東京国際レズビアン&ゲイ映画祭27●上映作品発表&チケット発売開始。僕の注目は、MtFトランスジェンダーが主人公の『悔やむ人たち』

●第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2010
今年も2カ所で開催されるとのことで、新宿バルト9では7月9日(金)~11日(日)、青山のスパイラルホールでは15日(木)~19日(祝)の合計8日間で、全15プログラムが上映されます。
海外や国内からトークゲストもたくさん来場するようですよ。初日はオープニング・ナイトと題して『大変!息子がゲイなんて!』と『シングルマン』の両作品でトークがありますし、スパイラルホールでも(数えたところ)8回もトークの予定が書き込まれてます。これは楽しみ!
プログラムを見て僕が第一印象で惹かれたのは、スウェーデン映画『悔やむ人たち』。MTFトランスジェンダーの2人が向かい合って互いの半生を語り始めるらしいのですが「意外にも後悔の念ばかり」というところが、ものすご~く気になる~。そこに作品としての「ひねり」がありそう(笑)。
実は僕、一昨年、昨年と全作品を制覇している「レズビアン&ゲイ映画祭フリーク」でして(爆)、今年もなんとか都合をやりくりして出来るだけ多くの作品を見て刺激をたっぷり受けようと思ってます。
普段「性的少数者」(マイノリティ)と言い表されることが多いわけですし、「やっぱ少数者だよなぁ」と感じることの多い日常を過ごしているわけですが、映画祭のロビーや会場内では「マイノリティ性」から解放されて、おもいっきり深いところから呼吸が出来るような気がするんですね。
毎年この映画祭のお客さんとしてはセクシュアリティやジェンダーを問わず様々な人々が来場しているわけですが、「性の多様性はあたりまえのこと」という前提が、ちゃんと共有されている空間なんです。それだけでもすごく元気をもらえます。
僕にとっては欠かせない年中行事。今年もパワー充填させてもらいます!→FC2 同性愛 Blog Ranking
やっぱ愛ダホ!92●Break the Barrier!!トーク 千葉アクション報告●同性愛者は異性愛者に間違われて不快?そしてその逆は?

6月19日(土)にパフスペースで開催された『Break the Barrier!!トーク』の模様を本日より紹介します。まずは、船橋アクション呼びかけ人の池田季美枝さんと東小雪さんが登場。5月16日(日)の新宿駅東南口と、17日(月)の船橋駅前での両アクションに参加して感じた「違い」などについて語り合いました。街の人や参加者間の交流の中で、意外な発見がたくさんあったようですよ。
01●聖書では同性愛を否定してるけど!?
02●同性愛者は異性愛者に間違われて不快?
■「やっぱ愛ダホ!2010」新宿アクション PLAYLIST
■「やっぱ愛ダホ!Idaho-net」
来年の東京近郊アクションは開催箇所が増えそうな気配。うまく開催時間をずらして本当に、各地を行脚できたりすると面白いかもしれませんね。
さて次回は上川あやさん登場。石坂わたるさん、遠藤まめたさんと共に『Break the Barrier!!』をテーマに語り合ったのですが、いろいろと率直に語ってくださって実りあるものになりました。ご期待ください。→FC2 同性愛 Blog Ranking
セクマイ系★今週のテレビチェック0625-0702●「松嶋×町山未公開映画を観るTV」で『OUTRAGE』紹介/イン・アメリカで「同性愛者の家族問題」放送/『VS嵐』にオネエタレント一挙出演

●2010/06/25 23:30~24:30 松嶋×町山未公開映画を観るTV(TOKYO MX)
OUTRAGE(前編)
・・・日本未公開の海外ドキュメンタリー映画を厳選して紹介する番組。作品の選択は米在住の映画評論家で現代アメリカを語る第一人者である町山智浩氏。そして、MC兼視聴者代表として松嶋尚美が作品を観て率直な感想を述べていきます。(あらすじ)ゲイでありながらそのことを隠し、さらにゲイの権利を求める法案に反対票すら投じる「クローゼット議員」たちを追ったドキュメンタリー作品。「クローゼット議員」の同性愛遍歴を赤裸々に暴いていることでも、本国アメリカで話題を集めた。
【出演】松嶋尚美(オセロ),町山智浩
●2010/07/02 23:30~24:30 松嶋×町山未公開映画を観るTV(TOKYO MX)
OUTRAGE(後編)
★番組ホームページ
★第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭上映時の紹介ページ
★第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(←今年のページ)

●2010/06/26 21:00~22:00 イン・アメリカ:同性愛者の家族問題(CNNj)
●2010/06/28 04:00~05:00 イン・アメリカ:同性愛者の家族問題(CNNj)
・・・アメリカ社会に深く関わる倫理問題を取り上げるシリーズ「イン・アメリカ」。 今回は、子供を望む同性愛カップルが抱える苦悩を取り上げます。卵子提供や代理母のために財産をつぎこむも相次ぐ法廷闘争に巻き込まれるある同性愛者のカップル。これまで医学も法律も彼らの希望を叶えることはできませんでした。
番組では、ある男性の同性愛カップルに密着し彼らが、生物学的にも法律的にも認められた子供を持ち、家族を築くために奮闘する姿を追います。

●2010/07/01 19:00~19:57 VS嵐(フジテレビ)
今回のゲストはオネエが勢ぞろい!?「IKKOチーム」!どんな女子よりテンション高い!?
・・・今回のゲストはIKKO率いるオネエ軍団「IKKOチーム」が登場!濃すぎるキャラとテンションの高さに、嵐のプラスワンゲストの石原さとみも戸惑いを隠せない! キャラは本物の女子よりも女の子!でも体力は男子!?崖を上りながらポイントとなるボタンを押していく「クリフクライム」の勝負は嵐とどっちがポイントを稼げるか!?嵐チームは相葉雅紀と松本潤がクライマーに挑戦。制限時間120秒以内に1人ずつうまく時間を使ってバトンタッチするのだが、最初に登った相葉が時間を使いすぎて、松本がキレる!? 「ピンボールランナー」では、最初のランナーは嵐の大野智。司令台には石原と松本、二宮和也の3人。対する「IKKOチーム」のランナーはクリス松村が挑戦。司令台にはIKKO、真島茂樹、KABA.ちゃんが。3人は一生懸命司令を出すものの、「その場所で待ってても(ボールが)落ちてこないじゃない!!」と松村が怒る! 「ジャイアントクラッシュ」ではIKKOが松本を追いかけてスタジオを駆け回る!?
【出演】嵐(大野智・櫻井翔・相葉雅紀・二宮和也・松本潤) 【プラスワンゲスト】 石原さとみ 【「IKKO」チーム】IKKO 真島茂樹 マロン クリス松村 KABA.ちゃん 広海・深海 【天の声】伊藤利尋(フジテレビアナウンサー)

●2010/06/27 09:00~09:45 日曜美術館「レンピッカ 時代を挑発した女」(NHK教育)
・・・美輪明宏が、20世紀初頭に一世を風靡した女性画家レンピッカを語る。最先端の時代の寵児だった画家が、やがて時代から忘れ去られていく悲劇、芸術の真理とは何かを問う。
1920年代のパリで、官能的でありながら同時にクールでりりしい新時代の女性たちを描き、一躍脚光を浴びた女性画家、タマラ・ド・レンピッカ。美ぼうと才能を武器に、自ら成功を勝ち取って行くが、時代の急激な変化とともに絵は見放され、世間から忘れ去られていった。時代に執着し、時代に裏切られた女性画家の真実を見つめる。実は晩年、画家として人々の記憶から消えたレンピッカが、不可思議な絵を描いていた。
【ゲスト】美輪明宏,【司会】姜尚中,中條誠子
【ニューハーフ役(ミン=阿部力)出演中】
●2010/06/28 21:00~21:54 月の恋人 Moon Lovers #07(フジテレビ)
・・・蓮介(木村拓哉)はレゴリスから去ることを決意する。心配する真絵美(篠原涼子)と柚月(北川景子)だったが、蓮介はみんなの前から姿を消してしまう。
自社モデルとのスキャンダル、製品の事故…。そして、上海工場の不当労働までもが表面化することで『レゴリス』社長、葉月蓮介(木村拓哉)は窮地に立たされる。しかも、側近の蔡風見(松田翔太)はライバル会社『マストポール』の社長、大貫照源(長塚京三)と裏で手を結び、『レゴリス』幹部も味方につけ、蓮介を失脚させようとしていたのだ。蓮介が風見の思惑に気づいた時は、もはや手遅れだった。 風見は手はずどおり、定例会議で蓮介の解任動議を提案。反対する幹部はなく、新社長に風見が推挙される。抵抗するかに思われた蓮介だが、取締役会に諮られるまでもなく、あっさりと社長の座を退き、心配する二宮真絵美(篠原涼子)に礼を述べて会社から去って行った。 社長就任挨拶で、風見は『マストポール』との提携を発表。パーティーの席で、真絵美はリュウ・シュウメイ(リン・チーリン)の居場所を風見に問うのだが、知らないと答える風見。また、真絵美は自分に接近したのも、蓮介を陥れるためかと問い詰める。すると、風見はそれを否定し『レゴリス』に残って欲しいと真絵美に頼んだ。 社長を解任されて以来、蓮介の行方は分からなくなる。シュウメイも姿を見せない。父、照源の汚い手口でいなくなってしまったと、柚月(北川景子)はある行動に出る。そして、真絵美も蓮介の行方を求めて…。
【出演】木村拓哉 篠原涼子 リン・チーリン 松田翔太 北川景子 渡辺いっけい 濱田岳 水上剣星 西山茉希 満島ひかり 中村ゆり 阿部力 長塚京三 ほか

●2010/06/19 19:56~20:54 タンブリング 第10話(TBS)
・・・日蔭のスポーツと思われている男子新体操を通じて成長していく部員達の姿を、それぞれが抱える問題を絡めながら涙と笑いで綴る。
赤羽のもとに向かった航。どんなに熱くなれたスポーツでも友情を選んだ。みんなが試合に出られるように自分が犠牲になるという思いも込めて・・・。航がきっかけで新体操を始めた亮介・日暮里。期限付きで入部を許した悠太たち新体操部。気が付けば皆ひとつの目標に向かって突っ走っていた。残された新体操部たちは「全員での出場」を果たせずに試合に出てしまうのか…?
【出演】山本裕典 瀬戸康史 三浦翔平 大東俊介 西島隆弘 冨浦智嗣 柳下大 賀来賢人 タモト清嵐 国仲涼子 AKIRA 大塚寧々
●セクマイを正しく理解する週間3●TBSドラマ「タンブリング」のゲイ描写
【マツコ・デラックス】
●2010/06/28 17:00~18:00 5時に夢中!(TOKYO MX)
●2010/06/28 19:00~19:54 もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!(テレビ朝日)
●2010/06/28 24:55~25:20 フジ算(フジテレビ)
●2010/06/29 24:55~25:20 フジ算(フジテレビ)
●2010/06/30 23:00~23:30 グータンヌーボ(フジテレビ)
●2010/06/30 23:45~24:20 爆!爆!爆笑問題(TBS)
●2010/06/30 24:55~25:20 フジ算(フジテレビ)
●2010/07/01 25:55~26:10 マツコの部屋(フジテレビ)
●2010/07/02 19:00~20:54 うわっ!ダマされた大賞2010(日本テレビ)
【はるな愛】
●2010/06/26 15:30~16:54 愛と怒りの激白SP こんな男やめちゃいな クズメン撲滅委員会!(TBS)
●2010/06/27 19:00~20:54 逃走中2010~日本昔話~(フジテレビ)
●2010/06/28 22:00~23:24 祝!ゴールデン進出!!爆笑モジりでフトンをふっ飛ばせ!!大フットンダSP(日本テレビ)
●2010/06/30 19:00~19:54 ナニコレ珍百景(テレビ朝日)
●2010/06/30 20:00~21:54 かわいい*グランプリ(テレビ東京)
●2010/07/01 08:00~10:25 スッキリ!!(日本テレビ)
●2010/07/01 22:00~23:09 ひみつの嵐ちゃん!(TBS)
【假屋崎省吾】
●2010/06/25 21:00~21:54 中居正広の金曜日のスマたちへ(TBS)
●2010/06/26 19:00~20:54 土曜スペシャル「思わず一句!涼を呼ぶニッポン原風景の旅」(テレビ東京)
●2010/07/01 22:00~22:30 小林麻耶の本に会いたい ゲスト:假屋崎省吾(華道家)(BSジャパン)
・・・本棚につまっているその人の「人生」。 著名人を訪ね、その人柄や考え方、意外な素顔に小林麻耶が迫ります。
今回のゲストは華道家の假屋崎省吾さん。花が咲き乱れる豪邸の本棚には、園芸書のほかに、建築や料理など、ビジュアル的な本が多く並びます。その中から、「美の原点」となった本から、両親からの影響を受けた本、そして人生に最も影響を与えた本まで、色々なことを吸収しながら自分の「美学」を作りだす、假屋崎さんの素顔に迫ります。
【ピーコ】
●2010/06/26 21:30~22:00 にっぽん巡礼~あなたの心に響く場所~「今帰仁城跡」(NHK h)
●2010/06/28 12:00~12:30 にっぽん巡礼~あなたの心に響く場所~「今帰仁城跡」(NHK h)
●2010/07/01 23:45~24:15 にっぽん巡礼~あなたの心に響く場所~「今帰仁城跡」(NHK BS2)
・・・ファッション評論家ピーコさんが沖縄の古城址・今帰仁グスクに通いつづけて10年。700年前に築かれた石垣は、人間の野心やおごりを見てきた。だから人を包むという。
【司会】阿川佐和子,風見しんご,【ゲスト】宮崎学,ピーコ
【マロン】
●2010/06/28 27:00~27:30 デイリーキッチン #111 カリフラワーとひよこ豆のサブジ他(TwellV)
●2010/07/01 19:00~19:57 VS嵐(フジテレビ)
【ピーター】
●2010/06/25 05:35~06:00 愛の劇場~男と女はトメラレナイ~「心中天網島」(NHK教育)
●2010/06/29 09:30~10:00 美 in Cafe(TOKYO MX)
【おすぎ】
●2010/06/27 20:30~21:00 おすぎのシネバラ!#150(チャンネルNECO)
●2010/06/30 12:00~13:00 笑っていいとも!(フジテレビ)
【IKKO】
●2010/07/01 19:00~19:57 VS嵐(フジテレビ)
●2010/07/01 22:00~22:54 ダウンタウンDX(日本テレビ)
【KABA.ちゃん】
●2010/06/25 26:53~28:23 気になる通販ランキング!ポシュレデパート深夜店(日本テレビ)
●2010/07/01 19:00~19:57 VS嵐(フジテレビ)
【前田健】
●2010/06/26 18:00~18:30 土曜時代劇 まっつぐ~鎌倉河岸捕物控~(8)「金座襲撃」(NHK h)
●2010/06/26 19:30~20:00 土曜時代劇 まっつぐ~鎌倉河岸捕物控~(8)「金座襲撃」(NHK総合)
【クリス松村】
●2010/06/30 19:00~19:57 クイズ!ヘキサゴンII(フジテレビ)
●2010/07/01 19:00~19:57 VS嵐(フジテレビ)
【広海・深海】
●2010/07/01 19:00~19:57 VS嵐(フジテレビ)
【小椋ケンイチ】
●2010/06/25 24:00~24:30 アイコレJ(BSジャパン)
【ニューハーフ】
●2010/06/26 26:00~28:00 チャンネル北野 NEO #5(フジテレビNEXT)
「ニューイヤー・ニューハーフ・ ハーフマラソン2000」
解説 野沢トオル 実況 峰剛一 収録 光が丘公園

・・・アメリカで大人気のファブ・ファイブ(「クールな5人組」)がライフに帰ってきた。インテリアデザイナー、ファッションの達人、シェフ、 美のカリスマ、そして音楽やポップカルチャーなどあらゆる知的なものに関わる「知性のコンシェルジェ」。そして・・・5人全員が才能豊かなゲイ!彼らは世界中の悩めるブサイクな男性たちに変身のチャンスを与えようと決意する。
★FOXプラス公式ページ→クィア・アイ
→FC2 同性愛 Blog Ranking
9月20日(祝)『Shintoku空想の森映画祭』で「セクシャルマイノリティDAY」初開催●『苺とチョコレート』『一緒ネ!』『プリカちゃん』そして新作『しみじみと歩いてる』上映

9月に北海道の新得というところで開催される『Shintoku空想の森映画祭』で、9月20日(祝)に初の試みとして「セクシャルマイノリティDAY」が設けられることになり、制作中のドキュメンタリー映画『しみじみと歩いてる』を上映していただけることになりました!
★映画祭公式サイト・プログラム発表

結構勇気も必要だったでしょうし、交渉には大変なエネルギーを費やしただろうと想像されます。その行動力には本当に脱帽!そして、発表の機会を与えてくださったことに感謝です!
映画祭は9月18日(土)からさまざまな作品が上映され、19日(日)には『先住民DAY』、そして20日(祝)には『セクシャルマイノリティDAY』というテーマ別の上映が行われるとのことで、企画者のポリシーを感じさせる映画祭ですね。

実は2006年の第1回開催から昨年まで、大阪に通って関西レインボーパレードに関係している人たちの変化を撮り貯めながら編集を進めてきていたわけですが、ここにきて急に「まとめの時期」に入ってきたんですよ。「自分がなにを描き出したいのか」が形になりはじめました。

「セクシャルマイノリティDAY」はレインボーマーチ札幌の翌日に行われることになりますので掛け持ちも可能です。もし9月の連休に札幌行きを計画されている方はぜひ、せっかくですから翌日までの延長をご検討くださると嬉しいです!→FC2 同性愛 Blog Ranking
たかがテレビ075●「ゲイ」をアウティングさせたり自殺させたり・・・。主役を引き立てるために他の役の描き方が杜撰で安易すぎる『素直になれなくて』がもたらす弊害

こちらの記事でも触れましたが前回の第9話では、「リンダ」(玉山鉄二)が、ナカジ(瑛太)への恋心を抑えきれずに頬ずりしているところを見られたショックで自殺未遂を図り、ナカジがそれを発見して「さぁどうなる?」というところで終わったのですが。
たぶん自殺未遂ということで終わるんじゃないかと期待してたんですよ。なぜなら「リンダ」を演じる玉山鉄二氏が、おそらくドラマ収録期間中に行われたと思われる『ザ・テレビジョン』でのインタビューで「自分に対する罪悪感が強いリンダが壊れていくさまや、それを修復してまた5人でうまくやっていけるのかに注目してください」と語っており、暗に「5人の関係は修復していくのではないか?」と期待させていたから。
それに、有名な脚本家の北川悦吏子さんともあろう人が、ドラマティックに盛り上げて視聴率を稼ぎたいからと、2010年の東京での若者風俗を描く際に旧来のパターンどおりにゲイに「不幸」のイメージを着せ、安易に殺したりなんかしないだろうなぁとも思っていたからです。脚本家というのはドラマの登場人物を生かしも殺しもできる「神様」のような人ですからねぇ。ところが・・・。
僕が考えていた中でも最悪の展開に行ってしまいましたよ、6月17日に放送された第10話では。
リンダは救急病院に運び込まれた後、意識を回復してTwitter仲間からの見舞いを受けたりして次第に元気になっていきます。Twitter仲間たちは順番にリンダに付き添うわけですが、ハル(上野樹里)と二人きりの時にリンダは「ナカジが今回のことで自分のことを責めるだろうけどサポートしてあげて」といった感じで、ナカジのことを思うがあまりに恋敵にエールを送るわけですね。(二人は本心ではナカジを好いているという意味で恋敵なんです。)
愛してる割には割り切りが早いというか、菩薩のような人格というか、腐女子が喜びそうな非現実的な人物設定というか・・・(ありえねぇ~!と心が叫びながら見てしまいましたよ。爆)
その時点ではハルは、その言葉の真意を知らないわけですが。★このあたりの人物描写の不可思議さについては、ブログ『Lの世界:Laraララが一番☆』さんの「セクマイとドラマ」というコラムでも触れられています。『ラストフレンズ』などにも鋭く言及されています。
その後、第9話で放送された場面でリンダから相談を受けており、リンダがゲイであることを知っていた唯一の人物「ピーち」(関めぐみ)からハル(上野樹里)は、「リンダはナカジのことを『そういう意味で』好き」だから自殺未遂したのだという事実を聞かされます。
ちょっと待った!これってつまりアウティングじゃないですかぁ~っ!!。本人の同意を得ずに、第三者に「○○は同性愛者である」と告げてしまうことを「アウティング」と言いまして、それをすることは「とても無神経な振る舞いである」と感じる当事者が多いのですよ。したがって、この場面が無邪気に放送されていること自体、かなり問題があるなぁと思いました。
しかも。
このままリンダは回復するのかと思いきや、ナカジ(瑛太)が付き添う日になっていきなり容態が急変。死を悟ったリンダは、ナカジの手を握りながら「(自殺未遂した後に)泣いてくれてありがとう、嬉しかったぁ~」と満面の笑みを浮かべながら告げ、どう反応していいかうろたえて引いてしまっているナカジの驚愕の表情を見ながら死んでいきます。(けなげすぎる。そして残酷すぎる・・・)
またしてもリンダからの求愛を受け止めきれず「どうしていいのかわからなかった」ナカジは、屋上で一人泣くわけですが、事情を知っているハル(上野樹里)はそんなナカジの傍に行き、泣いている背中に手を当てて一緒の時を過ごします。
実はハルは本心ではナカジが好きなのにも関わらず、韓国人である「ドクター」(パク・ソンス)と付き合っており、教員採用試験の失敗などもあって憂さを晴らしたいからか、「ドクター」と一緒に韓国に行くことを決めます。それを知ったナカジ(瑛太)は本心では行って欲しくないと思っているわけですが、ドラマのタイトルどおり「素直になれなくて」思いを言葉に出来ません。
そんな頃。
亡くなったリンダが死ぬまで大切に握り締めていたというiPhoneを、リンダの母親がナカジに渡しに来ます。リンダが病床でTwitter仲間それぞれにメッセージを打っており、未送信のまま残っていたので「皆さんで見て欲しい」とのこと。ナカジ宛には、以下のようなメッセージが遺されていました。
この言葉に感化されたナカジは空港まで一目散に走り、韓国に飛び立とうとゲートをくぐろうとしているハルに向かって「好きだ!」と告げるのでした・・・。ナカジへ。
俺はナカジが好きだ。あんなことをしてしまったけど、あの時、ナカジが俺のために泣いてくれた。幸せだったよ。ナカジはやさしいから、先回りして人のことを考えてしまうところがあるけど、自分の気持ちに正直に生きて欲しい。人を傷つけることを恐れるな。自分が傷つくことを恐れるな。ナカジ。勇気を出して。本当に大切なものと、ちゃんと向き合ってくれ。
このドラマは基本的に、ハル(上野樹里)とナカジ(瑛太)が好き合っているのに、いろいろ他人に気を使いすぎて「素直に向き合っていない」ことから巻き起こる擦れ違いやトラブルを描き出しており、自分に素直にならないことが結果的に、いかに他者と自分を傷つけてしまうのかを描きたいようです。
こういうテーマを教訓として若年層に届けたいという脚本家やプロデューサー、演出家らの志(?)はたしかに「立派」なのかもしれませんが、テーマの中心軸を描き出すために、その周辺に置かれている(主人公以外の)人物設定や描き方が、あまりにも乱雑すぎる点がものすごく気になります。つまり「杜撰」なのですね。特に、このドラマで玉山鉄二氏が演じた「リンダ」役の設定や生活環境、振る舞いなどを見ていると「これは本当に現在の東京に暮らすゲイの姿なのか?」と疑いたくなります。
そもそも、iPhoneを使ってTwitterを使いこなすほどのネット・ヘビーユーザーなのにも関わらず、同性への恋心に気付いたときにインターネットで「ゲイ検索」などをしてコミュニティ系・出会い系などの情報に触れたりしている形跡がまったく描かれていないこと自体が、とても「非現実的」なことのように思えます。都会生活者、しかも雑誌編集者という情報を扱う職業柄、他のゲイやゲイに関する情報には触れやすい環境なのではないかと想定されます。そういった人物が、明らかに「ノンケ」だとわかっている相手に対して、ここまで熱狂的に執着してしまうということ自体も、なんだか「旧時代的に」思えてしまいます。(あくまでも僕の場合ですが、相手が「ノンケ」だと知った途端に思いが冷めていった経験が複数回あります。)
このドラマは思春期の中・高生あたりが視聴者層としてのターゲットの中心なのでしょうし、その頃の年代というのは、こういうテーマに非常に敏感に感情的に同化します。そういった影響力のあるドラマにおいて、このように「ゲイをアウティングすること」を無邪気に行ってしまう場面が放送されたり、旧時代的でナンセンスにも思える人物設定のままのゲイ描写が行われて不幸でなおかつ崇高な(非現実的な)イメージが増幅されてしまったことは・・・「弊害」だったのではないかという意見を、僕は表明する立場を取ろうと思います。
なによりも解せないのは、物語も登場人物たちも、リンダが何故、自殺に追いやられたのかの「真の原因の深さ」については無頓着なままだったこと。「ゲイで生まれ付いたら不幸」→「死んでもしょうがない」というイメージの再生産は、もう要らないんじゃないでしょうか?
ゲイが「素直になる=死」の悲劇性を思いこみで強調した挙句、お涙頂戴で視聴率稼ぐなんて、冗談じゃないですよ!マジでっ!→FC2 同性愛 Blog Ranking