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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2009-07
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LGBT可視化に向けて082●ゲイジャパンニュース、日本総研に対しLGBTダイバーシティ・ワークショップ実施

 これはあくまでも僕の考え方ですが。

 たとえどんなに可視化が進んだとしても。セクシュアル・マイノリティが世の中で「少数派」として扱われる現実は、そうは変わらないだろうと思っています。多数派原理で「ストレートな男」「ストレートな女」が基本とされる体制は、なにせ生殖の面でもスムーズに行くわけですから、そうは簡単に変わりはしないだろうと。

 また、たとえどんなに可視化が進んだとしても。思春期に「周りの大多数の人たちと自分は違うかも」と感じて悩むセクマイ的な若者が、完全にいなくなることはないでしょう。「可視化を進めて誰も悩まない世の中に」だとか「セクシュアリティはグラデーションだから、みんながセクシュアルマイノリティなんだと言えるのだ。つまり我々はマイノリティではない」とか、理論上で語るのは簡単ですが・・・。僕には、言葉遊びのように思えてなりません。

 それよりも、やはり「周囲から浮きがちな人が出やすいのだ」という現実認識を持ち、「悩みを抱え込む人が出た場合、サポート体制をどう築いておくのか」を考える方が現実に即した活動ではないかと思うのです。つまり、「マイノリティである」という認識を捨て去るのは、被りやすい不利益を覆い隠してしまうという意味で、逆に危険なことではないかと思っています。

 社会が多数派原理で動きやすいということは、否定できない現実。そのことによって、少数派がどんな不利益を被りやすいのかを整理して把握しておくこと。そして、その不均衡を、どう「社会の課題として」意識して改善するべく働きかけていけるのかが、今の日本の「セクシュアル・マイノリティ」の社会的な課題の解決において、問われているのだと思います。

 「マイノリティ性」というのは、必ずしも否定されるべきものではありません。「マイノリティ的な感性」を持っているからこそ持つことのできる、独自の視点があるかもしれません。そういった側面を肯定的に捉え返し、例えばビジネスの現場などで生かしていく方法があるかもしれない。そういう観点から行われたアピールをご紹介します。当ブログと相互リンクしているGAY JAPAN NEWSからのニュースリリースです。

ゲイジャパンニュース、日本総研に対しLGBTダイバーシティ・ワークショップ実施

 ゲイジャパンニュース(以下、GJN)は8日、三井住友フィナンシャルグループのシンクタンクである日本総合研究所の総合研究部門(以下、日本総研)に対して、LGBTダイバーシティ・ワークショップを実施した。講師には、ゲイジャパンニューススタッフの他、世田谷区議会議員の上川あや氏が参加した。

 今回GJNが実施したLGBTダイバーシティ・ワークショップは、企業に対し、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的マイノリティに関する理解を深め、従業員、顧客、取引先、株主や地域社会など企業と関わりのあるステークホルダー(利害関係者)における多様性を尊重する企業倫理や経営を実践してもらうことが目的。

 海外では、これらの取り組みが企業の社会的責任(CSR)として認識され、リスクや危機管理の観点にとどまらず、企業価値向上に繋がるとして多くの企業で実践されている。上川あや議員は、「性的少数者と人権」というテーマで講演。自らの生い立ちとともに、多様性の問題は「マイノリティ」と呼ばれる人に限らず、すべての人に関係のある問題であるということや、日本のLGBTが置かれている現状などを説明した。

 LGBTダイバーシティ・ワークショップに参加した日本総研の山田正孝主任研究員は、「昨年よりLGBTと企業の関わりについて調査・研究を進めているが、当事者の方々による講演の受講によって、LGBTの方々がおかれている正確な現状を鮮烈に感じることができた。

 このような活動を通じた性的マイノリティに対する理解の向上は、LGBT社員の職場環境の良化に留まらず、将来的には更なる相互認識を高めることで企業活動のパフォーマンス向上を促すものと認識している。閉鎖的な日本の社会において、積極的に活動されている講師の方々に敬意を表すると共に、我々としてもシンクタンクとしての活動を通じ、LGBTの方々と企業の相互理解を深めることに貢献できればと考えている」と話した。

 ゲイジャパンニュースでは、企業や団体のLGBTに関する取り組みを積極的に支援している。LGBTを含むすべての人が尊重され、機会が平等に保障される社会の実現に向け、LGBTダイバーシティ・プログラムの他、世界各国のLGBTに関するニュース配信、チャリティ・イベントの開催、国内外のLGBT団体との連絡や、国連の人権機関へのNGOレポートの提出などを行っている。

日本総研
世田谷区議会議員 上川あや
ゲイジャパンニュース

 日本総研といえば大手のシンクタンク。企業のあり方や社会の仕組みが、これからどのような方向に進むべきかの指針を、さまざまな調査・研究を行うことで発信している、企業体にとってのオピニオン・リーダー的な組織です。今後、具体的にはどのような動きが各企業の職場で出てくるのか。注目です。FC2 同性愛 Blog Ranking
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ボーイズ・ラブを読んでみる03●男二人のおいしい生活を、アートとして提示する漫画



 現在発売中の「モーニング」の表紙を、よしながふみさんの漫画『きのう何食べた?』のゲイカップルが飾ってるのですが。それを見て思い出しました。「そういえば2巻を買ったけどまだ読んでなかったっけ。」

 家に帰って読みました。・・・あ~なんか。気持ちが落ち着く~。

『きのう何食べた? 2 』

 料理を作るのが好きな弁護士をしている男と、美容師をしている男。2人の日常生活の何気ない描写を積み重ねることで描き出される世界観は、まるで「フツーに生きてるGAYの日常」そのもの。どっかのブログよりも至極真っ当に「フツー」なまま(笑)、ゲイカップルの日常生活を飾らないタッチで描き出している名作漫画です。

 些細なすれ違いや、仕事上のちょっとしたトラブルなど、彼らの生活の中ではふと「さざ波」が立つわけですが、そのたびに主人公は無心になって料理を作ることで、リセットしているかのよう。料理が生活にリズムを生みだし、その繰り返しをこなしていくことが「生活」なのだ。そんな風に感じさせてくれる描写が続きます。

 正直、料理にはあまり詳しくない僕は、レシピが細かく書き込まれているページは飛ばして読んでいるのですが(笑)、料理の過程を非常に細かくディテールまで書き込むという熱の込め方と、それを「男が男のために作っている」ということを特別視せず、ありふれた光景として描き出す姿勢は素晴らしいと思いますし、特にそういった料理の場面にこそ、作者の頑固一徹さを感じます。

 BL読者が期待しそうな「エロス」な場面は、あえて封じているのも、こだわりなのでしょう。したがってこの漫画を「BL」と分類すること自体、意見がわかれそうではありますが、「ラブ」を描き出すにはいろんな表現方法があっていいと思いますし、そもそも「ジャンル」などというものは厳密に区分けできるものでもないです。したがって、言葉上での細かいことは気にする必要なし!というのが僕のスタンスでございます。(人の数だけ分類法もある。そんな風に思いますから。)

『きのう何食べた? 1』

 あくまでもソフトにやわらかいスタイルで、主義や「答え」を読者に押し付けるのではなく、世界のありようを批評しながら鏡のように提示する。だから読者はそこから、さまざまな想像力の翼を広げることができる。そういう意味ではこの漫画、「アート」なんだと思います。FC2 同性愛 Blog Ranking

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