フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2009-03
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LGBTの紙媒体★掲載チェック28●AERAに橋口亮輔さんのインタビュー掲載。

 松任谷由実さん(ユーミン)が表紙の今週の『AERA』(4/6号)ですが、「現代の肖像」というインタビューコーナーに、オープンリー・ゲイの映画監督・橋口亮輔さんが登場しています。5ページにわたって、かなり赤裸々に本音を吐露しているので「ここまで詳細に書かれて大丈夫なの?」と心配してしまいたくなるほどの内容。取材者の伊東武彦さんとの信頼関係が築けた上での掲載なのでしょう。「プロの仕事人同士」の、真剣勝負の緊張感が誌面から滲み出ています。

 橋口さんと言えば、昨年公開されてロングラン上映となった映画『ぐるりのこと。』が昨年末の映画祭・賞レースにおいて『おくりびと』と争ったわけですが、その件に関して、以下のような発言をしています。

 「結局、テレビ局がついた、わかりやすい映画に賞は行くんだな、と。本木雅弘さんも、主演男優賞はリリーさんだな、と言っていた。選考委員の半数が授賞式に欠席した映画祭もありました。人が命がけで作った映画を評価する責任を感じているなら、そんなことはできないはずなのに。」

 僕はまだ『ぐるりのこと。』しか見ていないのですが、静かな描写の中に狂気に近いまでの「生への渇望」が詰まっていて、心を抉られたし真の意味での希望も与えられた、近年まれに見る大傑作だと思っています。(こんな陳腐な言葉でしか表現できないことが腹立たしくなるくらいの名画。)だから、それを遥かに凌ぐ大量の受賞を果たした『おくりびと』とは、さぞや大名作なのだろうと期待していたのですが・・・。

 橋口氏は取材記者の前で、「絶対に勝つ映画を作りたかった」と言って、むせび泣いたそうです。何に勝ちたかったのかは明確に語ってはいませんが、映画界に巣食う「悪しき商業主義」とか、「形だけの賞レース」の腐敗構造に対してなのかもしれません。それだけ全てを賭けて臨んだ映画制作だったのでしょう。あの映画、並大抵の「心の血」の流し方では作れないものでしょうから、その無念たるや相当なものだと思います。あの華やかな賞レースの裏では、実作者たちによってそうした本音が交わされてもいたのですね。

橋口亮輔「ぐるりのこと。」●MOVIEレビュー

★「ぐるりのこと。」のDVDが発売されました。

『ぐるりのこと。』 [DVD] 

★橋口監督の初期の短編を集めたDVDも発売されています。

「映画監督・橋口亮輔 自主映画。」 

 記事では他にも、橋口監督が自らを「ゲイだ」と感じたきっかけについて。そのことによって、体で感じた他人の拒絶について。そして、ゲイである自分を受け入れることの出来た友人の振る舞いについても触れられてます。彼はすごく傷ついてきた人なんだとわかります。

 そして、ゲイであることに向き合った形での映画表現を生み出すに至るまでの精神の軌跡。両親との一筋縄では行かない関係。近年のうつ病などについても、細かく触れられています。橋口監督が自身の出自について、これほど細かく語っているものを、僕は初めて読みました。

 なにより、取材者が橋口氏についての「綺麗ごと」や「都合のいいこと」のみを書くにとどまらず、実際に接して感じた橋口氏の光と影、強い面と弱い面までをも含めて立体的に、色濃く浮かび上がらせているので本当の意味で惹き込まれます。「人間を描く」ということはつまり、こういうことなんだと教えられるような記事です。ぜひ、ご覧になってみてください。お勧めです。

 ところで記事の中では、橋口氏が次回以降の作品についての構想も語っているのですが、生前の淀川長治氏に薦められたという2つの原作を挙げています。三島由紀夫『禁色』。そして鶴屋南北の『桜姫東文章』。

 『禁色』は、三島由紀夫が作家活動の初期に書いた、男性同性愛者が主人公の自伝的な内容を含んだ作品として、三島の本質を知る上で、また、日本の同性愛表現の歴史を語る上では『仮面の告白』と並んで位置づけられる重要な作品だと僕は思います。そして『桜姫東文章』は、歌舞伎の演目として有名なのですが、男・女の性別を越境したり、時空を超えたりする主人公の大冒険譚。アナーキーな南北の魅力あふれる面白い作品です。それにしても、この2作を薦めるなんて、淀川先生も教養豊かでサスガです。(いいものを若いうちにたくさん観て、知りなさいとよく言ってましたからね。)個人的には・・・橋口さんにはぜひぜひ『禁色』に取り組んでほしい!と切に願います。(なにを隠そう、僕は筋金入りの三島マニアだから。爆)

 ところでこの記事の終わり。橋口さんは深刻な発言ばかりではなく、こんなことも言っています。

「でもね、最近、思うんです。映画で賞を獲るよりも、マッチョになって一生に一度くらいモテたいなぁって」。

 それを受けた取材者が慌てて(?)、「もちろん、橋口がこの世に生きるよすがは映画しかない。」と、優等生っぽく結んでいるのが笑えました。

 もちろん、どちらもユーモア表現なのだとわかった上で、あえて言わせてもらいますが。べつにいいじゃないですか!三島みたいに肉体を改造することで、新たな身体感覚から新たな表現が生み出されるかもしれないですし。やっぱ、三島が晩年に必死になって肉体改造したのは、「モテたいから」だったんじゃないかと思うんですよねぇ~。身体が変わって初めて感じる「何か」もあるはずっ!見えてくる「世界」もあるはずっ!橋口さん、ぜひマッチョに!FC2 同性愛 Blog Ranking
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前田健さんの小説「それでも花は咲いていく」は、読みだしたら止まらない。

 2005年より、ゲイであることを公言しながらタレント活動を続けている前田健さん。テレビでは松浦亜弥さんの物真似でブレイクしたわけですが、このたび。初めて小説を出版したという情報をネットニュースで知りました。

 『それでも花は咲いていく』というタイトルがまず素敵だなぁと思ったし、「いろんなセクシュアル・マイノリティ」を扱った短編集というコンセプトも気になります。そして、「理解されずとも認識を」と本人が呼びかけているというところに、最近の僕の問題意識と共通のものを感じ、ものすごく共鳴できる感覚を持ったので、さっそく本屋で探してみました。

 見つけたとき。装丁にも心惹かれました。明るさの押しつけでもなく、暗さの強調でもなく、柔らかくも固くもなく。そのどれとも取れるように、多義的な印象をもたらすことを計算したかのような繊細さに、世界観や思想性が滲み出ているような気がしたからです。帯の部分には、次のような言葉が記されていました。

神様―。 僕は病気ですか?
僕はゴミのように 燃えてなくなれば いいですか?

たとえ人は変態と言おうが、
それでも花は咲いていくのだ。
九つの花に託された九人の人間、
それぞれの衝撃的な性的魂の行方とは!?

 目次をめくると、花の名前が記されています。エーデルワイス、ダリア、ヒヤシンス、デイジー、ミモザ、リリー、パンジー、カーネーション、サンフラワー。さらに裏表紙には、このような言葉も。

ロリコン、
ニンフォマニア、
二次元コンプレックス、
マザコン、
ホモセクシャル、
アセクシャル、
マゾ、
老け専・・・・・・。
自分自身に正直であるが故に、
さまざまな哀しい
出来ごとに遭遇する彼ら。
しかし、たとえどんなことがあっても、
どんな目にあっても、花は咲き、
そして、いったん枯れようが、
それでも花は咲き続けていく。
その姿は、この上なく美しい。
人がいくら変態と言おうとも。

 ・・・もう、これは「買い」でしょう!。迷うことなくレジに持って行きましたよ。そんでもってファミレスでドリンクバー頼んで読み始めてみたら止まんなくなってしまって、一気に9編すべてを読んでしまいました。2時間近く居座って。すっごく面白いんですもん。心のいろんなところが抉られたし、掻き回されました。主人公たちの「弱さ」が人間っぽくて愛おしくなり、放っておけなくなるんです。だから途中で本を綴じられなかったのかもしれません。

 文章のあちこちから垣間見られる人間観察力・洞察力の細かさと深さには圧倒されますし、しかもそれが、わりと平易でわかりやすい文体を貫きながら表現されているんです。つまりエンターテインメントとして成立させながらも、ちゃんと内容が深いんです。相当本気で書いたはずですよ、これ。きちんと推敲されてますし無駄がないです。びっくりしました。

 個人的には、ラストの「サンフラワー」に出てくる、ゲイのボクサーの生き様に、力づけられるものがありました。なんだか前田健さんの「人生の決意表明」のようにも感じられました。彼はこの小説を書くために、ちゃんと何度も血を流したんだろうと思います。心の血を。あちこちから鮮血が流れ出してます、この本。→★前田健『それでも花は咲いていく』



PLAYBACK!前田健さん関連記事
2006年5月
 ●前田健さん、TBS「ズバリ言うわよ!」でTV内カミングアウト
 ●たかがテレビ027●TBS「ズバリ言うわよ!」での「前田健カミングアウト・ショー」詳細
2007年1月
 ●フツーに語ろう同性愛001●前田健さんの「ゲイ語り」のサバケっぷり
2007年6月
 ●フツーに語ろう同性愛002●前田健さんが「芸恋リアル」で同性デートをするらしい。
 ●フツーに語ろう同性愛003●ゲイがフツーに登場した「芸恋リアル」



 よく、「テレビでは相変わらずおネエタレントしか見かけない」と決まり文句のように語られたりしますが、そんな風に単純に語っていれば済むような時代は過去のものになりました。セクマイ公言タレントたちは皆、独自の方法論で切り拓いていると思いますし、中でも前田健さんのメディアでの露出方法や活動には、独自の「気骨」を感じます。もっともっと活躍を期待したいですし、今回の本を読んだことで、小説家としての次回作も本当に楽しみになりました。

 ちゃんとした感想は、また改めて書こうと思います。とりあえず「すごくいい本が出てますよ」と、とにかく知らせたかったんです。皆さんもぜひ読んでみてください!FC2 同性愛 Blog Ranking

やっぱ愛ダホ!24●2009年の開催地募集はじまる

 5月17日。国際「反同性愛嫌悪の日」に合わせて開催されてきたイベント「やっぱ愛ダホ!」が今年も開催されるとのことで、開催地募集の呼びかけが始まりました。

 当ブログではこれまで、2007年の東京開催2008年の大阪開催、そして神戸での開催の模様を映像でレポートしてきました。糾弾調・絶叫調のいわゆる「抗議型の活動」ではなく、笑顔でリラックスした雰囲気で、不特定多数の人たちとの「出会い型のアピール」として行われている、近年のスタイルが好きです。

●こんな感じでゆるゆると・・・(2007年の新宿街頭より)
  
  

 また、個人的には2006年に、新宿の街頭で行われていた同イベントの第1回開催「Act Against Homophobia」をこっそり見に行った体験が、大きな転機にもなりました。他人のことを「リブの人たち」とかいう乱暴なレッテル貼りをし、自分の「偏見」を棚に上げてわかったような気になって勝手に遠ざけていた、それまでの自分の愚かさに気付かされたという意味で。

■当時の心境を書いた記事(2006年5月)
 LGBT可視化に向けて001●「運動体」への嫌悪と向き合う
 LGBT可視化に向けて002●おさえてしまった気持ち
 LGBT可視化に向けて003●尾辻かな子さんの肩に、のしかかるもの
 LGBT可視化に向けて004●偏見

 ・・・あれからまだ3年しか経っていないのか。ずいぶんと長く歩いてきたような気がしていましたが、「まだ3年」なんだなぁと。この記事を読むと「初心」のようなものを思い出します。この経験がなかったら、その後僕はいろんなことに気付かなかっただろうし、たくさんの人と出会わなかっただろうと思います。そして、いろんなことを「しなかっただろう」とも思います。人生って不思議です。

 それでは広報が開始されている今年のインフォメーションを御紹介。


「地元で愛ダホー(Idaho)!開催地募集のお知らせ」

★今年度の5月17日(Idaho:国際反ホモフォビアの日)にあわせて、Idaho-net.では、街頭アクションの開催地を大募集しています(~4月5日)

★さらに!「多様な性に関する”メッセージ展”」をやりたい方も、大募集です。時期は5月じゃなくてもOK。メッセージや備品の貸出し、宣伝代行など、各地でのメッセージ展開催をお手伝いします(~締め切り無し)

★IDAHOにあわせて、こんなことやったら面白いんじゃない?というアイデアも募集しています(~締め切り無し)

詳細はこちら(http://yappaidaho.blog.shinobi.jp/)。

 Idaho-netの街頭アクションでは、全国各地から集めた「多様な性」についてのメッセージを「ポップなスタイル」で駅前でマイクで読んだり、クイズをやったり、チラシを配ったりします。

 今年の街頭アクション開催地は、新宿、名古屋、浜松、大阪が既に決まっていますが、貴方の住んでいる街でもやってみませんか??「自分たちの住んでる街でもやってみたい」という方が最低3~4人集まればはじめられるように、金銭・物資面でのサポートや、作業の分担(負担軽減)をすることができます。アイデア次第で、街頭アクションの演出方法を変えたり、講演会を開いたりすることもできます。気になった方、まずはメールでご相談を☆。スケジュールや必要な作業について、詳細をご連絡します。

 街頭アクション開催地の締め切りは4月5日。
 ☆連絡先はidaho_netアットyahoo.co.jp

 また、「メッセージ展」では、街頭アクション時に集まったメッセージのうち、許可を得たものを、「展示」という形で発信できます。お近くの図書館や公民館、デパートや男女共同参画センターで、メッセージ展をやりませんか??必要物資や金銭面の援助も、相談に応じます。時期はいつでもOK(締め切り無し)です。助成金の関係で、6月までのほうがサポートがしやすいです。興味のある方、是非ご一報ください!

 ===========
 やっぱ愛ダホ!Idaho-net.
 メールアドレス:idaho_net(アット)yahoo.co.jp
 ブログ:http://yappaidaho.blog.shinobi.jp/



 あと、最近の同イベントの面白さは、全国から寄せられた、多種多様な人々の「メッセージ」に触れられること。そして、それを実際に街頭で読む人の感情やメッセージもあいまって、言葉が生き生きと立ち上がって広がって行く瞬間に出会えることではないかと思います。

 純粋にパフォーマンスとしても面白い。道行く人の中で、立ち止まってしばらく聞き入る人も多く、その言葉がどういう反応を引き起こすのかを、リアルに目の当たりにすることも出来たりします。

  

  

 さて。今年のイベントはどのようなスタイルで行われるのでしょう。今後のインフォメーションにご注目ください。FC2 同性愛 Blog Ranking

たかがテレビ066●「どうなってしまう?テレビの、これから」に見たテレビの落日

 メディア論を考えるのが好きなので。3月21日(土)19:30からNHK総合テレビで3時間にわたって生放送された「日本の、これから どうなってしまう?テレビの、これから」を観たのですが。

 NHK・民放の垣根を越えて、現代のテレビ・シーンを牽引している花形プロデューサーや制作者たちが一同に会し、視聴者と率直に語り合うという企画だったのですが。錚々たるメンツが揃っていながら、結局は「メディア=送り手」「ユーザー=受け手」という発想からは脱却できていないところが、旧時代的に思えて笑えました。

■ちなみに、番組の呼び込みはこんな感じ。(ネット番組表より)

「日本の、これから どうなってしまう?テレビの、これから」
03/21(土) 後07:30 >> 後10:30  NHK総合
[S][H]  ドキュメンタリー・教養/その他

 最近のテレビはつまらない?インターネットがあればいい?視聴者の本音爆発・民放看板番組制作者とNHKのスタジオで徹底討論▽なぜ?テレビを見ない若者が急増中▽茶の間からテレビが消える?ドラマで描く未来の姿▽シャボン玉・8時だヨ・北の国から…お宝映像▽意見募集FAX03(5455)7777(8:45~9:00中断して[N][天]あり)

 メディア関係者と視聴者が「テレビの、これから」を考える。テレビ放送は今、激変の時を迎えている。インターネットや携帯電話の普及、ゲーム機などの出現で、新たなコンテンツ開発やビジネスモデルの開拓を迫られている。地上デジタル放送への完全移行を2年後に控え、テレビの果たすべき役割を探る。パネリストは日本民間放送連盟会長・広瀬道貞、NHK副会長・今井義典、ジャーナリスト・嶌信彦、コピーライター・糸井重里、慶應義塾大学特別招聘教授・夏野剛、構成作家・鶴間政行の各氏ら。

■出演者詳細(NHKサイトより)

民放連会長・・・広瀬 道貞
ジャーナリスト・・・嶌 信彦
コピーライター・・・糸井 重里
慶應義塾大学特別招聘教授・ドワンゴ取締役・・・夏野 剛
日本テレビ「世界一受けたい授業」プロデューサー・・・福士 睦
TBSテレビ編成局長(元「朝ズバッ!」プロデューサー)・・・吉 隆
フジテレビ「新堂本兄弟」プロデューサー・・・きくち 伸
テレビ朝日「相棒」プロデューサー・・・松本 基弘
テレビ東京「ガイアの夜明け」プロデューサー・・・加増 良弘
朝日放送「探偵!ナイトスクープ」プロデューサー・・・松本 修
北海道テレビ「水曜どうでしょう」ディレクター・・・藤村 忠寿
放送作家(「SMAP×SMAP」ほか)・・・鶴間 政行
NHK副会長・・・今井 義典
NHK「日本の、これから」プロデューサー・・・松尾 雅隆

 ユーザーとしての僕が思うに。インターネットの最も多大なる革命は、情報を「受け取る」方法が多様化されただけではなく、ユーザーの1人1人が気軽に誰もが情報の「送り手」として、発信者になれるということにあるのではないかと。そして、個人同士の繋がりだけではなく、不特定多数の他者と、時間や空間を越えて繋がり合ったりできること。そこに喜びを見出せるからこそ、ネット閲覧時間が延びてテレビの視聴時間が減っている。・・・こんなの基本中の基本だろうに。

 そして、そういうハード面での革命こそが、旧来の意味での「プロ」と「アマチュア」の垣根を無くし、情報発信や表現創出における「民主化」が進んでいるというのに。

 つまり現代とは、誰もが「表現する喜び」を簡単に享受できるようになった時代なのです。もちろん、そこには玉石混淆さまざまな質のものが並列に同居し合うことになるわけですが、そのことによって何が「玉」なのか、何が「石」なのかさえ、常に疑われ続けているわけです。時代を切り拓くような新しいものというのは常に、既成の価値観では「石」とされていたものの中から発見されるのですよ。日々、「アマチュア」による「プロ」の駆逐が広がっているのが現代のメディア状況です。

 番組中、そういう側面に触れた人が、まったく居なかった・・・。インターネットについて語る際には「情報を得るための辞書機能」だとか「映像をオンデマンドで見る機能」の側面しか語られず、発信メディアとしてのブログの「ブ」の字もmixiの「ミ」の字も出てこないって、どうなのよ?(笑)

 多くの人が「発信する面白さ」に気付き、日常において少なくない時間を割いて他者と交流し合っているからこそ、テレビなんて見る時間が取れなくなっているし、だからこそ今、テレビ制作者たちの商売が脅かされつつあるというのにねぇ。そのことに誰も気づいていなかったということは、インターネットによる革命の本質を真の意味で理解している人が、この番組に出演した「第一線のテレビ制作者」たちの中に、1人も居なかったということ。狭い世界で自分たちのことしか見えてないんだろうねぇ。

 ちなみに、番組の中で触れられていたデータでは、今の若者(10代後半~20代)の5人に1人(19%)は、既に生活の中でテレビを全く見なくなっているそうです。ネット普及前夜の10年前(14%)と比較すると確実に増えているのだとか。

 もう、メディアの「送り手」「受け手」という区分け自体が意味をなさないものになりつつありますし、その言葉自体、死語になりつつあるのではないでしょうか。テレビ制作者たちは、そのことをよ~く肝に銘じるべきなのではないかと思いました。そうでなきゃ若者たちにますます「つまんないもの」「必要ないもの」として足蹴にされ、スイッチすら入れてもらえませんよ。現代の若者は既に、ただおとなしく情報を「受けているだけ」の状態には、甘んじてはいられない生理を身につけているわけですから。FC2 同性愛 Blog Ranking

工藤静香リスペクト038●YOSHIKIさんの告白。そして「深紅の花」

 3月19日に放送された日本テレビ「NEWS ZERO」。X JAPANのYOSHIKIさんが登場し、かつて父親を自殺で亡くしていたことを初めて告白しました。

●YouTubeより引用~X JAPAN YOSHIKI特集@ZERO
  

 YOSHIKIさんが音楽で表現してきた世界観は、一言で言うならば「孤独という凶器の影と光」ではないでしょうか。独特の厭世感と結びつき、多くの人々に共鳴し続けてきました。それが生みだされてきた原点の一端に触れられたという意味で、感銘を受ける映像でしたし、本人が淡々と語っているからこそ逆に、内面の様々な苦しみや葛藤が浮かび上がっているように思いました。

 さて。

 こういうとき。工藤静香ファン(&研究家)としてはどうしても、YOSHIKIさんのことを「かつて付き合っていた人」として見てしまいます。どうやっても、その感覚だけは拭えません。YOSHIKIさんのファンの方、どうかご了承ください。1994年当時、互いにわりとオープンにしていたようですし、『Blue Rose』でNHK紅白歌合戦に出場した時にも、X JAPANと工藤静香が曲順で「対決」させられたりと、(NHK紅白ってたまに、こういうあざといことするんですよね~)半ば「皆が知ってる公認の仲」として扱われていた時期もありました。

 デビューから6年間。93年の『あなたしかいないでしょ』までのシングルはすべて後藤次利作曲で統一されていた「工藤静香の音楽世界」ですが、94年の『Blue Rose』からはガラッと一新。セルフ・プロデュース期に突入します。ちょうどその時期にYOSHIKIさんと深く付き合っていたわけですし、楽曲の世界観の面でも多大なる影響を与えあっていたようですから、「表現者・工藤静香」の軌跡を語る際には絶対に外せない人なんです、彼は。

 しかし1995年のアルバム『Purple』(名盤!)には早くも「virgin flight -1996-」という曲でYOSHIKIさんとの別離をほのめかすような詩を書いているので、付き合いはそれほど長かったわけではないようなのですが。その後、2人は「作曲家」と「歌手」として再びタッグを組むことになります。

 2000年11月8日に発売された35枚目のシングル『深紅の花』。当時、PONY CANYONとの契約が切れ、歌手活動が事実上停止してしまっており、木村拓哉さんとのサーフィンデートや交際ぶりばかりがマスメディアを賑わせていた頃。「歌手・工藤静香」に継続的な活躍の場を提供したのは、なんとYOSHIKIさんだったのです。

 EXTASY RECORDSというYOSHIKIさん主宰のレーベルから発売されたこの曲は、YOSHIKIさんのプロデュースに全てを委ねて「ボーカリスト」に徹しているからこそ出せたのであろう、素直で透き通ったまっすぐな歌声が全編に渡って冴えわたっており、これぞ「作品」と呼ぶにふさわしい出来だと僕は思っています。

●YouTubeより引用~深紅の花
  

 絶え間なく崩壊していく世の無常に対し、屹立する個。やさしく包み込む母性。闇の中から一条の光を見つけ、歩きだす。

 YOSHIKIさんの表現衝動の根幹には、肉親の自殺という辛い記憶があり、孤独との戦いがあった。そして、「工藤静香」の楽曲世界にも色濃く、同じような孤独が、時として影を落としています。実は彼女、中学生の時にお兄さんを交通事故で亡くしているのです。(幼いころから「お兄ちゃん子」だったと、よく発言しています。)上記で紹介した『Purple』というアルバムには、「Tomorrow's river」という曲が収録されているのですが、どうやらお兄さんに向けて歌われているようです(本人の自作詩)。

 2人にあった共通点。そのことに気付かされた、YOSHIKIさんの告白でした。

 ところで。番組で触れられていましたが、自殺者の遺族というのは、自らが「永久に答えの出ない苦しみ」を抱え込むだけではなく、周囲からのさまざまな偏見や誤解にも悩まされ、そのことを口には出せなかったり、人知れず内面に抱え込まなくてはならなかったりするのですね。

 この長い年月、YOSHIKIさんがこの事実を、表立っては全く「語れなかった」ということ。表現として世の中にぶつけ続けざるを得なかったということ。その重みは想像を絶するものです。また、彼はそういう「吐き出し口」を見つけられたから良かったものの、そうでない人は、いったい・・・。潜在的な「精神的マイノリティ」の存在を発見し、視野が拓かれたように思います。FC2 同性愛 Blog Ranking


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