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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-12
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薔薇族は生きている056●内藤ルネ特集~男性同性愛者として生きた生涯を奔放に赤裸々に

 2007年10月24日。イラストレーターの内藤ルネさんは、急性心不全のために静岡県伊豆市の自宅でお亡くなりになりました。74歳でした。

 昨年の春から季刊となり、昭和期に発行された薔薇族を現代の目から振り返る「歴史ムック」としての発行を続けている現・薔薇族では、ルネさんの訃報を受け、当初の予定を差し替えて緊急に「内藤ルネ特集」を組みました。今回取り上げたのは昭和59年(1984年)。この年の2月号から、ルネさんは『薔薇族』の表紙イラストを担当し始め、1997年に交代するまでの14年間、『薔薇族』が「ゲイ雑誌No.1」の座を確保していた時代の「顔」を、描き続けました。

 一般メディアでの訃報・追悼記事では「日本のファンシーイラストの元祖」としての業績が語られがちなルネさんではありますが、実は十数年に及ぶ『薔薇族』の紙面では、表紙以外にも男性同性愛者としてのイラストを、数多く発表し続けていました。かつての紙面を丹念にめくってみると、表紙でお馴染みのさわやかな「ルネ・ボーイズ」だけではなく、かなりハードで陰鬱なイメージの「伯爵」というキャラクターが登場し、SMチックな性描写があったりするなど、陽と陰の両面を自由に表現しているので驚きました。また、2005年に伊豆の修善寺で行われた伊籐文学さんとの対談の模様も全文再録。こちらでも、「そこまで語ってしまっていいのだろうか」と驚くほど赤裸々に、男性同性愛者としての自身の性生活までをも含めて奔放に語ってくださっています。これこそ『薔薇族』でしか読めない内藤ルネ!ぜひ、お手にとって御覧ください。

BARAZOKU No.395 CONTENTS
特集◎昭和59年――内藤ルネ、降臨。
追悼エッセイ◎「よいことが待っている」ルネさんの言葉を信じて。(伊藤文学)
検証◎『薔薇族』に救われた内藤ルネ。内藤ルネに支えられた『薔薇族』(竜 超)
文学・ルネ対談◎いま明かされる、秘密の内藤ルネ。麗しの青年との“黄金の六年間”
ギャラリー◎内藤ルネ、漆黒の分身“伯爵”とは?(竜 超)
検証◎追想“幻の雑誌”――豪華絢爛たる二人雑誌『薔薇の小部屋』(提坂文化)
コラム◎ルネ・ボーイズの鬼っ子!?「マメダのマメちゃん」って、誰だ?(竜 超)
追悼エッセイ◎「春」をくれたルネさん ~ルネパンダ展での思い出~(akaboshi)
検証◎インタビューを通じて知る“ゲイ”としてのルネ先生!(提坂文化)
再録エッセイ◎セクシーボーイズを描く楽しさ。時を経て輝きを増す少年たち。(内藤ルネ)
検証◎BACK TO THE 薔薇族「昭和59年の巻」(竜 超)
コラム◎薔薇ひらくとき見えるもの「買い替え戦略の光と影」(akaboshi)
伊藤文学のひとりごと◎No.366「勇気ある発言を、レズビアンの女性が!」
検証◎新たなるゲイの時代と文化を構築した腕利きの「組頭」としての藤田竜――。(竜 超)
実録ギャグコミック◎伊藤文学の熟年刺青ヌード(秘)裏話(ソルボンヌK子)
コラム◎検証!バラコミ史(3)渡辺正義・三つのテーマで駆けぬけた十年間の軌跡(竜 超)
後記◎「編集室から…」(伊藤文学/竜 超/akaboshi)

※都合により、山川純一(ヤマジュン)未発表劇画の第4弾は次号掲載となりました。楽しみにされていた皆様には心よりお詫びいたします。



■昭和の同性愛文化を、そして本誌自身を「前向きに」ふりかえる…薔薇族は「読むタイムマシン」です。バックナンバーも発売中!


07年・春号(No.392)

特集◎昭和49年/それは、薔薇族の「家」だった。
・・・著名人から一般読者まで、さまざまなゲイたちが訪れては親交をふかめた『薔薇族』発行元、第二書房本社屋(=編集長・伊藤文学氏の自宅)が完成から33年目の春、負債のカタに差し押さえられ、取り壊された――。自力復刊初号では、その竣工年に焦点をあて、在りし日の“薔薇族の家”をしのびました。雑誌発行が軌道に乗り、右肩上がりの急成長を遂げていた時代の徹底検証に加え、厄落としの意味もこめて“あえて”解体工事まっただなかの現場写真も堂々の掲載!

07年・夏号(No.393)

特集◎昭和46年/日本ゲイマスコミ誕生
・・・『薔薇族』の誕生年は「=日本のゲイマスコミが産声をあげた年」でした。日本初のゲイ向けヌード・グラビアは――、文通欄は――、読者投稿は――、果たしてどのようなものだったのか? 稀少にして貴重なる図版資料を多数再録し、その疑問にしかとお答えいたします。全投稿を収録した(!)文通欄はユニークなものが満載で、当時のゲイたちの心情が手にとるようにわかります。

07年・秋号(No.394)

特集◎昭和56年/結婚と100号とアダルトビデオ
・・・創刊から10年を経て、めでたく通算100号をむかえた『薔薇族』。この年は、「薔薇族(=ゲイ)と百合族(=レズビアン)の見合い」「日本初のゲイ向けアダルトビデオの制作」等々、世間と読者の度胆をぬく試みが数々なされた年でもありました。大胆な挑戦はどのように結実したのか……ぜひお知りになってください。
※版元在庫が残り少なくなった号もございます。お早めにご注文ください!

■購入ご希望の方は、ぜひ伊籐文学さんから直接お求めください。
・・・郵便局で千円の定額小為替を作ってもらって下記にお送りください。
〒155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学
月刊『薔薇族』編集長伊藤文學の談話室「祭」を参照。伊藤文学さんが自ら梱包してくださいます。編集部としても、こちらでご購入いただくのが最も「資金的に次に」つながりますので助かります(笑)。ぜひ御利用ください。

■下記の店舗でも発売中
●池袋→ビッグジム池袋店
●上野→ビッグジム上野店
●中野→中野プロードウェイ3F「タコシェ」
●下北沢→古書ビビビ



 当ブログでは昨年10月末に、内藤ルネさんの訃報を聞いた直後の伊籐文学さんのインタビューを収録しています。次回からはその映像を掲載しながら、内藤ルネ特集の中身について御紹介します。お楽しみに。FC2 同性愛Blog Ranking
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コメント

この記事へのコメント

 この男の子が着てる赤いスタジャン。可愛いですよね。こんなの欲しいです。でも、こんなに可愛く着こなせないかも・・・・・
 どうせなら全身のコーディネートも見てみたかったよ。ルネ先生!

●有没有烏龍茶さん。

ルネ・ボーイズはファッションが華やかで楽しいですね~
・・・顔はいつも同じだけど(爆)

わが性と生

今回の内容、『内藤ルネのわが性と生』と見出しをつけたくなる赤裸々かつ読み応えのある内容でそれこそむさぼるように最後まで一気に読了してしまいました。
小説ならともかく、雑誌ではなかなか無いことです。ルネさんも聞き手が文學氏だからあそこまで話せたのでしょうけど・・・。
私はリアルタイムでルネさんの活躍を知らない世代です。でも、ルネさんの作品たちって
(少年のみならず少女たちも)見る人を選ばない魅力に溢れていると思います。
顔が同じという鋭いご指摘はルネさんの美学における美形の「様式美」ではないでしょうか。
書きたいことは山ほどありますが、最後にもうひとつのルネ・ワールドの「伯爵」
ダークであることは認めますが、ここでもルネさんの美意識が行き届いているからルネ・ボーイズとの違和感や嫌悪感は感じませんでした。江戸川乱歩の耽美・怪奇系の小説の挿絵を連想したことも付け加えておきますね。
殺伐とした現実に決して色褪せない薔薇色の花園を作り続けたルネさん。
その才能に心から賛辞と追悼のことばを送ります。

●misaeさん。

文学さんとルネさんの対談。本当に生々しすぎて手に汗握ってしまいますよね(笑)。
文学さんは、ルネさんの苦境を支えた人だし家族ぐるみで仲が良かったようなので
あのような奇跡的な対談が実現できたみたいです。

ルネ・ボーイズの顔が同じであることを「様式美」と言い表すのは
正解だと思います。
あの顔は、対談に出てくる「あの人」がモデルになっているような気がしますが(笑)。

薔薇族という雑誌がこの世に無かったとしたら、一時期苦境に陥ったルネさんに
表現の場は無くなり、同性愛者としてのイラストも
書くことが出来なかったかもしれません。
つくづく、文学さんが1971年に生活を賭けて「思い切った」時の
決断の大きさを感じます。
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