ヌード狂時代 / S指定

しかしある時、テレビ局社長の暴力から、キャスターの旦那の方が後頭部を打ち付けて意識不明になってしまい、スキャンダルを恐れた社長は、そっくりな俳優を見つけてきて代役させることにしたのですが・・・。キャスターとしての「代役」は務められても、「ゲイ」としての代役は務められるのか!?というところで終了。なんと(意識不明になった)キャスターの旦那は、テレビ局社長の息子と恋人同士だったという設定なので、いやがおうにも今後の展開が気になります。
今日の上映は「第一話のみ」しかやらない企画だったので続きが気になってしょうがないわけですが、lalaTVに入会しないと見れないらしいです。まあでも、こんな設定があっけらかんと放送されているコロンビアのテレビ事情が伺い知れたので楽しかったです。
そしてそのあと、タイトルに惹かれて何の気なしに見た『ヌード狂時代 / S指定』がすっごく良かった!。かつて、フェミニズムが台頭してきた時代と並行してスペインでは女性の裸が「S指定」の枠の中で映画表現において解禁され、「ポルノブーム」が起こったらしいのですが、その時代に「ポルノ映画のアイドル」として一世を風靡した3人組の女優の、それぞれの人生を描いた半生記。
貧しい時代を共有しながらも、次第にライバル心を抱き合った3人は、芸能界の大物をゲットして、のし上がるために争ったり。その戦線から離脱して、ドラッグに溺れてしまったり。大物の妻の座をゲットしても、ちっとも心は満たされなかったり。「うまく行く人生」という到達点には、なかなか辿り着くことができません。

スペイン社会の中で「女性」が置かれ続けてきた時代環境が浮かび上がると同時に、人が「生き抜く」ということの凄みと哀切と滑稽が、圧倒的な強度を伴って迫ってきました。そして、「ポルノ」という差別感情に曝されがちな職業で生きた彼女たちの「過去」を、本人たちがリスペクトする心情を描き出した場面がとにかく美しかった。
この映画、僕にとって、一生忘れられないくらいの名作の一本になりました。こうした映画祭でしか見ることが出来ないという現実が、本当にもったいないです。志のある配給会社の方、ぜひ買い取って劇場公開してください!→FC2 同性愛 Blog Ranking
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