メディアと性的マイノリティ09●TV視聴者として想定されてないセクマイ

2010年10月17日(日)に開催されたメディアと性的マイノリティについて考えるディスカッション。(主催:dislocate。会場:「3331 Arts Chiyoda」)
前回に続いてakaboshiによる「インターネットと性的マイノリティ」に関する分析です。ブログ→mixi→Twitterと新たな個人発信メディアが出現するたび、性的マイノリティの生活には多大な変化が促されていると僕は思っています。しかしテレビは・・・。
09●TV視聴者として想定されてないセクマイ
パネリスト
伊藤悟さん(すこたんソーシャルサービス)/三橋順子さん(女装家・性社会史研究者)/akaboshi(島田暁/ブログ「フツーに生きてるGAYの日常」)
■メディアと性的マイノリティ~「ジェンダーとセクシュアリティの媒介」PLAYLIST
★こちらの記事からの続きになります。

その後、インターネットでブログもYouTubeも続けているんですが、尾辻さんの選挙の頃からmixiがネット上でブームになり始め、SNSと言われる会員制のサイトでして、閉じられた世界ではありますが、自分の個人情報をある程度登録した上で、ブログよりも更に、どういう背景の人が書いているかをお互いが知り合いながら交流するというのが始まっており、そこの内部では結構、セクシュアルマイノリティの人たちが自分のプロフィールのトップ画像に写真を載せて顔を出しているということが、かなり頻繁に行われているというのを目にするようになります。
まだその頃は僕も自分の顔を出すというのは躊躇してまして、たまに、こっそり出している程度だったんですけれども、mixiを使い始めて、その仲間達とお互いに顔を出し合っていたり、まぁイラストの方とかも居ますけれども、自分達が性的マイノリティとして感じている色々な感性をそこで濃密に言葉としてインターネット上に載っけるという経験が出来ていって。ブログよりも閉じられているからこそ語れることがあると思って活用していたんですが。
Twitterが最近出来始めて、mixiで、その面白さに気付いたセクシュアル・マイノリティの人たち、しかも、顔を出すことに躊躇がなくなって、mixiで免疫が出来た人たちが、Twitterにそのまんまmixiのプロフィール画像を、わりと顔を平気で出して最近載せ始めているな、という風に思っています。

僕はマスメディアとの付き合いというのは今まであまり無いんですけれども、インターネットを使っているユーザーとして、そこの中に映像を載っけたり、わりとインターネットを頻繁に覗いていることが毎日、癖づいているものとしては、2004年あたりからのインターネットによる個人発信ツールの普及によって、それはセクシュアル・マイノリティでなくてもそうなのかもしれませんが、特にセクシュアル・マイノリティにとっては、個人が「自分がこう感じている。自分がこう暮らしている。パートナーとこういうことを感じていて、今こういうことが日本で足りないよね」ということを発信したり、そういう社会的なことを発信しなくても、自分の日記を「レズビアンです」「ゲイです」「トランスジェンダーです」「バイセクシュアルです」と名乗りながら出すということに、本人達がどんどん楽になっていて。
それは個人単位の交流ではあるけれども実際に、性的マイノリティではない人たちも友達として、どんどん個人が発信しているメディアに読者として付いてますので、ジワジワジワジワ、インターネットが普及する以前よりも水面下で、「セクシュアル・マイノリティって世の中に当たり前に居て、こういう人のブログ、私読んでるわよ~」っていう人が世の中にいっぱい居る状況になってると思います。

特に、90年代に伊藤さんが出演した番組に付けられたタイトルですとか、タイトルに限らず、出演者に例えば、はるな愛さんとかマツコ・デラックスさんとかが出ていたとしても、それを見ている人が、いわゆる異性愛者しか居ない、ヘテロ・セクシュアル、シスジェンダーしか、いわゆる性的マイノリティではない人たちしか見て居ないという前提で、「この人たち変わってるよね~あはは」って笑ってるという状況がず~っと放送されている段階だと思うんです。
そこがインターネットとの違いになってるというか。インターネットの個人が発信しているメディアでは、性的マイノリティと、性的マイノリティが友達に居る人たちの世界観の中では当然、読んでいる人たちの中には性的マイノリティが「居る」という前提の言葉が交わされているんですよ。そこばっかりを見ていて、たま~にテレビを見ると、「なんて時代遅れな」という風に感じることが多いですね。
今日、後半のクロストークでもその辺が浮かび上がるかと思うのですが、僕は、前に比べるとテレビに接触する時間が減って来ていると自分でも感じるのですが、自分はやっぱり、「自分が居ないものとされている空気」には、出来れば触れたくないなと。インターネットで自分が好んで覗きに行くところでは、自分は「居ることになっている」という、当たり前の空気が吸えるという感じで発信して、人の情報も得ています。→FC2 同性愛 Blog Ranking

セクシュアルマイノリティである主人公の日常を、その姉が丁寧に撮影しながら制作された日本のドキュメンタリー映画の上映と、監督の中川あゆみさん、主人公のリョウさんをお迎えしてトークを開催。
■12月11日(土)開場18:30/開映19:00
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「ジャンジさんに聞く!パフォーマンスとHIV/AIDS」
女性のドラァグ・クイーンとして数々のパフォーマンスや映画等に出演し、新宿二丁目のcommunity center aktaでHIV/AIDSに関する活動をしているマダムボンジュール・ジャンジさんをゲストに迎え、Ronとakaboshiがパフォーマンスの秘密とHIV/AIDSの現状について直撃トーク!
■12月18日(土)13:30開場/14:00開始
パフスペースにて。
→詳細はこちら。
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