たかがテレビ048●「ハートをつなごう」ゲイ/レズビアン第一夜●マジョリティー/マイノリティーが入れ替った夜
4月28日(月)20時にNHK教育テレビで放送された「ハートをつなごう」御覧になりましたか?。教育テレビなので、もっと堅苦しい番組なのかと覚悟をして見たのですが、スタジオが映った冒頭からリラックスした「世間話」のような明るいトーンで、パネリストたちの「同性愛者としての日常感覚」が自然体で語られていることが、まずは嬉しくなりました。
テレビにゲイやレズビアンを公言している人が映し出され、自らの内面を語ること自体は、昨今ではそれほど珍しいことではありません。昨年からの「おネェタレント」の大ブームや、尾辻かな子さんの選挙におけるテレビ出演、そして東京MXテレビ「5時に夢中!」でのマツコ・デラックスさんや黒船特派員チャールズの活躍など、僕が日常で目にするだけでもかなり頻繁に、ゲイやレズビアンが開放的に自らのことをテレビで表現しています。
90年代初頭にマスメディアを中心に起こった、いわゆる「90年代ゲイブーム」の頃のテレビ映像を見返した時に感じるような「当事者たちの決死の覚悟」のようなものは、テレビ出演する際に今では必要なくなってきているということなのでしょう。脈々と続いてきた当事者たちによる活動の積み重ねが、今のような時代をもたらしているのだということに、感謝せねばと思います。
ところで今回の放送は、20歳のゲイ、朝原恭章君のインタビューや日常の様子を紹介するVTRを中心に構成されていたのですが、僕の印象に残ったのは取材者側の朝原君に対する「関心度」とか「興味の度合い」の高さが、そのまま如実に映像に定着されていたということです。構成上、彼一人に焦点を絞ったことが功を奏したのでしょうか。朝原君が学生時代の辛かった経験や、希望を見い出して行くに至るまでの精神の軌跡を語る際、彼の言い淀みや無言の瞬間などの「間」までを、カットせずに丹念に画面に映し出していたのです。結果的に、視聴者に彼の内面をより深く想像させることが出来たのではないでしょうか。時々挿入されていたイラストも効果的でした。
刺激重視、スピード重視のゴールデンタイムのテレビ界において、このような地味で静かな「映画的な編集」が可能なのは、やはりNHK教育テレビという「商業主義」からは一歩はなれた場所から番組を作れる環境だからなのでしょう。ゆったりと丁寧なリズムの中で、一人の若者を「人間として描き出したい」という番組制作者たちの「静かな熱」のようなものが伝わってくる、映像的な魅力に溢れた取材VTRでした。こういう映像こそが、理屈を超えたところで人々のステレオタイプを氷解させ得るのだと思います。テレビとは本来、このような映像で溢れているべきなのではないかと思うのですがね。
スタジオトークでは尾辻かな子さんがいつになく自然体でリラックスした関西弁を披露していましたし(笑)、石川大我さんは定番の光GENJIトークを披露。学生時代はゲイであることがバレないようにと、「好きだということにしてある女性タレント」の情報をこまめにチェックし、カンペンケースまで持っていたとか。イトー・ターリさんは60歳のレズビアンとしての「時代感覚の違い」を的確に発言。40歳になるまでレズビアンとしての自己を受け入れられなかったという彼女のエピソードは、ゲイ/レズビアンをとりまく社会の風当たりの変遷を伝えていました。そして、砂川秀樹さんは研究者らしく理論で説明するのですが、わかりやすく噛み砕いていたので伝わりやすかったのではないかと思います。
それにしてもスタジオ・トークに参加した8人のうち、5人がゲイ/レズビアンを公表している人々だったということで、あの空間では「マジョリティー(多数派)」になっていたわけですね。心なしか、番組のレギュラー司会陣3人が「どういう発言をしたら当事者にとっての地雷を踏むことになってしまうのか」とかなり気を使っていたような感じも伝わってきましたが、マイノリティーとマジョリティーが世間とは入れ替わった空間の雰囲気が、ゲイである僕にとっては心地よく感じられました。あ、そうこう書いているうちに、もう第二夜がはじまる時間になってしまいました(笑)。ではこれから見ます。また楽しみ!→FC2 同性愛Blog Ranking
テレビにゲイやレズビアンを公言している人が映し出され、自らの内面を語ること自体は、昨今ではそれほど珍しいことではありません。昨年からの「おネェタレント」の大ブームや、尾辻かな子さんの選挙におけるテレビ出演、そして東京MXテレビ「5時に夢中!」でのマツコ・デラックスさんや黒船特派員チャールズの活躍など、僕が日常で目にするだけでもかなり頻繁に、ゲイやレズビアンが開放的に自らのことをテレビで表現しています。
90年代初頭にマスメディアを中心に起こった、いわゆる「90年代ゲイブーム」の頃のテレビ映像を見返した時に感じるような「当事者たちの決死の覚悟」のようなものは、テレビ出演する際に今では必要なくなってきているということなのでしょう。脈々と続いてきた当事者たちによる活動の積み重ねが、今のような時代をもたらしているのだということに、感謝せねばと思います。
ところで今回の放送は、20歳のゲイ、朝原恭章君のインタビューや日常の様子を紹介するVTRを中心に構成されていたのですが、僕の印象に残ったのは取材者側の朝原君に対する「関心度」とか「興味の度合い」の高さが、そのまま如実に映像に定着されていたということです。構成上、彼一人に焦点を絞ったことが功を奏したのでしょうか。朝原君が学生時代の辛かった経験や、希望を見い出して行くに至るまでの精神の軌跡を語る際、彼の言い淀みや無言の瞬間などの「間」までを、カットせずに丹念に画面に映し出していたのです。結果的に、視聴者に彼の内面をより深く想像させることが出来たのではないでしょうか。時々挿入されていたイラストも効果的でした。
刺激重視、スピード重視のゴールデンタイムのテレビ界において、このような地味で静かな「映画的な編集」が可能なのは、やはりNHK教育テレビという「商業主義」からは一歩はなれた場所から番組を作れる環境だからなのでしょう。ゆったりと丁寧なリズムの中で、一人の若者を「人間として描き出したい」という番組制作者たちの「静かな熱」のようなものが伝わってくる、映像的な魅力に溢れた取材VTRでした。こういう映像こそが、理屈を超えたところで人々のステレオタイプを氷解させ得るのだと思います。テレビとは本来、このような映像で溢れているべきなのではないかと思うのですがね。
スタジオトークでは尾辻かな子さんがいつになく自然体でリラックスした関西弁を披露していましたし(笑)、石川大我さんは定番の光GENJIトークを披露。学生時代はゲイであることがバレないようにと、「好きだということにしてある女性タレント」の情報をこまめにチェックし、カンペンケースまで持っていたとか。イトー・ターリさんは60歳のレズビアンとしての「時代感覚の違い」を的確に発言。40歳になるまでレズビアンとしての自己を受け入れられなかったという彼女のエピソードは、ゲイ/レズビアンをとりまく社会の風当たりの変遷を伝えていました。そして、砂川秀樹さんは研究者らしく理論で説明するのですが、わかりやすく噛み砕いていたので伝わりやすかったのではないかと思います。
それにしてもスタジオ・トークに参加した8人のうち、5人がゲイ/レズビアンを公表している人々だったということで、あの空間では「マジョリティー(多数派)」になっていたわけですね。心なしか、番組のレギュラー司会陣3人が「どういう発言をしたら当事者にとっての地雷を踏むことになってしまうのか」とかなり気を使っていたような感じも伝わってきましたが、マイノリティーとマジョリティーが世間とは入れ替わった空間の雰囲気が、ゲイである僕にとっては心地よく感じられました。あ、そうこう書いているうちに、もう第二夜がはじまる時間になってしまいました(笑)。ではこれから見ます。また楽しみ!→FC2 同性愛Blog Ranking
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コメント
この記事へのコメント
光GENJI時に大我さんに出会えてたらなあ。
僕も大我さんと同じ元光GENJIのメンバーの大ファンなので(ファン歴20年)、あのころ大我さんと出会ってたらお互いかなり楽に楽しく過ごせたかなと思います。「彼」もこの番組見てくれてたらなあ。
●汐風の贈りものさん。
石川大我さんと光GENJIトーク(&アツヒロ君トーク)をするのはこれからでも可能なのではないでしょうか。パレード等で会った時などにぜひ!(笑)
実は大我さんとは友達で彼がやってるお店に遊びに行ったりしてます。アツヒロくんという共通点がありますから。ただ光GENJI時代に出会ってたらお互い違った思春期を過ごしていたかも。
●汐風の贈りものさん。
そうだよね、出会ってないわけがないよね(笑)
アツヒロくん舞台行ってきました。
今日、青山にアツヒロくん舞台に行ってきました。狭い劇場なんで間近で見れました。入りのときに手紙も渡せてよかったです。来週も行きます。
●汐風の贈りものさん。
アツヒロくん、舞台役者として大活躍中ですね。ファンは嬉しいけど大変でもあるね(笑)。
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