メディアと性的マイノリティ11●おネエMANSオーディションとオカマ論争

2010年10月17日(日)に開催されたメディアと性的マイノリティについて考えるディスカッション。(主催:dislocate。会場:「3331 Arts Chiyoda」)
伊藤悟さんの電波少年アポなし直撃され体験もスゴかったですが、その後の三橋順子さんの「私、おネエMANSのオーディション受けたことがあるんです」という発言の続きも気になる~っ!そして更に話は週刊金曜日の『「オカマ」は差別か』論争にまで発展し・・・(濃すぎるがなっ!笑)
11●おネエMANSオーディションとオカマ論争
パネリスト
伊藤悟さん(すこたんソーシャルサービス)/三橋順子さん(女装家・性社会史研究者)/akaboshi(島田暁/ブログ「フツーに生きてるGAYの日常」)
■メディアと性的マイノリティ~「ジェンダーとセクシュアリティの媒介」PLAYLIST
★こちらの記事からの続きになります。

私、『おネエMANS』のオーディション落ちてるんですよ。
akaboshi
受けたんですか?
三橋順子
いや、受けたって言うかね。「今度こういう番組を始めたいので御協力いただけないでしょうか」と言われて、しかもわざわざ局まで出向いて、プロデューサー・ディレクターと1時間半位お話をした。その時は「おネエという意味は何でしょうか」とかいうことを、さんざんレクチャーして、「放送始まりましたら是非またよろしく」というふうに言われて帰った。これ自費です私、交通費、車代なし。で、それっきし。どうもそれは、そういう形で向こうが出演者を見繕ってた。やっぱり私はダメ。・・・いや、ダメで良かったんだけど、うん。不合格だったということがありましたね。
私その時にも言ったんですけども、向こうはしきりに「そういう方たちを、いわゆるゴールデンタイムに出す」ということを非常に「どうだ、ありがたいだろう」というふうに言ってたんですね。だけどそれってやっぱり前提があって。テレビの、いろいろな局の「内規」って言うのかな、あるんですよ。ニューハーフ同類トランスジェンダーみたいなものは、昔は深夜枠じゃないと出られなかった。
私が昔、2000年頃だったか、もうちょっと前だったか、久米(宏)さんがやってる頃の『ニュースステーション』でコメントした時に聞いたんです。「大丈夫ですか?」って。そしたら「最後のところで、11時越えたところでやるんで大丈夫です」とか言って。その時にはね、でも、もうそれは無くなりました。だけどそれ以前はあったんです。もう皆さん知らないかもしれないけど『11PM』や『トゥナイト』には出られても、それよりも前の時間帯は出られなかったんです。要するに「存在自体が性的なもの」だという見做しだったんですね。それからは少し変わってきた。

局によっては全く問題なし。局によっては、テレビ朝日だったかな?「放送注意用語」。放送にあたって一応注意する用語という形にはなってるんです。だけども現実には、やっぱりバラエティ番組等の中に、平気で使われる。すごいダブルスタンダード。「オカマ」ってどういう意味だかわかって使ってるんですか?って。「オカマ」の語源っていうのはやっぱり、いろいろ語源説ありますけど、やっぱり一番妥当なところから言ったら肛門ですよ。お尻の穴ですよ。さらに言うと、元々、男性のセックスワーカー。特にアナルセックスをよくする人を指してた言葉が・・・。
実はこれ、私、全部「オカマ」って使ってる雑誌・メディア・文献を調べてわかったことなんですけれども、大体1980年位から、使用頻度と使用範囲、何を指すかっていう範囲がすごく拡大するんです。それまでは「オカマ」って言うのは、今言ったようにセックスワークの方、要するに昔の言葉で言うと男娼の人を指す言葉で。だから青江のママは自分をゲイボーイだと思ってるから、「オカマ」って言われると、追っかけてって下駄で殴ってたわけなんですよね。
akaboshi
それは「体を売っているわけではない」という

そこにも一つの差別性があるんですけどもね。でも少なくとも広くは使ってなかったんです。かなり限定的な言い方だった。それが、80年代位からメディアで、ともかく女性的な男性、もちろん女装してる男性、それから女性的な男性同性愛者、非常に範囲を拡大して「オカマ」っていう言葉を使うようになったんです。
akaboshi
それは何か原因があったんですか?たとえば「おすぎとピーコ」さんがその頃・・・あの2人はいつ位に・・・
三橋順子
もっと後。あの、やっぱり東郷さん。
akaboshi
あ、東郷健さん。・・・が、選挙に出馬する時に「おかまの東郷健です」と。
三橋順子
あれがきっかけだと思う。ダイレクトにその直後じゃないんですけど、そこらへん位しか考えられないんですよ、「オカマ」の使用のパターンが。で、それを受けて今度は、おすぎやピーコが「私たちおかまは」っていう自称としての「オカマ」をどんどん広めていく。だから美輪(明宏)さんはね、「自分はゲイだ」という言い方をするけど「自分はおかまだ」とは絶対に言わない。「オカマ」っていう言葉の使い方をメディアで広めちゃった、おすぎやピーコに対して美輪さんはやっぱり非常に不愉快に思ってる部分はどうもあるみたいですね。で、それで例の・・・あれは何年でしたっけ?
伊藤悟
2001年か2年位。
三橋順子
御存知ないかもしれませんけど『週間金曜日』っていう雑誌が、東郷さんのロングインタビュー・・・東郷健さんの何だっけ、何を載せたんだったっけ?<つづく>→FC2 同性愛 Blog Ranking

セクシュアルマイノリティである主人公の日常を、その姉が丁寧に撮影しながら制作された日本のドキュメンタリー映画の上映と、監督の中川あゆみさん、主人公のリョウさんをお迎えしてトークを開催。
■12月11日(土)開場18:30/開映19:00
→詳細はこちら。

「ジャンジさんに聞く!パフォーマンスとHIV/AIDS」
女性のドラァグ・クイーンとして数々のパフォーマンスや映画等に出演し、新宿二丁目のcommunity center aktaでHIV/AIDSに関する活動をしているマダムボンジュール・ジャンジさんをゲストに迎え、Ronとakaboshiがパフォーマンスの秘密とHIV/AIDSの現状について直撃トーク!
■12月18日(土)13:30開場/14:00開始
パフスペースにて。
→詳細はこちら。
パフ★シネマ●『ココデナイドコカ』監督と打ち合わせをしました。上映は12月11日(土)19時~パフスペースにて

■映画『ココデナイドコカ』とは今日は、パフ★シネマで12月11日(土)に上映する『ココデナイドコカ』監督の中川あゆみさんと打ち合わせを新宿で行いました。
この企画を提案してくださった方と3人で気付けば1時間45分も喋っていたという(笑)。中川さんは、テレビの世界でずっとノンフィクションの制作に携わって来られた方なのですが、自主制作という形で映画を作ったのは初めてということ。試写用のDVDを観させていただいているのですが、当事者的感覚では結構、感覚的に「ずし~ん」とした余韻に浸りたくなる映画です。
言葉で直截的に語られている以上の、映像ならではの表現の豊かさに溢れた多義的な映像が満載の映画でもあります。ぜひぜひ、この機会に御覧になってみてくださいね。当日のゲストには、中川監督と、映画の主人公であるリョウさんも来てくださいます。映画の後日談等も今日、チラッと伺ったのですが「えっ!」と思うような変化が起きており、現実に「今」を生きている人を描くドキュメンタリーの面白さを、ますます感じました。
トークで新鮮さを保っておきたいということもあり、今日は自分として「いちばん聞きたいこと」は言わず。当日まで取っておこうと思います。パフスペース独特の和やかな雰囲気の中、トークの方もお客さんを交えて盛り上がりそうですので、ぜひお楽しみに。
パフ★シネマ『ココデナイドコカ』上映会
2010年12月11日(土)開場18:30/開映19:00
会費:1200円 ※予約は不要。お気軽にお越しください。
会場:パフスペース
http://www.pafspace.com/
…東京メトロ東西線早稲田駅下車、馬場下口(2or3b)より2分。
馬場下町交差点を文学部の方向(左)に曲がり3軒目のビル。
ドコモショップ横の階段を上がり3階。
■地図はこちら。
http://www.pafspace.com/riyou/riyou-3.html
TEL&FAX:03-5991-6117(浜田)

同棲していた恋人との別れ、ファッションデザイナーを夢見ての卒業制作と就職、母との確執、新しい恋人との出会いと別れ、ゲイパレードやクラブイベントなど、日常の出来事の中で揺れる主人公を1年に渡って追った。
今の日本社会の中で、セクシュアル・マイノリティの若者が、どんな葛藤を抱えて生きているのか考えるきっかけになる作品。
2010年 64分(日本)日本語
監督:中川あゆみ
【予告編】http://www.youtube.com/watch?v=GHs9mjUJyKc&feature=player_embedded
■上映歴:2010年
7月4日 福岡アジア映画祭
8月8日 東京@Cafe★Lavanderia(カフェ ラバンデリア)
9月11日 関西クイア映画祭
10月10日 香川レインボー映画祭
■監督:中川あゆみさんプロフィール
主人公リョウの実姉。弟のカミングアウトを機にカメラを回し始め、進学のために上京して以来、疎遠になっていた弟のことを理解しようと、作品にまとめた。普段はテレビのドキュメンタリーを中心に制作。旅するロマの家族楽団、中国の農民芸人や移動養蜂家など、社会からはみ出して生きざるを得ない人たちを主に追いかけてきた。
受賞歴:宇宙船地球号「奇跡の海 オホーツク」科学映像技術祭文部科学大臣賞、NHKハイビジョン特集「天山蜜に挑む」ATPドキュメンタリー部門優秀賞。
■上映後トーク出演
中川あゆみ監督、リョウさん
司会:akaboshi→FC2 同性愛 Blog Ranking

「ジャンジさんに聞く!パフォーマンスとHIV/AIDS」
女性のドラァグ・クイーンとして数々のパフォーマンスや映画等に出演し、新宿二丁目のcommunity center aktaでHIV/AIDSに関する活動をしているマダムボンジュール・ジャンジさんをゲストに迎え、Ronとakaboshiがパフォーマンスの秘密とHIV/AIDSの現状について直撃トーク!
■12月18日(土)13:30開場/14:00開始
パフスペースにて。
→詳細はこちら。