」については、「無知であること」「メディアの影響」「見えないこと」などが各グループから共通して挙げられました。
②の「偏見を取り除くためにどうしたらいいか」は、やはり圧倒的に「学校教育現場で早いうちに教えるべきだ」という意見が多く出されました。また、現在の日本の社会状況では親の世代の「無知ぶり」も深刻であるため、「親の世代への教育」のようなことができないものだろうかという意見も出ました。
③の「明日から出来る一歩」は、次のようにさまざまな意見が出たようです。当事者側だけでなく、非当事者的な立場からの意見も多数、提出されました。
地域で「男女共同参画社会を目指す市民企画講座」に応募し、「斬新な企画」ということで選ばれたこの企画。ネットを中心とした広報活動も積極的で主催者側の熱意が伝わってきましたし、その効果か当日は参加者が会場いっぱいに集まり、集客的にも大成功だったと言えるでしょう。●「あなたはホモじゃないの?」ともし聞かれたら、「どうしてそう思うのか」と逆に尋ねたり、ステレオタイプどおりの発言があった場合には「なんでそう思うのか」と相手に問い返しをして、考えさせることが効果的なのではないか。
●ラテン語で「コミュニケーション」とは「分かち合う」という意味。もっと周囲と「分かち合う」ことを深めて行くことで理解を広めて行きたい。
●「偏見を持っていた」ということを、自分で「意識する」ことから始まる。
●市町村などの人権政策課や学校に「性的マイノリティーのことを取り上げるように」と働きかけて行ったらどうか。
●当事者が自らのことを語るのには、精神的にもハードルが高いことが多い。ぜひ、性的マイノリティーの問題を知っている周囲の「非当事者」こそが、積極的に「語って行く」ことを進めて行くべきだ。
ネットや紙媒体で「知識」として知るよりも、実際に膝を突き合わせて対面し、目と目を見合いながら言葉を交わすことで生まれるコミュニケーションの豊かさ。本当の意味で偏見を氷解させるために、それに勝る方法はきっとないのだろうなぁということを教わった、初期衝動の魅力にあふれた生き生きとした講座でした。→FC2 同性愛Blog Ranking
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