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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2009-02
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ガス・ヴァン・サント「ミルク」で見る世界003●TV Taroにショーン・ペンのインタビュー掲載

 コンビニで月刊テレビ雑誌『TV Taro』の表紙にショーン・ペンの名前を見かけたのでめくってみたら、映画『ミルク』に関連したインタビューが掲載されていました。そこではまず、半端ではないレベルの役作りへの情熱が語られています。

 「役作りのため『ハーヴェイ・ミルク』('84年制作のドキュメンタリー)を何度も見た。何度もっていうのは、毎日あの映画のDVDをリピート・モードにしてかけっぱなしにしておいたんだ。ハーヴェイの振る舞いが僕の潜在意識に定着するのではないかと思ってね。同じ音楽を何度も聴いていると、そのうち聴いてない時でも自分で歌いだしたり踊り出したりするのと同じだよ」

 また、同記事には「同性愛者の権利に反対してるのは、真の信仰を持ってない人たちなんだ」という見出しが付けられており、次のような発言も紹介されています。 

 「ゲイの権利が問題になるってこと自体がおかしいと思う。それが問題になるのはゲイだって人間だということが分かってないからに他ならない」

 「重要なのは、キリスト教徒の全員が反対しているのではなく、真の信仰を持ってない人たちだけが反対しているってことだ。神とか愛とかとは全く関係ない人たちだ。偽善者たちの憎悪に過ぎないんだよ」

 かつてはマドンナとも結婚していたことがあるというショーン・ペン。つまり「ゲイ」というアイデンティティを持っている人ではないわけですが、こういう風にインタビューの場で堂々と発言できる態度は尊敬に値します。これまで、数々の「ゲイ」を演じてきた俳優が、必要以上に自分はノンケであることをアピールしたり、「これは人間愛だ」と言って問題をボカしてきた態度とは雲泥の差。 『ブロークバック・マウンテン』のヒース・レジャーにしろ、一流の俳優として評価される人はやはり、役柄の精神までもきちんと自らの内面で咀嚼した上で演じるからこそ、観る者の心を打つことができるんですね。早くこういう態度のとれる大物俳優さんが、日本でも出てきてほしいです。

 さて先日のアカデミー賞で最優秀主演男優賞を獲得したショーン・ペンですが、授賞式の場で述べたスピーチの英文が、2月24日付のSankei Expressに掲載されていました。 

I think that it is a good time for those who voted for the ban against gay marriage to sit and reflect and anticipate their great shame. We've got to have equal rights for everyone.

 同性愛者の結婚に反対の票を投じた人たちがじっくりと考えるのにいい機会だと思います。彼らはきっと大変な恥を感じることでしょう。誰にとっても権利は等しくあるべきなのです。

 予想通りアカデミー賞翌日の日本の大手新聞は皆、『おくりびと』『つみきのいえ』の「日本人受賞フィーバー」に沸いており、ショーン・ペンのスピーチまでを詳しく紹介していたのはSankei Expressのみでした。産経系の新聞って「保守的」というイメージがありますが、海外のエンタメ情報記事においては、こうして最も充実した報道を行うことがよくあります。(『ブロークバック・マウンテン』のアカデミー賞レースの頃からそうでした。)国内では保守派の論客の論調を優先的に掲載しておきながら、海外エンタメコーナーではたとえ「同性愛ネタ」でも詳細に報じ、先進性を打ち出す。そんな二極分化したメディアのあり方が、時に面白く感じられます。たぶん産経系を読んでる人たちの方が実は、海外の同性愛関連ニュースには詳しくなっているんじゃないかと思います。

 なんにせよ、今年は映画『MILK』の公開とショーン・ペンという素敵な主演者に恵まれ、これから公開が迫るにつれて日本の一般マスメディアでも盛んに、こうした発言が紹介されることでしょう。超ラッキ~♪FC2 同性愛 Blog Ranking
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パフナイト122★パフでアライさんが洗いざらい~レインボーはセクマイだけのもの?05●わかるってどういうこと?



 ポット出版の沢辺均氏に続いては、クワ犬さんのお話です。クワ犬さんは2008年の夏に、勤務先の予備校にゲイ当事者を呼んでの講演会を開催したらしいのですが、告知の際、当日までは「見えない(インビジブル)マイノリティについて考える」という主旨のイベントとして宣伝を行い、ゲイ当事者が登壇して喋ることを伏せていたらしいのです。その辺の事情について詳しく聞きました。

 (クワ犬さんがこうして率直に語ってくださることを僕は「面白い」と感じるのですが、発言の一部において、そうは感じない人も居ると思います。今回のパフナイトは、あえて本音を忌憚なく語っていただく場として設定しておりますので、ご了承ください。)

07●ゲイ当事者講演会の開催体験談
  

08●わかるってどういうこと?
  

 注:正確に言うとNHKは「LGBT」というタイトルでのシリーズを放送しており、発言中にある「IQ」までタイトルに含めた形での番組制作は行われておりません。

 クワ犬さんが河合塾で開催した講演会の事前宣伝の方法は、様々な制約からそうせざるを得なかったという面もあるようですが、結果的には幅広い人たちにセクマイとの「出会い」をもたらしたという点が、面白いケースだなぁと思いました。

 NHKの番組製作者たちが「頭がいいところでやっている」という指摘は、一理あると僕も思います。クワ犬さんの「わかるってどういうこと?」という問いかけは、その点において重要な指摘だと思います。FC2 同性愛 Blog Ranking

フランスのパックス法(PACS)制定秘話05●マジョリティが受け入れた要因は?



 さて今回は尾辻かな子さんからの質問。「いろんな反対がある中で、(PACS法を)マジョリティの人たちが受け入れた要因は、何だと思いますか?」に対する答えです。興味津々。

09●マジョリティが受け入れた要因は?
  

10●すべての人のための法律
  

 当初は不備がたくさんあったけれども、改正に改正を重ねて、現在では「伝統的な結婚」に近いところまで来ているとのこと。そして、その実績によって反対する人がほとんど居なくなっているそうです。その秘訣はきっと、マルテルさんの次の言葉にあるのでしょう。

 この法律が、ゲイの人たちだけではなく、「結婚」をしたくないすべての人たち・・・結婚はまだ早いと思ってるとか、結婚制度に反対だとか、異性愛の人も含めてすべての人のための法律なんだということを、はっきりと打ち出して、皆のためにこれを入れる(導入する)んだという風にアピールしたというのが成功要因。

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ガス・ヴァン・サント「ミルク」で見る世界002●アカデミー賞W受賞 主演男優賞&脚本賞

 なんだかんだ言って映画関連の賞レースにおいてインパクト&宣伝効果が絶大なアカデミー賞。本日行われた授賞式において、ガス・ヴァン・サント監督の『MILK』がW受賞。ショーン・ペンさんが主演男優賞、ダスティン・ランス・ブラックさんが脚本賞を受賞するという結果になりました。

 ところでショーン・ベンさん。授賞式のスピーチにおいて、次のような発言をしたそうです。

「同性同士の結婚について反対していた人は恥を感じるべきだ。人々にとって平等の権利がある」
★『毎日jp』2009年2月23日付

 すっげ~。これをあんなに注目を集めている表舞台で言ったのかよ!。また、こちらのサイトでは次のように報じています。

 主演男優賞は、「ミルク」のショーン・ペンが受賞。場内はスタンディング・オベーション。それでも名優気取りにならないペンは、「君たち、共産主義のホモ好きなんだね」と反骨精神旺盛な彼らしいジョークでスピーチを開始。

 その後で、友人や彼をサポートしてきた人々、「ミルク」の製作スタッフ、そして監督のガス・ヴァン・サントに謝辞をおくった。政治意識の高いペンらしく、最後は、同性愛者の結婚を禁じるカリフォルニアの条例を支持した人々を非難すると共に、素晴らしい大統領を選んだことを祝福するメッセージでスピーチをしめくくった。(文:荻原順子)
★『ハリウッドチャンネル』~「【アカデミー賞】主演男優賞を獲得したショーン・ペン、政治色の強いスピーチ」

 アメリカの俳優さんって自らの政治的な立場を公の場で表明することへの敷居が低いんですね~。さっそくYouTubeに授賞式の様子がアップされているのを発見しましたのでご紹介。

●Sean Penn - Best Actor (81st Academy Awards)
  

 なんか「最優秀賞」の発表前なのにも関わらず、最後のところであまり「溜め」がなく、さっさと(スッキリと!?)発表されたところにズッコケました(笑)。しかも発表された直後(数秒後!)に、こんな気の利いたスピーチが出来るなんて・・・すごい心臓の持ち主。謙遜してるけど、実は自信があったのかもしれませんね。

 さてさて。おそらく日本のマスメディアでは、こういう時に「日本人がっ!」と大騒ぎするのが定番ですから、外国語映画賞を受賞した『おくりびと』と短編映画賞を受賞した『つみきのいえ』でしばらく話題は持ちきりになることでしょうが、GWの日本公開に向けて、『ミルク』の日本での配給会社は「これ以上ないほどの」宣伝材料&「箔」を手にすることができたわけですね。さてヒットに結びつきますかどうか。FC2 同性愛 Blog Ranking

パフナイト121★パフでアライさんが洗いざらい~レインボーはセクマイだけのもの?04●「反差別原理主義」への危惧~ポット出版・沢辺均氏



 21世紀になってから日本の出版社の中で、飛びぬけた種類の「セクマイ関連」の本を出版してきたポット出版。代表である沢辺均さんは2007年の尾辻かな子さんの選挙の際に「選対本部」メンバーを務めたりしてこられました。
 
 なぜ、そこまで深く関わるようになったのか。この機会に、じっくりとお話を聞いてみたいと思いました。きっかけは2000年に復活開催された東京レズビアン&ゲイパレード(当時の呼称)にあったようです。

05●ポット出版のやり方
  

★映像の中で言及されているポット出版の本
『パレード―東京レズビアン&ゲイパレード2000の記録』

『カーミラ―女の子と女の子のためのオカズ本 (Vol.1)』
『カーミラ―女の子と女の子のためのオカズ本 (Vol.2)』
『カーミラvol.3 女の子と女の子のためのオカズ本』
『カーミラ Vol. 4 女の子と女の子のためのエロチックブック』
『カーミラvol.5 女の子と女の子のためのエロチックブック』
『カーミラvol.6 女の子と女の子のためのエロチックブック』
『カーミラvol.7 女の子×女の子のためのエロチックブック』
『カーミラvol.8 (女の子と女の子のためのエロチックブック)』
『カーミラvol.9 女と女の恋とSEX 』
『カーミラVol.10 レズ検定』

『クィア・ジャパン・リターンズ Vol.0 Generations / Realities 』
『クィア・ジャパン・リターンズ Vol.1 』
『クィア・ジャパン・リターンズ〈Vol.2〉生き残る。』

06●「反差別原理主義」への危惧
  

 実は僕、2007年の尾辻選挙後のショックからまだ自分が立ち直っていない頃。2~3か月かけてじっくりと、一連のポット出版が発行してきた書物を読み漁った時期があります。

 特に、伏見憲明さんが90年代から書かれてきた書物が『ゲイという「経験」』という分厚い書物にすべて集まっているため、年代順に読んでみた経験が、当時の自分にとってはとても大きかったです。

 実はそれまでの僕は、伏見さんの本を意識的に避け続けて、あえて読まないようにしていました。書店のセクマイ関連本コーナーに行けば、必ずや多数、置いてある伏見さんの本。素人目にも「あ、この人がいわゆるゲイの言論人としてはトップとして扱われているんだろうな」ということはわかります。僕は基本的には天の邪鬼気質なもので、「だったらあえて読まないでおこう」と思ったんです。

 たぶん、早いうちから読んでしまうと多大なる影響を受けてしまうだろうという「危惧」のようなものを感じたんですね。教科書のようなものとして精神の中に屹立してしまって、自分がそこから抜けられなくなるだろうと。それよりは、歩みが遅くても遠回りしてもいい。自分の頭と身体を使って「ゲイであること」を考えたかったんです。

 しかし2007年の選挙後の秋。何故だかむしょうに読みたくなって、一気に読みました。結果、「それまで読まなくて正解だった」と思いました。そして、いい時期に読んだと思いました。ちょうど、いろんなことが自分の経験と重なり合わさって、実によく理解できてしまうような爽快感があったんです。しかし同時に、理解できないことや反発心を覚えること、そして「だったら自分はこういうことにこだわって行きたい」と感じることを、たくさん見つけられたんです。単なる知識の吸収のための書物ではなく、ちゃんと「反発心を引き起こす書物」としても機能していた。それって、すごく大事なことだと思うんですね。

 「伏見本読書前/読書後」において、なにかが大きく変わるということは、言えるのではないかと思います。まだの方は勇気を出して、ぜひ一度お試しを。FC2 同性愛 Blog Ranking

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