スウェーデン大使館主催の同性婚セミナー、尾辻かな子さんらの出演で7月20日に開催

5月に、世界の国では7番目に同性婚が可能になったスウェーデン。(ゲイジャパンニュースのこちらの記事参照)。なんと、そのスウェーデンの大使館が主催で7月20日に、同性婚に関するセミナーが開催されるという情報をキャッチしました!。日本からは尾辻かな子さんが出演。そして、スウェーデンのみならずアメリカ大使館やオランダの元国会議員、そして国際人権団体HUMAN RIGHTS WATCHの方も出席するようですよ。これで入場無料って・・・太っ腹(笑)
ところで。7月20日といえば東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で『同性愛とテレビジョン』が上映される日っ!。でも大丈夫。レインボーリール・コンペティションの開始時刻は16時35分からなので、ギリギリ間に合いますよ~。東京メトロの六本木一丁目から表参道は15分位で移動できるようですから。(調べました。つまりこの強行軍をやるつもり。)
ってなわけで、7月20日(祝)のスケジュールは、これで決まりっ!(←強引。爆)
このセミナーの会場は、あまり大きなところではないそうですので確実にご覧になりたい方は是非メール予約を。7月20日開催セミナー
『スウェーデン、同性婚に ”宣誓” 』
世界で7番目の国として、スウェーデンは今年の5月1日から性別にとらわれない婚姻制度を受け入れました。スウェーデン大使館では、人々に等しく開かれたこの新しい制度に焦点を当て、スウェーデン、日本、オランダ、アメリカからゲストを迎えてセミナーを開催致します。
この新しい制度はなぜ実現できたのでしょうか?各国では成立までにどのような経緯があったのでしょうか?賛成と反対、それぞれの意見はどのようなものでしょうか? 講演を聞いて、考えてみませんか?ご質問も大歓迎です。 ぜひご参加下さい!
●講演者:
マッティン・アンドレアソン氏 元スウェーデン国会議員
尾辻かな子氏 元大阪府議会議員
アントニー・トランキーナ氏 米国大使館 二等書記官 副領事
ボーリス・ディトリッヒ氏 元オランダ国会議員
ヒューマン・ライツ・ウォッチ所属弁護士
●日時: 2009年7月20日(月・祝)13:00-16:00
●内容: プレゼンテーション、パネルトーク、Q&A
●場所: スウェーデン大使館 東京都港区六本木1-10-3-100
●使用言語: 日本語、英語 同時通訳あり
●事前登録: お名前・ご所属・ご連絡先を下記アドレスまでお送り下さい。
doseikon.tokyo@foreign.ministry.se
*お席には限りがございます。
●お問合わせ:
担当・佐々木 doseikon.tokyo@foreign.ministry.se
03-5562-5066/5050
入場無料
スウェーデン大使館ウェブサイトでの告知はこちら。
●主催:スウェーデン大使館
●協力:オランダ王国大使館 米国大使館 スウェーデン文化交流協会
そして。御存知でしたか?6月は「ゲイ・プライド月間」だったということもあってか、この1か月の間だけでもあちこちでたくさんの変化が起きているんです!
アメリカで・・・
■5月31日・・・ネバダ州下院、同性カップルに権利認める法案を再可決(CNN)
■6月1日・・・クリントン国務長官、ゲイ・レズビアンの権利を認める(アメリカ大使館サイト)
■6月3日・・・ニューハンプシャー州、同性結婚合法化法案が成立(CNN)
■6月9日・・・アメリカン・アイドル準優勝A・ランバート、「僕は同性愛者」(ロイター)
■6月18日・・・同性愛の政府職員パートナーの手当を拡充、オバマ大統領(AFP)
■6月29日・・・オバマ大統領が同性愛月間に賛同、差別撤廃に尽力表明(CNN)
インドでも・・・
■6月28日・・・同性愛行為に禁固10年のインド、見直しを法相が示唆(AFP)
アイルランドでも・・・
■6月26日・・・同性愛カップルに法的権利 アイルランド(47ニュース)
中国でも・・・
■6月13日・・・中国で初の同性愛祭り…米国女性2人が主導(中央日報)
なんか最近やたらと新聞の国際面やネットニュースで「同性婚」だの「同性愛」だの見かけるなぁとは思ってましたが、こうやって並べてみると圧巻・・・!。特にアメリカでは、オバマ大統領に変わったことによる変化が、どんどん目に見える形で出てきていることがわかりますね。昨年の11月に行った、あの勝利演説は口先だけじゃなかったというわけで。
まさに「有言実行」じゃないっすか!これからさらにどんな波及効果が生じるのか期待大。そして日本がその波に本格的に混ざるのは、果たしていつ!?→FC2 同性愛 Blog Ranking
akaboshiコラム018●たかがトイレ、されどトイレ

6月26日(金)の「関西クィア映画祭が東京にやってくる!」上映会は、高田馬場にあるMediRという市民メディアの発信基地のようなスペースで開催されました。初めて行ったのですが、早稲田の趣のある閑静な住宅街の中に、溶け込むようにして存在していました。

上映場所の広さとしては、パフスペースの半分くらいなので30人も入ればいっぱいという感じなのですが、今日の観客はちょうど定員いっぱいという感じで、順調な集客ぶりは健在。映画は短編が3本上映されました。
1本目に上映された『何でも聞いてみよう』は、2008年の神戸LGBTIQプライドマーチのアフター上映会でも観たことがあったのでこれで2回目。6歳と9歳と12歳の女の子たち3人が主人公で、彼女たちの「叔父にあたる人が叔母さんにトランスする」という事実を、どういう風に受け止めて行くのかを彼女たちの「本音トーク」を収録することで描きだした作品。

3姉妹の両親も登場し、娘たちがどのように受け止めて行くのかを親の視点から分析して語る場面も見せながら、子どもの成長物語としても感じられる作りになっています。しかしこの映画、肝心の「トランスした叔母さん本人」を、なかなか登場させません。
映画も後半になって、3姉妹がトランスした叔母さんに会いに行く場面で、ようやく登場したわけですが・・・叔母さん本人をアップで映しだすわけでもなし。3姉妹を追いかけていた画面の中に叔母さんは「映り込んでいる」という映し方なのです。あくまでもカメラの目線は「3姉妹側」に徹底して寄り添い続けていました。そして、普通だったら撮りたくなるだろう、トランスした叔母さんへのインタビューなども全く行わないというところに、この映画の制作者のこだわりを感じました。
「トランス当事者の声」をあえて封じ、「周囲の反応」によって描き出すことに徹したわけです。そのことによって、観客の想像力には翼が与えられました。

ちなみに僕は外出先や公共施設で「男性用トイレに入る」という行為に違和を感じたことがないのですが、それが実は「当たり前のことではないのだ」ということに向き合わされました。
「トランス」のように性別違和を感じたり、見た目がはっきりと「男」「女」と断定され得ないタイプの人にとっては、外出すれば何度も行かざるを得ないトイレに行くたびに、身の危険や恥ずかしさを感じている場合が多いのです。そして実際、トイレに行くことを我慢する頻度が高くなり、膀胱や内臓機能が病んでいるケースが多いというデータも示されていました。また、トイレでの行為について語ることが「タブー」とされていることが、不利益を被っている人たちが声を上げにくい一因になっているのではないかという指摘も、なされていました。
上映後のトークでは、この映画が発端となって議論が噴出。「宿泊のあるイベント」において風呂や宿泊部屋、更衣室などが「男」「女」と分けられている場合、トランス的であり、なおかつ一人一人が様々に違う人たちにどのように主催側が対応すべきなのか。議論は収拾がつかず、途中で堂々巡りにもなっていましたが、結論がなかなか出ない分、実はこれって、かなり「面白いテーマ」なのではないかとも気付きました。

本番のパフナイトでのトークでは、そのへんの話が全く出なかったわけですが・・・ということは、次回以降のトークのテーマとして、なかなか面白いんじゃないかなぁとも思いました。
たかがトイレ。されどトイレ。トイレとの付き合い方を仔細に見つめてみることで、一人一人の違いだとか、「世界の有り様」が炙り出されても来るんです。これは発見でした。→FC2 同性愛 Blog Ranking
akaboshiコラム017●光ばっかり夢見ていると、焦るばかりで疲弊する

先日のパフナイトに続いて「関西クィア映画祭が東京にやってくる!」の上映会が6月24日(水)に新宿2丁目であったので観てきたのですが・・・これまた大入り満員!。それどころか、1回の上映では人が入り切れずに21時30分から急きょ2回目の上映をやることにまでなってました。
海外の「インディペンデント系」のドキュメンタリー作品が観られる機会って、東京ではこれまで少なかったわけで。こういう機会が「求められていた」のではないかとさえ思います。

ニューヨークの白人ゲイたちがクリストファーストリートの公園に「ハッテンスポット」を作って盛大に楽しんでいた同時代に、レズビアンの居場所なんて無かったこと。有色人種の居場所もなかったこと。そしてエイズ危機後、ようやくその公園に来る人たちが多様化してきた矢先に、警察からの取り締まりが厳しくなりフェンスで囲われて封鎖されてしまったこと。
メインストリームのメインストリーム側による「プロパガンダ」的な意味合いを含んだ歴史ばかりを見ていては、いつの間にか過大に幻想が膨らんで現実をありのままに見る目が曇ってしまいます。したがって、こういう映画を見て現実をシビアに捉え返してみることって、視点を健全に保つためには必要不可欠だと思いました。

要するに大資本の食い物にされているという側面もあるわけです。しかも「白人ゲイ」たちが中心ターゲット&消費者となって。そうした動きは、たしかに「可視化」のためには役立っていたとしても、経済的な「格差の拡大」だとか、貧しい者、持たざる者たちの側から見れば「格差の可視化」に貢献しているという風にも見えてくるようなのです。かえって劣等感を味合わされたり、不全感を強める人々が出てしまうということにも目を向ける必要があります。
NYのパレードの初期、まだ商業化されていない頃に参加していたというレズビアンの方がカメラに向かって、「今のパレードには、私にとってのプライドはない」と語っていたのが印象的でした。
こういう情報に触れると。「アメリカがあの規模でパレードが出来ているのだから、日本でもいつか、そうなるべきだ」と考えることが・・・いかに短絡的で浅はかな発想かがわかります。国も違えば文化も違う。社会構造も言語の使い方も違う。違うのに、ついつい「同じになろうとしている」ということの不思議。そして、「影の側面」を知らないが故の無邪気さ・・・。
いいかげん、僕はそういった幻想からは醒めてますが、醒めてない人は辛いんじゃないかなぁと思います。だって「理想」って、過大に高邁に抱き過ぎると、それに届かない自分の現実に焦ってばかりになりますから。本人の健康のためにも、程々にするべきだと思います。

アメリカのLGBTムーブメントでの尖った末端の「生の声」が記録され、映されているスクリーンを見つめながら・・・。やっぱり「あの国」と「この国」の社会状況には大きな差があると思いますし、どちらが良くてどちらが悪いとか、どちらが進んでてどちらが遅れているかなどと、単純に語れるものではないなぁと思いました。僕はあくまでも「日本の現実」の中で地に足を付けながら、規模は大きくなくてもいいから自分の身の丈にあった「楽しいこと」を、やっていきたいです。
そして、あんなふうに尖らなくてもいい=「尖る必要のない」日本社会で生きていて良かったとも思いました。→FC2 同性愛 Blog Ranking
パフナイト131●「男子であること 胸があること」満員御礼で終了!

6月21日(日)に開催された半年ぶりのパフナイト「男子であること 胸があること」ですが、60名以上の参加で大盛況のうちに終了しました。(今回YouTube公開はありません。→イベント概要はこちら。)
この人数だとパフスペースって、はっきりいって「ぎゅうぎゅう」になってしまうんです。しかも雨上がりで湿気が多く、暑苦しい陽気だったということもあって、映画の上映中に気分が悪くなる人が出てしまったり。予想外の客入りの多さに運営側が対処し切れなかった面もありました。でも、翔子さんを始め、臨機応変に対応してサポートして下さった方が居たおかげで、なんとか事故にはならずに済みました。本当にありがとうございました。
90分間の上映後、休憩を取って空気を入れ替えてから、「アフタートーク」という形で遠藤まめた君(パフナイトスタッフ)、名古屋から参加のフレイザー真実さん、こうちゃん(パフナイトスタッフ)の3者で1時間ほど喋るつもりが、トークは白熱し、会場からもどんどん発言者が出て、あっという間に終了予定時刻に。このまま終わらせるのはもったいないので急遽、スペースのレンタル時間を1時間延長し、結果的に2時間以上みっちりとノンストップで語り合うことになりました。帰りたい観客は勝手に途中退席してもらいながら。
観客層としては、トランスについての映画だからトランス当事者に偏るかといえばそうでもなく、多種多様な人々が程よく同居して、「ごった煮感」がある様子が嬉しかったです。世代的にも幅広かったし、いい感じに混ざり合っていました。
そして、これこそ最も嬉しかったことなのですが、パネリストと観客の間に独特の「一体感」が生まれ、何か言いたくなったら観客が簡単にトークに「割り込むことができる」という、パフナイト独自のスタイルは相変わらず健在でした。「やる側」と「見る側」が対等なんですよ。しかも、それが「狙ったわけでもないのに」実現できているって、どういうことよ(笑)。

あの親密な雰囲気が実現できる原因は・・・。
きっと、パフスペースの床がフローリングであり、皆が「靴を脱いで床に座っているから」というのも、大きいのではないかと思います。靴を脱ぐと、人はリラックス出来るんだと思うんですよね。
個人的には、今回で観るのが2回目だった映画『男子であること』の、ほとんどの場面で語られていることについて、割とすんなりと「付いて行けるようになった」ことがうれしかったです。今回は消化不良にはなりませんでした。
そして、「あと数回は観ることが出来るかも」という位に、何度も見たくなる麻薬性を秘めた映画なのだということにも気が付きました。なかなかに刺激的であり、共感するところも反発するところも、やっぱり「わからない」と思う所もたくさん発見できる、いい意味での「他者」として屹立してくれる映画です。
だからこそ、その後のトークでは多くの人が、そこで得た刺激を元に「自分」について語りたくなる。そして、それだけでは飽き足らずに他人の「感じ方」について、興味を持つようになるのです。

きっと話は決して尽きないですよ。だって一人一人、各人各様に「トランス的」であることへの立ち位置や見解、感じ方、受け止め方は人生経験によって違うわけですから。それらを語り合うことって、世の中の摩訶不思議さとか人間存在というものの底知れぬ面白さを、えぐり出すことに繋がると思います。そして、一人の人の中でもどんどん変化し続けることでしょう。だから面白い。
今後はたとえば、トランス当事者でない人が、「トランス」について語ってみたっていいし。いかようにも組み合わせが考えられるし、アプローチの仕方が発明出来る、すごく面白いテーマなんですね。
今回、そのことを発見しました。「セクマイという窓」から世界を見ることって、やっぱり面白いですよ、ええ。これはやっぱり、やめられませんなぁ~(爆)。→FC2 同性愛 Blog Ranking
たかがテレビ070●NHK衛星第一で同性結婚問題アメリカレポート放送

→番組ホームページ
リポートする人が同じなので先日の「海外ネットワーク」と内容は似ているかもしれませんが、今回の方が放送時間が長そうなので、より詳しい内容が放送される可能性があります。→FC2 同性愛 Blog Ranking同性結婚の法制化で揺れるアメリカ
同性どうしの結婚を法的に認めるかどうか。今、アメリカでは州レベルで認定するケースが相次いでいる。去年10月以降だけでも5つの州で法制化。保守的と言われる中西部でも初めてアイオワ州が認定に踏み切り、現在ニューヨークでも州議会の審議が続けられている。キリスト教右派はこれまで同性婚に強硬に反対してきたが、若い世代には同性婚に対する拒否反応が少ないという傾向も近年出始めている。アメリカで一貫して議論されてきた同性婚の是非をめぐる議論に変化が起きているのか。最前線からの報告。
出演:渡辺靖(慶應義塾大学教授)
久米井彩子(アメリカ総局記者)*リポート