やっぱ愛ダホ!89●今はまだ、バリアがないと生きていけません。会社や世間の中でバリアを解くことは、自殺行為なんです。

だんだん辺りが暗くなり始める中、『Break the Barrier!!』メッセージの読み上げは続くわけですが、バリアを突破した経験談を書く人がいる一方で、以下のようなメッセージをくださる方もいました。(青森県の社会人・愛浬さん)
前向きなメッセージを明るく発することも大切ですが、そればかりがアクティビズムの「やるべきこと」ではないはず。僕は常々そういう問題意識を持ってこのブログを書いたり「やっぱ愛ダホ!」に関わったりしているので、特にこの言葉には、ハッとさせられました。「今はまだ、バリアがないと生きていけません。会社や世間の中でバリアを解くことは、自殺行為なんです。私は、私が生きやすくするために、きっとこれから先もバリアをはり続けるでしょう。」
14●今はまだ、バリアがないと生きていけません。
■「やっぱ愛ダホ!2010」新宿アクション PLAYLIST
■「やっぱ愛ダホ!Idaho-net」
★ユタカ(埼玉県/大学生)
レズビアンなんて、誰もわかってくれない、だったら一人で生きよう。
誰も信じない、バリアを張って生きてた大学生活。
「家族」のテーマの講義がつらくて、授業中泣きだした。
その足で、信頼していた先生の研究室に駆け込み、また泣いた。
今となっては良い思い出。
そう思えるくらいに、友人へのカミングアウトで少しずつバリアが壊れてきた私に、先生からのメッセージ。
「セクシュアリティで差別されない社会は作れる。あなたがそうしてあなたらしく、生きていることが一番の証明だよ」
そうだ、私がもっと胸を張って生きていこう。
そしてセクシュアリティのバリアを自分から壊していけばいいんだ。
堂々と生きよう!
社会のバリアなんかに私は負けない!
自分が張っていた全部のバリアが壊れた瞬間。
次に壊すのは社会のバリアだ、待ってろよ!!
★うめろう(大阪/会社員)
自分が同性を好きになることに悩んでいた時期、異性愛者に対して壁を感じていました。でも、自分にも揺らぎがあること、異性愛者だと思える人にも揺らぎがあることについて知った時に、自分の中にあった他人との壁がなくなりました。同じ人間である限り、理解し合える可能性があると信じています。
★豊(千葉県/学生)
僕がカミングアウトする時、それは嫌われるためだった。僕はあなたが期待するような人間じゃない、と思い知らせるためだった。
でもあなたは僕のことを嫌わなかった。男でも女でもない僕を愛してくれた。
僕はもう籠の中の鳥じゃない。外はなんて自由なんだ。
ありがとう。僕は幸せです。
★愛浬(青森/たまご社会人)
今はまだ、バリアがないと生きていけません。
会社や世間の中でバリアを解くことは、自殺行為なんです。
私は、私が生きやすくするために、きっとこれから先もバリアをはり続けるでしょう。
★RAIN(東京都/大学生)
私は、自分が同性愛者だということを誰にもカミングアウトできていません。つまり、バリアが張られた状態です。いつか、カミングアウトできるようになりたい。そう思いながら今を生きています。
★まいと(名古屋 / 夢クリエイター)
『募る思い』
どうして分かってもらえないんだろう?
どうして気づいてもらえないんだろう?
どうしてが交錯して、
実は自分が分かろうとしていなかった。
でもほんとは気づいてたんだよね?
だからほんの少し前にでてみるんだ。
自分と向き合い受け入れるために。
★のぞみ(東京/会社員)
『生きよう!』
自分のセクシュアリティに気づいたとき、死ぬしかないと思った。
生きていてはいけない存在だと思った。だが、自殺は未遂に終わった。
生きていていいんだ、そう思えるまでに10年かかった。
今このとき、命を絶とうとしている仲間がいる。
「生きているつらさ」「死んで楽になりたい気持ち」
ひとりで抱え込まないでほしい。
一緒に考えよう。生きのびる方法を。
一緒に悩もう。心の重荷を軽くするために。
独りじゃない、そう思える社会にしよう。
★あんぬ
初めてカミングアウトした友達と、去年の5月17日、新宿で会いました。
初めてバリアをはずせた大切な人です。
1年経った今。そんな友達がいてくれるから、私は「レズビアンでいていいんだ」という自信が持てます。 ありがとう。ずっと大好きだよ
★綾
『マイノリティーでいい』
私はマイノリティーのままでいい
トランスの誇りを持って生活したい
ジェンダーフリーの実現を目指して
★アキト(名古屋の外大生)
自分の性を自覚してから人を信じられなくなった
僕がFTXの中性だって分かったら皆に嫌われると思ったから
「気持ち悪い」、この単語が嫌で僕は人を信じなくなった
これが僕の一種のバリア
だけど、たった一人だけ
僕の性を知っても受け入れてくれる子がいた
僕のバリアにひびが入った
無条件に彼女を信じることができるようになった
僕のバリアはまだまだ消えないけど
いつか受け入れられるとき
僕のバリアはすべて消えるんだ
★あつひろ(埼玉/デッカイ高校の3年生)
家で、学校で、プライベートで、
いつどんな時も、自分を偽ってしまわなきゃいけない状況が嫌だった。
偽ってしまう自分が嫌いだった。
そんな時、君が言ってくれたね。
「ゲイだって、別に嫌いになんねーょ!気にすんな!」
って・・・
「自分に自信を持て!それだけで変われるはず!」
って・・・
だから、俺は、
学校でカミングアウトすることが出来たんだ。
君がいてくれたから、君に会えたから、
俺は、勇気を振り絞ってカミングアウトした。
「お前はお前。ゲイだろうがそれは変わらない」
って、言ってくれる生徒も出てきてくれて、
カミングアウトして良かったって思う。
陰口してる人もいるけれど、
君がいるから、俺は、耐えられる。
だって、
君は、いつでも、どんな時でも、
助けてくれるから。
ありがとう。
★翔子(高円寺/共生ネット)
ご通行中のみなさん!
セクシュアル・マイノリティと呼ばれている人を知っていますか?
知らない?
では、レズビアンって知っていますか?そうです。私がレズビアンです。
あ、今、引いちゃったあなた、それがあなたの『バリア』なのかな?
レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・インターセックス・アセクシュアル・クウェスチョニング・・・・、色んな人たちがいるけれど、まずは隣の誰かの生き方を受け入れることから始めよう。Break the Barrier!
バリアは待っていても壊れない。
★のぶーしく(東京、大学教員)
愛を説いているキリスト教会で、よく考えもせずにLGBTIが断罪されたり排除されたりすることがあります。日本では小さな問題かも知れませんが、それを変えて行きたいです。
★ミツワ(東京都)
すべてのバリアは実は自分自信の中にある。
そしてすべての差別や偏見は差別する側のココロの中のバリアがあるからだ。
目に見えない心の気持ちのバリアフリーがすすんでいければいいよね!

『Break the Barrier!!トークwith上川あやさん』
6月19日(土)19時パフスペースで開催。
今年の「やっぱ愛ダホ!」アクションを振り返り、世田谷区議会議員でトランスジェンダー当事者でもある上川あやさんと『Break the Barrier!!』をテーマにトーク。地域でアクションを開催した主催者(一部)のビデオコメントも上映。詳細はこちらをご覧ください。→FC2 同性愛 Blog Ranking
ゲイ嫌いの少年を養子にとったゲイ・カップルを描く『パトリックは1.5歳』、EUフィルムデーズ2010にて6/17(木)15:00、6/19(土)16:00上映

この映画、昨年(2009年)の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映されたときに観たのですが、同性愛者に対する偏見をバリバリに持った少年を、手違いで養子として引き取らざるを得なくなったゲイ・カップルの悲喜こもごもがコメディタッチで描かれていて、印象深い作品でした。(→当時の記事はこちら。)
中でも面白かったのは、ゲイ・カップルが養子を取るまでの審査の過程が描かれていたところ。スウェーデンでは最近、同性同士のカップルが養子をとって子育てをするケースが増えてきているようなのですが、ちゃんと子育て環境が整っているかどうか、役所からの厳正な審査を受ける必要があるのです。そのために緊張する様子が描かれていて「なるほど~。そういう現象も発生するのかぁ~」と思いました。

…こうやって思い出して書いていたら、また観たくてしょうがなくなってきました(笑)。上映は6/17(木)15:00と、6/19(土)16:00の2回。
フィルムセンターといえば普段は昔の日本映画を上映しているので1950年代~70年代頃の日本映画が大好きな僕としては通いまくっているところなのですが、まさかあのスクリーンで海外のゲイ映画が観られるだなんて思わなかったのでうれしいです。この貴重な機会にもう一度、観返してみようと思います。→FC2 同性愛 Blog Ranking