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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2011-02
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石原都知事の同性愛者差別発言を受けて19●小林りょう子さん、小林ヒロシさん●LGBTの家族と友人をつなぐ会に来る人は「氷山の一角」に過ぎない #ishihara_kougi



 1月14日(金)開催「石原都知事の同性愛者差別発言、なにが問題か?」の映像公開第4弾は、小林りょう子さんと小林ヒロシさんのお話です。

 お二人は、神戸に本拠地を置くNPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会の東京地区メンバーで、子どもや友人からカミングアウトされた人々が孤独に苛まれないよう交流会を開催したり講演会に出演したりして来られました。性的マイノリティ当事者の子どもを持つ親として、石原都知事の発言を受けてどう思うのかを語っていただきました。

(文字起こし作業協力 Very Thanks!:石原都知事の同性愛者差別発言に抗議する有志の会メンバー)

石原都知事の同性愛者差別発言、なにが問題か?04●家族の会・小林さん


YOUTUBE「石原都知事の同性愛者差別発言、なにが問題か?」PLAYLIST
 
島田暁(司会)

 石坂わたるさんは、お母さまも、こういうシンポジウムですとか、セクシュアル・マイノリティのコミュニティスペースの集会などにも出てきていただいて、しゃべったりなさっているんですけども、わたるさんが高校生のときにゲイ雑誌を部屋で見つけてショックで、「息子の同性愛を治さなくちゃいけない」と思って、大学に入って心理学を学んだというお母さんもいらっしゃるんですけども、それぐらいやっぱり、息子や娘にカミングアウトをされて、それをどう受けとめていいのか、なんとか息子、娘を治したいという風に深刻に考えるお父さん、お母さんというのは、実際に本当にたくさんいらっしゃいます。

 次はですね、小林りょう子さんと小林ヒロシさんをゲストにお迎えしているんですけども、このお二人は『NPO法人 LGBTの家族と友人をつなぐ会』という会のメンバーとして活動していらっしゃいます。LGBTというのはL(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシュアル)T(トランスジェンダー)の頭文字となっております。

 それでは、お二人に普段、会の活動で感じられていることなど、あるいは石原都知事の発言を、そういう会の活動をしている中でどのように受けとめられたか、その辺をお話しいただければと思います。よろしくお願いします。

小林りょう子

 小林りょう子です。よろしくお願いします。まず、今会場に石原ハラスメント菌が蔓延していると思うんですけれども、この情報が伝わったときにも、今、石坂さんがおっしゃった通り、いろんな発言が今まであったものですから、「ああ、またか~」というのが、第一印象でしたね。それで、その内容が私の中に深く入っていくにしたがって、「(石原都知事だったらこんなこと)言うよね~」と思いつつ、「ちょっと待てよ」というところで、自分のことをまず考え、そしてその「足りない」というものについて少し考えたことは、「足りない」、確かに私には「足りない」ものがありました。

 まず、マイノリティというものについての教育を受けていません。(私は)もうすぐ還暦を迎えますが、マイノリティというものについての知識が全くなかったです。そのなかで、子どもが小学校の高学年から、20歳過ぎるくらいまでず~っと悩んでいた、そしてその悩んでいたことも知らなかったという、配慮のなさ、それが足りなかったなー、とはいうふうには思います。

 ただ・・・(笑)そうですね、子どもが何かという、いまつれあい(小林ヒロシ氏)が、子どもは(セクシュアル・マイノリティのなかの)なにか説明をしろと指示がきましたので、子どもはFtMということで、性同一性障害、生まれたときは女の子だったんですけど、確かにとってもボーイッシュな、スカートの嫌いな、ズボンばかりしか履かない女の子で、まあ本当に元気な男の子っぽいけど、カッコいい女の子だよね、というかたちで見守ってたはいたんですが、ある日突然、第何回でしょうね。第5回なんかのプライドパレードに出たあとに、(私が)駅まで迎えに行きましたらね、突然・・・何か、「足りない」ところから話しが飛んでしまいましたが・・・

島田暁

 続けてください

小林りょう子

 駅でですね、「ぼく、今日から男の子だからね。女の着ぐるみは脱ぐよ」と言われたのが、カミング・アウトの第一声だったんですね。

島田暁

 それ、突然っていう感じですか?

小林りょう子

 いや、まあ、言葉としては突然ですね。その前に女性とルームシェアをする形で、もうそのときは家を出てましたから「レズビアン・・・かな・・・?」というふうにはちょっと首をかしげつつ、まあ、でももう20歳も過ぎたんだし、外に出て当たり前じゃない?という風に思っていたんですけれども、その時(カミングアウト時)も甚平姿だったんです。なんか甚平にゴム草履をはいてましてですね(会場笑)、「女の着ぐるみを脱ぐから」って、脱いだらこんな甚平か(会場爆笑)と思いましたが。

島田暁

 そっちか、と。

小林りょう子

 そう、そっちかー、という感じでしたけど、なんかやっぱりそうだったのかなあ、というところは、そこはもう本当に、100分の何秒かの間に「うん、わかった」と言ってしまった私がいましたね。

島田暁

 じゃあわりと、その時はもう、ある程度ショックは受けてたというか・・・

小林りょう子

 ショックではなくて・・・

島田暁

 ついに言ったね、と・・・

小林りょう子

 そうですね。「やっぱりそうだったの」という感じでしたね。それを彼(小林ヒロシ氏)にストレートに言っていいものかどうか、というのは、息子が「そうだからね」といわれたよりも、ちょっと悩んで、彼に話しましたね。

島田暁

 ヒロシさんは、それで受けられてどう思われましたか?

小林ヒロシ(LGBTの家族と友人をつなぐ会)

 ああ、あのLGBTの家族と友人をつなぐ会を二人でやってますけども・・・その時は、ぼくは、こちら(小林りょう子氏)は直接聞いて、ぼくは間接的に聞いたわけですけど、ちょっと普通・・・お父さんよりはちょっと、そのいわゆるゲイの人の書いた本とかですね、性同一性障害という言葉はその当時はなかったんですけど、そういった性に関する本というのは、結構たくさん読んでいたんですよ。そういった知識的には、かなりあった・・・

島田暁

 それはなぜ、読んでいたんですか?わりと前から関心があったということですか?

小林りょう子

 私が説明いたします。

小林ヒロシ

 まあまあまあまあ(会場笑)

島田暁

 結構めずらしいなあと思いまして

小林ヒロシ

 いやあの、やっぱり、男・・・性っていうことに興味があると思うんで、でまあ、なんというのかな、なぜっていうのは難しいんですけど、やっぱりそういった、どうして男と女がいるのかとか、じゃあ永久的に、じゃあ、例えば植物は人間と違う形じゃないですか、そういった形が違うのは当然で、(植物にも)オスとメスがいるわけなんで、じゃあ人間としてはオスとメス、どうなのか、とかそういったことをどんどんどんどん・・・まあ発展形なんで、まあそういった本があるということで、たまたま見つけて・・・。伏見(憲明)さんでしたっけ・・・あと虎井(まさ衛)さんとか・・・そういった方たちの本を・・・

島田暁

 じゃあもともと結構・・・じゃあもしかしたらお子さんとしては(セクシュアル・マイノリティであることを)言いやすかったと・・・?

小林ヒロシ

 そこを今、(言おうとしてたんですが)とりあえず知識はあったんですよ。で、そういう人いるんだな、と。ぜんぜん自分とは関係ない世界で。で、さっき自分の子どもが性同一性障害でしたって言われたとき、そこは、(性同一性障害に関する)知識と自分の子どもがそういうことであったことの整合性ができなくて、という悩みはありました。だけど、別にその、FtMだったっていう驚きっていうかな、それは別に知識としてあるわけなんで、なかったんですけど、頭の中が先に先行してしまってるんで、実態がなかなかついていけなかった、という悩みはありました。

島田暁

 それで実際、何かお子さんとやりあった、ということはありました?

小林ヒロシ

 まあ、多々(笑)言葉がまず、ぼくの場合ストレートに言っちゃうんですが、例えば子どもが遊びに来たときに「ねっちゃん(=姉ちゃん)よく来たね」と言うと、その言葉(ねっちゃん)自体で、(子どもが)「何だそのねっちゃんという言い方は」と言って(子どもが)すぐ帰ったりとか。あと、手術・・・胸を取るとか、その前にですね、ぼくはだから、いずれはそういうことを、胸をとったりとか、手術をしなければいけないのかな、という頭ではちょっとあったんですけど、だけどそこまでしなくていいんじゃないの、という考えもあって、子どもと話しているときに「そんな手術なんて過激だよな」という言葉をふっと言ってしまったんですよ。

 それは子どもにとっては、ある意味必要でないもの、自分にとって必要じゃないものを取るということなんで、それはもう必須条件なわけなんですよ。今は理解できるんですけど、そういうことも理解しないで言葉をね「過激だ」という言葉を出してしまったとか、そういうようなことは数多くあります。だけど、そういったことを言って、理解していると思われて、で、子どもがやっぱり理解してないんだよな、っていうことでちょっとショックを受ける、そういったことを今だにそういうことを繰り返しています。

島田暁

 でも、そこにショックを受けてくださる親御さん言うのはすごくうらやましいですね、ぼくもまだ父親には言えてなかったりしますので、父親から無神経な発言があったりして、自分がカミングアウトしてないからなんですけど、ちょっとピキッときてけんかしたりってことが起きてたりしますので、すごくそこでそういう対話が生まれる親子っていうのはうらやましいなって思います

 それで、家族と友人をつなぐ会を続けられていると思うんですが、いろいろな立場の方々とお会いになっていると思うんですが、いかがですか

小林りょう子

 そうですね、会に来てくださる親御さんはまだいいんです、やっといろんな、ネットで探してたどり着いたという方は、お子さんからカミングアウト受けたとか、それから受けなくても、もしかして自分の子はそうだったんじゃないかしら、という不安を抱えながらいらっしゃる方が、やっぱり多いですよね。だけど、そこまでいらっしゃるっていうことは、ある程度自分の中で、理解をしようとか、理解してとか、理解したくてという方がいらっしゃるので、話をしていても、確かに今まで悩んで、そこでもまたいろんな悩みをおっしゃるんだけれども、ほんとに一歩二歩、進んでいる方たちなんですよね、理解したい、理解していこうっていう。

島田暁

 すでに足を運ぶっていう(ことはそういうことだと)

小林りょう子

 そうですそうです。だから逆に、遺伝云々という話もでましたけれども、特に母親はね、自分のおなかにいたということで、何かがあったんじゃないか、と思う親がとっても多いんですよ。私も医者じゃないし、そういう医学関係のことは全然詳しくないですから、ほんとに遺伝なのかどうかっていうことは専門家に任せるしかないんですけれども、そこでね、すごく悩んでいる方たちがいるところで、なおかつこういう発言をされると、やっとね、もしかしてこのつなぐ会に行ってみようかなって思ってる人たちがいたときにね、あの発言を聞いて、やっぱりそうなんだ、やっぱり私が悪いんだ、やっぱり私たちが悪いんだっていう風に、また閉じこもって、またクローゼットの中にに入ってしまう方たちも、もしかして、いるんではないかなと思うと、とても残念でなりません

島田暁

 会に来てる方々というのは、もしかしたら、氷山の一角という・・・

小林りょう子

 そうですそうです、もちろんです。そこまで足を運んでくれたら、あとはもういっしょにやりましょう!あなただけじゃないですよ!一人じゃない、とにかく私たちも同じ気持ちでしたよ!っていう話ができるんですけど、そこにいらっしゃれない方、ひとりで悶々と考えてらっしゃる方、パートナーと話もできないで、お母さん一人だけで悩んでらっしゃる方っていうのは、すごく多いと思います

島田暁

 たまに会に参加させていただいたてるのですが、この前、神戸で行ったときには2~3週間前に娘にレズビアンであるとカミングアウトされたご両親が娘さんと来られて、娘さんが、もう一歩も外に出ないで泣き暮らしてるっていうので、必死になって連れて来られて、自己紹介をしながら、娘さんが号泣し始めたりとか、そういう現場を見てるんですよ。その方たちでさえ、氷山の一角で、ほんと足を運べない人たちがいるっていうことに想像力を持たないとって思いますね。会に足を運んでいらっしゃる方でも、初めての方というのは、かなり本当に深刻な状態だったりするので。

小林りょう子

 その通りだと思います。ぜひ、この場をお借りしますが、親の会をやっておりますし、来月6日にも、原宿の公民館でございますので、ぜひぜひ情報を伝えられる方に伝えていただいて、集まっていただきたいなと思います。宣伝ではございますが。

島田暁

 ありがとうございました。




「LGBTの家族と友人をつなぐ会」東京ミーティング
2011年2月6日(日)ゲスト:砂川秀樹氏

ゲストスピーカー:砂川秀樹氏(文化人類学者、2010年東京プライドパレード代表)
「カミングアウト・レターズ」
日時 2011年2月6日日曜日 13時30分~16時30分
会場  渋谷区神宮前穏田区民会館 集会場
住所 渋谷区神宮前 6-31-5
電話 03-3407-1807
申し込みはtokyo@lgbt-family.or.jpまで

イベント「石原都知事の同性愛者差別発言、なにが問題か?」のご報告
東京FMラジオ出演のご報告




当ブログ内「LGBTの家族と友人をつなぐ会」関連映像

LGBTの家族と友人をつなぐ会@東京(2007年11月25日)

LGBTの家族と友人をつなぐ会@東京(2007年11月25日)PLAYLIST

LGBTの家族と友人をつなぐ会から石原都知事へのメッセージ(2010年12月19日


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ドキュメンタリー映画
『しみじみと歩いてる』


★座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル「コンペティション部門」に入賞しました。

2月13日(日)10:00よりコンペ部門4作品連続上映。(当作品は12:30より上映)前売1000円/当日1200円。
審査委員長:田原総一朗、審査委員:吉岡忍、森達也、岩井真木子、佐藤信、橋本佳子。当日19:00よりコンペティション部門公開審査会(Ustream中継あり)。
第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル公式サイト

★3月に東京で自主上映会を開催します。
3月21日(祝)13:20/15:20(2回上映入替制/1200円)
会場:なかのZERO視聴覚ホール
監督:島田暁/2010年制作 77分■制作:akaboshi企画

 2006年10月から、大阪の御堂筋を性的マイノリティとその友人たちが歩く『関西レインボーパレード』に通いながら出会ったレズビアン、ゲイ、MtFトランスジェンダー、FtMトランスジェンダーそれぞれの日常生活、それぞれの違い、家族へのカミングアウト、仕事場や人間関係における葛藤、苦しみ、そして喜びを描いたドキュメンタリー。ゲイである監督の視点からまとめました。
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