フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2012-05
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やっぱ愛ダホ!136●新宿アクション2012-1●性はもともと多様だった。ただ忘れさせられているだけ。 #idaho2012



 1991年にWHOの精神疾患分類から「同性愛」が外された5月17日を、IDAHO(international day against homophobia and transphobia=国際反同性愛嫌悪&反トランス嫌悪の日)と名付け、世界中でさまざまなアクションが行われるこの時期。日本では2006年に『Act Against Homophobia』と題した活動が行われ、翌年から「やっぱ愛ダホ!Idaho-net」の主催で『やっぱ愛ダホ!』というタイトルで「多様な性にYES!」のメッセージをインターネットで集め、街頭で読み上げたりパネル展示を行なったり、関連イベントが多数行われるようになりました。

 当ブログでは2007年から毎年、東京や各地のアクションの様子を撮影に行き映像で紹介してきましたが、今年は5/19(土)の16:30から新宿駅東南口で行われたアクションを撮影しましたので、ご紹介します。

やっぱ愛ダホ!2012-1●性はもともと多様だった。ただ・・・

『やっぱ愛ダホ!2012新宿アクション』PLAYLIST

<今回の映像で読み上げられている全国からのメッセージ>

●ましろ(静岡県)
 私は、バイセクシュアル。男性女性で分ける世界であれば、私はどちらも好きになる人。でも、私が好きになる人を性別で分けた事は一度も無いな!
 性別よりまず、【人柄】を好きになるから。私がわたしで本当によかった。もし、男性に対して恋に落ちる瞬間と女性に対して恋に落ちる瞬間に違いがあるなら教えてほしい。
 少なくとも私が愛した人に違いは無かったよ。違ったのは、【個別の人柄】があった、ただ、それだけだったよ!

●愛浬(青森のたまご)
 「セクマイである自分を受け入れてもらった時、見えない壁がすーっと溶けてなくなった気がした。セクマイである自分を拒まれた時、見えない壁に色がついて相手が見えなくなった気がした。どうか…セクマイであるというだけで「私」を否定しないで… 。見えない壁に色がついてしまうことが、怖いです。

●創(弘前/会社経営)
 いつも気を張っていて、自分らしさって何なのか、未だにわからなくなる。ジェンダー変更しても、「男」か「女」でしか見られないのは変わらなくて。仕事こと、近所付き合い、やっぱり自由にはならない。
 でも、自由にならないって気付いたのは、自由になれる場所を見つけたからなんだよね。
 そんな場所が、もっと増えたらいいな。もっとたくさんの仲間がほしいし、もっと笑い合いたい。僕は独りだった頃より、欲張りになったみたいだ。

●ぽめ(愛知県/大学生)
 同性の友達に恋をして、悩んで悩んで、でも勢い余って告白しちゃったとき、「同性だから」じゃなくて「友達としか思えないんだ」ってフッてくれたことです。性別じゃなくて、本当の私を見てその答えを出してくれたことが、すごく嬉しかったです。今でもいい友達です。

●スズメ(福岡/高校生)
 親友にレズビアンであることを告白したとき、彼女はそれは‘個性’だと言って、認めてくれました。
そして、そのときから自分がレズビアンであることは個性なんだ、と自分自身も思えるようになったのです。今度は私が、悩んでる誰かを認めてあげたい。「それは、貴方のすばらしい個性なんだよ。」って言って。
 そうして、一人ひとりの個性を尊重する輪が広まって、多数派も少数派もみんなが笑顔で暮らせる社会になればいいなと思います。

●かず(大阪/自由業)
 金にまみれた世の中だけど、愛にまみれて生きようぜ!

●さきお(広島/自由業)
 性はもともと多様だった。ただ忘れさせられているだけ。それを思い出してくれればと思う。



【やっぱ愛ダホ!HPアドレス】
http://yappaidaho.blog.shinobi.jp/
【mixi 5月17日は「やっぱ愛ダホー!」コミュ】
http://mixi.jp/view_community.pl?id=4849871

【やっぱ愛ダホ!】とは。
 1991年にWHOの精神疾患分類から「同性愛」が外された日にちなんで5月17日近辺に世界各地でアクションが行われておりますが、日本では「やっぱ愛ダホ!Idaho-net」の呼びかけで、全国で街頭での「多様な性にYES!」アピールや関連イベントが行われています。

■賛助会員になって愛ダホ!を応援するには
http://yappaidaho.blog.shinobi.jp/Entry/121/

★昨年までの「やっぱ愛ダホ!」の様子はこちら。

2007年
 ●やっぱ愛でしょう!やっぱ愛ダホー(IDAHO)
2008年
 ●やっぱ愛ダホ!大阪アクション2008 ●IDAHO KOBE 2008●やっぱ愛ダホ!2008
2009年
 ●やっぱ愛ダホ!2009●新宿アクション&告知CM ●社会の中で、つながるということ ~IDAHO2009
2010年
 ●やっぱ愛ダホ!2010●新宿アクション ●上川あやさんとBreak the Barrier!!トーク
2011年
 ●やっぱ愛ダホ!2011●大宮・立川・新宿・船橋アクション

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第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭映像公開4●『ふつうの家』上映後トークwith黒川みどりさん4●「モデルマイノリティ」しか名乗り出られない不公平



 5月3日(木)と4日(金)に開催しました第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭。「部落」「女性」「ゲイ」さまざまなステレオタイプで眼差される機会の多い「マイノリティ当事者」としての立場を意識しながらドキュメンタリー映画を製作してきた監督3名で企画し、2日間で6本の作品の上映とトークを行いました。

 からの続きとなる『ふつうの家』上映後トーク。マイノリティがマジョリティに「受け入れてもらう」には、まったく落ち度が無いモデル・マイノリティであることを求められる不公平の指摘から、トークは続きます。

『ふつうの家』04●「モデルマイノリティ」しか名乗り出られない不公平

第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭 PLAYLIST

 多実さんが「『誇り』ばかりで育てられると綻びる」という、ダジャレみたいな発言をしていますが、本当にその通りではないかと思います。光も闇も併せ持った存在そのものを、平常心で肯定できることこそが、本来の人間的な存在肯定ではないかと思うからです。マイノリティが「モデル・マイノリティ」であることを求められる社会は、果たして本当に人間が人間らしく生きられる状態なのでしょうか?

■トークで言及されている映画
『破戒』
・・・木下惠介版(1948年)、市川崑版(1962年)
『橋のない川』
・・・今井正版 第一部(1969年)、今井正版 第二部(1969年)、東陽一版(1992年)
『人間みな兄弟 ― 部落差別の記録』・・・亀井文夫(1960年)



第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭2012『ふつうの家』上映後トーク
「マイノリティの自画像と他者像」
2012年5月3日(木)なかのZERO視聴覚ホールにて収録。

●ゲスト:黒川みどりさん
・・・歴史学者、静岡大学教授。被差別部落史が専門。
著書『描かれた被差別部落――映画の中の自画像と他者像』
『つくりかえられる徴―日本近代・被差別部落・マイノリティ』ほか多数

●聞き手:上川[長谷川]多実、根来祐、島田暁

上映作品
●『ふつうの家』
(監督:長谷川[上川]多実 2000年/45分/DV。3日13:30、4日19:00上映)
・・・部落解放同盟の専従職員として解放運動の先頭に立つ両親を持つ多実は、幼い頃から"解放運動家の娘"を演じてきた自分に苛立ちを覚えていた。「運動は構わない。しかし、それを家庭に持ち込んで欲しくない。私は普通の家に住みたい」そう思った彼女は、"居間では解放運動の話題を口にしない"というルールを作る。だが、それは暫くすると­破られ、多実は自分や家族を見つめ直す為に家を出る。
・映画美学校主催『1st Cut』ドキュメンタリープログラム、森達也の夜の映画学校、<ヤマガタ+>映画祭「にっぽん新・記録宣言!」上映。

監督プロフィール:
●上川(長谷川)多実
・・・映画美学校在学中の2000年に「ふつうの家」を制作。現在は映画制作からは離れ、都内で子育て中。部落問題をはじめとするマイノリティについて生活者の視点から考え、動いていくことがライフワーク。部落問題の講演やブログ「いーこんこん あやこんこん」、ウェブサイト~「わたし」から始まる「部落」の情報発信サイト『BURAKU HERITAGE~』などでのんびり活動中。
http://www.burakuheritage.com/

聞き手(他作品監督)プロフィール:
●根来祐(ねごろゆう)
・・・岡山県倉敷市生まれ。二十歳から十年近く摂食障害を経験。数年自助グループに参加。映画、テレビドキュメンタリーの仕事を経てフリーに。97年に依存症をテーマに短編を三本制作。01年に摂食障害を扱った長編ドキュメンタリーを制作。祖母、母、自分の世代の労働とライフスタイルを並べた「her stories」などがある。消費と依存、モラトリアムと成熟拒否、身体、サブカルチャーにおける女子文化、労働行政と移民政策など様々なテーマで作品制作を続けている。
http://d.hatena.ne.jp/negorin/

●島田暁
・・・2005年より「akaboshi」名義でブログ『フツーに生きてるGAYの日常』を開始。YouTubeと連動しながら主に日本のセクシュアルマイノリティに関する情報を発信。2007年『No Border~世界のLGBTからのメッセージ』(尾辻かな子さんと共同監督)、2009年『竜超の現代狂養講座 同性愛とテレビジョン』。共に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映。2010年「石原都知事の同性愛者差別発言に抗議する有志の会」共同呼びかけ人。翌年、集会やデモを行った後に改名した「レインボー・アクション」代表。2011年、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで『しみじみと歩いてる』奨励賞受賞。
http://akaboshi07.blog44.fc2.com/

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第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭映像公開3●『ふつうの家』上映後トークwith黒川みどりさん3●無関心である人の冷たさこそが私にとっての部落問題



 5月3日(木)と4日(金)に開催しました第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭。「部落」「女性」「ゲイ」さまざまなステレオタイプで眼差される機会の多い「マイノリティ当事者」としての立場を意識しながらドキュメンタリー映画を製作してきた監督3名で企画し、2日間で6本の作品の上映とトークを行いました。

 前々回前回からの続きとなる『ふつうの家』上映後トーク。部落問題に対する周囲の人たちの「無関心さ」によって多実さんが感じさせられてきたことを語り、黒川みどりさんが「アライアンス」的な立場で部落問題に関わってきている理由を語る場面です。

『ふつうの家』03●無関心である人の冷たさこそが私にとっての部落問題

第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭 PLAYLIST

 「部落差別」を内包しているのが近代社会であり、あらゆるマイノリティ問題に共通に言えること。それを抜きにして近代と向き合うことは出来ない。黒川みどりさんの発言が、とても印象的でしたし、僕としては強く共感した発言でした。



第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭2012『ふつうの家』上映後トーク
「マイノリティの自画像と他者像」
2012年5月3日(木)なかのZERO視聴覚ホールにて収録。

●ゲスト:黒川みどりさん
・・・歴史学者、静岡大学教授。被差別部落史が専門。
著書『描かれた被差別部落――映画の中の自画像と他者像』
『つくりかえられる徴―日本近代・被差別部落・マイノリティ』ほか多数

●聞き手:上川[長谷川]多実、根来祐、島田暁

上映作品
●『ふつうの家』
(監督:長谷川[上川]多実 2000年/45分/DV。3日13:30、4日19:00上映)
・・・部落解放同盟の専従職員として解放運動の先頭に立つ両親を持つ多実は、幼い頃から"解放運動家の娘"を演じてきた自分に苛立ちを覚えていた。「運動は構わない。しかし、それを家庭に持ち込んで欲しくない。私は普通の家に住みたい」そう思った彼女は、"居間では解放運動の話題を口にしない"というルールを作る。だが、それは暫くすると­破られ、多実は自分や家族を見つめ直す為に家を出る。
・映画美学校主催『1st Cut』ドキュメンタリープログラム、森達也の夜の映画学校、<ヤマガタ+>映画祭「にっぽん新・記録宣言!」上映。

監督プロフィール:
●上川(長谷川)多実
・・・映画美学校在学中の2000年に「ふつうの家」を制作。現在は映画制作からは離れ、都内で子育て中。部落問題をはじめとするマイノリティについて生活者の視点から考え、動いていくことがライフワーク。部落問題の講演やブログ「いーこんこん あやこんこん」、ウェブサイト~「わたし」から始まる「部落」の情報発信サイト『BURAKU HERITAGE~』などでのんびり活動中。
http://www.burakuheritage.com/

聞き手(他作品監督)プロフィール:
●根来祐(ねごろゆう)
・・・岡山県倉敷市生まれ。二十歳から十年近く摂食障害を経験。数年自助グループに参加。映画、テレビドキュメンタリーの仕事を経てフリーに。97年に依存症をテーマに短編を三本制作。01年に摂食障害を扱った長編ドキュメンタリーを制作。祖母、母、自分の世代の労働とライフスタイルを並べた「her stories」などがある。消費と依存、モラトリアムと成熟拒否、身体、サブカルチャーにおける女子文化、労働行政と移民政策など様々なテーマで作品制作を続けている。
http://d.hatena.ne.jp/negorin/

●島田暁
・・・2005年より「akaboshi」名義でブログ『フツーに生きてるGAYの日常』を開始。YouTubeと連動しながら主に日本のセクシュアルマイノリティに関する情報を発信。2007年『No Border~世界のLGBTからのメッセージ』(尾辻かな子さんと共同監督)、2009年『竜超の現代狂養講座 同性愛とテレビジョン』。共に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映。2010年「石原都知事の同性愛者差別発言に抗議する有志の会」共同呼びかけ人。翌年、集会やデモを行った後に改名した「レインボー・アクション」代表。2011年、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで『しみじみと歩いてる』奨励賞受賞。
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第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭映像公開2●『ふつうの家』上映後トークwith黒川みどりさん2●「次は部落から離れた映画を撮りなよ」と言われても・・・



 5月3日(木)と4日(金)に開催しました第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭。「部落」「女性」「ゲイ」さまざまなステレオタイプで眼差される機会の多い「マイノリティ当事者」としての立場を意識しながらドキュメンタリー映画を製作してきた監督3名で企画し、2日間で6本の作品の上映とトークを行いました。

 前回からの続きとなる『ふつうの家』上映後トーク。部落問題の映画を撮りたくて映画製作を始めた多実さんが、2000年に『ふつうの家』を公開した際に、周囲から言われたことや観客の反応によってショックを受け、映画製作から離れるに至った気持ちを、今の視点から振り返って語っています。後半では根来祐さんによる「マジョリティへの問題提起」が炸裂します。

『ふつうの家』2●「次は部落から離れた映画を撮りなよ」と言われても

第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭 PLAYLIST

 「マジョリティ」って、自分が知らない分野のことを「感知できない」ことを棚に上げた上に、マイノリティの必死な訴えを「無化」する傾向がある立場なのですね。僕も、自分が「マジョリティ」である分野において、なるべくそうならないようにしたいと思っています。



第1回マイノリティ・ドキュメンタリー映画祭2012『ふつうの家』上映後トーク
「マイノリティの自画像と他者像」
2012年5月3日(木)なかのZERO視聴覚ホールにて収録。

●ゲスト:黒川みどりさん
・・・歴史学者、静岡大学教授。被差別部落史が専門。
著書『描かれた被差別部落――映画の中の自画像と他者像』
『つくりかえられる徴―日本近代・被差別部落・マイノリティ』ほか多数

●聞き手:上川[長谷川]多実、根来祐、島田暁

上映作品
●『ふつうの家』
(監督:長谷川[上川]多実 2000年/45分/DV。3日13:30、4日19:00上映)
・・・部落解放同盟の専従職員として解放運動の先頭に立つ両親を持つ多実は、幼い頃から"解放運動家の娘"を演じてきた自分に苛立ちを覚えていた。「運動は構わない。しかし、それを家庭に持ち込んで欲しくない。私は普通の家に住みたい」そう思った彼女は、"居間では解放運動の話題を口にしない"というルールを作る。だが、それは暫くすると­破られ、多実は自分や家族を見つめ直す為に家を出る。
・映画美学校主催『1st Cut』ドキュメンタリープログラム、森達也の夜の映画学校、<ヤマガタ+>映画祭「にっぽん新・記録宣言!」上映。

監督プロフィール:
●上川(長谷川)多実
・・・映画美学校在学中の2000年に「ふつうの家」を制作。現在は映画制作からは離れ、都内で子育て中。部落問題をはじめとするマイノリティについて生活者の視点から考え、動いていくことがライフワーク。部落問題の講演やブログ「いーこんこん あやこんこん」、ウェブサイト~「わたし」から始まる「部落」の情報発信サイト『BURAKU HERITAGE~』などでのんびり活動中。
http://www.burakuheritage.com/

聞き手(他作品監督)プロフィール:
●根来祐(ねごろゆう)
・・・岡山県倉敷市生まれ。二十歳から十年近く摂食障害を経験。数年自助グループに参加。映画、テレビドキュメンタリーの仕事を経てフリーに。97年に依存症をテーマに短編を三本制作。01年に摂食障害を扱った長編ドキュメンタリーを制作。祖母、母、自分の世代の労働とライフスタイルを並べた「her stories」などがある。消費と依存、モラトリアムと成熟拒否、身体、サブカルチャーにおける女子文化、労働行政と移民政策など様々なテーマで作品制作を続けている。
http://d.hatena.ne.jp/negorin/

●島田暁
・・・2005年より「akaboshi」名義でブログ『フツーに生きてるGAYの日常』を開始。YouTubeと連動しながら主に日本のセクシュアルマイノリティに関する情報を発信。2007年『No Border~世界のLGBTからのメッセージ』(尾辻かな子さんと共同監督)、2009年『竜超の現代狂養講座 同性愛とテレビジョン』。共に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映。2010年「石原都知事の同性愛者差別発言に抗議する有志の会」共同呼びかけ人。翌年、集会やデモを行った後に改名した「レインボー・アクション」代表。2011年、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで『しみじみと歩いてる』奨励賞受賞。
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レスター・ハムレット監督『カサ・ビエハ』(セルバンテス文化センター「キューバ映画上映会」にて)●MOVIEレビュー

 東京・市ヶ谷にあるセルバンテス文化センター東京で3日間にわたる『キューバ映画上映会』が5月10日から始まり、オープニング上映となる『カサ・ビエハ』を観てきました。ゲイをカミングアウトしている監督の作品とトークがあるということで、キューバのセクシュアル・マイノリティ事情が伺えるかもしれないという期待もあったわけですが、期待以上に深い味わいのある映画で、久々に「ゲイのリアル」がしっかり描かれていると感じられる映画に出会った興奮を味わいました。

■タイトル: Casa Vieja
■監督: Lester Hamlet
■制作年: 2012
■上映時間: largometraje - 95 min
■制作国 Cuba

 主人公は30代中盤と思しきゲイ男性。都会であるバルセロナでゲイとして生きている日常から、「父が危篤」の知らせを受け、キューバの田舎にある実家に14年ぶりに帰郷します。家族や近所の人は皆が、「主人公がゲイであること」を知っているのに、まったくもって口にしません。だからといって居心地がいいわけではなく、「何かを言いたいのに言わずにいる雰囲気」が満ちていて、どことなく関係がギクシャクした感じの日々が続き、やがて父親が亡くなります。

 主人公の母親は、夫のもとに嫁いでからずっと、母親であり妻であることによってアイデンティティを保ってきたわけですが、それによって心が満たされはしなかったようです。どこか不全感を抱えた佇まい。そう、この映画の登場人物たちは、主人公以外にもほぼ全ての人たちが、「どことなく不全感」を抱えている人物として造形されているのです。

 言いたいことがあるのに言い合わない家族。いわゆる「家父長制に則った家族」を、それぞれが割り当てられた役を演じ合うことで維持しているかのような時空間。主人公はやがて息が詰まるようになり、「やはりここは自分の居場所ではない」ことを悟り、去ることを決意します。

 主人公がそろそろ去ろうかという時、些細なことで兄と口論になります。その際、兄から「お前は、ホモだ」と言われる場面があります。その際の兄の人物描写が見事です。全身がプルプル震えつつ、振り絞るようにして口にするのです。その表現からは、「タブーを破る者の苦渋」が痛いほど深く滲み出ており、この田舎共同体で「家父長制」を維持することで生きている人たちにとって「ホモ」「同性愛者」というものが、いかに禁忌(タブー)として扱われてきたのかが、如実に現れている場面でした。

 ついに家族の中で一番最初に「タブーを口にしてしまった」兄と弟は、ともに一線を越えあった者同士の「戦友のような感覚」が芽生えたのでしょうか。肩を抱き顔を寄せ合ってしばらく寄り添います。「家父長制を維持する異性愛者」と「家父長制から逸脱したものとして扱われる同性愛者」。その間には深い川が流れているのですが、それ以前に「兄弟」という絆が結ばれていることもたしか。しかし、もう既に両者は別々の生活環境で、別々の人生を歩んでいるもの同士。

 しばしの邂逅の後、兄弟は別れていきます。

 上映後の監督トークによると、主人公は既に都会で開放的な日常生活を知ってるので、兄の旧態依然とした「同性愛者をタブー視する態度」から、ますます「自分の居場所はここではない」と感じ、故郷を去ることになるとのこと。家族が、それぞれに「家族の構成員」であることを演じ合うような空間において、主人公のような同性愛者がいかに「居づらい」のか。そのことを受け入れたくとも受け入れられない周囲の家族の人物描写も含めて、コミュニケーション不全の苦さに満ちた映画ではありましたが、なぜか最後には、「人生には、分かり合えないこともある。」ということを、逆に肯定的に捉え返すことができるような、不思議なポジティブメッセージも発せられているように感じました。

 深い味わいのある、忘れられなくなりそうな名画だと思いました。ぜひ、機会がありましたら観てみてください。

 上映後のトークでは、質疑応答があったので最初に手を挙げ、映画で描かれた「ゲイの息子と父のディスコミュニケーション」は監督の自伝的要素が強いのか?、キューバのセクシュアル・マイノリティも日本と同じように、都会と地域コミュニティでは生き易さが違う傾向にあるのか、その2点を質問しました。

 監督の応答によると、この物語の原作の主人公はゲイではなく、「身体に問題がある設定」だったのを、わざわざゲイの設定に変え、タブー視している家族の元に居づらくて14年も実家に帰らず、父が危篤の知らせを受けて帰郷する設定にしたのだとか。つまり監督の自伝的要素が色濃いようです。また、キューバでは家父長制が色濃い傾向が強く、監督の友人たちでも家族との関係に悩んでいるセクシュアル・マイノリティは多いとのこと。ただ、都会ではわりと伸び伸びと暮らしている人たちが増えてきているようです。

 また、次のような印象的なことを言っていました。

「芸術家というのは自分の中の悪魔を解放しなければなりません。私にとって、主人公をゲイにしてこの映画を撮ることが、悪魔を解放することでした。」

 この映画は、監督の予想をはるかに超え、キューバでヒットを記録したそうです。既にキューバ映画界には『苺とチョコレート』のヒットが開拓した「同性愛映画の場所」が確保されているとのことで、実はこの映画、主人公がゲイであることが後半にならないと明かされない描き方のため、いくつか出てくる「主人公のゲイ性をほのめかす表現」を感知できない人にとっては集中力を持続させるのが大変なのではないかと思われるのですが、説明を過剰に織り込まずとも、ちゃんと「ゲイの内面」を想像して観てくれる観客が、キューバでは育っているということなのかもしれないと感じました。

 そういった意味でも、とてもうらやましい「キューバの映画・セクシュアルマイノリティ事情」がうかがえた上映会でした。

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